平成18年2月1日更新

第15回:平成18年2月1日 学習内容授業の運営方法学習課題(予習、復習)課題の解答今日の一言

学習内容

科学技術に関する社会的合意の形成
内容例
・社会的合意形成の手法(コンセンサス会議、サイエンスショップなど)に関する解説

授業の運営方法

・パワーポイントやOHPを用いた講義
・ビデオを使った解説

学習課題 予習・復習

・日本で行われているコンセンサス会議についてインターネットを使って調査する。


課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は本田の補足ないしはコメントです)

Q.1. 原子力発電に賛成ですか?

A.1.

1.賛成する( 29名 78%)
→理由は?

・ 原子力発電が無くなると電気が足りなくなると思うから.
・ 核廃棄物は危険だが,それ以外は環境に害を与えないから.
・ 原子力発電を止めれば,日本の電力は成り立たないと思うから.
・ 賛成せざるを得ない状況だと思う.生きていく上で必要なものになっているから.
・ エネルギー供給の効率が上がるから.
・ エネルギーを確保するため.
・ 原子力発電の力はこれからの生活に不可欠になるはずだから.放射性物質の処理など問題が多いが,そこを考えればいいものになるだろう.
・ 化学燃料を使わずに電力を生み出すことが出来るから.
・ 確かに危険ではあるけど無いと生活できない.
・ 日本のようなエネルギーの少ない国でも多くのエネルギーを得ることが出来るから.
・ 日本の発電の多くを原子力に任せているから.
・ 原子力発電は今の発電の要となっている.
・ 生活に必要なエネルギーの多くを担っているから.
・ 安全性を重視し,今後もそこに重点をおけばいいはず.
・ 無ければ私たちは生活できないため.しかしリサーチペーパーを行って思ったが,いづれは自然の力を発電に変える風力発電,太陽発電が1/3を占めるようになって欲しい.
・ 電気の大半を原子力発電が担っているので,無くなると電気代が高くなりそう.
・ ハイリスクではあるが,かといって原子力によってまかなわれているエネルギーを他のもの(おそらく火力)によってまかなうのは,非現実的.技術の進歩に期待するしかない.
・ 完全に賛成というわけではないが,これからの人類には必要になってしまうと思う.悪い面への対応が重要になってくると思う.
・ 日本は資源に乏しい国であるし,原子力以外の発電方法が日本ではとりにくいので.
・ 化学燃料の減少により,少ない原料で大きなエネルギーを生み出せる原子力は必要である.
・ 大量のエネルギーが原子力発電によって供給されているため.
・ 取り扱い,処理,管理が正しく行えるなら.
・ 日本の電力総消費量の約3割も発電するという程なので.
・ 電気の量が足りなくなるので,原子力発電は必要だと思う.
・ この方法が1番電気をつくることができるから.
・ 電力をほとんどまかなえるから.
・ 環境と人材を十分に使えば安全だから.
〔多くの人が原子力を受け入れることを容認していますね.確かに生まれ落ちた社会にすでに原子力が存在しており,その恩恵にあずかっていることを認めるならば,原子力に反対することは難しいのかもしれません.ただし,原子力の恩恵を得ているのは我々の世代だけであって,そのリスクを背負うのは未来の子孫たちだということを忘れてはいけませんね.〕

2.反対する( 8名 22%)
→理由は?

・ 負の影響が多いので,止めた方が良いと思う.
・ もちろん現代には欠かすことのできないのは承知の上だが,もんじゅ事故などの事例もあるのだから必ず安全だと言い切れるまでは使用しない方が良いと思う.
・ リスクの問題より.
・ エネルギー効率を考えると賛成するが,私は安全面を第一に考えているため,被害が出すぎる原子力発電は反対である.
・ 原子力発電は安全かもしれないが,安心はできないから.
・ 事故が起きたときのリスクが大きすぎる.
・ エネルギー供給できるとしても,安全性に問題があると思うから.
・ 失敗したときのリスクが高すぎる.
〔原子力発電所の事故は確かに致命的です.戦争にでもなって,発電所を空爆されれば大量の放射性物質が巻き散らかされ,列島中の生物に甚大な被害がでるでしょう.しかし,反対するならば対案を考えねばなりません.原子力発電を行わなくても満足した生活を続けていくためには,大規模な意識改革が必要でしょうね.あるいは風力発電や太陽電池などのテクノロジーを発展させなければならないかもしれません.〕


Q.2. あなたは音楽家です.最近,耳の調子が悪いので大学病院に行ったら専門医に「放っておくと命にかかわるので手術します」と言われました.でも,その手術をすると聴力が大幅に低下します.他の治療法について聞くと,幾つかの中から最善の治療法を提示したと言われました.あなたはどうしますか?

A.2.

1.専門医の言うことなので納得する ( 9名 24% )
(手術を受ける)

・ わざわざ悪い治療法を提示してくる医者もいないと思うので. 
〔専門家は信頼するに足るという意見ですね.〕

2.自分でも調べて見る  ( 27名 73% )
(納得してから決断する)

・ 同じ専門の医者にもみてもらう.
・ 一生のこと.しかも自分の仕事に必要なものなのでやれるところまではやる.
・ 医者は正しいのかも知れないが,人生に関わることなので自分が納得するまで調べて,その後手術すべきだと思う.
・ 医者が納得した治療法より自分が納得する方法が良い.
・ 医者とはいえ他人であるため,やはり自分で納得がいくまで考え,相談しながら決断する.
〔専門的な知識がなくても,自分のことは自分で決めるという意見は,つい最近になって常識になってきました.皆さんの世代では,このような考え方がさらに強まってきているのかもしれませんね.〕

無回答 ( 1名 3% )


Q.3. 米国からの牛肉輸入がそろそろ再開されそうです.専門家(科学者たち)は安全性に問題なし,と言っています.というわけで,Y野屋の牛丼の販売が明日再開されるとします.牛丼好きのあなたはどうしますか?

A.3.

1.安全性が確認されたので食べに行く( 14名 38%)
→理由は?

・ 専門家が安全としているし,販売されるので食べに行く.
・ 自分では確認しずらい安全性だし,何より自分が食べたいから多少のリスクはいとわない.
・ 一応安全は確認されているから.
・ 好きだから.
・ それほど危険性を感じないので.
・ そこまで好きであれば,多少のリスクはあっても食べに行くと思う.
・ 安全だと分かっているので食べる.
・ 多分この情報を聞いた時点で特に何も考えずに行くと考えられるから.
・ 新聞やニュースでやってる以上のことはどうせ調べても専門的過ぎて分からないので,心配してたら永遠にいけない.ダメだったらその時はその時.
・ 多少のリスクはあるだろうが,好きというなら食べに行きそう.
・ 狂牛病になる確率の方が低い,多分食べに行く.
・ やっぱり,欲には勝てないだろうと思う.
・ 好きだから.テレビでは,だいたい安全であると言っていたから.

〔リスクを負っても好きなものを食べるというのならば,誰も反対しないと思います.〕

2.「本当に安全?」と模様眺めをする( 19名 51%)
→理由は?

・ 安全とは言われても,信用できないので,しばらくは様子を見ると思う.
・ 別に牛丼は違う店で食べればいいから.
・ BSEは恐ろしい病気だから.
・ 安全性をわかりやすく数値化してほしい.
・ 前にあれだけ危険だといっていたのに本当に大丈夫か不安だから.
・ しばらく様子を見る.
・ 安全と安心は違うから.
・ 石橋をたたき割るくらいの勢いで.
・ すきやではオーストラリア産の肉を使っているので私は安全性がより確かなすきやに行く.
・ BSE以外の問題は?
・ 時間が経てば明らかになると思うので,もう少し待ってみる.
・ 安全だと言ってても安全では無い物も世の中にはいっぱいあるから.
・ やはり安全と言われても,今まで危なかったものを食べようとは思わない.
・ 最近,輸入された牛肉に危険部位が紛れ込んでいた事件があったので.
・ 1回失敗してるから.
・ 米国産は信用できない.
・ アメリカと日本の安全とでは違う.
・ 専門家は100%信頼できるとは限らないから.
〔こちらはリスクを明確に示せていないということを問題視しているようですね.どんな好きな食べ物でも,病気の原因になるのなら食べない方が無難かもしれませんね.〕

無回答 ( 4名 11%)


今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は本田の補足ないしはコメントです)

・ ねむいデスぅ.〔←リサーチペーパーお疲れ様!〕
・ 素人の意見はすごく意味がある.〔←同感.皆さんも生活者の感覚や視点を失わずに専門家になって下さいね.〕
・ ちょっとの心配があるなら行わない方がましという事がわかった.
・ 非専門家の意見が大切なのがわかった.
・ 非専門家の意見も大事だとわかった.
・ 色々な立場からの意見が必要とされていることがわかった.
・ リサーチペーパーで徹夜して眠かった.〔←お疲れ様〕
・ 文章をまとめるのが苦手や.〔←一度に上達はしませんよ.練習すれば必ずうまくなります.〕
・ 私は牛肉より豚肉の方が好きなので牛肉の復活が遅れても全く問題ない.
・ 両立.
・ 疲れた.
・ 技術者は難しい.
・ リサーチペーパーを無事に出せて良かった.
・ 喫茶店なのに科学者がいて,話をするのは面白いと思う.
・ Qが多かった.
・ Cafe Sientifiqueは面白いと思った.
・ ビデオを見た.内容を把握していたためよくわかった.
・ いつもより穴埋めが多いと思った.
・ 技術者は,様々な事をしなくてはいけないので大変だ.
・ 物事には多種多様な意見や考え方があるのだからこれらを軽く見ないで,有効に使わなければならないと思った
・ 両面を持ち合わせるのは難しいことだ.
・ スペースシャトルを作るにも飛ばすにもお金がたくさんいるから,失敗はしないようにして欲しいと思った.
・ 非専門家がもっと積極的にならなくては.
・ 未だにスペースシャトルのリングは使用されているのでしょうか?使用されているなら,現在も低温に弱いのでしょうか?〔←調べてみたのですが詳しい情報が手に入っていません.当然改善策は講じたはずです.NASAは事故の後2年間は打ち上げを控えて,問題点の改善に努めたそうです.具体的な対策の方がどうなっているのか,調査してみます.〕
・ 専門家の言うことを絶対視することは確かにできないが非専門家は最後には結局話が理解できなくなるので,兼ね合いが難しい所.〔←そうですね.詰めの部分でファシリテーターとかインタープリターというような立場の人達が活躍することになるのではないでしょうか.〕
・ 専門家と非専門家の協調性が必要だ.
・ 市民感覚の必要性が少し分かった.
・ じぶんが 会議に参加するのはめんどくさい.
・ 科学技術には市民の声も必要だ.〔←そうですね.政策全般に市民の意見が反映されれば,風通しのよい社会が生まれるでしょう.〕
・ 専門家が見逃していることに意見を言えることは有効だと思った.
・ 専門性にこだわっていると逆に足をすくわれることがあると感じた.
・ 疲れた.〔←お疲れ様〕
・ 新しい考え方を学んだ.


授業の様子は、<http://www.page.sannet.ne.jp/h_nishi/>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。


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