平成18年2月13日更新
第18回:平成18年2月13日 学習内容/授業の運営方法/学習課題(予習、復習)/課題の解答/今日の一言
まとめ
・21世紀の高度技術社会における科学技術者の社会的・倫理的責任に関する解説
・高度技術社会における科学技術と社会の関係
・科目全体のまとめ
・期末試験に関する質疑応答
・OHPなどを用いた講義
・クラス討議
・予習:科目全体に関する質問事項を考える
・本科目と本学の教育・学習目標との関係に関するレポートを提出する。(180分)
課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は、本田の補足ないしはコメントです)
Q.脳死は人の死だと思いますか?
A.
1.人の死だと思う( 19名 54%)
→理由?・死と書かれているから。
・考えることができなくなるから。
・考えられなくなってしなうから。
・自分の意識がなくなるのは死と同じ。
・もう動かないから。
・そういう風に割り切らないとつらい。
・人は一人で生体活動ができなくなったら死だと思う。
・脳が働かないと人間は考えないし、動けなくなるから。
・行動することができないから。
・もう人間として機能しないため死だと思う。
・意思を表示できないから。
・脳が死ぬと活動できなくなるので。
・動いてないから。
・心臓が止まっていても、脳が生きている場合は助かるかもしれないが、脳が死んでいるのに助けることはできないと思う。
・人は考え、行動し、意識がはっきりし、感情があることを“生きている”というと思うため、何も感じないのは“死だと思う”。
・もう動けないから。
・考えられなくなったら、終わりだと思うから。
・その人はもう何も感じること、考えることが出来ないため。
・心臓が動いているかいないのかの違いだけで、もうその人の人格が死んでしまっているから。2.人の死だと思わない( 14名 40%)
→理由?・意識が無くても心臓が動いている限りいつか意識が戻るかもしれないから。
・おそらく、身近な人が脳死状態になったとして、「死にました」と言われても、素直に受けることができないから。
・人の死だと思わない。目を覚ます可能性が少しはあるから。
・心は死んでいるかもしれないが、体はちゃんと生きていると思う。
・脳は死んでも、一部の細胞は生きているから。
・今は脳死を治すことはできないが、将来治すことができるかもしれない。
・一応生物学的には生きているのだから、死とは言えない。また、絶対意識が回復しないとは言えない。
・体はちゃんと機能しているから、もしかしたらまた生き返るかもしれないし。
・確かに脳は死に、意識は無いけれども、心臓が動いている限り死とは認めたくないし、死んでいない。
・意識は無くとも心臓は動いているから。
・脳死の基準が分からない。また目を覚ます可能性があるのではないかと思うため。
・脳死しても、体はまだ生きているから。
・脳死してもまだ人間の存在価値はあると思ったから。無回答 2人 6%
〔ほぼ意見が二分されましたね.それぐらい脳死という概念は曖昧なものなのだと言えます.実際に脳死と判定された人が回復したという例もあります.しかし,移植を待っている人たちが多いのもまた事実です.脳死の問題は,我々の生活習慣を揺さぶる大きな問題なのだと言えると思います.〕
今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は、本田の補足ないしはコメントです)
・医療の話が多かった。
・人間がどんどん悪い方向に進んでいる気がした。
・脳死の判断は難しい。
・科学技術と倫理について教えられた。
・やはり脳死についての問題を明確にすべきだと思った。
・たった60年程度で、遺伝子技術がとても発達しているというのが信じれなかった。
・リサーチペーパーでリサーチした内容だったので、興味を持った。
・遺伝子とはむずかしく、幅広いと思った。
・クローン技術についてとても興味があった。話の中で、人がすでにクローン技術で人間を作ったというのがあったが、私にはそれは現時点ではありえないと思う。
・遺伝子工学は人がもっと成長してから使うべきかもしれない。〔そうかもしれませんね.我々は自分の生み出した自然科学を使いこなせるほどには,倫理や政治の文化を成熟させていないのかもしれません.〕
・倫理的問題が多いと思った。良心が痛む話が多い。
・遺伝子技術はすごい。
・死とは何かということを考えた。
・青いバラを見てみたい。
・いろいろ問題がある。
・精子バンクの精子はいくらで取引されているのだろう。
・そんな未来がきたらいやだと思った。
・科学で命を使うのはあまりいいことではないと思う。
・脳死かクローンについての割と問題が少し分かった。
・やはり、遺伝子をいじるのは良くないと思った。
・医療の進歩は恐ろしい。
・技術の進歩はすごいと思った。
・リサーチペーパーで調べたので、知っていることが多かった。
・クローン技術のすごさに驚いた。
・よく考えようと思った。
・首から上が無い生物が生まれたら怖いと思った。
・自然の死が一番安心できる。
・遺伝子は受け継ぐものだから、そこだけはいじらない方がいい。
・遺伝子関係は線をはっきりさせることが大事だと思う。
・神の領域を侵すそのリスクは大きい。
・考えもしなかった問題が多くあることがわかった。
・脳死は怖い。〔考えもしなかった問題が生じているという指摘がありましたね.そこが科学技術者の責任と大きく関係しています.最新テクノロジーは,それまで一般市民が考える必要も無かった問題を生み出します.遺伝子操作が出来るようになったことで考えなければならなくなった問題は何だったでしょうか.「脳死」という概念を生み出したのは,生命維持装置とか免疫抑制剤を含む移植医療技術だったのではないでしょうか.テクノロジーは人類が数千年かけて作ってきた生活習慣を20〜30年で破壊してしまう強烈な力を持っています.皆さんのような理工系学生は,否応なくこの強烈な力の一部を担うことになっていきます.そこで,自分が作り出そうとしている新たなテクノロジーの意味や,それが将来引き起こす影響についても考えていって欲しいと思います.工学を単純に理数系専門科目だと思ってはいけません.金工大の卒業生はそれを理系と文系の融合領域だと認識しておいて欲しいと思います.〕
授業の様子は、<http://www.page.sannet.ne.jp/h_nishi/>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。