平成18年9月8日更新
3VE1クラス
第6回:平成18年9月8日 学習内容/授業の運営方法/学習課題(予習、復習)/課題の解答/今日の一言
・スペースシャトル・チャレンジャー号の爆発事故に関する解説(続き)
・グループディスカッション
・PCおよびOHPを用いた講義
・6名程度のグループを作り、役割を決めた上でのグループディスカッション
・予習:個人としてのレスポンスシートの作成と提出(30分)
・復習:グループディスカッションの結果のまとめ(30分)
課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)
Q.チャレンジャー号事故のビデオを見た、その最初の印象は?
A.(あくまで最初の印象ですので、コメントは控えめにします)
・MT社は、上からの圧力に負けてたし、せきにんをとらされるはめになってふんだりけったりだった。
・MT社はNASAからの圧力があったために打ち上げに同意してしまっていたのだと思う。技術者は危険があることが分かっていたのに、受け入れてもらえなかったのはとても残念なことだと思う。
・MT社も苦渋の判断だったと思うが自社の技術者の意見を尊重すべきだと思う。私は打ち上げるべきではなかったと思う。
・NASAは事故が起きる確率をあまりにも安易に見ていた。あきらかに責任はNASAにあると感じた。モートン社の訴えが届かなかったのが残念
・NASAやMT社、技術者それぞれいろんな思惑があったため事故がおきてしまったのだと思う。一番だいじなのはパイロットの命だと言うことを考えなければいけなかったと思う。
・NASAや下請けの会社は経営のために打ち上げをせざるをえなかったのだと思うが、人の命が危険にさらされることを真剣に考えていなかったのではないか。
・NASAを打ち上げるのにこれ程までの時間と問題があったとは思わなかった。何気なくニュース等でNASAの打ち上げ成功といったのを見たときは何とも思っていなかった。しかし、このビデオを見て、NASA打ち上げの大変さを改めて知ることができた。 [なるほど]
・いくら経営のためだからといって、人の命がかかっているので、ボジョレーはどんな手を使ってでもとめるべきだったのではないかと思う。 [一つの意見ではあると思います。次回の発表で似た意見が出るでしょうか?]
・いろんなところから圧力がかかってMT社はかわいそうだ。
・エンジニアとしての責任が重要だということがわかった。前にドラマで「事件は会議室で起こっているのではない。現場で起こっているんだ。」という台詞の意味がわかった。 [湾岸署、ですか?]
・エンジニアの言う事を信用するべきだったと思う。
・オーリングを作った会社は板ばさみの状態でとても苦しかったと思う。発射に賛成しても反対してもこの件に関する仕事ははずれくじだったと思う。 [o-リングを作ったのは別な会社でしょうから、ここではそれを使ったMT社のことですね]
・こういった上からの圧力などの問題は今になってもたくさんあり、技術がいくらあってもこのような問題をなんとかしないと同じようなことの繰り返しが起こってしまいそうだと思う。
・その時の立場で何をしなければいけなかったのかというのは、あの事があったから分かることでもし失敗していなかったらあの決定を問題視する人がいたのだろうか。 [次回の発表も、私たちの知っている結果は抜きにして考えましょう]
・それぞれの立場を思うと苦しい結果だ。
・なぜNASAはあそこまで急いでまで打ち上げを行わなければならなかったのかが、疑問である。
・ふせげる事故ならふせいでほしかった。
・プロジェクトを進める時に妥協や過信は命取りになる。技術者は、自分の責任や誇りと組織の圧力との葛藤があると思った。 [そうですね]
・ボジョレーはもっと行動をおこすべきだった。 [上記参照]
・もう少し調査を行って打ち上げにのぞんでいれば、チャレンジャー号の爆発は防げたのではないかと思った。 [具体的なデータを示せなかったのは大きかったですね]
・やはり打ち上げるべきではなかったと思いますが、小さい組織は大きい組織に支持されると何も言わずしたがわなくては会社としてやっていけないのでしかたがなかったと思う。
・ラリー・ムロイさんは自分がスペースシャトルに乗るという気持ちを持ち、打ち上げを延期させるべきだと思った。 [面白いアイディアですね。授業の中で考えましょう]
・ランドは、少しでも不安があるのなら、最後まで反対すればよかったと思います。
・宇宙に行くことはそんなに大事なことなんだろうか?
・会社のためよりリスクのほうがかなり高かったはずなので打ち上げを賛成したのは間違いだった。
・技術者が経営者にまけると非常に危険な事態となる。やはり、現場がゆうせんされるべきだ。
・技術者としてまず安全性を考えるべきだと思う。事故がおきてからでは遅い。
・技術者と経営者の考えるべき点の違い悩みの違いが生んだ事故だと思った。事故の危険性の証明の難しさが…。 [最後はその通りですね]
・技術者の判断によって大変なことになることがよくわかった。 [この段階で一番大切なことをご理解いただけたようですね]
・技術者の帽子をとって経営者としての帽子をかぶったらどうだ。この発言は考えさせられた。 [そうですね]
・技術者は過去のデータなどからも調べ今回はどうかなどを判断しなければならないのはすごいと思った。
・客観的に見ればどうすることが正しいか簡単なことだが、実際にその人の立場に立ってみると、なにが正しいかわからなくなるのかもしれない。
・金のことにばかり目がいき、本来一番重視しなければいけない人の命を、軽く見ていたのではないかと思う。
・経営のためとはいえ、技術的に問題があったのだし許されることではない。
・経営者の立場も分かるが、結果的には打ち上げ成功[=今回は打ち上げを見送り、問題解決後に再度打ち上げるなど]ということを最も考えなければいけないのではないかと感じた。
・結果から考えると打ち上げない方がよかったがNASAやボジョリーさん達の打ち上げなければならなかった気持ちがわかる。
・結局は上の者の利益だけでもの事が決まってしまうのだなと非常に残念に思った。
・現場で活動しているエンジニアが打ち上げに対して失敗すると感じていたので、NASAが何を言っても打ち上げるべきではないと思った。
・現場にいる人たちをムシし幹部だけで意見を決定するというやり方に疑問を感じた。
・個人では何もできないんだと思った。 [以上のご意見については、次回ちょっと考えてみましょう]
・銃口全てに玉をつめて打つ、ロシアンルーレットという言葉通り、失敗すると分かっている打上げに、何の価値もない。
・人の命がかかっているのだから、経営者として考えるべきではなかった。
・人の命に関わる事で手抜きは許されないことだと思った。あのまま打ち上げが成功していたとしても同じ過ちを繰り返していたと思う。
・人の命の重さを認識し、もっと自分の意志を貫くべきであった。
・人命より会社などの利益を追求したことに驚いた。副社長などの打ち上げにGoサインを出した経営者たちがあのスペースシャトルに乗ることができたのか聞いてみたい。 [上記のご意見と同じで、面白い着想です。講義の中でぜひ考えてみましょう]
・人命を優先するなら打ち上げするべきではなかったと思った。
・前日行われた会ぎで、あぶないとわかっている人がいるにもかかわらず、打ち上げに全員さんせいだったのが悲しい話だ。
・全てはNASAが悪いと思った。ランドという人も、多分社長からおどしのような言葉をかけられ、やむを得ず賛成したのだと考える。
・組織に逆らえない重圧は幹部を苦しめたろうが、最終的に考えればこの事故は防ぐ事ができたと思う。
・組織に所属していると個人の意見はかき消されてしまう。個人の意見や主張を大切にしなければならない。 [この講義の中で考えてみましょう]
・大きな組織の中では、正しい事を言ってもその意見が通らないことが多いということを改めて知った。 [もしそうなら、どうしましょうか?]
・利益を優先するがために起きた事故で、けっして個人の責任ではなく、組織で仕事をする難しさを思い知った。 [重要な点をご理解いただいたようですね]
今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載
・DVD見[ら]れてよかった [印象に残る映像だったでしょ?]
・NASAについてより深いことを知ることができて [続きはありません。文章の途中で切れています]
・グループ会議が新鮮でよかった [でしょ?]
・たのしいな。 [こちらも。たぶんビデオより議論が、でしょうね]
・チャレンジャー爆発事故の話は知っていたが映像は初めて見た。言葉が出ないほど悲惨な光景だった。 [技術者になるってことはそれほど大変で、そしてやりがいのある仕事なんですね]
・つかれた
・つかれた。 [以上、各科目の宿題などが溜まってきているようですね]
・ばくはつがすごいです [当時、ニュースで何回も見ましたがショックでしたね。ブースターロケットがそのまま飛んでいたので、最初はブースターのせいではない、と言われていたのです]
・ビデオがおもしろかった。 [おもしろい、というより「印象が強い」などの意味でしょうから、誤解を招かないように別な表現を考えましょう]
・ビデオはかなしかった。 [そうですね。落下していった一番大きな物体が操縦室だと思われます]
・寒かった。 [やはり窓側は寒いですよ]
・広報ヤダ
・広報担当になってしまった。 [以上、広報担当の皆さん、がんばってプレゼンしてみてください]
・今日の問題は特別むずかしかった。 [知らないことに挑戦する予習ですからね。その分、少しずつ実力がついていっているんですよ]
・少し集中できなかった。 [どうしたのかな?]
・難しい… [議論が?]
・爆発した… [すごい映像でしたね]
・発射した後に爆発したのには驚いた。 [そうですね。でもロケットの失敗って、多いんですよ]
・班の意見がすばらしい。 [その成果をぜひ次回!!]
・普通の授業よりよかった [ありがとうございます......でも、それじゃぁ、いつもの授業が......(もちろん冗談ですよ)]
西村が担当する授業の様子は、<http://www.page.sannet.ne.jp/h_nishi/>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。