平成18年5月25日更新

第11回:平成18年5月24日 学習内容授業の運営方法学習課題(予習、復習)課題の解答今日の一言

学習内容

科学技術と環境2
・内容例(水俣病、イタイイタイ病などの公害、地球温暖化、京都議定書などに関する解説)

授業の運営方法

・OHPなどを用いた講義
・学生各自が選んだ公害の事例に関する口頭発表
・ビデオを使った解説
・期末試験用のスタディ・クエッションを配布し解説する。

学習課題 予習・復習

・予習:公害の事例を各自ひとつずつ調べてくる。(発表できる程度に準備をする。) (120分)


課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。〔 〕内は金光の補足ないしはコメントです)

Q.あなたは水俣病が公的に知られるようになった時の当事者チッソの社長だったとします。原因は確定されていなかったと仮定して(これは歴史的には事実ではありません)、どうやら自社の排水が水俣病の原因らしいと考えていたとします。社長としてあなたはどうしますか?

A.授業でお話したとおり,現在はこのような状況の場合、「予防原則」という考えが取られます。しかし、2と答えた人の意見にあるとおり、抜本的な対策を取りたいけれど現実にはなかなかそれが難しいという状況もあると思います。どちらが正解という性質の問題ではありませんが、自分が当事者だったらという視点から考えてみることは非常に大切なことだと思います。

1.原因は未確定であるが、お金のかかる抜本的な対策を取る 12名(63%)
2.原因が確定していないので,そのまま操業を続ける     5 名(26%)
※ 無回答 2名(11%)

1.抜本的な対策を取る

・原因がはっきり確定していないまでも水銀が危険なものであるのは、常識である。2の対応でも、いいかもしれないけど、後々めんどう〔=面倒〕になるよりはましだと思う。
・早めに点検して排水の状況を確認し、抜本的な対策を取る。
・少しお金がかかっても、周囲の人の為にも多少手間をかけることが必要である。
・自社じゃなくても、少しの疑いがあれば調べるべき。早めに処理しなければ、大きな問題になりかねない。

2.そのまま操業を続ける

・1にしたいけど社長だったらできないと思う。
・続ける。続ける内に〔対策を〕やる。それに多数の社員をかかえているから。


今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。〔 〕内は金光の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載

〔今日は,水俣病の解説を聞いての考え,あるいは水俣病に関するビデオを見た感想を書いてもらいました。個々の意見へのコメントは控えます.〕

・水俣病の恐ろしさを新めて〔=改めて〕認識した。政府の対応の遅さは、今も昔もあまり変わらないのだなと思った。
・聞くのと見るのでは全く違い、ネコの狂った姿はとても不気味だった。重要性の認識という点では分かるが、朝一で見るべき内容ではないと思った。
・あまりいいことではないが、その時の水俣に生まれなくてよかったと思った。今チッソがまだ続いていると聞いて不思議に思い、少し調べようかと思った。
・公害は人による害であり、人を含めた自然破壊であることが分かった。現在、対汚染用の設備が大抵の工場につけられているが、人がやることには失敗がつきものなので、今後起きるかもしれないのではと思う。
・科学技術者を目指す者として、考えなければいけないことが具体的には思いつかないがたくさんあったと思う。
・明日は自分も加害者や犠牲者になりかねないのできをつけよう〔=気をつけよう〕と思った。
・科学技術は取り返しのつかないことにつながるかもしれないという事を知った。
・水俣病の背景を聞いて、予防原則が大事だと思った。
・水俣病は恐ろしいと思った。
・ホント〔=本当に〕ひどいなと感じた。原因が分かっていながら、10数年間隠すのはひきょう〔=卑怯〕である。
・人の人生を〔=の〕すべてを取ったチッソは最悪。堀江よりも最悪。
・昨今、CSRが重要視される理由の1つが今回のビデオにあると思った。今でも経営しているチッソの図々しさは色々な意味ですごい。
・人は金が一番
・チッソ最低
・水俣病患者のドキュメンタリーを初めて見た。鳥肌が立ち、寒気がした。被害者をあきらかに〔=明らかに〕弱い立場において会社の誠意を示さなかった。
・実際に水俣病について知り、すごい公害だと思った。チッソの対応はやはりまずかったと思う。
・水俣病の看者〔=患者〕を作り出したのが同じ人間だと考えたら人間はとっても恐い生き物だと思った。人間が人間の自由をうばって〔=奪って〕しまうなんて最悪だと思った。
・勉強になりました。
・水俣病と、工場の争いが、まだ続いて〔い〕ることにおどろいた〔=驚いた〕。

〔皆さんのコメントにもあるように,見ているのが辛いビデオだったと思います.しかしあの患者の姿が事実であり,現実なのです.同じような過ちを犯すことのなくなったときにはじめて,水俣病が終わったと言える.私には冒頭の老人の言葉が非常に重く響きました.〕


授業の様子は、<http://www.page.sannet.ne.jp/h_nishi/>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。


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