平成18年6月2日更新

第13回:平成18年6月2日 学習内容授業の運営方法学習課題(予習、復習)課題の解答今日の一言

学習内容

科学技術と安全・安心1
内容例
・安全・安心に資する科学技術
・リスク概念に関する解説
・科学技術とリスクの関係に関する議論

授業の運営方法

・OHPなどを用いた講義
・学生各自が選んだリスクを持つ事例に関する口頭発表
・ビデオを使った解説

学習課題 予習・復習

・予習:大きなリスクを伴う科学技術をひとつ選んで、発表できるように用紙に記入する。 (120分)


課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。〔 〕内は、金光の補足ないしはコメントです)

Q.自分が乗るとして,飛行機と自動車,どちらが「怖い」ですか?

A.

1.飛行機 14名(70%)
2.自動車  6 名(30%)

〔飛行機と答えた人,その理由は?〕

・つい〔=墜〕落したときにまず助からないから.
・空の上だと,何か内部で問題が起こったとしても,どこにも逃げられないから.
・逃げ場がない.
・万が一事故があったとき,まず確実に死ぬから.
・自分で運転できないから.
・つい〔=墜〕落する可能性がある.事故が起きた場合ほとんど死につながる.
・自動車は地を走っているが飛行機は空中でなにかおこった場合,逃げ場がない.
・飛行機は乗り慣れていないし,自〔=事〕故になったら死ぬ.車は乗り慣れているし,自分の運転だから安心できる.
・自動車よりは事故になる確率は低いけれど,万が一何かあったらどうしようもない.
・飛行機は自分で運転できないし,何が今おきているのかもわからないから.
・知らない人が操縦しており,事故が起きた時,目撃者がいない.
・一度も飛行機に乗ったことがないから.
・飛んでいるのに降たら〔=堕ちたら〕逃げ場がないから.
・事故ると自動車の事故よりも死亡率が高い.

〔自動車と答えた人,その理由は?〕

・事故したことがあるから.
・事故の確率が高いし,中途半端にケガしそう.再起が難しい事故に遭うなら,飛行機で一瞬で死ぬ方が良い.
・何かをしたいとき,自分が加害者なので,気を抜くことができない.飛行機も恐いが,自らが誰かを傷つけないので安心できる.
・日常的に事故が起きているし,運転するにしても,ほんの小さなミスで即命とりになる場合が多いから.確立〔=確率〕的にも車の方が恐い.
・事故が起こりやすいから.

〔授業でもお話したとおり,事故が起こる確率,起きた時の悪影響の大きさなど,いろいろな要素が絡み合っているので難しいですよね.いろいろと興味深い理由があります.ぜひ読んでみてください.〕


今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。〔 〕内は、金光の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載

・難しいですね.
・安全や安心の基準は個人でちがうので,決めるのが難しいと思った.

〔そうですね.安全・安心の問題は本当に難しい問題です.今,日本も国として安全・安心をどう実現するのかを考え始めています.以前授業で扱った「科学技術基本計画」の第3期計画でもそのことが明記されています.〕

・飛行機と自動車でどちらが安全か?という問題でJAL123便の事故を思い出した.当時の記憶はないが,ネットでボイスレコーダーを聞くことができ,それを聞いて少し飛行機が恐くなった.

〔出張などでよく飛行機を利用するのですが,事故やハイジャックがあったりした直後の搭乗はたしかに気持ち悪かったりします.〕

・科学技術にはそれ相応のリスクがともなうんだと思った.

〔そのとおりです.授業でもお話した「DDT」や「アスベスト」,あるいは「フロン」などの事例について考えてみてください.〕

・日本人と他国の人との安全についての考え方の違いがわかった.

〔BSEの例などは本当にそう言えそうですね.〕

・リスクを覚悟で利益を目指すと,やはり問題になる.

〔フォード・ピントの事例は大変有名な事例で,いろいろと研究があります.興味があれば参考文献等を紹介します.〕

・安全性と安心が結びつかないのは,安全性というものが,机上の空論であるからだろうと素人が感じるからだと分かった.

〔「絶対安全」なものは存在しない,公衆の「安心」を実現することも重要である,このような状況でどのように技術者はリスクと対処していくべきでしょうか.大変難しい問題です.〕

・つかれた.
・金曜日は疲れる.
・今週は忙しかった.

〔ようやく週末ですね.せめて休めるときにはどうぞ休んでください.〕

・スペースシャトル爆発を知って,やはり打ち上げや飛び立つなどの乗り物はこわいと思った.
・チャレンジャーに日系人がのっていたとは知らなかった.
・民間人もロケットに乗れると思わなかった.事件の事は残念だと思う.
・ビデオが見〔ら〕れなくて残念だった.

〔次回は,今日見られなかったビデオを見てもらった上で,もう少し詳しく事故についてお話します.ぜひ技術者と安全について考えるきっかけとしてください.〕


授業の様子は、<http://www.page.sannet.ne.jp/h_nishi/>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。


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