平成18年6月7日更新
第14回:平成18年6月7日 学習内容/授業の運営方法/学習課題(予習、復習)/課題の解答/今日の一言
科学技術と安全・安心2
内容例
・リスクを伴う科学技術が引き起こした事例の解説
・OHPなどを用いた講義
・ビデオを使った解説
・復習:科学技術とリスクの関係について考察する(120分)
課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。〔 〕内は金光の補足ないしはコメントです)
Q.スペースシャトルチャレンジャー号爆発事故について,自分がボジョレーあるいはランドの立場であったとしたら,どうしたと思いますか?
A.このような状況で意思決定を下すことは,非常に難しいことだと思います.機会があれば,ルメジャーの行動や結果と比較しながら,技術者が果たすべき責任について考えてみてください.個々のコメントは控えます.他の人がどのように考えたのか,参照してみてください.
・ランドの気持ちは非常にわかる。誰だってメイソンの発言を聞いたら賛成すると思う。
・人の命もかかっているので私だったらやらなかった。
・もしランドだったら、私が反対することで、多くの社員が路頭に迷うことになるかも知れない。経営者としてYESと言うしか無いのかもしれない。しかし、それにより他人が傷つくのなら、私は会社から孤立しても、反対するだろう。技術者たちに殺人者の名もきせたくないからだ。もしボジョレーだったら、ボジョレーは技術者として倫理感〔=倫理観〕を持っている。自らのチームとしては、その危険性を理解しているなら、国民全体に事実を知ってもらう必要がある。もしくは、失敗した時の危険性を、大統領等に伝える必要があった。
・もし私がランドの立場だったら、たぶん打ち上げに賛成していたと思う。打ち上げたら危険だとわかっていても政治的な圧力をかけられたり、会社の経営を考えなければならない立場ならきっと圧力に負けて賛成してしまったと思う。
・私が、あのような状況で、ランドの立場になっていったら〔=なっていたら〕打ち上げを断ることができなかったと思う。自分は技術者でもあるが、副社長という経営に関しても考えなければいけない立場上、NASAからの仕事の依頼が無くなることは、会社の存続にかかわることである。でも、あの場面で、利益よりも安全を優先する姿勢を崩さなければ、あのような事故は起きなかったと思う。
・やはり不安要素があるまま打ち上げを遂行するのは間違っていると思う。
・発射時の点検をもっと慎重にやるべきだと思った。
・もしランドの立場だったら、やはり、ランドと同じように打ち上げに賛成してしまったと思う。
・ランドだったら、やはり打ち上げOKにしてる〔=している〕ような気がします。自分の欲(会社経営の)にまみれると、冷静な判断ができなくなってしまうかと。
・国からの圧力に負けるのはいたし方ないが、とても悲しい判断だと思う。
・仮に経営者として考えたとしても、安全より重要視すべき問題はない。よって、ランドは最後まで自分の本心を貫くべきだったと思う。
・ランドの立場だったら、最後まで打ち上げ反対という立場を崩さなかっただろう。なぜなら、このまま打ち上げても事故が起こることは明白であるし、メイソンに「技術者としての帽子を脱いで、…」と言われても、失敗というリスクを回避すべきだと考えた。
・私がどちらの立場でも打ち上げを中止させたい。
・ランドだったら、やはり何を言われても反対したと思いますし、現場のボジョレーらと連係〔=連携〕して反対すると思います。ただ自分が反対しても3:1で打ち上げが可決されるかもしれませんが…
・ボジョレーの立場なら、NASAは証拠がないので、発射を行うことを主張している。なので、証拠になりうるサンプルデータを提出できれば、この事故を防ぐことができたのではないだろうか。
・自分がランドの立場でも、最終的には、予定通りの打ち上げを支持すると思う。やはり、NASAからの注文がなかったら会社自体がなくなってしまうのだから。
・ボジョレーが行ったことは正しいと思うし、私がボジョレーと同じ状況になったとしても同じ行動をするだろう。
今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。〔 〕内は金光の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載
・マコーリフの両親の顔が印象に残った。
・チャレンジャー号は企業人間らしい問題だった。
・ボジョレーさんこそが、真の技術者だと思った。
・ルメジャーの行動は興味深い。
・つかれた。
・MT社幹部が、発射しないと「発注がこなくなるかも」ということで、発射に賛成したが、その後、事件の原因である部品を作ったMT社に仕事はきているのだろうか。
・難しい判断だったと思う。
・春学期も後半。しっかり気合入れなおしてがんばる!!
・NASAとMT社に様々なやりとりがあったことをしった。〔本日,臨時試験を返却しました.授業でもお話したとおり,達成度確認試験も同一形式の試験となります.今回点数が良かった人も悪かった人も,反省点を活かしてぜひがんばってください.なお,繰り返しになりますが,試験だけで科目の成績評価が決まるわけではありません.今回の試験で失敗した人も挽回可能です.まだ大きな課題,リサーチ・ペーパーも残っています.春学期ももうすぐ終わりですが,最後の検討を祈念します.〕
授業の様子は、<http://www.page.sannet.ne.jp/h_nishi/>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。