平成18年9月8日更新

第6回:平成18年9月8日 学習内容授業の運営方法学習課題(予習、復習)課題の解答今日の一言

学習内容

科学技術と国家2
・科学技術と国家に関わる事例の解説2

授業の運営方法

・OHPなどを用いた講義
・学生各自が選んだ事例に関する口頭発表
・ビデオを使った解説

学習課題 予習・復習

・前回選んだ事例を簡単に口頭発表できるように準備する。 (60分)


課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日の掲載コメントは抜粋(無作為抽出)です

Q.あなたは、第二次大戦中のユダヤ系アメリカ人で卒業間近の理工系学生です。ドイツにいる親戚と連絡が取れず、弾圧されているのではないかと心配です。一方、自分はと言うと、学生結婚したので家族を養わなければならないのですが、いい就職先が見つかりません。こんな時、オッペンハイマーから、ある計画に参加してほしいという好条件の誘いを受けました。自分の研究分野から、それは核に関する軍事研究だと推測されます。あなたは計画に参加しますか? しませんか?

A.(コメントは最低限にします。次回、もう一度考え直してみましょう)

1.参加する

50名(63.3%)

2.参加しない

28名(35.4%)

3.無回答

1名( 1.3 %)

1.参加する

・お金がないと何もできないから。
・その時代及び、自分自身の状況からでは仕方がない。
・とりあえずのお金が必要だから。
・やはり、自分の立場を考えるなら参加するだろう。自分一人の生命ではなくなったのだから。
・家族をやしなっていけなくなるから。
・家族を養うため。
・家族を養うためと、自分の能力を試すため。
・家族を養う責任がある。
・家族を養わなければならないから。
・金がないと困る。
・金が無いから。
・現在では考えられないが、当時ならば参加したと思う。
・今を生きるため。
・参加しなくても結果は同じだから。
・自分がこのじょうきょうにおかれると参加すると思う。
・自分がやらなくても、だれかがやらなければならないから。
・自分が参加しなくても最終的に同じ結末になると思うので、だったら参加して家族を養ったほうが良い。
・自分だけなら参加しないが、結婚しているので生活を考えると参加してしまうから。
・自分の研究分野に関することなら参加したいとおもう。
・自分の生活のためでもあるし、大学で勉強したものをいかすべきだと思う。
・自分の力を必要とされているなら力を貸したいから。
・生きるため。
・生きるために。
・生活が大事。
・生活に困っているからやむをえない。
・生活のため。自分の能力をいかせるチャンスだから。
・生活のためなら仕方なくやると思う。
・先のことはわからない、今できることをしたいから。
・弾圧される前に逃げる方を選ぶ。 [アメリカ国内なので、弾圧はないと思うのですが...]
・背に腹はかえられないから。

2.参加しない

・・・・直感 [意外に思われるかもしれませんが、直感は重要な要素です。ただし、どちらを選ぶかは別です]
・アメリカが好きではないから。
・いくら家族が助かっても全国民がぎせいになるから。
・いくら生活に困っていても、人を殺す兵器の開発に私は参加するのは恐いと感じたからだ。
・ドイツに親戚がいるから。
・やっぱりいやだ。
・やばいから。
・やはり、人殺しの道具はつくりたくないしドイツにいるかもしれない家族も巻き込まれる可能性がある。
・悪い人に使われると考えられるから。
・科学が好きだからこのような使い方をしたくない。
・核研究はしたいが軍事研究はだめ。
・間接的にでも人を殺すことになる。
・軍事研究ということだと推測できているので、戦争につかうにちがいため。
・自分が研究しているのは戦争のためではないから。
・自分や家族のために多くの人を殺すなら参加しないほうがいいと思うから。
・人を殺して得たお金はほしくない。
・人を殺すくらいなら、自分が苦しんだ方がいいから。
・人を殺すものの研究をしたくない。
・人殺しのための仕事はしたくないから。
・戦争には荷担しない。金のために魂は売らない。
・大量破壊兵器を作ることに参加したいと思わないから。
・怖いから。


今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日は一部抜粋(無作為抽出)です

・TNTとの差があきらかで、作ることにおそれがなかったのか?とかんじた。 [新兵器の開発にウキウキしていたんじゃないかと思います]
・アメリカの方が良いように放送されていたのが気にくわなかった。 [ご説明したように、アメリカの立場からの映画ですから。でも、頭を冷やしてみるとかなり客観的に制作されていますよ]
・アメリカ側から見れば落としたくて仕方がなかったのだと理解し、人間なんて滅亡した方が [原文未完]
・あれほどの破壊力を持つ爆弾があんなに小さいなんて驚いた。 [ウラン型は小さかったですね]
・しょうがないでしょ。 [?]
・すごい被害だったのが新ためて[正しくは「改めて」]わかった。 [ぜひ、現地を訪問してみてください]
・とてもしんどかった。 [ビデオの内容が?]
・ネムイ!! [どうしたのかな?]
・ビデオの内容がひどかった。 [「悲惨だ」という意味ですね]
・ビデオを見て、原子爆弾はあってはならない兵器だと感じた。 [でもその後アメリカとソビエト(当時)は、遙かに大きな破壊力を持つ水爆の開発に向かいます]
・ビデオ見るとき電気全部消してください。 [わかりました。気をつけたのと、メモを取れるように配慮したのですが、まだ明るかったでしょうか]
・マイクを使ってほしい。 [わかりました。でもずいぶん音量を上げていたのですが]
・めちゃくちゃショックでした。終戦後に外人がみんなで喜んでいるのに対し、広島と長崎が焼け野原になっているのを見て恐かったです。 [勝った国と負けた国の違いですね]
・科学技術の発達がもたらす利益は、人の不幸と紙一重だなと思った。 [医療など、良い面も忘れないでください]
・科学技術は世界に正の影響も与えるが、時として負の影響もある。これも必然。 [そうなんですね]
・画面から見ただけでも恐れを抱いているので、実際の人々は想像できない。 [現場はもっと悲惨です]
・原子爆弾はすごいと思った。 [でしょ?]
・原子爆弾をつくってはいけなかった。 [次回、もうちょっとご説明します]
・原爆が3個作られていたとは知らなかった。広島と長崎の2個しか作られてないと思っていた。 [アメリカはきちんと映像を残しているんですね]
・原爆が広島や長崎に落ちていく映像を見てとても恐いと感じた。 [ぜひ、現地を訪問してみてください]
・原爆の映像は何回か見たことがあるが、何回見てもショッキングな映像だ。 [いたたまれない思いがしますね]
・原爆はもう二度と人に向けて落としてはならない。 [その通りなのですが、その後の、現実の歴史はそれほど甘くありません。残念ながら]
・原爆は恐ろしいと思った。 [そうですね]
・原爆は戦争を終わらすために必要なのか。非常に疑問に思う。 [この点については、冷たいようですがご説明した通りです]
・原爆を使った側は使われた側の心の内等知りもしないのだろう。 [この点は微妙で、ホントにわからない(これは相当困りますね)/少しはわかる/(言い訳の映画を作ったように)ホントはわかっているけどわからないようなふりをする......という具合に、いろいろあると思います]
・広島出身なので原爆のビデオは何度もみたことはあるが、やはり何度みてもおそろしいものだと思った。 [広島訪問の件は実話です(もちろん疑ってないだろうけど)]
・今日は「気にしないでください」が多いですね。きちょうなえいぞうを見れてよかったです。 [「気にしないで」は重要じゃない部分、という意味です]
・[通常火薬が]山づみにされたものより、[原子爆弾は]コンパクトなのに、その何倍もの量があるからやばいと思った。 [その感覚は大切だと思いますよ]
・思ったよりえぐくはなかったが、生々しかった。 [ホントに「エグい」ことは、さすがにお話ししません]
・実験目的で原爆を落とすなんてヒドイ。 [広島・長崎はまったく実験とは言えないと思います(そうは説明していません)]
・実際に映像で見てみると凄惨なモノだったと思う。 [そして現実はもっと......と思います。ぜひ広島、長崎を訪問してみてください]
・新潟に原爆落ちてたら自分はいなかったかも・・・ [ご出身で?]
・先生の話がちょっと長い。映画はなんだか腹が立った。 [腹が立つのはわかりますが、もうちょっと頭を冷やして考えてみませんか?]
・戦争に勝っても負けても後悔するのは一緒だと思った。 [その通りだと思います。完全に「一緒」かどうかはわかりませんが、ご説明した通り、勝者は存在するのでしょうか?]
・戦争の歴史について新しいことが分かった。 [ぜひ将来に生かしてください]
・戦争は二度と起こってほしくないと思った。 [そうですね]
・長崎の原爆ドームに行ったことがあるので、ビデオをみてもよくわかることがおおかった。 [広島に落とす場面で、ドームは見えませんが、おおよその場所はわかるので、余計つらくなりますね]
・白黒で見づらかったし、原爆の威力が分かりづらかった。 [白黒は仕方ないですよ。よくまぁ、こんなに貴重な映像が残っていたな、という感じです。カラー映像があるなんて、想像もしませんでした。60年前の映像ですよ]
・爆発の威力を計るって考えが恐ろしい。実験扱いはショックだ。 [その通りなのですが、前述したように、広島、長崎は(実験的な要素はあるものの)完全な実験ではありません。講義内でもそのようには説明していません。誤解を招いてしまったようですが]
・反物質の作り方を教えて下さい。 [センセイは文系ですよぉ]
・分かりやすかった。 [ありがとうございます]
・平和にしましょう。 [そうなんですよね。人間にはせっかくの理性/知性(ratio)があるのですから......]


西村が担当する授業の様子は、<http://www.page.sannet.ne.jp/h_nishi/>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。


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