平成20年12月12日更新
第6回:平成20年12月12日 学習内容/授業の運営方法/学習課題(予習、復習)/課題の解答/今日の一言
科学技術と国家2
・科学技術と国家に関わる事例の解説2
・OHPなどを用いた講義
・学生各自が選んだ事例に関する口頭発表
・ビデオを使った解説
・前回選んだ事例を簡単に口頭発表できるように準備する。 (60分)
課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載
Q.あなたは、第二次大戦中のユダヤ系アメリカ人で卒業間近の理工系学生です。ドイツにいる親戚と連絡が取れず、弾圧されているのではないかと心配です。一方、自分はと言うと、学生結婚したので家族を養わなければならないのですが、いい就職先が見つかりません。こんな時、オッペンハイマーから、ある計画に参加してほしいという好条件の誘いを受けました。自分の研究分野から、それは核に関する軍事研究だと推測されます。あなたは計画に参加しますか? しませんか?
A.(次回の講義で再び考えますので、コメントは控えます)
1.参加する 22名(66.7%)
2.参加しない 11名(33.3%)
1.参加する
・その結果、何が行われるかは別として今家族がいるという現実問題があるから。
・その状況なら参加すると思う。
・まず一番大事なのは現在である。その為、家族を養うために計画に参画する。
・やはり自分に好条件となると断ることができないと思う。
・家族のために働かなくてはいけない。さらに自分が研究したことを形にできるし国の為になるため。
・家族や生活のためにも職は必要だと思うから。
・家族を養うためには、しかたない。
・家族を養っていかなくてはならないから。
・家族を養わなくてはいけないから。
・家族を養わなければならないから。
・科学者は社会に対して責任を持っているが、自分としては、自分、家族の方が有せんされるべきだと思うから。
・計画をしって無視できない。
・研究した技術によって人が死んだとしても、自分には関係ないから。
・研究もしたいし、家族も養わなければならないから。
・好きなことができるのと、断った後が恐ろしい。
・今確実な就職先が欲しいから。
・自分の学んでいることが知らぬ問題に軍事利用されるぐらいなら自分がそれに関わっておきたい。
・自分の生活が安定できるから。
・自分の生活が一番だから。
・世界の人を考えると参加したくない。しかし、自分の身内である家族、今の家族を守るために仕方ない。2.参加しない
・確かに高利益を得ることができるが、核には、関わりたくない。
・技術で人が苦しむ姿を見たくない。
・軍事目的の研究だと知ったなら、その時に辞退する。後々、戦犯になったり後味の悪いことになる。
・今の生活を優先させる。
・自分の技術を軍事技術に使われたくない。さらに核の軍事開発はきけんなので友達や家族に心配をかけてしまう。
・終わった後に後悔すると思うから。
・兵器として使われると思うと参加できない
・良すぎる話には重い責任があることが多いので参加しない。
今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載(判読不能の一枚を除く)
・Q1もそうですけど裏表がどんなものでもありますよね。 [そうですね。それが現実の社会です]
・[ビデオに登場した]アメリカの老人はかっこいい。 [相当高齢のはずなのですけどね]
・おなかがすきました。 [お昼前ですからね]
・おもちゃを与えられた子供のような行動だと思った。 [なるほど。深いですね]
・こんなもの(原爆)を何に使うのだろう。 [国際政治の道具、でしょうか]
・スパイの恐ろしさを知った。 [お話ししたように筒抜けだったんですね]
・どんなことでも、人を傷つける研究はやりたくないとおもった。 [お気持ちはわかります。でも、↑の自由記述を読むと、貴方のような考え方ばかりではないことがわかります]
・ビデオを見てものすごくおどろかされた。
・ビデオを見ることができて、良かった。 [以上、今日のものは日本語だったのでわかりやすかったと思います]
・レポート課題にそろそろ取りかかろう。 [ぜひ]
・科学の歴史は戦争の歴史だとおもった。 [そうなんですね]
・科学技術はすごいです。 [たぶん講義を受けるまで予想もできなかったほどなのでは?]
・科学技術者の責任は大きいと思った。 [まったくその通りなのですね。この件に関しては、次回]
・核のこわさがよくわかった。 [そうですね]
・核兵器で何十万人、何百万人も死亡していた事にビックリした。 [事故等を除けば、直接死者が出たのは広島、長崎だけです]
・技術と軍事の関係は難しい。 [正負両面がありますからね]
・原爆つくった人の多くが使わないようにと考えたことを知った。 [ビデオでは「多く」と言っていましたが、必ずしもそうではありません。この件に関しても、次回]
・原爆の凄さが改めてわかった。 [そうですね]
・原爆を作った科学者達はどんな気持ちだったのか気になった。 [今日、ちょっと見てみましたが、この件に関しては次回、きちんと考えます]
・原爆を作ることは怖いことではない。しかし、それを使おうとするのは悪い事だ。 [後者はもちろんそうですね。前者については判断が分かれると思います。この件に関しても、次回]
・原爆を落とした後の科学者の言動に色々考えさせられた。 [こちらも次回。何人かを比べて考えます]
・原爆を落としてから後悔するのは、もう遅いと思った。後悔はしても意味がないので[、]これから、この恐怖、悲惨さを伝えていくことが重要。 [まったくその通りですね。歴史から学ぶ、ということですね]
・原爆を落とすためにポツダム宣言だったのか? [基本的には、いえ。戦後の国際的な枠組みを決めるための会議です。原爆の件はその中の一つです]
・高校の時の科学のハーバーボッシュ法をおもいだしました。 [おぉ、凄い!! まったくその通り、空気中の窒素分子からアンモニアを合成する方法ですね。よくご存じでしたね。偉いなぁー]
・最後のビデオは良くわからなかった。 [そうだと思います。次回解説した上で、改めてご覧いただきます]
・[科学者、技術者は原爆を?]作ってからこれからを考えてしまった。 [[ ]内の解釈で適切だったでしょうか...]
・戦争に科学者が深く関わっていた事がわかった。 [まったくその通りだったんですね]
・戦争のはいけいについてはすこしわかった。 [それは凄い進歩ですよ]
・想像と現実のギャップによる恐怖を知ることができた。 [科学者が結果や被害をうまく想像できなかった、という意味でしょうね]
・当時に放射能による被曝がどれだけ評価していたかは知らないが、人の住む所に落としたという事実は今考えても恐ろしい。 [「被曝」(「さらす」の意味)を間違えていない点は偉い。また内容に関してもその通りですね]
西村が担当する授業の様子は、<http://www.page.sannet.ne.jp/h_nishi/>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。