平成21年4月10日更新

3VB1クラス
第1・2回:平成21年4月10日 学習内容授業の運営方法学習課題(予習、復習)課題の解答今日の一言

学習内容

・科目の目的・目標、内容、課題、評価方法など
・技術者入門および日本学の内容との比較を踏まえた、本科目の学習教育目標の解説
・科学技術者が直面する可能性のある倫理的問題に関する具体的な事例解説
・仮想事例の解説
・グループディスカッション

授業の運営方法

・PCを用いた講義
・倫理綱領集など参考資料の配布
・6名程度のグループを作り、役割を決めた上でのグループディスカッション

学習課題 予習・復習

・学習支援計画書を熟読する(30分)
・テキスト『技術倫理1』の「まえがき」、および「訳者あとがき」を精読する(30分)
・事例に関する課題の提出(「課題1」第3回に提出)(60分)
・仮想事例について各人がレスポンスシートを作成する(30分)


課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)

Q.1. 夏の暑い時期、金沢市付近一帯が、大規模に停電してしまいました。停電はもう十数時間も続いています。コンビニはどうなってしまうでしょう?
A.1. たくさんの面白い回答を寄せていただきました。どれもその通りだと思うのですが、講義でご説明したように、電気が長時間止まると、冷房・冷凍が効かなくなるだけでなく、またレジも働かず、POSの情報もやり取りできないので、やがてお店の機能がまったく停止してしまうんですね。
 「コンビニ」はこの現実の社会を指しています。細かいことはともかく、現代社会が科学技術に依存しているということ、そしてその科学技術に携わり、この社会を支えているのが(将来の皆さんを含む)科学者・技術者なのだということを考えていただきたかったのです。(講義中にかなりご説明したので、原則としてコメントは控えます)

・ATMが使えなくなる [そうなんですよね]
・アイスや冷凍ものがとける。食べ物がくさる。熱中症で倒れる人がいる。 [コンビニは冷暖房を大前提にしているので、熱中症の人も出るかもしれませんね]
・クーラーボックスの中のアイスが溶ける。食品類は腐るものが出てくる。部屋の中の気温が暑くなる。部屋の中が暗くなる。
・レジが開かない。自動ドアが閉まり、出入りが困難になり、室内の気温が上昇する。お店としてなりたたなくなる。食料が腐る。アイス等が溶ける。
・レジが使用不可。おにぎり、お弁当が売れる!! 品質管理が出来なくなる。日計[=商品および売り上げの管理のことでしょうね]が出来なくる。一時的に閉店する(せざるをえない状況になる)。 [以上、レジの件、その通りですね。また最後にある通り、一時閉店せざるを得ないんじゃないでしょうか(=つまり社会の機能が停止する)]
・飲食物や明かりの代わりを売りまくる。(熱さ[この場合、正しくは「暑さ」]対策、生命、生活を維持するため) [以上、原文のママ。実は、災害直後にはこのような状況が起きます。センセイも一昨年、新潟県中越沖地震に直撃されました]
・温度調節が必要な製品の保存不可(腐敗などによる経済的な大打撃)。・レジの使用不能(計算の遅化[原文のママ。たぶん「遅れ」の意味]による経済関係の遅化[同]orストップ)。・内部気温の急上昇(エアコン使用不可・風通り[原文のママ]最悪)。・店内の照明不可により暗くなる(店舗の印象の悪化)。・電力会社への苦情を言いまくる(携帯電話等) [以上、よく考えられましたね]
・家庭(特にオール電荷[この場合、正しくは「電化」]では、料理が作りにくくなるため、弁当などを買いにくる人がおしよせる。コンビニが混雑する。 [こちらもその通り]
・自動ドアの開閉停止。・電池・飲料水を求める客の増加。 [こちらも]
・商品がうれなくなる。 [これは「レジが使えない」という意味でしょうね]
・商品がダメになる。レジが使えない。冷蔵の商品の質が落ちる。
・食べ物がくさる。売り上げが記録されず、仕入れに困る。 [以上、仕入れの件を含めてまったくその通り]
・食品が傷む、入り口が開かない。アイスがとける。強盗が入る。ATMがぬすまれる。コンビニから人がいなくなる。食品がダメになる。 [確かに犯罪も起きやすいでしょうね。何しろ真っ暗ですから]
・食品類が傷む。コンビニ内が暑くなる。レジが使えない。おにぎり、弁当等が悪くなる。アイスがとける。食べ物がくさる。コンビニの中が暑くなる。
・多くの人がものをかいに来て混雑する(多べ物、電池、飲み物など)。アイスがとける。バイトの人がもんくを言う。ジュースがぬるくなる。 [以上、そうでしょうね]
・店員パニック、アイス溶ける。 [パニックの件、まったくその通りだと思います]
・店内が熱く[この場合、正しくは「暑く」]なる。電池が売れる。 [そうなんです。最初に売れるのは食品と電池なのです(経験者は語る)]
・売っている食べ物がダメになってしまう、アイスが溶けてしまう。何もしなければ商品がダメになる。自動ドアが開かなくなる。 [そうですね]
・冷やすものがとけて、売れなくなり、大量のはいきが出る。ライター、ろうそくが売り切れる。アイスクリームが溶けていた。レジがめんどうになる。 [その通りですが、今、蝋燭なんて売っているのかなぁ]
・冷蔵食品、食品(←アイス、ドリンク)の[品質]劣化、レジのデータ(←買い取り等、1日の売り上げ等)のデータリセット、商品データのリセット、熱中症、自動ドアの停止 [できるだけ原文のママ。まったくその通りです。特に通信・管理機能については良くお考えになったと思います]
・冷凍食品を移動させる。カップメンすら作れない。パン、おにぎりなど食品がダメになる。つめたい物を買えない。みんな食品を買いに行く。 [冷凍食品の件、まったくその通りなのですが、どこへ移動させます? 電気が来ていないんですよ。カップ麺は、プロパンガスなどがないと、作れないですよね。我が家(新潟の自宅)のガスは都市ガスで、電気が来ていないと機能しません]


Q.2. 今日取り上げた事例で、個人的にはどれを選択しますか?
A.2. (講義の中でご説明しましたので、コメントは控えます。皆さん、大変良く考えたと思います)

a.データ「借用」

1名( 2.8 %)

b.データ「補正」

4名(10.8%)

c.高温実験を強行

14名(37.8%)

d.実験打ち切り

8名(21.6%)

e.その他

9名(24.3%)

f.無回答

1名( 2.8%)

c.高温実験を強行

・次郎、三郎に手伝わせて終わらせる。終わらないなら終わるようにする。

d.実験打ち切り

・期間に間に合わせなくてはいけないのと、直すのが面倒だからとりあえず提出する。

e.その他

・aとcの混合。高温条件下でためしてみて、その上で引用文献として、データの後付け[「裏づけ」の意?]をする。
・もともとは3人の実験であるから、次郎、三郎に「お前1人でやれ!」など言われたとしても、みんなで協力して進めれば、終わることを信じて2人をせっとくし、3人で最後まで実験を進める。
・先生に助けを求める。その上で、実験内容を一任する[=「実験方法について先生に一任する」の意?]
・先生に相談し、指示をあおぐ。
・先生に相談する
・怒られてもいいから先生に相談する。
・怒られる事を前提として教授と修士[課程の大学院生]にその旨を打ち明け、その上で考えている高温下での実験の事を相談する。それに対する解答[この場合、正しくは「回答」]を聴いた上でb、c、dの行動をとる。dの時でも「こういう事はまだしていない」という一言を加える。(bの時でも「こういう事を流用。補足した」と断りを入れる) Q2については、いろいろな解答が浮かび上がったのだが、自分が一番行いそうな事を解答とした。 [原文のママ。以上、先生は最初びっくりするかもしれませんが、ご説明したような事情で、本格的には怒らないと思います]
・報告書のデータを拝借し、とりあえずレポートを完成させ、その後実験を行い、期間[=提出期限]ギリギリまで数値を上書きする。 [原文には“c”とありますが、内容から“e”と判断しました。悪しからず]


今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載

・このカードの上側のミスプリントが気になった。(20年度? 冬学期?) [理由は簡単で、先学期の残部を使っているからです。次回あたりから新しいものを使います。悪しからずご了承ください]
・たのしかった。 [ありがとうございます。もちろん「知的に」ですよね]
・たのしかった。教職科目をとっているので教職の話はきょうみがあった。おもしろい授業でした。落とし穴が多く落ちました。 [ちょっと事情があって、数年前に本学の教職科目を担当したことがあります]
・どんな科目か見通しがついたのでよかったです。おもしろそうな科目だ。これから半年楽しくやっていけそうです。新潟出身ですか? [ありがとうございます。新潟生まれの新潟育ち(一時期東京暮らしあり)です]
・バイトがめんどくさい [ふーん。バイトの目的は何なんでしょう。お金が必要──こういうことってありますよね──なら、やはり我慢、ということになるでしょうが...]
・また色んなことを想定しながら話してくれてよかった。班で話し合うことが出来てよかった。教室寒かった。おもしろかった。 [ありがとうございます。室温の件は、何だか暑いんだか寒いんだかわからない1日でしたね]
・もっと難しい科目だと思ったが、少しおもしろそうだ。文系の先生の授業は聞いていて楽しいです。わかりやすい説明だった。 [こちらもありがとうございます。時々は難しい話も入りますが、できるだけご期待を裏切らないように頑張ります]
・意外と先生がおもしろかった。 [ありがとうございます〜]
・教室が少し暗いと感じた [そうかもしれません。昨春にこの教室のプロジェクターが更新されたのですが、やはり暗い感じがします。そこで教室も暗めにしました。悪しからずご了承ください]
・工大ではあまり見られない先生の話をきけた。考えがおもしろかった。 [ありがとうございます。やはり「あまり見られない」タイプ?]
・考えさせられた。グループになじむ。あと、グループ討義の用紙をもっとわかりやすく書くべき。もっと進行しやすく! おもしろかった。 [今日の討議方法はわざと何もしていません。今日の経験を踏まえて、数回後に組織化された議論に挑戦します]
・考えを押し付ける人は確かに多いが、あえて[それに]従い[ながらも]、[事態を自分で]コントロールする器量くらいは持っておきたい。 [偉い。もうすっかりオトナの発想ですね。実は例の花瓶の教室の時も、精神年齢の高い児童はきっと「あ、始まっちゃったよぉー。こうなるともう手がつけられないんだよぉー。しばらく我慢してよ」というような感じで考えていたんじゃないでしょうか]
・最初の授業だったので、不安だったが、思っていたより、ラクで良かった.. [でしょ?]
・事例について考えることが楽しかった。倫理は難しそうですね。おもしろかった。いろいろな方向から物事を見ることが大切だと思った。 [最後の点はとても重要です。話が飛ぶように感じられるかもしれませんが、複式簿記の発想にも通じます。興味があったら質問してください]
・先生の考え方と教え方がすごく良いと思いました。 [ありがとうございます〜。うれしいです〜]
・頭を使った授業で大変だった。停電はコンビニに大きな影響を与える。興味深い内容で考えさせられた。親しみやすい先生だと思った。 [ありがとうございます。ご期待を裏切らないように頑張ります!!]
・面白いと感じた。 [こちらも、ありがとうございます]


西村が担当する授業の様子は、<http://www.page.sannet.ne.jp/h_nishi/>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。


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