平成22年4月27日更新

【火曜日クラス】
第7・8回:平成22年4月27日 学習内容授業の運営方法学習課題(予習、復習)課題の解答今日の一言

学習内容

近代国家と科学技術
・科学技術と国家に関わる事例の解説(国策としての基礎理学研究所の設置、第一次世界大戦と科学技術の関係、第二次世界大戦と科学技術の関係、科学技術動員体制など)

授業の運営方法

・PCを用いた講義
・ビデオを使った解説

学習課題 予習・復習

・復習:参考書その他の書籍を読み、科学技術と産業の関係について考察する。(60分)
・課題:科学技術と国家および産業界との関係について考察する(「課題4」次回提出)。(120分)


課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)

Q.1. 中世の大学で、医学部の解剖の時間に実際に解剖を担当した人のふだんの職業は?
A.1. お話ししたように、正解は「床屋」です。「床屋外科医」と言われて簡単な──時にはずいぶん高度な!! ──手術をしていたのですね。医学書を読み上げる教師は学者(≒科学者)で、床屋は職人(≒技術者)だったのです。ここにもかつて「科学」と「技術」が別物であった様子をうかがい知ることができます。英語の辞書で「内科医」(壇上の学者の末裔)と「外科医」(床屋さん)の単語を調べてみてください。両者の違いは、数百年前からの歴史の産物なのです。原則としてコメントは控えます。

・いつもは・・・かじ[鍛冶]屋
・かじ[鍛冶]屋
・よう[庸]兵
・魚屋さん
・軍人
・殺し屋
・庭師
・農民
・兵士(軍隊)
・理容土[正しくは「理容師」。「士」でも、ましてや「土」ではありません]


Q.2. 貴方/貴女は日本国内の中小企業──例えば洋食器製造業──の社長だとします。東南アジア製の低価格商品の氾濫で、経営が厳しくなっており、経営を続けるかギリギリの判断を迫られています。状況を打開するために、どんな方策を考えますか。
A.2. 具体的な状況がはっきりしていませんので、唯一絶対の正解はありません。
 しかしちょっと考えただけでも(1)人件費を圧縮して価格を下げ、競争力を維持する、(2)他社や他国で作れない製品(付加価値の高い製品)を開発、製造して利益を維持する、(3)今までの技術力を生かして、新分野に進出する、(4)国内での製造を諦め、人件費の安い他国に工場を建て、製品を輸入する〔その場合、技術者を含めた従業員の雇用をどうするのかが問題になります〕、(5)他国で製造するにしても、製造機はその国では作れないので、それを技術力の高い国内で作り、メンテナンスもする、さらには(6)その製造機に関する特許権等で利益を上げる......など、いろいろ考えられます。広い意味での「経営」を視野に入れた技術を考えていただきたかったのです。
 なお、少しご紹介しましたが、例として挙げた新潟県の三条市・燕市の場合、技術を生かして、米アップル社のiPodの裏面を独占的に製造しています。ここでしか金属を「磨く」ことができないんだそうです。同社の有名なデザイナー(副社長でもある)のジョナサン・アイブ氏が技術を確かめにこの地域の工場を訪問したのだそうです。こういう生き残り方もあるんですね。講義でご説明しましたので、原則としてコメントは控えます。

・一か八か、みんなで話し合い、新商品を出し、それが出せるだけ、資金を出す
・会社をたたんで輸入業にかえる。
・海外に工場を立てる[正しくは「建てる」]
・販売する地域を限定する
・付加価値


Q.3. 次の中で、軍事科学技術と関係するものはいくつあると思いますか?(潜水艦/レーダー/肥料/飛行機/コンピュータ/抗生物質/インターネット/原子力/カーナビ/衛星放送)
A.3. 講義でご説明した通り、すべて軍事科学技術と深い関係にあります。「肥料」は難しかったようですね。コメントは控えます。

4

1名

6

3名

7

3名

8

2名

9

3名

10

4名

無回答

3名


今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載

[視聴したビデオに関して]

・けっこうめずらしい映像だった。 [でしょ? 特にアメリカ側の視点って、日本側と決定的に違うものがありますよね]
・ビデオで目が覚めた! [何だか皆さんお疲れの人が多いようでしたね。この方と同意見の方もずいぶんいるのでは? 課題等で大変でしょうが、少しキュッと休んで、その後はしっかり勉強しましょう]
・胸くそ悪い話だ。 [気持ちはわかりますが、アメリカ人の立場だったらどう考えます?]
・原子爆弾の怖さが改めて分かった [まったくその通りですね]
・原爆はすごかった。 [こちらも]
・原爆はやはり2度と使用されるべきでないと思った。 [そして、こちらも]
・原爆を落とす時の音楽に心が高ぶった。人としてダメな気がした。 [気持ちは分からないではないのですが、センセイを含めて、このビデオを見た人はみんなそう感じると思います。そのように演出されているからで、貴方が悪いわけでも何でもありません。そういう「世の中の仕組み」に気づいたわけですから、貴方はとても成長したんですよ]
・壮絶なビデオだった。 [まったく、その通り]

[今日の一言]

・インターネット[が軍事技術と深く結びついて成立したというの]は俗説とも聞いたことがあるような? [残念ながらそれは「ガセ」です。当初から軍事目的です]
・やっぱり戦争って、[それを契機に]科学技術が発展するんだな。 [残念ながら、そうなんですね。人間が持っている本質の一面──決して、全てではない──が出ていますね]
・レポートがよくわからない。 [こちらは「計画書」をお返しする際に、改めてご説明します]
・科学技術の進歩は戦争にかかわりが強いので怖いと思いました。 [その通りなのですが、例えば抗生物質はその後の医療を劇的に変えます。「○○と鋏は使い次第」という面が、確かにあるんですね]
・寒い [ゴメンナサイ(ペコリ)。暖房を入れたつもりで、入っていませんでした。初めての装置なのでうまく動作させることができませんでした。次回からは気をつけます]
・自分のいいたいことがはっきりしている論文[=リサーチペーパー]が良い論文なのですか。
・物事の結論を一言で表すのは難しい。 [以上。「言いたいことを一言で」は最低条件であり、必要十分条件ではありません。この件に関しては、「計画書」をお返しする次回に、改めてご説明します。なお、「一言で...」(目標規定文)がないと、実際には書けずに、途中で挫折してしまいますよ]


西村が担当する授業の様子は、<http://www.page.sannet.ne.jp/h_nishi/>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。


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