平成22年6月2日更新

【水曜日クラス】
第15・16回:平成22年6月2日 学習内容授業の運営方法学習課題(予習、復習)課題の解答今日の一言

学習内容

グローバリゼーション
・資本主義とグローバリゼーションの歴史
・製造業、雇用、流通
・知的財産権

授業の運営方法

・PCを用いた講義
・ビデオを使った解説

学習課題 予習・復習

・復習:参考書その他の書籍を読み、科学技術の発展とグローバリゼーションの関係について考察する。(90分)
・課題:リサーチ・ペーパーの調査(90分)


課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は、西村の補足ないしはコメントです)

Q.貴方/貴女は日本国内の中小企業──例えば洋食器製造業──の社長だとします。東南アジア製の低価格商品の氾濫で、経営が厳しくなっており、経営を続けるかギリギリの判断を迫られています。状況を打開するために、どんな方策を考えますか。
A.具体的な状況がはっきりしていませんので、唯一絶対の正解はありません。
 しかしちょっと考えただけでも(1)人件費を圧縮して価格を下げ、競争力を維持する、(2)他社や他国で作れない製品(付加価値の高い製品)を開発、製造して利益を維持する、(3)今までの技術力を生かして、新分野に進出する、(4)国内での製造を諦め、人件費の安い他国に工場を建て、製品を輸入する〔その場合、技術者を含めた従業員の雇用をどうするのかが問題になります〕、(5)他国で製造するにしても、製造機はその国では作れないので、それを技術力の高い国内で作り、メンテナンスもする、さらには(6)その製造機に関する特許権等で利益を上げる......など、いろいろ考えられます。広い意味での「経営」を視野に入れた技術を考えていただきたかったのです。
 なお、少しご紹介しましたが、例として挙げた新潟県の三条市・燕市の場合、技術を生かして、米アップル社のiPodの一部/iPhoneの裏面を独占的に製造していました(ただし過去形。現在は中国で製造)。ここでしか要望通りに金属を「磨く」ことができなかったんだそうで、同社の有名なデザイナー(副社長でもある)のジョナサン・アイブ氏が技術を確かめにこの地域の工場を訪問しました。こういう生き残り方もあるんですね。
 原則としてコメントは控えます。ずいぶん面白い回答もありますよね。

・オリジナリティを出していく。ブランド化する。
・ギリギリまで価格を下げる。
・コストダウンをはかり今よりも安くする。前に他の授業でタオルの話しが出た。そのとき安くするのではなく高くする方法をとったと言っていた。 [タオルの話、まったくその通りですね]
・さらに低価格で販売する。人件費など、余分だと思った費用を省く。東南アジアの企業と協力して、より品質の良いものの販売をする。
・できる限りコストをおとす。
・みがく技術を応用して別の品物をつくる。
・より良い物をつくれるように努力する。
・一部事業の切り捨て。他の企業と結合。
・外国で自社の技術を提供して安い労働力で質の良い製品を作る。
・技術で競走[正しくは「競争」]する以外に他はないからその技術を生かした、新しい製品を考える。
・更なる高機能化(ブランド力をつける)。デザイン性。
・質のいい製品をつくる。付加価値を。
・新しい製造方法や技術を開発して特許をとる。 [その通りです。ただし、洋食器で特許を取るのはちょっと難しいかも......]
・新しい分野に利用できないか考える。
・多量生産のところより、仕上げなどのよいものをつくる。コストが高いもの[=「高い付加価値を持ったもの」の意]をつくる。
・東南アジア製のものより安く製造し安く売る。
・特徴を作って独自性を持たせる。
・付加価値の高い製品を作る。
・洋食器以外のみがきの必要な製造業に変更する。みがきの技術を高めて上質な物をつくる。


今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は、西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載

・グローバル化でマイナス面もグローバル化していることが分かった。
・グローバル化にも一長一短がつきものである。
・グローバル化によるメリット・デメリットをよく理解することができた。
・これから色々大変ですね。
・どんどんグローバル化が進んでいると思った。 [以上、まったくその通りなんですね。でも、科学技術の進展がありますから、グローバル化を止めることはできません。じゃぁ、どうするの......を考える必要があるんですね]
・寒くて体調不良でした。 [換気のために窓を全開にしていました。その分、寒かったかもしれません。そのような場合は、遠慮なく申し出てください]
・今週は生活のリズムが崩れがちだ。 [先週の土曜日が講義で、日曜が休みで、月曜を終えると火曜が休みで、そして今日、水曜日......。気持ちは、わかる]
・今日の授業は、いつもより難しくて理解しにくかった。 [ご説明したように、確かにそういう面はあります。細かいことはあまり気にせずに、全体の流れと、それが自分とどう関係するのか、に注目してください]
・最近CDを買っていないなと思った。 [そうなんですよねぇ。だからレコード店──もはや「レコード」は死語に近いですけど──がなくなるんですよね]
・実際話しに[通常は、「実際、話に」]出た社長になったらと考えると、あきらめると思った。次の3、4限目が中間テストなのでドキドキしていた。 [気持ちはわかるのですが、すべてを諦めたら収入がなくなりますから生活できませんよ]
・色々と参考になった。 [ありがとうございます]
・寝むって[正しくは「眠って」]しまった。 [こちらはお疲れのご様子。テストないしは重い課題があったのかな?]
・難しい。
・難しい内容だと感じた。 [以上、確かにそうかもしれません。でも皆さんの将来と直結した問題なので、話の流れと、「この話が自分と関係しているんだ(/いるらしい)」ということだけは考えてみてください]
・文化帝国主義に関する話は考えさせられるものであった。 [そうなんです。センセイはディズニー作品──原作を大きく改変しています──やディズニーランドなどの関連産業に違和感を持っています。でもその一方、同じアメリカのアップル社には親近感を持っています。言っていることとやっていることが一致していません(「現行不一致」)ですよね]


西村が担当する授業の様子は、<http://www.page.sannet.ne.jp/h_nishi/>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。


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