平成22年6月8日更新
【火曜クラス】
第17・18回:平成22年6月8日 学習内容/授業の運営方法/学習課題(予習、復習)/課題の解答/今日の一言
現代社会とリスク
・安全と安心についての解説
・リスク概念に関する解説、統計的な考え方
・リスクをともなう科学技術が引き起こした事例の解説(食の安全(農薬、食品添加物)の事例など)
・PCを用いた講義
・ビデオを使った解説
・課題:「新聞記事レポート(第2回)」を作成する(「課題6」次回提出)(60分)
・課題:リサーチ・ペーパーの調査と執筆(120分)
課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は、西村の補足ないしはコメントです)
Q.1. 自分が乗るとして、飛行機と自動車、どちらが「怖い」ですか?
A.1. (「怖い」というのは曖昧な表現です。講義でご説明したので、原則としてコメントは控えます)
1.飛行機 12名(70.6%)
2.自動車 5名(29.4%)
1.飛行機
・空を飛ぶから。
・空を飛んでいる以上、落ちることがあるから。
・現在の飛行機は古くなっており、信頼性が車に比べると低い。 [ご説明したように、点検はきちんと行われていると思いますよ]
・高所恐怖症だから。
・事故が起こると死ぬ確率が高いから。
・事故率は低いが、事故がおきれば、死亡率が高い。
・自分の荷物が紛失する可能性があるから。 [なるほど。他にも乗り換えに失敗する時がありますよね]
・地面に足がつく場所で動く自動車に対して、飛行機は地面からかなり上空にて動くから。
・墜落したらほぼ確実に死んでしまうと思う。
・普段乗り慣れてないから。
・落ちるかも
・離着陸するとき[が怖い]。2.自動車
・死亡率および事故発生数が多い。
・事故の確率が多い。 [確率は「高い/低い」を使います]
・自動車のほうが事故にあう確率が高い。
・自動車の方が事故の率が高いと思うから。
・知人の車に同乗していた時に事故をおこされたため。 [実感がこもっていますねぇ]
Q.2. 原子力発電に関して、(1)技術者の立場からと、(2)地域住民の立場からの両方で考えた時に、感じ方が変わりましたか?
A.2. (原子力発電に賛成/反対を問うているわけではないことに注意してください。二つの立場で変化する可能性があるということに気づいてもらいたかったのです。こちらも原則としてコメントは控えます)
1.変わった 6名(35.3%)
2.変わらない 11名(64.7%)
1.変わった
・技術者[の立場]では社会を中心に考えるが、住民[の立場]では危険なものを建てるのは反対する。
・技術者という立場に立つと、技術的な進歩を望んでいるし、実現したいと思うが、いざ地元にできるとなると保身に走ってしまう。
・技術者面のときは、利点ばかり考えているが、地域住民の時は、安全面ばかり考えてしまう。
・原子力発電があると色々と便利になると思っていたけど家の近くにつくられるとなると抵抗がある。
・住民側に立った場合、精神的なリスクが大きすぎる。
・日本全体のことを考えると賛成。私的にはいつ死ぬかわからないところにはすめない。2.変わらない
・どこに建設しようがリスクはつきもの。
・何か便利なものを取り入れるためにはリスクは許容[すべきだ]。 [住民だけ?]
・危険だけれど、必要だと思っているから。
・原子力は完全に理解した上で、原子力を使わなければならない。それが無理だと排除しなければならない。
・原子力発電がどれほど必要なものであっても人命が失われる危険性が高い以上あまり賛同しにくいから。
・原子力発電は[技術者/地域住民]どちらの立場でも必要である。
・事故が起きると危険だから。家の回りは平和がいい。 [この方は、「いずれにせよ反対」という意見なんでしょうね]
・自分に利益があれば別に多少のリスクはいい。
・両方賛成ではあるが周辺住民としては微みょうな所。
今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は、西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載
・けっこう感覚的な判断が多かった・・・。 [次回もこの話を発展させますが、仰る通り、人間はずいぶん感覚的に判断しているということがわかってきますよ]
・さむい [お話ししたように、寒い時は申し出てください。ただし少しでも暖かくすると、途端に眠くなります]
・ねむい [数名、そういう方がいらっしゃいましたね。なお、上記(↑)ご参照]
・リスクをおわなければ日本代表は勝てないと思う。 [一瞬、何のことかわからなかったのですが、これはサッカーのワールドカップのことですね]
・安全というのは、日本人の特有感覚だと知った。 [誤解を与えたかもしれません。安全ではなく「安心」の方が日本的な感覚だと述べたのです。忘れていなかったら次回補足説明します]
・原子力は大事だと思うがあまり認めたくない。 [今日一緒に考えたように、微妙な問題なんですよね]
・原発の安心はどうやって得るのだろう、わからない。 [地域住民にとって完全に「安心」ということはないのではないでしょうか。それが実感です]
・新がた県の原子力発電についての話がとても興味深かった。 [ありがとうございます。ぜひユーザーや消費者、公衆の立場で考えることができるようになってください]
・梅雨が近そうですね。 [そうですね。まだ梅雨前線は南にあるようですが。もしかすると南九州から梅雨入りするかもしれません]
・立場が変わると、意見も変わってしまった。 [そうなんですね。それに気づくことが大切なんだと思いますよ]
西村が担当する授業の様子は、<http://www.page.sannet.ne.jp/h_nishi/>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。