平成22年12月1日更新

第17・18回:平成22年12月1日 学習内容授業の運営方法学習課題(予習、復習)課題の解答今日の一言

学習内容

現代社会とリスク
・安全と安心についての解説
・リスク概念に関する解説、統計的な考え方
・リスクをともなう科学技術が引き起こした事例の解説(食の安全(農薬、食品添加物)の事例など)

授業の運営方法

・PCを用いた講義
・ビデオを使った解説

学習課題 予習・復習

・課題:「新聞記事レポート(第2回)」を作成する(「課題6」次回提出)(60分)
・課題:リサーチ・ペーパーの調査と執筆(120分)


課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は、西村の補足ないしはコメントです)

Q.貴方/貴女は日本国内の中小企業──例えば洋食器製造業──の社長だとします。東南アジア製の低価格商品の氾濫で、経営が厳しくなっており、経営を続けるかギリギリの判断を迫られています。状況を打開するために、どんな方策を考えますか。
A.具体的な状況がはっきりしていませんので、唯一絶対の正解はありません。
 しかしちょっと考えただけでも(1)人件費を圧縮して価格を下げ、競争力を維持する、(2)他社や他国で作れない製品(付加価値の高い製品)を開発、製造して利益を維持する、(3)今までの技術力を生かして、新分野に進出する、(4)国内での製造を諦め、人件費の安い他国に工場を建て、製品を輸入する〔その場合、技術者を含めた従業員の雇用をどうするのかが問題になります〕、(5)他国で製造するにしても、製造機はその国では作れないので、それを技術力の高い国内で作り、メンテナンスもする、さらには(6)その製造機に関する特許権等で利益を上げる......など、いろいろ考えられます。広い意味での「経営」を視野に入れた技術を考えていただきたかったのです。
 なお、少しご紹介しましたが、例として挙げた新潟県の三条市・燕市の場合、技術を生かして、米アップル社のiPodの一部/iPhoneの裏面を独占的に製造していました(ただし過去形。現在は中国で製造)。ここでしか要望通りに金属を「磨く」ことができなかったんだそうで、同社の有名なデザイナー(副社長でもある)のジョナサン・アイブ氏が技術を確かめにこの地域の工場を訪問しました。こういう生き残り方もあるんですね。
 原則としてコメントは控えます。ずいぶん面白い回答もありますよね。

・あえて値段を上げ、商品の品質を最高級にする作戦をとる。
・いくら低価格といっても、品質が良くないとモノは売れないので、品質で勝負する。
・ざんしん[斬新]な食器をつくって売る→ユニバーサルデザインとか、スパゲティがまきやすいフォークとか。市民発明家を雇う。 [着眼点はとても良いものを持っていると思います]
・ブランド力を強くする。
・もっといいものをつくる。
・技術的に高い製品を作る。
・技術力を高めて、品質の良い商品をつくる。
・経営をやめる。経営が厳しいがそのままつづける。 [経営をやめた──それ自身はわかる──ら、自分自身も家族も、そして従業員はどうやって食べていくのですか?]
・高所得層などをターゲットにした製品をつくる。
・自分たちの技術力を提協[正しくは「提供」]する変わり[正しくは「代わり」]に[、]向こうの[=中国や東南アジアの]会社を組み込む。向こうに会社を作る。
・自分にしか作れない商品を提供する(アイデアや技術力など)。
・自分の商品を商標登録する。 [重要なポイントですね]
・商品の品質を高める。
・新しい商品の開発(経営が厳しいため難しい?)・人員削減(打開にはならない?)・他企業との共同合併。 [確かに、よく考えられたという点は高く評価できますよ]
・新技術を組み込んだ製品の開発。
・人件費の安い東南アジアで商品を作る。
・人件費削減。東南アジアと製品の情報交換(技術)。
・生産スピードをあげて安くする。新製品を作る。 [技術の問題は技術で解決しよう、というわけですね]
・生産を東南アジアにまかせて、コストを抑える。
・多少高くても買ってもらえるように高級感を出す。
・低価格商品で勝負するのではなく、日本人が今惑されている「高級志向」につけこみ、日本人に対して値をはった商品を売り出す。
・低価格商品よりは高くなるが、より品質の良い商品を売り続ける。
・東南アジアでも開発されていない新製品の開発をするか、東南アジアよりも低価格で商品を出す。 [前半はわかりますが、後半、具体的にはどうやって?]
・品質を上げて勝負する。
・品質を上げる。商品を売る対象を高所得者にする。
・付加価値や品質を高めて高級品化し、差別化を計る。
・富裕層を狙った質の高い商品を製造する。
・別の洋食器メーカーと合同で技術開発。海外の洋食器メーカーと資本合併。シェアの高い食器メーカーに投資。スキマ産業を始める。食器を扱う業界以外の市場に売り出す。 [興味深い解答です]
・洋食器だけでなく、他の製品販売を考えてみる。
・洋食器を高価格高品質のブランド物にする。
・量産ではなく手作りに変え一定のブランドに格上げする。量よりも質で勝負する。


今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は、西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載

・うとうとしてました。 [皆さん、かなり疲れているようでしたね]
・グローバル化が私たちの生活に大きくかかわっていることがわかった。 [お伝えしたように、一般論としてはその通りです。ただし、本当の課題は、「じゃ、自分はどうするの?」じゃないかな]
・この教室はいつも暖房が強いと思う。 [そうなんです。窓を開けようかどうか、迷いました]
・ゴミを分別してリサイクルしたほうがいいのか、それとも一気に高温で燃やした方がいいのかどちらが環境に優しいのかわかりません。 [鋭いですね。その点は高く評価できますよ。この件については、後日]
・とにかくねむい。 [こちらも、相当お疲れのご様子]
・教室があつかった。
・教室があったかすぎた。 [以上、前述(↑)したように、次回は窓を開けようと思います]
・座ったままのせいか腰が痛くなった。 [今回は仕方なかったのですが、座って話を聞いているだけって、辛いんですよね]
・最近いそがしいからつかれた。 [こちらも、お疲れのご様子。課題か何か、大変なんでしょうねぇ]
・自分論と一般論(建前)を両立すればいいのか? [就職の件ですね。ある程度、その通りなのですが、今はまだ、あまり焦らずに。ある日、きっとわかる日が来ます(その時、センセイのことを覚えているかどうかは別だけど)]
・室温があったかすぎです。気持ち悪い。 [すみません。次回は改善します]
・先輩のミスで来週の月曜まで部停[=部活動停止処分?]になりました。久しぶりの休暇ができました♪ [[ ]内の通りだったとして、事情や気持ちはわからないではないのですが、それを自分の内側に留めて置くことができるのがオトナ、だと思いますよ]
・素早い授業ありがとうございました。 [「素早い」かどうかは別として、やることはやったし、何よりも皆さんが相当疲れている様子だったので、区切りのいいところで講義を終えた、というわけです。ほぼ90分講義したし]
・大人になることは楽しそうです。 [ちょっと名残惜しい部分もあるけど、基本的には楽しいです。オトナって(キッパリ)。そしたらきっと「モテ期」が待ってますよ(センセイにはご縁がありませんでしたけど)]
・暖房が暑くて眠気が・・・。 [すみません。次回はどうにかします]
・冬期に入って12月にもはいって[入って]そろそろ冬だという認識が出てきた。 [そうなんですよね。落ち葉の上を歩いていますが、もうすぐこれが白くなって...]
・飛行機に乗ることが少し怖くなくなった。 [客観的には飛行機の方がはるかに安全ですよ]
・部屋があたたかすぎる。
・腹痛と眠気におそわれた。 [以上、すみません。次回は窓を開けます]
・保険会社が以外と[正しくは「意外と」]手堅い・利益のブレが少ないのは初めて知った。 [ありがとうございます。基本的にはご説明した通りなのですが、不払いが明らかになったり、大きな災害が起きたりすると、保険会社も大変です。そのために保険会社は相互に保険をかけている(!!)んですよ]


西村が担当する授業の様子は、<http://www.page.sannet.ne.jp/h_nishi/>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。


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