平成23年4月26日更新
3BB1クラス
第5・6回:平成23年4月26日 学習内容/授業の運営方法/学習課題(予習、復習)/課題の解答/今日の一言
※第5〜8回では、スペースシャトル・チャレンジャー号爆発事故を題材に、第8回までの「学習内容」の事項(概念や用語など)の解説を行う
・チャレンジャー号爆発事故に関する解説
・技術者と価値(特に、安全)
・リスクに関する概説
・PCを用いた講義
・チャレンジャー号爆発事故の関するビデオの視聴
・予習・復習:課題2(Agora上でチャレンジャー号事故について、倫理的問題構造およびステークホルダーなどの事実関係の分析)(60分)
課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)
Q.スペースシャトルチャレンジャー号事故に関するビデオをご覧いただいて、個人で最初に感じたことは?
A.講義の中でご説明しましたので、原則としてコメントは控えます。
・1月28日は中止をして、日にちをずらして暖く安全な日に打ち上げるべき。 [この件については講義の中でご説明しました]
・MT社のSRB開発計画担当エンジニアのロジャーさんはロケットの打ち上げに反対していた。ロケットの打ち合げを決定するのはやはり現場で働くエンジニアがするべきだと強く感じた。
・MT社の仕事の半分以上がNASAからのものであるという事実は、打ち上げに賛同した大きな要因だと思う。アメリカの議会の公聴会って怖い。 [最後の部分、気持ちはわかるのですが、だからこそ真実を明らかにできる、という面もあります]
・NaSA[原文のママ]とMTとの関係と事故の関連性について、とても興味深かった。
・NASAには政府の圧力があって、MT社にはNASAの圧力があった。はじめMT社は正当な主張をしていたのに、圧力によって主張が変えられてしまったと感じた。
・NASAの曖昧な決定により犠牲になった乗員が大変可哀相である。もっと人の生命を考えて計画を行うべきである。安全性を第一に考えてこれからの技術者は考えていかなければならない。
・NASAは、MT社の社長の意見だけで打ち上げるべきではなかったと思う。時には、社長の意見がすべてではないと思う。
・NASAはスペースシャトルの打ち上げを急ぎすぎた。モートン・サイオコールの技術者が問題の危険性を訴えても、断固として延期に反対し、結局打ち上げて事故が行った。打ち上げれば事故が起き、打ち上げなければ仕事がなくなるかもしれないので、難しい問題であると思った。NASAの下請けの技術者なら、仕事がなくなっても、新しい仕事がすぐに見つかるのではないかと思うので、やはり反対意見をつき通すべきであるというのが私の意見である。
・NASAは[これまでの打ち上げ]実績を[、]下請会社は安全を優先していた。スペースシャトルに関わる全員がロケット発射を中止することに意見一致することは難しいし、時間が要ると思った。
・サイオコール社の主張がNASAのプレッシャーによって変えられてしまったことが、とても恐ろしいことだと思いました。
・サンヨーコール社の幹部がロケットの打ち上げを賛成したのにはNaSA[原文のママ]からの圧力があったとしか思えない。さらに下うけ会社としても元うけ会社の利益をとらなければいけないという責任も加わり最悪の結果をまねいてしまったのだと思う。
・スペースシャトルの打ち上げの最終決定のときに開発担当のエンジニアをはずして話し合うことは問題だと思う。この事故は絶対に防ぐことができた事故だと思う。
・それなりに偉い立場に置かれると自分の意志とは関係なく会社のことや組織が絡んでくるので自分の気持ちを押し通すのは難しいと思った。自分はその責任を重さには耐えられないと思う。
・チャレンジャー号が事故を起こしたのは、NASAがO-ringの耐久性を過信したこととサイオコール社がNASAからの利益のために問題点があるにもかかわらず打ち上げに同意したことが原因である。こんなことが起きないためには技術者の意見を会社がもっと大きく受けとめることが必要である。また、技術者ももっと強く言うべきである。
・チャレンジャー号爆発事故は技術者が強く反対していれば防げたかもしれないが、大人の事情でこのようなことになってしまってとても遺憾です。
・チャレンジャー事故のことは知っていたけど、詳しくは知らなかったので前日のやりとりを聞いておどろいた。
・ビデオの最後にあったようにこの事故は防ぐことができた問題であった。危険性をうったえたのにもかかわらず、なぜ打ち上げたのか疑問をもった。
・ボジョレーさんは危険だとわかっていたならば、もっととめるべきであったし、前回ゴムがさむくてダメになってしまったことがわかっていたなら、もっと接合部のゴムの改良をするべきであったと思う。でも、もと請けと下請けという関係があるのであまり強く上の人にいえない気持ちもわかるなぁと思った。
・ロジャー・ボジョレーは、初め反対していたのに最後には賛成にまわった。これは、おそらく周りのプレッシャーが凄かったのだと考えられるが、人の命がかかっているので簡単に賛成にまわってほしくなかった。 [これはボジョレー氏ではなく、副社長のランド氏です]
・安全よりも利益を重視したためにおこった事故。今の原発事故もそうだが失敗したからこそ次につなげる必要があるのではないだろうか。
・安全性について正しい事を言っているのに相手にされないロジャーさんがかわいそうだった。
・安全性を求めた個人の意見が利益を求める企業の意見に潰されるのは恐ろしい。
・会社からの圧力が大きく、技術者の意見を聴こうとしないことが大変遺憾である。
・会社や組織の体質の問題でもあり、技術者の声をきことうしなかった上司にも責任はある。企業の体質を見直さなければいけない。
・会社全体のことを考えるべき社長がまっさきに“賛成”側にまわったのがいけなかったと思った。利益の前に安全をとるべきだった。
・危険なことを知っていたのに打ち上げをしてしまったことでこの事故がおこってしまった。とても残念に思う。
・危険性が高いとわかった時に中止できる体勢[正しくは「態勢」]がなかったことが一番の問題だったと感じた。非常に優れた技術者や経営者が一人いても止めるのが難しい状態にあったと思った。誰がどのように責任をとったのか気になった。
・技術者としての仕事をまっとうすべきだと思った。
・技術者として最悪の事態を予想できても、様々な圧力によってその意見が通らないことがわかった。
・技術者の立場から見ると、絶対に打ち上げてはいけないにもかかわらず、経営者の立場でも考えなければならなく、非常に難しい判断をせまられてはいたが、技術者として最後まで反対すべきだったと思う。
・技術者は最後まで経営者になるべきじゃなかった。このような場では立場の低い者の意見を聞いた方がいい。
・技術担当副社長は、危険性があると分かったいるにも関わらず、NASAからの重圧に耐えられなく、ロケットの発射に同意した。分かっているにも関わらず同意したということが、技術者としても副社長の立場としても駄目だと感じた。
・技術面の事を考えるエンジニアと違い契約や立場まで考えて時に自分の考えと全く逆の行動をとらねばならないところが下受け会社上層部の人々の難しいところだと思った。
・今回のスペースシャトルの事件では打ち上げても失敗する可能性があり、打ち上げなくても非難されるという板挟みの状態から結局打ち上げてしまって失敗してしまった。この事件はどちらも悪いところがあると思うがモートン・サイオール社が許可を出すべきではなかったと思う。
・失敗から学ぶことは多くあるというが、取り返しのつかない失敗もある。
・社長や上の立場の人はもっと大切にすべきものは何かを考えるべきだと思った。
・少しの誤差でも見落としたり、見逃すことで事故につながるのだから、不安に思うポイントに対して敏感になることが必要であると感じた。 [その通りですね]
・人の命を最優先に考えることがNASA、MT社ともにできれば、この結果はなかったと思う。利益、評価よりも安全を取ることが最も良いと思う。
・人命よりも利益を優先したNASAが悪いと考える。利益ばかりで物事の本質が見えていなかった。
・前回の1次リングが焼けたことをもっと重く受け止めるべきだったと思った。
・日本とアメリカで状況が違うところが事故に結がったのでしょうか? [少なくとも今回に関しては、あまり関係ないのでは?]
・反対派が自分1人だけだとしたら、私も自分の意見を変えてしまうかもしれないと思った。
・複雑な問題だと思いました。
今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載
・Agoraがつながりました。 [次回提出ですので、ぜひ頑張ってください]
・Agoraに入れなくてあせった。 [トラブルが発生したと申し出た方ですね]
・GW楽しみ。 [その通りですね。来年は就職活動なので、事実上、最後の連休だと思ってください]
・いい天気でもなかった。 [不安定な天気でしたね]
・いつも座ってた席に違う人が座っていて、ものすごく気になった。 [センセイも気づいていました。いつもじゃない場所に座っている人が数人いましたね]
・エヘヘ・・・5/17(火)に金沢歌劇座にロックバンド「TOTO」のコンサートに行ってきます。どんなコンサートになるのか楽しみです。ズバリ今の若者は洋楽ロックをたくさん聴くべきである!! [「聴くべき」かどうかはともかく、TOTOは良く知っていますよ]
・グラタンがたべたいです。 [食後の講義だったのですが、まだお腹が空いていたのかな?]
・すごく眠たかった。 [食後のせいか、数人、そういう方がいらっしゃいましたね]
・ためになった話をありがとう。
・ためになりました! [以上、ありがとうございます]
・とても考えさせられるビデオでした。 [その通り、考えてしまう内容でしたね]
・ねちゃった。 [こちらもお疲れのご様子]
・ハレー水星[正しくは「彗星」]は何年後ですか? [2061年の夏です]
・ボジョレーさんはカッコよすぎる。特に眉毛。 [「眉毛」というのは初めてです]
・安全にかかわることがらは最も重点をおかなければいけない。 [まったくその通り。でも単純に「安全だけ」と行かないのがこの社会です]
・安全性は大切だと思った。 [こちらも]
・過去の自分をだませ。 [????]
・感動した。大胆かつ柔軟に。 [ビデオの内容についてでしょうね。「大胆かつ柔軟に」対応すべき、ということでしょうか]
・技術者というのがどういうものか少し分かった気がします。 [なるほど。就職活動が始まる後学期にかけて考えてみてください]
・技術者はただでさえ色々改発[正しくは「開発」]とかして大変なのに、こんな問題をかかえることにもなるなんてとても大変な仕事だと思った。 [2週に渡ってご説明したように、皆さんの活動がこの社会に大きな影響を与えているんですね]
・強いアメリカ! USA! USA! [ビデオを見てそう感じたのでしょうか]
・今週も雨がふった。先生は雨男ですか? [普通だと思います]
・今日はたいへんな一日でした。 [どうしたのかな?]
・今日はなし。 [はい]
・今日は雨!! [そうでしたね。今週はたまたま車で来ているのですが、自転車だと大変だったと思います。風もあったし]
・今日もバイトです。 [勉強との両立には注意してください]
・事故の実際の映像が生々しかった。コクピットが落下していく映像は言葉にならないようなショックを受けた。 [それは貴方/貴女がちゃんとした感受性を持っているということですよ。中には何も感じない方もいらっしゃいます。残念ながら]
・自分はいつも視点が固定していることが多いので今回は勉強になった。 [お客さんにサービスや製品を提供する立場で考える必要があるんですね]
・就活が大変そうです。 [大変です(キッパリ)。でもそれを乗り越えましょう]
・就職できるか不安です。 [こちらも。後でご説明しますが、オトナの立場で考えるとずいぶん開けて見えるんですよ]
・先生のスライド、授業ごとに背景変えた方が面白いですよ!! [マンネリだ、という意味でしょうか。余力があれば変更したいのですが...]
・副社長がかわいそうだった。 [そうですよね。彼だって板挟みになったのに]
・眠かったです。 [お疲れのご様子]
・明るい人生を歩みたい。 [そうですね。でもそのためには影や陰を識ることも必要なのです。影/陰があるからこその明るさなんですよ]
西村が担当する授業の様子は、<http://www.page.sannet.ne.jp/h_nishi/>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。