平成23年10月17日更新

3EE2クラス
第5・6回:平成23年10月17日 学習内容授業の運営方法学習課題(予習、復習)課題の解答今日の一言

学習内容

※第5〜8回では、スペースシャトル・チャレンジャー号爆発事故を題材に、第8回までの「学習内容」の事項(概念や用語など)の解説を行う
・チャレンジャー号爆発事故に関する解説
・技術者と価値(特に、安全)
・リスクに関する概説

授業の運営方法

・PCを用いた講義
・チャレンジャー号爆発事故の関するビデオの視聴

学習課題 予習・復習

・予習・復習:課題2(Agora上でチャレンジャー号事故について、倫理的問題構造およびステークホルダーなどの事実関係の分析)(60分)


課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)

Q.スペースシャトルチャレンジャー号事故に関するビデオをご覧いただいて、個人で最初に感じたことは?
A.解説前の感想であることにご留意ください。講義の中でご説明しましたので、原則としてコメントは控えます。

・100%事故になると分かっていながら賛成したロジャー・ボジョレーが一番悪いと思った。 [この意見については、次回補足します]
・NASAからの圧力があったので、打ち上げを同意したのは仕方ないことだと思う。
・NASAは、現場の意見をもっと重視すべきだったと思う。技術過信は怖いと思った。
・Oリングがダメなことを知っていたのに実験を進めたことはいけないことだと思う。
・O-リングには寒さで伸縮性がなくなるということが実証されていて、二重リングについてもせっし[摂氏]12℃以下では危険があると、技術側から言っていたのに、打ち上げを推す言ったNASAも、会社の経営のために賛成した会社もダメだと思う。
・Oリングの効力は、最低でも12℃以上ないと発揮されないものであったが、そうなるには、4月以降になってしまうのでNASAもしかたなく打ち上げたと思った。でも、人間も乗っていたわけだからもっと考えて決断すべきだと思った。
・スペースシャトルの打ち上げは事故も多いと思うので少しでも不備や環境が悪ければ中止にするということを全体で共通意識を持っていれば事故は少なくなると思う。
・チャレンジャー号の事故については上総部[正しくは「上層部」]が現場の意見を聞かずに強行して事故が生じてしまっている。現場の技術者がスペースシャトルのことについて一番わかっていると知りながら、意見聞かないのは会社としておかしい。
・ビデオを見て、NASAは現場の意見を聞こうとしないのがおかしく、モートン・サイオコール社は同意せざるを得ない状況にしたNASAに問題があり、同意をしたメイソンらに問題があるとすればNASAを説得できなかったことだと考える。
・モートン・サイオコールが賛成じゃなくても結局3対1で打ち上げてしまうことが悲しいところだと思った。 [副社長のランドは最終的には賛成しますので、4対0でした]
・一人の意見が尊重されない世の中がよくないと思う。
・何回か失敗をしていないから今回も失敗はしないだろうという考え方はゆでがえるの話とにているなと思った。
・何事にも失敗はつきものだが、その失敗を最大限なくす努力をおこたってはいけないと感じた。
・企業のトップたちは、会社を守るためであればリスクが高くても賛成するのだと分かった。
・危険が分かっているのなら発射をやめるべきだと思った。
・気温が低い状況での打ち上げをMT社は危惧していながらも結局は上からの圧力や経済的事状[正しくは「事情」]で打ち上げを認めたことから技術者としての立場の低さが伺える。
・規模が大きくなると、個人の判断や意見が聞き入れられなくなる現状があると思う。
・技術者が絶対失敗すると言っているにもかかわらず、NASAは技術者の意見を無視したことはおかしいと思った。
・技術者として「利益」ではなく「安全」を常に考えて行動しなければならないと改めて認識させられた。
・技術者としての立場ならば反対を通すべきなのだが、会社のことを考えると反対の意見を変えなければいけない難しい立場であるので自分では判断できないと考じた。
・技術者のあこがれでもあるロケットのエンジニアでも、大きなプロジェクトをまかされるがためにそれなりの苦悩があることを初めて知った。技術者は経営者と独立しているといってもよく、経営者は技術者の意見を第一に考えるべきであることを今日見たビデオから伝わってきた。私達も技術者になる為には100%の正しい意見を述べられるような自信と技術を身につけなければならないと感じた。
・技術者の警告を優先して考えることが必要があったと思う。利益は大切だが事故が起こった後の損失を考えればこのような事態は避けられたと思う。
・技術者の責任の重さをあらためて知った。100%安全なものをつくるべきだ。 [その意気込みはありがたいのですが、「100%安全」は実現不可能です]
・技術者の立ち場と経営者の立ち場で、ここまで変わってくることがわかり、その企画が大きいほど、計画の決定が難しいことが分かった。
・経営が全てではなく、エンジニアにとって自信をもって安全に作動するかということが一番大切だと再認識させられた。
・警告を何度もしていたので、NASAも非常に重要だと認識してほしかった。
・決定的なミスをだれかがしたわけでもなく大きな事故が起こることが恐ろしいと思った。それぞれの立場ごとに、重要視するもののミスマッチが起ったのだと感じました。
・結果、ボブ[・]ランドは打ち上げに賛成しても反対しても責められる立場だったので私でも賛成したと思う。
・結局は金が全てだという考えは良くない。
・元請けと下請けのリアルな関係がショックだった。現場の意見が聞こえないシステムには問題があると思う。
・現場と上層部との意見の相違がこの事故を引き起こしたと思う。
・事故が起こることを予知していたのに、打ち上げに賛成してしまったことは、とても残念な話だと思う。
・人の意見が尊重されない。
・接合部分に問題があることは忠告されていたのに、スペースシャトルの発射を許可したのは判断ミスであると思った。
・前[=前回議論した架空事例「百万石サーキット」]に[自分が]書いたことは軽率だったなと思いました。
・前回の打ち上げよりも約10℃も気温が低く、その時もOリング接合部に問題があったのにもかかわらず、打ち上げをしたのには驚いた。失敗する可能性が高いとわかっていたのなら、中止にするべきだったと思う。
・組織という巨大システムが複数の人間の意志を変えてしまうということが分かった。
・打ち上げるべきではなかったと思った。失敗する確率が高いと分かっていて、打ち上げに同意したのでいけないことだと思った。
・大きな資本主義はおそろしい。
・大半の仕事をNASAから請けていたため、苦渋の選択だったのだと思った。
・弾層[正しくは「弾倉」]すべてに弾が入っている状態のようなものならなぜやめさせなかったかと思った。(100%死ぬ)。
・知識が足らない人が上になるのはダメだと思う。下の立場の反対していた人達も、仕事を止めるなどの行動を行えばいいと思う。反対するならばしっかりとしたデータをそろえるのも必要だと思う。
・低い気温での打ち上げに問題点があることを知っていたのであれば、打ち上げは中止すべきだったと思う。
・投標[正しくは「投票」]で誰も反対しなかったことが金のことしか考えないお偉いさんの悪いとこだと思った。
・爆発事故は技術者の言葉に従えば防げたと思った。
・利益を求めすぎてはいけない。
・立場の低い者が何を言っても、結局は上の立場の人間の利害のみで意思決定がされてしまっている。上の立場の人間は下の人間の意見を充分に聞くべきだと思う。


今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載

・Macって使いやすいんですか? うどん県についてどう思いますか? [Macの件、用途によると思います。皆さんの場合、逆に仕事をしにくいと思います。うどん県は面白いと思いますよ。何回か本場で食べましたが、ホントに美味しかったです]
・いろんなことを考えさせられる。 [ありがとうございます。ご自分の将来を重ね合わせているんでしょうね]
・ためになった!!
・ためになった。 [複数。以上、ありがとうございます。次回は今回の件を理論面から考察します]
・チャレンジャー号の事故が衝撃だった。 [何度観ても慣れることのない映像です]
・チャレンジャー号の事故の真そう[真相]を初めてしって[知って]、技術者の考え方を知った。 [技術者にしかできないことがあるんですね]
・チャレンジャー号事件が衝撃的だった。 [技術者の働きがいと、それにともなう責任を思い知らされる話ですよね]
・また課題が出たのでがんばりたい。
・また課題ですね。 [以上、講義内容をまとめるつもりで挑戦してください]
・むずかしかった。 [いろいろ考えたのですが、講義内容が難しかったというより、自分が当事者だったら......ということでしょうね。つまりそれだけ成長したってことです]
・安全性が第一! 自分は二の次。 [基本はその通りですね]
・映像を見て、あらためて事故の恐さを知った。 [そうなんです。とても「軽く」は考えられないことなんですね]
・関係者が多いと意思決定も大変だと感じました。 [それはその通りです。そして現実社会は程度や様態の差こそあれ、このようにして動いています]
・技術者が最も大切にしなければならないことが「安全性」ということが分かった。 [その通りですね]
・技術者としてどう行動するかを考えさせられた。 [こちらも]
・技術者は物を作るだけではなくいろいろなことをするんだなと思った。 [そうなんです。社会と密接に繋がっているんですね。だから技術者入門やこの科目その他があるんですね]
・[映像に出てきた]技術[担当]副社長が苦しすぎる。公聴会で。 [まったくその通りですね]
・興味をもって話を聞くことができた。 [ありがとうございます。映像だといろいろなことがわかるんですね]
・元請けと下請けの関係が難しいなと思った。 [その通りですね。でも現実の社会ではほぼすべてがこのような形──ただし元請/下請かどうかは別にして──で仕事が進みます。sれを乗り切らなければならないんですね]
・工大祭、ぜひ来てください。 [もちろん参加します!!]
・考えさせられた。
・考えさせられる内容でした。
・今日は考えさせられた。 [以上、ありがとうございます。ご自分の将来と重ね合わせて考えられたんでしょうね]
・今日は髪型がうまくいきませんでした。 [寝癖がついたまま、ということでしょうか]
・自分のキャリアを優先してはいけない!! ←言いきかせ。 [技術者としてこうありたい、ということでしょうね]
・社会とはとても大変だなぁと感じた。 [大変です(キッパリ)。でもそれだけ働きがいがあります]
・集中して聞けた。 [映像があったからでしょうか。よく頑張りました]
・先週のF1の課題で[自分は]最終的に反対しなかったことについて考えるようになった。 [開催するかどうかは別にして、前の判断を反省できると言うことは、それだけ内容を理解し、ご自身も成長したってことですよ]
・先生、素直ですね。 [操作ミスの件ですね。触ったつもりはないのですが......]
・大人の事情怖い。 [気持ちはわからないではないのですが、前述したように、程度と様態の差こそあれ、現実社会はこうやって動いているということ、そして貴方がその中でどう考え、適切に行動しますか、ということです]
・難しいと思った。 [複数]
・難しかった。 [以上、こちらもいろいろ考えたのですが、「どう行動すべきかが難しかった」ということでしょうね]
・眠かった。
・眠かったです。 [以上、お疲れのご様子。ちなみに→を描いてきた方もいらっしゃいました]
・話がサクサクして耳にのこった。 [テンポが良かった、ということでしょうか。もしそうならありがとうございます]


西村が担当する授業の様子は、<http://www.page.sannet.ne.jp/h_nishi/>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。


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