平成23年10月18日更新

3EM2クラス
第5・6回:平成23年10月18日 学習内容授業の運営方法学習課題(予習、復習)課題の解答今日の一言

学習内容

※第5〜8回では、スペースシャトル・チャレンジャー号爆発事故を題材に、第8回までの「学習内容」の事項(概念や用語など)の解説を行う
・チャレンジャー号爆発事故に関する解説
・技術者と価値(特に、安全)
・リスクに関する概説

授業の運営方法

・PCを用いた講義
・チャレンジャー号爆発事故の関するビデオの視聴

学習課題 予習・復習

・予習・復習:課題2(Agora上でチャレンジャー号事故について、倫理的問題構造およびステークホルダーなどの事実関係の分析)(60分)


課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)

Q.スペースシャトルチャレンジャー号事故に関するビデオをご覧いただいて、個人で最初に感じたことは?
A.解説前の感想であることにご留意ください。講義の中でご説明しましたので、原則としてコメントは控えます。

・12℃で打ち上げた時に問題があったのであれば、低温でも打ち上げられるように対策しておくべきであったと思う。
・12℃以下で打ち上げを行えば危険であることはわかっていたのに、周りの意見に流されたランドは意志が弱い。
・NASAとMT、MT内でもっと議論をするべきだった。急がないといけなかった状況なのもわかるが、宇宙飛行士の命よりも会社を選ぶのは馬鹿げている。
・NASAのお役所仕事が原因とかあきれる[呆れる]、上に立つ人間がまともじゃないとやばいろくなことにならない。いくら経営者だ、元受け[正しくは「元請け」]だといっても現場もわからないような人間に従うのは間違い、使用者、利用者のことを一番に考えないと信用も得られない。
・NASAの圧力もあって、打ち上げにふみきる[踏み切る]しかなかったと思う。NASAがもっと技術者の注意を聞くべきだと思う。
・NASAの言うこともわかるが、人の命がかかっているので経営のことを考えるよりも技術のことを考えて、無事に宇宙へ打ち上げるように準備をするべきだと思った。
・NASAの責任者の発言はおかしいと思った。
・NASAは政府からの予算でプロジェクトを進めていて、これ以上遅れると企業の存亡の危機におちいっていた。SRBを設計していたMT社は収益の半分をNASAからとして、どちらもロケットを打ち上げなければいけない状況だった。Oリングが技術者から見て確実なものとされていなかったので本来なら打ち上げを止めるべきだったが、2つの企業からすると、その危険は[少なく]きっと大丈夫[だ]と[判断]していたので打ち上げを止めなかったのかと考えた。
・NASAもMT社も経営のことを優先した結果、事故が起こってしまったたのだと思う。
・NASAも戦後で国同士の争いが絶えず功積[正しくは「功績」]が欲しかったとはいえ、人命がかかるなら、時間がかかっても問題解決に努めるか、中止するべき。
・エンジニアとして危険性がわかっている状況でも、会社やまわりの状況によってエンジニアとしての判断をつらぬくことが難しいこともあると知った。エンジニアでもあり社会人でもあるので、何を優先するべきかの判断が難しいと感じた。
・たとえ下受[正しくは「元請け」]けの会社であっても打ち上げの延期を強く提案するべきだったと思う。
・チャレンジャーが発射後に炎上してしまった映像は衝撃的だった。問題点がありながらも打ち上げを強行してしまったことは危険で、事故を防ぐことはできたかもしれないと思った。
・どうすることもできなかった気持ち[は]わかる。ボジョレーさんがどうしようもなかったことがよくわかる。難しい話だが、せき任[責任]は、ある。
・どんな状況でも事故が起きない可能性は0ではないので仕方ないことだと思った。
・ビデオを見ると社長やNASAは安全よりも利益を重視していると感じとれた。
・ほぼ事故が起こるのがわかっているのにほとんど強制的に賛成させられる上の人からの圧力は恐ろしいと思った。
・ロジャーボジョレーさんは上と下からの板ばさみにあって上にしたがう[従う]しかない状能[正しくは「状態」]でつらい立場だと思った。
・圧力に負けなければ、打ち上げは中止になっていた。安心、安全に配慮した方が今後のためにもなったのではないかと感じた。
・安全か利益、技術者としては前者を選択するべきだろうが、経営者としては後者を選択してしまいそう。
・安全は大切である。
・安全性に問題があったが、NASAからの圧力などがあり、打ち上げに反対するのが難しかった。
・一番大切なことは何かということを考えさせられた。
・下請け、元請けの事故は、日本でもアメリカでも規模が違うだけで同じだと思った。
・下請け会社はつらい。本来なら中止すべきなのだが元請け会社の圧力におしきられてしまった。この点がよくなかった。
・各立場の状況になったら、判断は難しいと思う。
・危険性があったにも関わらず、ロケットを発射したMT社の行為は許されることではないと思った。
・危険性が高いのに打ち上げたのは問題だった。
・技術者が問題があると言っているのに、打ち上げたことに驚いた。
・技術者であれば危険とわかるのに最終的に打ち上げを許可したのがしんじられない。自分であれば、上の人になんといわれようが許可はしないと思う。説得させるために多くの危険であることを説明する。
・技術者という立場が重要であることを理解することができた。
・技術者として、危険であるとしても、自身の会社の経営を考えると、実施してしまうことがある、技術担当副社長の気持ちもわかるが事故が起こる危険性が高ければ、実施しない方がよいと思った。技術の過信は危険であると思った。
・技術者としては反対だったが副社長のような立場なら賛成していた。
・技術者として反対しつづけなければならなかった。
・技術者と経営者では優先しているものが違っていたにしても、事故がほぼ確実に起きるという状況でも打ち上げに価値があったのか疑問に思った。
・技術者によって安全が確保されてないものを使ってはいけないと感じた。
・技術者の意見と経営者の意見は求めるのもが違うから平行線を辿るんだと感じた。
・技術者担当副社長は強い[い]し[=「意志」]をもってスペースシャトルの打ち上げに反対するべきだったと思う。強いいし[意志]があれば事故はふせげていたと思う。
・経営悪下[正しくは「悪化」]による会社の存続問題よりも、事故の可能性が少しでもあるのなら、そちらを優先するべき。現場と経営者では考え方が違うのは仕方がないのだろうか。
・経営者の受ける圧力や責任などは自分にはなかなか分からないが、被害者のことを思うと、なぜ決行したのか?と思う。
・現場での判断はあまり重要視されず、また、安全に対する問題をよく知る技術者ではなく、その知識が薄い人達で決定するのが問題である。
・今回のビデオ視聴で感じたことは、どうして失敗するとわかっていながらもミッションを決行したのかという矛盾にある。技術者としては止めるべきだが、経営者としては止めるべきではなかった、私としては、この結果は人命を軽んじたように見えて苦しいものがある。
・今回の問題はNASAからの圧力による失敗だった。技術者の意見を反映されないのは極めて致命的であると感じた。始めからわかっていた危険を無視した、安全性を第二にしてしまったこの結果を今後活かすべきだと感じた。
・最も大事な技術者の意見をないがしろにするのはいけない。自社の技術を把握していない経営者に問題がある。
・最終的に打ち上げに同意してしまったのは技術者として問題があったとは思うが、これだけ大きなプロジェクト、利益を前にして中止と言える人はほぼゼロに等しいかと思う。
・社長が利益を考えて技術者に対して、結論を促すのはわかるのだが、技術者は自らの意思を貫き通す必要があったのではないか。
・上から圧力に負けていいのか。
・政治的圧力があったとしても、乗務員の安全性を第一に考えるべき、事故が起こってからでは遅い。
・設計者の立場はむずかしい。
・先週の事例のような話で、実際に起こった話だと考えると非常に恐ろしかった。
・前年の打ち上げの時にO−リングの一次リングが焼けたことを受けて、O−リングの二重構造の安全性をうたがうべきであったと思う。又、前年の打ち上げ時より気温などの条件が悪い事をもう少し重く受け止めるべきであったと思う。
・打ち上げが失敗すると、技術者の人たちは思っていたが、実際、自分が技術者の立場であったら自分を守るためにだまっていたかもしれないと考えた。非常に難しいVTRで考えることが沢山あった。
・日常でもありそうな判断要素による判断で大きな事故が起きてしまうおそろしさを感じた。
・防ぐことができた事故を会社の利益を求めて起こしてしまったことが残念。
・本当なら技術者の意見を優先すべきであったが結果的にはMT社はNASAの圧力に屈してしまう形になってしまった。スペースシャトルの打ち上げは何人もの人命がかかっており、一部上の人間の勝手な理解のために危険な条件の中で行って良い物ではなく、現場のスペシャリストの判断を優先させるべきだと思う。この事件は、分野が違えど、日本で起きた地震の後の東京電力の事後処理にも同じ事が言えるのではないかと思う。
・目先の金、財政、経営ばかり気にして、人の命がかかっていることを忘れてしまっている。
・利益のために人の命が失われるのはとても悲しいことなので、技術者は安全性が1番であると思った。
・利益を求め過ぎていて、意見が尊重されていない状況だったために人命が奪われたのは酷い事だと思った。
・利益を優先させる一部の人の思惑で、このような事件になってしまったと思う、現場と上との意識の違いを埋めなければならないと思います。乗務員の命を一番に考えてほしい。


今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載

・「とりあえず上手くいった」は失敗よりも最終的にひどい結果になる。 [しばしばそうなるんですね。長い目で考えましょう]
・1度でいいからスペースシャトルの打ち上げを見たかった。 [レプリカで良ければ、北九州市にある遊園地「スペースワールド」で(たぶん)実物大のものを見ることができます。近くだとものすごい迫力ですよ]
・3D設計が難しすぎてやばい。 [専門科目が大変なようですね。ここが踏ん張り時です。頑張りましょう]
・C [????]
・TOEICの勉強を進めよう。 [ぜひぜひ。単位認定を目指しているのでしょうか。頑張ってください]
・エンジニアの判断が思った以上に重要であることを知った。 [まったくその通りなんですね]
・この事件は、将来技術者になる可能性がある私達には全く無関係ではなく、自分がどういう行動を取るのか、その結果どうなるのかを、良く考えていきたい。 [こちらも。「じゃぁ、具体的にどう行動するか」については次回以降の講義で一緒に考えましょう]
・スティーブ・ジョブズ氏が亡くなって寂しいです。iPhone 4S予約しました。 [センセイはジョブズのミーハーではありませんが、一つの時代が終わったことは実感します。iPhone 4Sの件、羨ましい限りです。キャリアはどちらにしたのでしょうか]
・スペースシャトルに乗る際は、気をつけようと思う。 [乗れないってば......。全機退役したし]
・チャレンジャー号の爆発すごかった。 [まったくその通りでしたね。先生のご両親には声のかけようがありません]
・とにかく悲しかった。 [こちらも]
・むずかしいはな[し][=「話」]でした。 [いろいろかんがえたのですが、「じゃぁ、どう行動すればいいのかがわからない」という意味なんでしょうね。次回以降、一緒に考えましょう]
・やることが多い・・・。毎日授業が10限まである・・・。 [専門科目で大変なようですが、ここで踏ん張れば新境地が開けるのでは? SAとして手伝ってくれたEMの先輩の様子を見ていると、ホントにそう思います]
・楽しかったです。 [ありがとうございます。もちろん「知的に」ですよね]
・技術者としてとても重要な問題について考えさせられました。
・技術者についての話が聞けて良かった。
・技術者の重要性を理解できた。 [以上、ご自身の問題として考えていただいてくださり、ありがとうございます。「じゃあ、具体的には......」については、次回以降考えましょう]
・教科書を読んで課題をやってみたが正しいかどうか分からなかった。 [唯一絶対の正解があるわけではありません。この件に関しては次回補足します]
・見かたを変えれば考えも変わるというものを今日の講議[正しくは「講義」]から感じた [元請/下請けの件、プレゼンテーションの必要性など、視点を変えるとずいぶん問題の所在と解法が違ってくるんですよね]
・好きな言葉は何ですか? [いろいろ考えたのですが、“te amo.”でしょうか。興味があったら調べてみてください]
・講義ノートは使用しているが教科書を使っていない。いつぐらいから使用するんですか?安全がどれだけ大切かわかった。サササとやると説明不足だし、どこに何を書くのかわからなくなるから、サササッとしないでほしい。 [教科書の件は何度か説明しました。教科書を読んでから講義に臨んでください。授業中に一緒に読むようなことはしません。講義ノートや提示資料には教科書の対応ページが記されていますから、良くわからなかった時や欠席してしまった時などに役立ててください。最後の「サササッ」の部分は次回の予告です。以上、十分説明しましたし、コメントから推測するに、他の方はご理解いただいているようなのですが...]
・今日の講義は身にしみました。 [そうなんですよね。特に機械系の皆さんにとっては「グッ」ときたのではないでしょうか]
・時には上司に強く意見しなければならない。 [もちろんそうです。言うは易く、行うは難し、ですが]
・少しねむかった。 [専門科目で大変なようですね。でもここが踏ん張り時です。また工大祭を利用してゆっくり休む時間も作ってください]
・色々と考えさせられる授業だった。 [ご自身の問題として捉えていただけたようで嬉しいです]
・色々な因子がある中での判断は困難を供う[正しくは伴う]んだなあ。 [そうですね。でも現実の社会は、程度や様態の差こそあれ、このように複雑な要因がからんでいます。じゃぁ、具体的にどう行動するかについては次回以降]
・寝むかった[正しくは「眠かった」]。 [お疲れのご様子。専門科目、頑張ってください]
・先生の講議[正しくは「講義」]は2〜3歩下がって考えるものが多いので悩ましい。 [拒絶するのではなく、「悩ましい」と感じられるのは、貴方が成長したってことですよ。自信を持ちましょう]
・専門実験大変。 [そのようですね。EMの先輩を見ていると、ここで頑張ると、グッと成長します。応援しています]
・[打ち上げの是非は]難しい判断だった。 [まったくその通りなんですね。この件に関しては次回以降に...]
・聞くだけの授業だったので眠くなった。 [すみません。今回と次回はあまり活動がないのです。できるだけ集中力を保てるように工夫します]
・僕は会社の命令だったら断れる自信がない。 [気持ちはわかります。じゃぁ、どうするかについては、次回以降にご説明します]
・眠いです。 [こちらも専門実験で大変なようですが、頑張ってください]
・余裕を持つことが判断ミスの防止につながる。 [重要な点を指摘していると思います。追いつめられて視野狭窄になると、適切な判断ができなくなるんですね。そうではなく......ということを講義の最後でお話ししたわけです]
・利益追求をしすぎるとこわいな〜。(JRの電車とか) [福知山線の件ですね。物事には適切な範囲があるように思えます]
・立場上、倫理をつらぬくのは難しいと感じた。 [気持ちは、わからないではありません。具体的にどう行動するかについては、次回以降、一緒に考えましょう]


西村が担当する授業の様子は、<http://www.page.sannet.ne.jp/h_nishi/>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。


「授業に関するご連絡」に戻る

トップページに戻る