平成24年4月26日更新

3BB1クラス
第3回:平成24年4月26日 学習内容授業の運営方法学習課題(予習、復習)課題の解答今日の一言

学習内容

※スペースシャトル・チャレンジャー号爆発事故を題材に、倫理的考察や意思決定に必要な概念や用語などの解説を行う 
・チャレンジャー号爆発事故に関する解説
・技術者と価値(特に、安全)
・リスクに関する概説
・対立する価値と倫理問題
・ステークホルダーと価値
・技術者の直面し得る倫理問題とその種類(ジレンマ問題、線引き問題など)
・倫理問題と設計問題のアナロジー
・倫理思想の特徴と代表的倫理学理論
・倫理的意思決定の方法(概論):エシックス・テストおよびセブン・ステップ・ガイド
・なぜ、科学技術者倫理が求められているのか@(メタ、マクロ、メゾ、ミクロの観点から)
・科学技術の歴史とエンジニアリングの特質
・近代科学技術と倫理思想
・技術者はなぜ特別の責任を負うのか
・技術者が共有すべき価値と倫理綱領(概説)

授業の運営方法

・PCを用いた講義
・チャレンジャー号爆発事故に関するビデオの視聴
・関連する視聴覚教材の視聴
・演習
など

学習課題 予習・復習

・予習:教科書の第4章、第5章、第6章および第7章の精読(120分)
・復習:課題2(Agora上でチャレンジャー号事故について、倫理的問題構造およびステークホルダーなどの事実関係の分析)(180分)


課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)

Q.スペースシャトルチャレンジャー号事故に関するビデオをご覧いただいて、個人で最初に感じたことは?
A.解説前の感想であることにご留意ください。講義の中でご説明しましたので、原則としてコメントは控えます。

・12℃以上でないと打ち上げることができないとMT社からNASAに通告されていたので、ロケットの爆発を防ぐためにも打ち上げを中止するべきだったと思う。
・7人は本当にかわいそうだと思う。
・NASAとMT社の関係だと本当に中止することはできなかったと思う。
・NASAとMT社の技術者とでは問題に対する考え方が全然違うんだと思った。
・NASAとサイオコール社の技術部との間に危機意識の差があったため事故がおきてしまったように感じた。
・NASAに圧力をかけられて打ち上げに賛成したのは経営者としても悪い判断だと思いました。
・NASAのプロジェクト責任者の安全に対する考えかたの甘さが目立った。
・NASAの圧力の大きさがこの事故を招いてしまったのだと思う。元請け会社や政治、国民からの重い圧力が、技術者としての判断を鈍らせたため、これはMTに問題があるのではなく、政治が悪いと思った。
・あらかじめチャレンジャーの発射が危険だと分かっていたにもかかわらず、利益や政治を考え打ち上げを決定したのは大きな間違いだったと感じた。また、打ち上げ延期もできたのではないかと思った。
・こんな事故があったことを自分は知らなかった。有人なのだから打ち上げを強行すべきではなかったと思う。
・サイオコール社は危険性が分かっていたなら、最期まで打ち上げに反対すべきであったと思う。
・スペースシャトル、チャレンジャー号爆発事故は、アメリカ政府の重圧によって引き起こされた。上に立つ者の判断力は大切だ。
・チャレンジャーの下うけ会社も上からの重圧に耐えられずGoサインを出してしまったことは反省すべき点だなと思った。
・チャレンジャー号の事故は飛ばす時期を延期していたら起こらなかったのではないかと思う、判断は正しくなかったと思う。
・どのような状況でも安全を第一に考えなければいけないと思った。
・ボブ・ランドさんは技術者として危険性があるようなら、最期まで発射に反対するべきだったと思う。
・ボブ・ランド氏の選択はNASA、他役員からのプレッシャーによるものだったように感じた。
・やはり機械的なところ[=「技術的な問題」の意]はエンジニアの意見を最優先すべきだと思った。
・リスクに対する甘い考えがこのような事故をひきおこしたんでないかと思う。
・安全と経営を天秤にかけるのは本当に難しいと感じた。
・安全を1番に考えず、NASAからのお金の援助を受けたいがために危険をおかしてまでスペースシャトルを発射したのは、間違いだと思う。
・一番尊長[正しくは「尊重」]されるべき技術者の意見を経営陣の理徳[正しくは「利害」。「利得」の誤字ですが、マイナス面も含みますので]だけで押さえ込んでしまったのはまずいと思う。
・下受け会社の立場では受ち上げを反対する選択はなかったように思える。
・会社の利益に目がくらみ、技術者が行わなければいけない正常な判断ができなくなっている。過去の失敗した経験を活かせなかったのは悲しい。
・会社の利益よりも人の命をもっと考えて、決断をするべきだったと思った。
・会社同士の関係を意時[正しくは「維持」][しなければならない]という重圧に負けて前回危険だったのに散せい[正しくは「賛成」]にまわってしまったと思った。
・解決すべき問題が分かっていたのに、シャトルを打ち上げたのはおかしいと思う。
・危険がわかっていて、打ち上げをするのはやはりリスクが高すぎると感じた。
・危険であるとわかっており、中止すべきだと言っている人がいたので防ぐことができた自己[正しくは「事故」]であったと思う。打ち上げを延期すべきだったと考える。
・気温が低いとガスがもれだして危険だという、少しの可能性でも見過ごしてはいけないと思った。
・技術者がどんなときに主張をしても、上の立場に言いくるめられるものだと感じた。
・技術者としての立場と、経営者としての立場では、考える基準が異なることがよくわかった。
・技術者としては安全性に疑問があっても、組織の中では難しい立場になるのだと分かった。
・技術者として見れば前回のOリングのことから打ち上げには反対になる。しかし、経営者として見るのであれば打ち上げを止めることは大問題になる。結果的には技術者として反対せねばならないハズだが世の中、その決断をするには首を括るくらいの決意がいる。
・技術者の言うことを聞くべき。
・技術者の考え方が軽視され、企業利益が[優先]されていたことで事故が起こり7人もの人が死んだのが何かやりきれない。
・技術者の社長[=技術担当副社長]が最後まで、自分の意見と通せなかった事と、上からの重圧に耐えられなかった事を思うと残念で、悔しい。
・技術者の立場なら反対しただろうが経営者の立場なら賛成したと思う。
・技術者は、絶対に事故が発生することを分かっていたのに、経営を優先させてしまった。事故よりも経営のが大事と言っているように思える。
・技術担当の人が危険を感じていたにも関わらず[正しくは「拘わらず」。ひらがなで使うのが普通です]、経営者だけの考えだけで決行しようといたのはよくないと思った。
・教科書に書いてあるより、現実味があった。技術面ではエンジニア側の意見に従うべきだと思った。
・経営と安全のバランスはとても重要だ。
・経営者の立場からすると乗組員の安全を最優先しないといけないと思った。
・最終的な計画実施を4人という少人数で決めるのは問題があると思う。
・三重Oリングにしてみては? [改修の時間があるでしょうか]
・資金面やさまざまな圧力によって、本来最も考えなければならない安全面をおろそかにしてしまったことに問題がある。
・事故が発生するのが予測できていたのに防げなかったのは、とても残念である。
・事故を未然にふせぎたい気持ちと会社のことを思う気持の葛藤には理解できるが、人命が関わることなので揺るがないでほしかったと思う。
・社会的背景によってチャレンジャーが打ち上げられたのは残念に思った。
・上に立つ者こそ、技術者倫理が必要だとわかる。下の者がいくら倫理を持っていたとしても、無駄になるのでは?。 [なるほど。この件は、講義の後半で考えましょう]
・人にはみなそれぞれの立場がる。NASAもMT社もいろんな圧力があったのかもしれないが、今回は打ち上げるべきではなかったと思う。
・人の命が関わっている問題点を軽視するのは良くないことだと改めて思った。
・組織の関係は恐ろしいと思いました。
・大企業に従わないと仕事をもらえない元請け会社[この場合は「下請け会社」]。よって、最良の判断ができなかった。
・墜落したスペースシャトル「チャレンジャー」の事故を見て思った事はNASAに責任があると思う。
・爆発の映像を見て、非常に恐ろしいと感じた。経営側と技術者側の焦り、プレッシャー、危険への問題視の観点が相異している。防げた事故は一部の名誉や利益のために人の命を失わせたのは本当にいけないこと。技術者は、安全性以外の利害にとらわれてはお終りだと思った。
・副社長が最後承諾したのは仕方がなかったと思う。上からの圧力には勝てない。
・副社長さんの重圧を考えると恐ろしさを覚えそうだ。
・様々な条件を判断して決断するというのは難しい。
・利害の問題で安全性が軽視されるのは危険である。


今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載

・9連休最高。 [有意義に使ってください]
・Agoraがんばります。 [ぜひぜひ]
・GWうれしい。
・GWは勉強か・・・。 [以上、こちらも有意義に]
・アゴラがいまいちわかりません。 [とにかく一度チャレンジしてみてください]
・エンジニアは大変そうだと思いました。 [そうなんです。いろいろなことを考えなければいけないんです。でもその反面、とても重要でやり甲斐のある仕事なんです]
・スペースシャトルは必ずしも安全でないと改めて分かった。 [それはその通りですが、他の飛行機や自動車、あるいは皆さんの専門分野(バイオ製品)だって、程度や事情の差こそあれ、危険性は存在していますよ]
・チャレンジャー号事故が衝激的だった。 [実は何回見ても「慣れない」映像です]
・どのような判断をするか、自分の意見をしっかりともつことが大切だと思った。 [そうですね。そしてそれをどうやって他の人に伝え、危険性を回避するか。これからの講義の中で考えましょう]
・パイロットの7人が可哀想。 [そうでしたね]
・ビデオを使った講義は良いと思いました。 [やはり見てみないとわからないことはたくさんありますよね]
・よかったです。 [今日の講義が、でしょうか。ありがとうございます]
・圧力に負けない人になりたい。 [それはその通りですが、どうやって状況を切り抜け、改善していくか、これからの講義で考えましょう]
・安全の重要性 ちょっと話[=解説?]も交えていて面白かった。 [ありがとうございます。背景がわかると印象がずいぶん違ってきますよね]
・何を一番大切にするかは立場によって異なるけれど、やっぱり命じゃないのかなと思った。難しい問題ですね。 [そうですね。この点はこれからの講義の中で考え続けましょう]
・課題 何を書けばいいか聞いていませんでした すいません。 [眠ってしまったのかな?]
・学生の立場からと、全然ちがう状況なので意見をまとめることが難しかった。 [それはそうでしょう。あまり焦らずに。ただし「学生じゃない世界がある」ことは意識し始めましょう]
・技術者としての価値を考えさせられた。 
・技術者は最後まで技術者でなくてはならない。 [以上、そのとおりですが、それをどうやって実現するのかを、これからの講義で考えます]
・技術者や社長等の立場からの大切なものを学べた。 [立場によって見え方や大切なものがずいぶん違って見えるんですね]
・見えにくい立場の人もいることも知った。 [そうなんです。言われてみると、わかるでしょ?]
・後ろの席なので、ビデオの字が見にくかった。 [すみませんでした。議論の時は別ですが、見えにくいのなら前の方の空いている席に座ってください]
・考えさせられる問題だと思いました。 [そうなんです。次回以降も考えます]
・今日の話は少し難しかった。 [これはたぶん、「奥が深い」という意味でしょうね。それを考えられるようになったのですから、成長したってことですよ]
・今日は以外[正しくは「意外」]と寒い。 [そうなんです。天気予報はもっと暖かいと伝えていたのですが]
・今日は今春初の木曜が雨の日だそうです。毎回とてもためになるようなお話で楽しかった。 [ありがとうございます〜(泣)]
・今日は早く終わった!! GW課題頑張ろう!!!!! 9連休だ!!!!。 [ぜひ有意義に使ってください]
・今日は早く終わりました。 [皆さんが講義の円滑な運営に協力してくださったからです]
・今日もとても良い授業でした。 [こちらも、ありがとうございます]
・視点によって価値観が大きく変わるのが凄いと思った。 [とても大切な点に気づかれましたね]
・実際に人が死んだ話を使うのと想像の話を使うのでは重みが違って感じた。 [そうなんです。とても「たぶん事故なんて起きないから...」などとはならないですよね]
・社会に出るとこうした問題がつきまとうとなると恐い。 [半分はその通りです。でも怖がっているだけでは話が進みません。技術者の仕事って、とても重要で、しかもやり甲斐のあるものなんですよ]
・授業の進め方が良かった。 [ありがとうございます(どこを指してかはよくわからないのですが)]
・十分に楽しめたし、早く授業が終わったので嬉しかった。 [もちろん「知的に」ですよね。ありがとうございます]
・世の中は黒いのか。 [いえ。真っ白も真っ黒もありません。実際にはグレーで、しかもまだら模様です。この点は次回ご説明します]
・責任というのは恐い。 [その通りなのですが、逆に言うととてもやり甲斐のあることなんです。怖がっているだけでは前へ進むことはできませんよ]
・早く終わって良かった! [皆さんが講義の円滑な運営に協力してくださったからです]
・体がダルかった。 [どうしたのかな? 連休を使って体調を回復させてください]
・朝に消費期限切れのパンを食べてしまった・・・。 [消費期限はある程度余裕を見ています。食べた時に変な感じがしなかったらたぶん......どうでしょう]
・適格[正しくは「的確」]なポイントを抑えたいい授業だった。 [ありがとうございます]
・働く上で、これから自分にも、このような選択をしなければいけないことがあるのかと思ったら不安です。 [そうなんですが、逆にこの種のポイントに気づく感性と、的確に処理する能力を身につけたら、ずっと成長しますし、大きな仕事ができると思いますよ]
・同じエンジニアを目指す者として興味深い。 [まったくその通りですね。貴方/貴女は問題を次へ繋ぐ、という視点から考える能力をお持ちのようですね]
・特になし。 [はい]
・難しい。 [たぶん、「対処の仕方がわからない」という意味かと思います。この点については次回以降の講義で考えます]


西村が担当する授業の様子は、<http://www.page.sannet.ne.jp/h_nishi/>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。


「授業に関するご連絡」に戻る

トップページに戻る