平成24年5月15日更新
3IS1クラス
第5回:平成24年5月15日 学習内容/授業の運営方法/学習課題(予習、復習)/課題の解答/今日の一言
※第5〜6回では、事例「ソーラーブラインド」に関するグループ討議を経て、第7回の「学習内容」に挙げてある事項についての考察を行う
・「ソーラーブラインド」の概説
・「ソーラーブランド」ビデオ視聴
・グループ討議
・PCを用いた講義
・与えられた事例に関するグループ討議
・プリントアウトして持参:課題3(個人での検討内容を討議で活用する。持参の有無を確認する場合がある)
・予習・復習:討議内容についてのさらなる検討(必要に応じて、課外でのグループ討議)(120分)
課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)
Q.上司から、ドラム缶に入った怪しげな液体を一般の河川に流せと指示されたら?
A.(解説前の最初の印象です。講義でご説明したので、原則としてコメントは省略します)
1.流す 30名(57.7%)
2.流さない 9名(17.3%)
3.その他 12名(23.1%)
4.無回答 1名(1.9%)
1.流す
・いわれた[言われた]ことをやらないと人間関係がくずれて[崩れて]しまうから。
・クビが危ないとなればさからえ[逆らえ]ない
・ここでさからう[逆らう]と今後の昇進に影響してくるから[。ただし]自分が偉くなったら、そんなことをさせないようにする。 [おもしろい考えですが、その間に被害が出たら?]
・[課長に]にらまれ[睨まれ]たくない
・まだ新入社員なので、指示に従うしかない。
・やはり上司の命令は聞かないとまずい。
・リスクに関しては課長も重々承知のはず、課長にも何か考えがあって流せといっていることを信じて流す。
・課長に逆らえないから
・[万一、その後このことが問題になっても]課長の責任にする。
・課長の命令に逆らうと、自分の立場があぶなくなるから。
・後のことはどうにかなるだろうと思って流す。 [......オイオイ]
・今後お世話になる上司だから。
・今後の仕事に影響するかもしれないから。
・今後の人間関係のため。
・自分自身への損益[原文のママ。恐らく「損害」ないしは「自分の損失」の意]がないから。
・社内に居辛くなるため、他の会社を探そうにも[今は]就職難。
・上司[に]はさからえない。
・上司の命令には逆らいにくいので、やむを得ず流す。
・上司を信じる
・親のためにも、自分のためにも、命令を聞かなければいけないと思う。何年後かに自分の地位が高くなれば、上の人に進言することもできるかもしれない。 [もしその間に被害が出たらどうします?(上記ご参照)]
・人間関係を悪くしたくないから
・人間関係を壊さないため。現在[の]就職氷河期(不況)で再就職は難しい。
・川が汚くなっても自分には関係ないし、上司に干されるのは怖いので。 [う〜ん、さすがにそれは、どうだろう]
・入社したばかりなので、まず信頼を得るために指示に従う。
・命令を素直に聞いてしまいそう。
・理由としては、どこへ言っても上下関係は存在するので、将来性[この場合は「(自分の)将来」]のためにも従ってドラム缶の中身を流すべきである。
・流さなければ上司から仕事をもらえなくなるから。2.流さない
・あきらかにあやしい[怪しい]。違法のことをしている。川は会社のものではない。 [最後の部分は、まったくその通りですね。鋭い指摘です]
・課長を説得して流させない。(水質検査あります[と伝える]等)
・缶の中身を教えずに川に流されるような企業には居たくないので、教えてくれないなら流さない。←教えてくれても悪いものなら流さない。会社辞める。 [このご意見については、次回]
・危ないものかどうかも分からないから。
・技術者の立場として、他に方法があると考えたから。
・最後は良い判断だと思ったから。 [長い目で見ると、これが良い判断だ、という意味でしょうね。こちらについても、次回]
・人間関係を気にして流して、そのことが世間に出た時に実行した人が責任をとらされるため、自分が後悔する。
・中身がはっきりしていないのならば流すべきではない。3.その他
・まず中身がどんなものかを聞いて、他に処理する方法を考えてみる。
・何の物質か、なぜやらないといけないのかを聞く。それが、明らかに隠しているようなそぶりや悪い物質なら流さない。やめるの覚悟[=「辞める覚悟」]で帰る。
・課長に自分が納得できるよう説明してもらう。
・課長に中身は何かとたずね[尋ね]、環境に悪影響があるものなら流さず、ないと答えられたら[正しくは「ないと答えたら」]流す。
・会社にいるほかの人に相談してから流すか、流さないかを決める。
・交渉する。課長の命令によって流したことを証明する念書を作り、その承諾によって行動を決める。承諾→指示通り流す。未承諾→流さない。 [おぉ!!]
・川はさすがにやばいです課長!! トイレにでも流しませんか? 重くて大変ですが!!
・中身が分からない。自分は環境分野を卒業していて、ヤバイことを分かっているから捨てる方法を考える。
・中身を確認して別の処理方法を考える。
・中身を絶対に聞く(危険物なら断る)。場合によってはコンプライアンスも[問題になるだろう]。課長のコネをもつ[=「課長との良好な関係を保つ」の意]より[、]会社全体からの評価の方が価値が高い[=「会社からの評価の方が重要」の意]。 [コンプライアンスの件、良くご存じでしたね。技術者入門でも勉強しましたね]
・他の案を提案する、もしくは自分で何とかすると言う。流そうと流すまいと、社会でまともに働くのは無理なので自分の能力にかける。
・舐めてみる。あるいはそうしていいか[=舐めて良いか]聞いてみる。ダメだといわれたら、そんなものは流せない、という。
今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載
[ご覧いただいたビデオ「ソーラーブラインド」に関して]
・「会社の上司の命令にどこまで従うべきか」も線引き問題ですか? ドラマの出来がすごい良い [前者に関しては、その通りです。後者に関しては、ありがとうございます。若手の先生の制作です]
・おもしろいビデオでした。質問の時間配分ももう少し減らしても良いかと。 [ありがとうございます。後半のご指摘はまったくその通りだと思います。実は今日のような授業形式、初めて挑戦してみたのです。残念ながら他クラスになりますが、次回からはもっとポイントを絞って進めたいと思います。ご指摘、感謝しています]
・この問題は難しいなと思った。 [そうなんですよー。さて、どうなる?!]
・ソーラーブラインドの技術者に対して大切だった。 [自分達の将来に役に立つ、という意味でしょうか]
・ソーラーブラインドは企画段階で見切り発進過ぎる気がした。 [この件に関しては、次回]
・ドラマがこってて[凝っていて]すごかった[凄かった]。
・ビデオおもしろかった。
・ビデオのクオリティが高かった。
・ビデオを見て、あらためて倫理的問題について考えるのは難しいと思った。
・ビデオ楽しかったです。
・リアリティのあるビデオだった。
・似たようなジレンマは就職してから起りえると感じた。
・実際のケースにたいへん近い資料で興味深くわかりやすい。 [以上、ありがとうございます。前述したように、このプログラムは若手の先生の制作です]
・納期と品質のジレンマでとても難しい。 [「品質」を突き詰めると?][今日の一言]
・お腹が空いてて集中するのがたいへんだった。 [どうしたのかな。午後の講義だったのに]
・その場ですぐにけめるべき選択としても上記のような見解を出したが。説得による遅延も一つの手段なんだなと感じた。 [その案を出した彼女、とても優れていましたね]
・テストは7ステップそのままです!! [はい]
・ドラム缶の中身が分からないのが難しい。 [そうなんです。まずそこに気づく必要があるのです]
・技術者はストレスでたおれ[倒れ]そう。 [気持ちはよくわかります。じゃぁ、どうしたらそうならないように......というのが、この講義のテーマなのです。言われてみるとわかるでしょ? 重要な点に気づいているんですよ。それも貴方/貴女の実力で。自信を持ちましょう]
・具体的にセブンステップをしてみてどんな感じなのかを知ることができた。 [そうなんですよね。皆さん、よく頑張ったと思います]
・色んな回答が出ておもしろい講義だった。
・色んな視点から問題を見るのは大切なことであると思った。 [以上、まったくその通り。参加していてお分かりになったと思いますが、皆さんよく頑張りましたよね。特に一部の人は大変高い能力を示してくれました。びっくり、という感じでした]
・人と時として自分の考えを貫くか人の考えに賛同するかで自分の人生が変わることが分かった。 [重要な点です。時々......といより沢山、お互い間違えますけど、これって絶対、まず「自分の問題」なんですよね。それが理解できると、授業へ向かう態度が劇的に変わってくると思います]
・難しい[問題だ]と思った。 [まず、その通りでしょう。でも貴方/貴女はまだ意識していないかもしれませんが、「難しい」とか「見方によって問題がずいぶん違うぞ」ということに気づき始めているからこそ「難しい」と感じているのです。自分に自信を持ちましょう]
・部屋が暑かった。 [そうなんです。外は雨なので、換気も難しい......。これからちょっと大変ですよね]
・倫理的問題の考え方が分かった。 [講義を聞いているだけでなく、(直接当てられたかどうかはわかりませんが)実際にやってみると全然違いますよね。それが大切なのです。お分かりでしょうが、(後ろの、ごく一部の人を除いて)皆さんよく頑張りましたよ]
西村が担当する授業の様子は、<http://www.page.sannet.ne.jp/h_nishi/>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。