平成24年6月12日更新
3IS1クラス
第9回:平成24年6月12日 学習内容/授業の運営方法/学習課題(予習、復習)/課題の解答/今日の一言
Reflections 1
(専門分野特有の問題に関する志向倫理的検討)
・PCを用いた講義
・関連する視聴覚教材の聴講
・学外講師による特別講義
・専門学科教員による講義
など
・予習・復習:課題5(90分)
・予習:課題6(Agora上での「ギルベイン・ゴールド」の倫理的問題構造、事実関係、ステークホルダーなどの把握)(100分)
課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)
Q.ご覧になったビデオの夫婦だったら、骨髄移植および不要な受精卵廃棄を前提とした着床前診断を受けますか?
A.(講義の中でご説明しましたので、原則としてコメントは控えます。判断は難しいと思います)
1.着床前診断を受ける 18名(34.6%)
2.着床前診断を受けない 32名(61.5%)
3.無回答、その他 2名( 3.8 %)
1.着床前診断を受ける
・しっかりと育てるなら骨髄移植のために子供を生んでもよいと思う。
・もし自分がその立場になったら、今生きている命[=兄のこと]が大切でその命を優先してしまうと思う。
・医療の発展に役立つから。
・科学技術の進歩で、これから助かる命を増やすことができる。
・科学技術の進歩によっての恩恵を受けるべきだと思うから。 [以上、それはそれでわかるのですが、見方を変えると「実験台になる」ということですよ]
・兄も健康になって、健康な弟も生まれるから。
・健康ではないものが駄目というわけではないが、健康なものの方が良いので「1」を選ぶ。
・健康な子供を生んでほしいから。 [「兄に健康になってほしい」という意味ですね]
・現時点では、[自分に]子どもがいないので卵子[正しくは受精卵ないしは胚]を殺すことに抵抗があるが、[自分に]子どもができて[その子供が]遺伝子病になった場合、冷静になれず[にその子供が]助かるためなら手段を選ばなくなると思うから。
・子供[=兄]のためだから。
・子供の病気のリスクを減らしたいと思うので。
・受精卵はまだ魂ではないから。 [それはそれでわかるのですが、では、いつから人間になるのでしょう。いつまでだったら胚を殺していいのでしょう]
・生まれた後で選択することはできないので、せめて生まれる前にしておくべきだと思う。 [こちらの考えもわかるのですが、生まれる前だったら殺人にはならないということになりますよ。でも日本の法律は異なります]
・倫理的には「2」がいいのだろうが実際にその立場になると「1」を選ぶと思う。2.着床前診断を受けない
・いくら子供[=兄]を助けるためだからといって遺伝子を変えた子供をつくるのはおかしい。
・しないが、正直その立場になっから分からない。また、昔からこの治療が行われていたら、このような論理的問題は生まれていないだろう。このことを否定したとして、他の行われている事はどうなんだと言われたら、反論できないので言いきれない。 [まったくその通り]
・そのまま[死んでいく兄を]愛す。 [でも死んでしまいますよ]
・たしかに長男は助かるかもしれないけれど、そのために産まれてきた弟を道具として扱っているような気がするから。
・みんなが平等にできないことはするべきではないと思う。 [それはそれでわかるのですが、では、どこからだったら自分の希望が許されるのでしょうか]
・今現状ではしないが親の立場になるとどうするかは分からない。
・子供に元々病気があると言う[この場合は「いう」]先入観をもってみたくないから。
・子供は自然に授かるものだと思う。命を操作するのは違うのではないかと感じた。
・私は生まれてきた人は"完璧"や"欠かん[欠陥]がある"というようにわけられないと思います。それは、生まれてきたということは、生きることができるというあかし[証]だと思うからです。人生の長さは人それぞれです。なので、たとえ10歳で死んでしまっても、家族にとってその子の死はムダではなく、そこから何かを学ぶことができると思います。
・障害者を差別することにつながると思う。
・新しく生まれた弟は兄のために生れてくるようなもので、弟に対して愛情がもてなさそうだから。
・人として生まれてくるはずだった胚が殺されていくのはよくない。
・大きなリスクを伴うと思うし、将来生まれてくるはずの子を殺したくはないと思った。
・着床前診断はしない。人の命をもて遊んで[正しくは「弄んで」]いるように感じるから。 [以上、それはそれでわかるのですが、多数行われている人工妊娠中絶はどうなるのでしょう]
・病気を持っていたって生まれてくる権利はあると思うから。
・病気を持っているだけで殺されてしまう命があるのはおかしい。
・負の面が大きい。
・本来生まれることのない胚を無理矢理つくって目的のもの以外はすべて捨てるのは間違っていると思う。
・倫理的にどこまでの医療行為がゆるされるのかダメなのか線引きが難しいため。
・話し[この場合は「話」]にあったように、人工的に授成[正しくは「受精」]させる卵子[受精後は「胚」ないしは「(受精)卵」。卵子は受精前]を見殺しにするから。3.無回廊、その他
・将来人[=人間]となるものをどう及うか難しい問題だと思った。 [その通りなんですね]
今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載
[ご覧頂いた着床前診断のビデオについて:こちらも原則としてコメントは控えます]
・お金があるかないかで、できるかどうかが決まってしまうのは不公平だと思うけれど、できる可能性がある人ができない人に合わせてできなくなることも不公平だと思う。
・この問題はとても難しく、人によって価値観や考えが違うので解決はされない。
・ビデオを見てちょっと気持ち悪くなりました。 [そのような場合は申し出てください]
・遺伝子治りょう[治療]はこれから生まれてくる命を殺していることになるので、するべきではないと思う。
・遺伝子診断を行うことにより、ダメなものと良いものを分けて判断しているように思える。普及して、値段が安くなったらみんながこれをやり、良い個体だけを残そうとしかねないと思った。
・遺伝操作は慎重に行うべきだと思いました。
・技術が進歩することで倫理的な問題が増えてくるのは仕方ないのだろうか。
・自分が本当に母親の立場に立ったら考えが変わるかもしれないなと思った。
・出生前診断について、他の倫理の授業でも取り上げられていたけれど、リアルな映像を見て、改めてやりたくないと思った。
・新しい技術の開発が新しい問題を生むことにもなりうることが分かった。
・生命操作の倫理について考えさせられた。
・着床前診断は人の生命を勝手に操作しているものであることを知った。
・適切な胚を選ぶこということは他のものを殺すということになる。人の命の元となるものは大切に慎重に扱わなければならない。
・答えのない命題に取り組む難しさが分かった。
・命は大切に。[気候変動に関するもう一つの考え方について]
・温暖化に対する考え方が変わった。
・温暖化の話が興味深かった。
・環境問題の話が非常にタメになった。
・私はもう「地球温暖化」を信じません。今日の授業はとても楽しかったです♪。[以上、ありがたいのですが、今回ご紹介したのはある特定の立場の考え方です。ホントにそうかどうかは自分で調べてみてください。(センセイが/マスコミが言ったから)「信じる/信じない」というのは、決して合理的、あるいは科学的な判断ではありませんよ]
[今日の一言]
・あつかった。 [下のコメントもお読みいただきたいのですが、今日は室内でかなり温度差がありました。ディスカッションの時は仕方ありませんが、講義の時は涼しい場所に移動してもかまいませんよ]
・コスト面。 [う〜ん、これは何を指しているのでしょう]
・ビデオも講議[正しくは「講義」]も印象に残った。 [ありがとうございます]
・外がうるさい。 [確かにその通りでした。工事の音が主でしたが、今日は窓を閉めての講義だったので、申し訳ありませんがこれ以上はどうしようもありません]
・考えさせられる授業だった。 [ありがとうございます]
・国際的な話し[この場合は「話」]が多く、少しついて行けない所もあった。温暖化の話し[同左]は興味深く聞けた。 [前半のメゾレベルで取り扱った事象については、一度で全部理解するのは無理です。でも最低限、「こういう動きが重要な役割を果たしている」ということは覚えておきましょう。細かいことはそれからで結構です]
・今回の内容は他の授業で最近やった内容なのですが、自分の考えが正しいかどうかはまだわかりません。 [なるほど。他の先生も取り上げていらっしゃるんですね。微妙な問題なので、あまり焦らずに考えましょう]
・事実が最良な訳ではないのならば、どうすればいいんだろうか。 [こちらは温暖化のことを指しているのでしょうか。今日は偏った立場でご説明しています。ホントにそうかどうかは自分で調べ、考えてみてください]
・自分の投稿が雑誌に載っていた。少し恥ずかしかった。 [おめでとうございます!! まぁ、確かにちょっとだけ恥ずかしいかもしれませんが]
・暑すぎず寒すぎず快適でした。 [ありがとうございます。でもセンセイ個人としては微妙でした。暑く感じた方もいらっしゃいます。上記ご参照]
・寝坊しました。すいません。 [次回は遅刻しないようにしましょう]
・体調がすくれなかった。 [大丈夫ですか。疲れが溜まっているんだと思います。トイレへ行きたい時は目で合図してから行ってください。それでもダメなら診療所へ]
・達成度確認試験がどうなるかわからない。何を学んでいるかわからなくなってきた。 [テストについては(すでにご説明しているのですが)実施前に説明します。話の流れについてはできるだけ追うようにしましょう]
・物事を様々な側面から考えて、最終的に自分の意見を言えるようになりたいと思った。 [まったくその通りですね。実際にはとても難しいので、だからこそ日々勉強です]
・目覚しが壊れました。 [早めに修理するか、新しい物を購入しましょう]
・良い。 [(講義内容が、と解釈して)ありがとうございます]
西村が担当する授業の様子は、<http://www.page.sannet.ne.jp/h_nishi/>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。