平成24年7月10日更新

3IS1クラス
第13回:平成24年7月10日 学習内容授業の運営方法学習課題(予習、復習)課題の解答今日の一言

学習内容

・これまでの講義のまとめ
・社会の中の、社会のための技術者(技術者の新しい役割、21世紀の技術者の社会的責任)
・達成度確認試験のStudy Questionsに関する質疑応答

授業の運営方法

・PCを用いた講義

学習課題 予習・復習

・提出:課題7
・提出:課題8


課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)

Q.原子力発電に関して、(1)技術者としての立場と、(2)地域に原子力発電所が建設されることになった地域住民の立場で賛否は異なりますか?
A.(立場によって評価がずいぶん違うことを考えてもらうための問題です。原発建設に関する賛否そのものを問うているわけではないことにご注意ください。講義の中でご説明しましたので、原則としてコメントは控えます。なお、2011年3月の東日本大震災と福島原子力発電所の事故以降、「どちらの立場でも反対なので、『変わらない』」と回答する方が増えています)

1.変わった

28名(48.3%)

2.変わらない

30名(51.7%)

1.変わった

・エネルギーが大切なのは理解しているつもりだが、地域住民としては建設してほしくない。
・たしかに電力は必要だが、自分の住んでいる町の近くにできたら、やっぱりこわいと思う。
・やはり、自分の近くに建てられると言われると意見は変わってくる。
・我ながら自分勝手な考えをもっていると思った。 [そのことを認識できたというのは成長だと思います]
・確実に今見えている資源発電材料[原文のママ]を使うのは賛成だが[、]自身の周りではしてもらいたくない。海上や孤島でできないのか?
・技術者としたら、事故は起きないという自信があり、住民からしたら絶対はなく、不安は消えないから。
・技術者として、電力不足の日本に原子力発電所は必要であるが、その設置場所に私が住んでいたなら、設置してほしい[おそらく「設置してほしくない」の誤り]。
・技術者としては、よりよいものを作るために多少のぎせい[犠牲]は必要だと思うが、住民としては安全が損なわれるのはイヤだと感じた。 [意図は理解できるつもりですが、今回、東日本で起きていることは「多少の犠牲」でしょうか]
・技術者としては、賛成であったが、地域住民の立場としては、反対となり、立場が違うだけで賛成から反対へ意見が変わった。
・技術者としては開発に協力していきたいと思ったが、住民の立場からだと安心や安全のことをより考えるようになり意見が変化した。
・技術者としては良いと思うが実際の住民として考えると、反対。
・技術者と住民で視点を変えると意見が変わった。立場が視点で意見が変わるものだと思った。 [でしょ?]
・技術者の立場と住民の立場では意見が異なった。技術者からしたら日本のため必要なことはやはり取り入れたいと考えるが、実際に自分の近くや家族の近くで行われるとなると心配になってしまう。
・技術者は市民全体を客観してみるが、地域住民としてだと家族や地域への情緒が入るからだと思う。
・結局、[自分はこの問題を]他人事のようにしか考えられていないんだと感じた。 [それに気づいたのは、実は貴方/貴女がゆっくりと成長しているからですよ]
・原子力は危ないがたよらなきゃいけない。
・原子力は日本の電力の30%以上占めているので必要だと思う。しかし地域住民だとすると反対する。[自分のこの変化は]ある意味東京電力[がやっていること]と同じである。 [こちらも]
・原子力は必要だが、その義性[原文のママ。正しくは「犠牲」]になるのが自分や、自分の住む地域になることは避けたい。
・原子力発電は必要だと思う。しかし、自分の家の近くにできるとなると、賛成することはできなくなってしまう。大きな事故が起きたら100%危険な目に合う[正しくは「遭う」]と考えると[、原子力発電所は]ないに越したことはないと考えてしまう。
・原発に依存しているあいだは切ってもきりはなせない[=「程度はともかく、原子力発電を使用するしかない」の意]と思う。
・原発の問題が起こっていなければ[どちらも賛成の立場であるため]「2」を選んでいたかもしれない。
・現在の発展のためにはエネルギーが必要で、原発はあった方が良いが、今後異なるエネルギー源で一発当てる[=電力源をドラスティックに変える]ためには[、]原発なくすのもいいかも。 [もし失敗したら?]
・自分の生活に影響を及ぼす場合は反対する。
・自分自身の住んでいるところに原発を作るとなるとやっぱり不安であり心配。
・数十年は使えなくなった土地に[原子力発電所を]立てれば[正しくは「建てれば」]良い。
・地元や今住んでいる場所に原子力発電所がくる場合、どうしてもリスクが大きく感じられてしまう。
・様々な立場に立って広い視野で物事を考えていくべきだと感じた。 [まったくその通りですね]
・立場が違うと考えが変わると分かった。 [それに気づいたって、重要ですよ]

2.変わらない(「原子力発電をどんどん推進すべきだ」とか「原発絶対反対」)などがこの立場になります

・ずっと反対であった。将来的に緩やかに止めていけばよいと思う。
・それこそ東京湾(とか需要地付近)につくるのならばどちらの立場でも賛成ですが・・・
・やっぱり原発はだめだと思う。危ないし。
・汚線[正しくは「汚染」]物質を捨てる場所が無いらしいので。
・基本的に原子力発電は危害が大きいため、ハイリスクである。
・技術者としての立場でも、リスクを考えて賛成しなかった。
・技術者としても、客(市民)のことを考えなければいけないと思う。
・技術者として弱い立場のステークホルダーを守るべき。原子力以外にも発電方法はある。足りないなら節電 or 停電。電気の重要さを理解できるだろう。地域の人から見て経済<安全だと思う。
・建設反対。いくら利益が得られると言っても“絶対安全”といいきれる保障はないから。
・原子力には、今は反対している。処理する場所がないし、いいエネルギーだけど、推進できない。復興にものすごい時間がかかっていて、かわいそう・・・ [「いいエネルギー」の意味は?]
・原子力以外で自然エネルギーを用いる発電方法が望ましい。実際に周りに原子力発電所があると騒音や危険性が気になる。
・原子力発電は必要。例え身近に出来るとしても。
・原子力発電所は危険だから。
・原発はやはり危険だと思う。
・始め[正しくは「初め」]の質問の時に、[すでに]建設予定の住民の事を考えていたので意見は変わらなかった。 [おぉ、すごい]
・自分の中で想定している“将来の原発”が核融合によるものやトリウム原発であったため、意見が変わらなかったが、核分裂であった場合は「1」となっていたと思う。
・絶対でなくてもある程度は安全なのだから大丈夫なはずだ。[原子力発電の危険性その他を]気にしていたら世の中渡っていけないはずだ。
・地域住民の目線に立って技術者は考えるべきだ
・日本が地球温暖化をうるさく言ってたのは原発は二酸化炭素などの温室効果ガスを出さないクリーンなエネルギーといって原発を推進したかったからである。原発は官僚の天下り先であるから作りたいだけであるから反対である。
・日本は地熱発電を行うのに適した土地である。原発を推進する必要はないと思っている。技術者としては、反対まではかないが推進しようとは思わない。自分の地元に原発を建設することは周辺地域の自然環境を考えると利益よりも自然環境を優先したい。
・福島の地震で停電を経験したが、被ばく[被曝(「被爆」ではありませんので気をつけましょう)]する可能性は減らすべきだと考えた。 [もちろん地震も経験したはず。その前後ではずいぶん考え方が変わったのでは?]
・埋立地の問題から限界があるため・・・ [講義の中でご紹介した蓮池透氏(お兄さんの方)は、著書の中で同じことを言っています]


今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載

・“はすいけさん”の話が興味深かった。 [もっと聞きたい人は打ち上げの席で]
・[講義は]あと1コマと達成度だけ!! [自己点検授業もありますよ]
・いよいよ期末[試験]週間が始まる。 [ここが踏ん張り時です。頑張りましょう]
・うぉーあっちぃー!! [気温が高かった(のに冷房は入っていない)と言うことですね。明日はさらに上昇するようですよ]
・このイス腰がいたい [確かに]
・すぐに就職を決めて来年も夏休みを遊びたい。 [そのためには、勉強を含めていろいろ頑張らなければなりませんね]
・テストってどんな問題出ますか? [すでに何度かご説明しましたが、次回、改めて解説します]
・[今日取り上げた原子力発電所の建設の件は]なかなか難しい問題である [まったくその通りですね。だからこそ皆さんの意見もバラけてしまったのです]
・なし [はい]
・らち[拉致]された人[=センセイの高校時代の同級生である蓮池薫君]の話を聞きたい。 [前述(↑)したように、ご希望者は飲み会の席で]
・緊急時とはいえ一人で使えると思わなかった。 [講義を聞いていなかった人には何の話かわかりませんね]
・原発が日本海側に多いのも日本海側の新幹線の整備が遅いのを見ても太平洋側(東京中心)は優待[=「優遇」などの意]されている。 [かつては「表日本」「裏日本」という表現が普通だったんですよ]
・今週から二週間連続で就活・・・ [頑張って下さい!!]
・今週は4連休があるので、有意義に過ごしたい。 [ぜひせひ。各科目のテストや課題が迫っているのでしょうから、学生として最大の踏ん張り時です]
・今日の授業は早く終わった。次の授業まで何していようか。 [そうか......。何なら授業を延長しましょうか?]
・最近課題が多い [そりゃぁ、学期末ですから]
・昨日てつやでしたので、授業ねてしまいました。すいませんでした。 [大変なようですが、少しだけ寝ると、かなりスッキリします。それからはがんばりましょう]
・暑いですね。日焼けしました。 [外にいたのかな?]
・暑い中おつかれさまでした。 [冷房が入っていませんでしたからね。皆さんもご苦労様でした]
・先生の話おもしろいです[原文スマイルマーク入り] [ありがとうございます]
・選択の前に話を聞くと、意見がゆらぐ。 [その通りなのですが、地域住民の状況は、説明がないとわかってもらえないのでは?]
・早く終わってよかった。 [やることをちゃんとやったのですから、何の問題もありません]
・直ちに影響はない。 [以前の官房長官が繰り返した発言ですね。パニックを避けたかったという事情はわかりますが、もっと適切な表現があったと思います。字面だけを読んでそれに従った結果、無用な被曝をさせられた人もいたのですから。それにそもそも、事故直後の長官は、放射能、放射線、放射性物質などの区別がついていませんでした......]
・梅雨らしくない天気だが雨よりましである。もう少しで授業が終わるので最後まで気をぬかないように努力する。 [ぜひぜひ頑張りましょう]
・立場が変わることによって意見が変化したことに少し不思議な感じがした。 [そうなんです。それに気がつくと、相手の立場もかなり理解できるようになるんですね]


西村が担当する授業の様子は、<http://www.page.sannet.ne.jp/h_nishi/>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。


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