平成24年7月12日更新

3BB1クラス
第13回:平成24年7月12日 学習内容授業の運営方法学習課題(予習、復習)課題の解答今日の一言

学習内容

・これまでの講義のまとめ
・社会の中の、社会のための技術者(技術者の新しい役割、21世紀の技術者の社会的責任)
・達成度確認試験のStudy Questionsに関する質疑応答

授業の運営方法

・PCを用いた講義

学習課題 予習・復習

・提出:課題7
・提出:課題8


課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)

Q.原子力発電に関して、(1)技術者としての立場と、(2)地域に原子力発電所が建設されることになった地域住民の立場で賛否は異なりますか?
A.(立場によって評価がずいぶん違うことを考えてもらうための問題です。原発建設に関する賛否そのものを問うているわけではないことにご注意ください。講義の中でご説明しましたので、原則としてコメントは控えます。なお、2011年3月の東日本大震災と福島原子力発電所の事故以降、「どちらの立場でも反対なので、『変わらない』」と回答する方が増えています)

1.変わった

10名(17.2%)

2.変わらない

48名(82.8%)

1.変わった

・[地域住民ならば]やはり近くに原子力[発電所]があるのは危険を感じるから。
・技術としては、公衆の安全を最優先にしなければいけないが地域住民の立場からすると裕福な暮らしをたいと思う。 [この方は「技術者なら反対、地域住民ならば賛成」という珍しいご意見です。反対のパターンの方は覆いのですが]
・原子力発電におけるデメリットが大きいと思ったから。
・国の治性化[正しくは「活性化」]のためには、原発を動かすべきだと思うが、地域の住民としては、事故のこともあるし、反対すると思う。
・日本人としてはこれからの日本のエネルギー問題について考えると原子力発電は必要だと考えるが、個人的には原子力発電が持つリスクは容易には認められない。
・立場が変わると、意見が全く違ったものになった。技術者は目先の利益を求めるような行動は避けるべきだと思った。 [まったくその通りですね。この件については次回の講義で]

2.変わらない(「原子力発電をどんどん推進すべきだ」とか「原発絶対反対」)などがこの立場になります

・2番目の話[=地域住民の立場]を聞き、多少の心が揺らいだ。地域住民にとってはメリット、デメリットどちらもかなり大きいので迷った。
・あらゆる立場に立って考えることが大切であると思う。
・いろいろ見方を踏まえて考えなくてはいけない。
・どちらの場合にも反対だった。原子力発電はマイナスのイメージしかないから。
・どちらの立場でも反対したが、2つめの質問の方が、より反対する思いが強くなった。
・どちらの立場に立っても、メリットよりデメリットの方が多いから。
・どちらも反対。原発は“危険な物”という意識が強い。
・どっちの視点からでも反対です。もしものとっきが怖い。
・安全に代わるものはない!。
・意見は変わらなかったが、技術者としてと地域住民としてでは、見方が全然違ってくる。
・危検[正しくは「危険」]な上に(少なくとも自分には)メリットがないため。
・技術としてまだ発展途上で[万一の際の]被害の影響が多い。
・技術者としては、地域住民のことも考える必要があると思うから。
・技術者としても、地域住民としても、原子力発電所を建てるのに反対だったから。
・技術者としても原発の安全性を保証できないから。
・技術者としても地域住民としても、もし事故や災害が起きたときの被害を考えると恐ろしいから。
・原子力は活気的[正しくは「画期的」]なものであると思うが、実体を聞くとやはり反対意見になってしまう。
・原子力は良いエネルギー源だとは思うけど、危検性[正しくは「危険性」]が高いのでどちらの立場であっても反対です。
・原子力発電は危険なので、ない方が良いと思う。
・原子力発電を海外[正しくは「海岸」]沿いに設置すると、津波によって事故が起きると、放射線の汚染物質で健康被害を及ぼす可能性があるから。
・原子力発電所ができるメリットが多くあるとは知らなかった。
・原子力発電所建設には、多くのメリットがあるが[、]今ある原子力発電所で充分かつ安全性を考えると意見は変わらなかった。
・原発が稼働していなくてもやっていけているし、原発の利権などのいざこざを考えると原発は必要ない。
・原発を作るのは、どちらにもメリット、デメリットがあって大変だと思った。
・原発を増やす事には反対であるが、原発の代替となるような発電法が見つかっていない現状では原発の稼働について完全反対ではない。ただ、代替としての発電法が確立されたのなら、原発は無くしても良いと思う。
・原発事故が起きていなければどちらにも賛成していたと思う。原発は絶対安全だと聞かされて育ってきたので。
・市民としても技術者としても考えは変わらなかった。
・事故が起こったときの被害が大きい。
・自分が技術者として、考える場合[、]地域住民の意見も考えるから。
・地域の住民として原子力におびえながら生活するのがいやだから。
・地域住民となると余計に反対の気持ちが強くなった。
・地震が起きなかったら私も「1」だった。
・地震の影響が強く、技術者としても地域住民としても反対の意見である。
・福島の事故が無ければ、「1」になっていたと思う。
・様々な見方をすることの必要性を感じられた。


今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載

・FFPだけは覚えておきます! [う〜ん“FFP”は最低限ですよ]
・FFPの話はドキッとしました。 [その気持ちを大切にしてください]
・あつい。 [室内もそうでしたね。ただしご説明したように、窓側は暑く、廊下側は少し寒いくらいだったのです]
・おつかれさまです。 [皆さんこそ。残された講義を、お互い、頑張りましょう]
・お昼前に早く終わってもらえるのは、ありがたいです。 [やることをやったのだから問題はありません]
・お疲れさまです。 [皆さんこそご苦労様でした]
・その場しのぎでズルをすると、後から絶対損することになる。長期的なものの見方をしようと思った。 [ズルは、(1)そもそもやってはいけないし(義務論)、(2)やったって、結局自分のためにならないのです(結果主義)]
・ニュースをしっかりと見ようと思う。 [学会の指針を無視した着床前診断の件ですね。ぜひ。ただし水害その他――もちろんそちらも重要です――のニュースで吹っ飛んでしまったかも]
・ねむたいです...(−∞−)。 [課題やテストで大変でしょうが、ここが頑張り時]
・のどが痛い・・・。カゼですかね・・・。 [かもしれません。疲れが溜まっているんだと思います。可能ならば週末を使って休息してください]
・リスクリターンや事の内容を知らないと正しい判断ができないんだと感じた。 [そうなんですね。センセイも「何だって知っている」なんて言いません。知っているのは「知らないことがある」ってことです。予定を変更して、次回ご説明しようと思います]
・技術者になるにも難しい。 [そうです。簡単になれるものではないと思います。でもその努力が報われる仕事だと思います]
・技術者にはなりたいと思っているけれど、いろいろ大変なことがあるんだなと思った。 [その通り。社会のことも知らないといけないんですね]
・技術者の立派[正しくは「立場」]と市民の立派[同左]で[、]意見が異なることで賛否が分かれると知った。 [そうなんです。相手の立場がわかるようになって初めて、ちゃんとお話ができるんですね]
・金は全てと割り切る必要はあると感じまた。 [たぶん「お金は大切だけどそれはそれで割り切るべき。お金では買えないものがある...」という意味ではないかと]
・原子力についても色々と考えられた。 [一方的な説明だけを信じてはいけないんですね]
・原子力発電には、先生がおっしゃったようなメリット、デメリットがあるなんて知らなかった。 [ちょっと生々しすぎたでしょうか]
・原子力発電に対する考えが少し変わった。
・原発の問題はいろいろ考えさせられた。 [以上、光と影があることを理解していただけただけでもうれしいです]
・今日の話もよく考えさせられる内容だった。 [ありがとうございます]
・私の家族のすぐ近くに原子力発電所が建っていつので、今回のクイズは難しかった。 [センセイの言っていることが良くわかってもらえたと思います]
・似非科学に人はどうして騙されるのでしょうか? [興味深い質問ですね。朝、家を出る前にテレビの占い(占星術)を見て一喜一憂する人って多いですよ]
・滋賀のいじめ自殺問題、かなりひどいな。 [確かに。ただし、ネット上の情報には明らかに誤っているものやはっきりしていないものもあるそうです]
・実際に自分の立場が変化したら意見が変わるかもしれないと思った。 [「・・・・・・かもしれない」ことに気づくって、とても大切なことなんですよ。それだけ成長したってことです]
・世の中、複雑だと感じた。 [複雑です。そしてそれを考えられるようじゃないと、オトナじゃないんですね]
・地域住民だったら反対になった。 [それに気づいたってことは成長ですよ]
・着床前診断において、母体の安全を最優先した方がいいと思った。 [お伝えしたように難しい問題です。もし母親だったら多くの場合「自分は犠牲になってもこの子だけは・・・」という思考を取りがちです]
・疲れた。 [テスト勉強その他で大変なようですね。学期末ですから頑張ってください]
・不正行為は0.00001%程度も許さないというのは意外だった。 [そりゃそうですよ。「軽い気持ちで...」がとんでもない結果になるんですね]
・福島の事故が起きて以来、原子力発電所に関する考え方が大きく変わった。この事故を機に自然エネルギーなどの無限エネルギーを利用した発電所を普及させ徐々に原子力発電所を減らすべきである。 [しっかりと自分の意見を持つことはとても大切なことです。立場上、原子力発電に関する意見を表明することは避けますが、少なくとも電力を使用する人々がどこでどのようにして発電されているのかを考えるようになったことは大切だと思います。これまでいわば隠されていたようなものですから]
・物は違えど、日本の安全神話は阪神淡路ですでに崩れているのにいつまで安全神話とか言っているのかと。 [まったくその通りです。西日本の話をした際に、阪神淡路大震災に触れようかと思いましたが、やめました。お話した方が良かったかもしれませんね。自分の問題として考えてもらうためには]
・物事の考えに慎重になるのはいいが、時間を掛ける余裕がなければ、背景を考えるひまもないだろう。 [なるほど。この件に関しては次回ご説明したいと思います]
・北陸も東北・南東ほど震災について身近に感じていないと思う。いつどこで起きてもおかしくないのだから、もっと考えていかなければいけないと感じた。 [まったくその通りです。そんな問題意識を持ったってことは貴方/貴女が成長したってことですよ。自信を持ちましょう]
・眠かった。 [お疲れのご様子]
・立場によって考えが変わることを知りました。 [そうなんです。それがわかるようになると、相手の話をちゃんと聞くことができるんですね]


西村が担当する授業の様子は、<http://www.page.sannet.ne.jp/h_nishi/>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。


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