平成25年7月9日更新
3IS1クラス
第12回:平成25年7月9日 学習内容/授業の運営方法/学習課題(予習、復習)/課題の解答/今日の一言
高度技術社会における技術者の新しい役割
・科学技術とリスク
・リスク評価の難しさ
・リスクと公共性
・社会的合意形成
・トランス・サイエンス
・科学技術社会論
・科学技術コミュニケーション
・科学技術の研究開発と倫理
・Grand Challengesに関する解説
・PCを用いた講義
・関連する視聴覚教材を視聴することもある
・提出:課題6(電子的提出)
・復習:教科書第15章の精読(60分)
・予習:課題7(事例分析)(120分)
・予習:課題8(Grand Challenge for Engineering)(60分)
課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)
Q. 1. 飛行機と自動車、お客さんとして乗車(搭乗)する場合、どちらが「怖い」?
A. 1.(講義内でご説明したので、原則としてコメントは控えます)
1.飛行機 23名(43.4%)
2.自動車 28名(52.8%)
3.無回答 2名( 3.8 %)
1.飛行機
・[飛行機は]ついらく[墜落]するかもしれないから。
・空のほう[方]が危険な気がした。
・空を飛ぶことが少ないから。
・空中に居て地に足がつかないで、何もできないのは怖い。
・高いところが苦手だから。
・高所恐怖症だから。
・事故が起きたとき[時]の被害が大きいから。
・事故が発生したらほぼ生きのこれない[残れない]から。
・事故にあう[遭う]確率は少ない[正しくは「低い」]が、もしも事故になったとき[時]死ぬから。
・事故にあった[遭った]場合のリスクが大きすぎる。
・事故時の被害が大きいから。
・実際の事故率は自動車の方が高く危険だが、普段利用しない飛行機の方が怖い。
・乗ったことがあまりないから、どれだけ安全かわからない。
・乗り慣れていないため。
・乗る機会が少なく、事故のイメージが車よりも大きい為。
・人に自分の命を預けるのが心配。自分で運転した方が安心できる。 [お気持ちはわかるのですが、パイロットは特別な訓練を受けていますよ。またお医者さんに手術してもらう場合などはどうでしょう]
・統計上、最も安全な乗り物と聞くが[、]事故が起きたとき[時]のリスクが大きい。
・飛行機の方が事故が起きたとき[時]、被害が大きい。
・飛行機は事故になると死ぬ確率が高いから。
・飛行機は事故になると車より大きな事故になるため。
・普段乗りなれて[慣れて]いないから。
・落ちたら即死確実だから。2.自動車
・いくら自分が気をつけて[運転して]いても、他の人が気をつけていない場合があるから→事故
・ニュースなどで車の事故が多い[と報道されている]から。
・確率的に。
・事故が起きる確立[正しくは「確率」]が高いから。
・事故の確率。
・事故の発生する確率が圧倒的に多い[正しくは「高い」]から。
・事故率から。
・自動車だと変な車が多いし、人とかにも気をくばらない[配らない]とならないから[「いけないから」の意]。
・自動車の運転は免許をとれば[取れば]誰でも運転できるから。 [お気持ちはわかるのですが、タクシーやバスの運転手は訓練を受けており、特別な免許を持っていますよ]
・自動車の方が交通量が多く事故にあう[遭う]可能性が高いと思ったらから。
・自動車の方が事故にあう[遭う]確率が高いから。
・自動車の方が事故の確率が高い。
・自分の運転がヘタ[下手]であるから。 [プロの方に運転してもらうのだとしたら、どうでしょう]
・自分の目の前でよく事故をみかける[見かける]から。
・車が多いと事故が起きやすいから。
・車だと[自分がどんなに注意して運転していても]もらい[貰い]事故が起きる可能性があるから。
・車の事故率の方が高い。
・乗る機会も多く[、]乗っている人も多いので事故に会う[正しくは「遭う」]可能性が高い。
・多くの車とすれ違い、飛行機よりも事故の確率が高いから。
・長時間運転するのは疲れるうえ[上]に、事故が起こりやすい(自分が起こすのも他人が起こすのも)。
・統計的に飛行機の方が安全だった気がするから。
・飛行機は安全な乗り物といわれて[言われて]いるから。
・飛行機は操縦士が操作するし、事故が起きないように管理されている。反面、車の方は免許がとり[取り]やすく、誰でも乗れるような乗り物なので車の方が怖い。
・飛行機よりも事故が起きやすいから。
Q. 2. 原子力発電に関して、(1)技術者としての立場と、(2)地域に原子力発電所が建設されることになった地域住民の立場で賛否は異なりますか?
A. 2.(立場によって評価がずいぶん違うことを考えてもらうための問題です。原発建設に関する賛否そのものを問うているわけではないことにご注意ください。講義の中でご説明しましたので、原則としてコメントは控えます。なお、2011年3月の東日本大震災と福島原子力発電所の事故以降、「どちらの立場でも反対なので、『変わらない』」と回答する方が増えています)
1.変わった 25名(47.2%)
2.変わらない 27名(50.9%)
3.無回答 1名( 1.8 %)
1.変わった
・[原発が?]あったほう[方]がべんり[便利]だから。 [エネルギーを享受できる、という意味でしょうか。それなら住民の立場でも同意見でしょうか]
・[原発が地元に]できてからのこと等を考えたら変化した。
・技術者としてなら作った方がいいが、地域住民としては・・・。
・建てられる側になってかんがえる[考える]ときついことに気付いたから。
・原子力[発電]には賛成だけれど、自分の地域に立地となると反対です。放射能(線)が嫌です。
・最初から反対であった。
・作る側と住民の場合の立場では大きく感じ方が変わった。
・自分のことだと慎重になるから。
・自分の周りがあぶなくなったから。
・実際[、]海側に住んでいるので、とても共感できた。
・住民という立場だと危険な気持ちになった。
・他の意見もきく。
・提供側と市民側とでは感じ方がちがう[違う]し、どちらも同じ立場に立てたらいいと思う。
・電力が多く供給できるから。[しかし]自分の地元が危険になるのは嫌だから。
・白々しいかもしれないが、電力は必要だが自分の身は危険にさらしたく[晒したく]ない。
・必要だが自分のところ[所]には来てほしくないと思った。2.変わらない(「原子力発電をどんどん推進すべきだ」とか「原発絶対反対」)などがこの立場になります
・[原発があると、電力を供給される側はもちろん、立地する地域にも]お互いメリットがあると考えるから。
・[原発があると、お互いに?]もうかるから。 [原発は過疎地に建設しますので、確かに経済的なメリットはあります]
・もともと[自分の]地元に[原発が]ある事もあるが、原発にはメリットとデメリットがある。夢を見ていてもお金は手に入らないし、リスクを負わなければ利益は得られない。安全と安心は一つでないから。 [講義の中でご説明した、実際に地元に原発を抱えている方です。もし福島のような事故が起きたらどうでしょう]
・原子力で発電している電力や効率を促う[原文のママ。おそらく「補う」の意]ための次なる電力がないから。
・原子力は危険であるから後々に何か影響が出るはず。
・原発には最初から反対だった。
・使える物は使ったほう[方]がいい。
・住民としての意見を尊重したい。 [「地域住民の判断に任せ、無責任なことは言えない」という意味でしょうか]
・反対。
・反対だから変わらない。
・別に事故が起こらなければいいと思う。 [福島のような事故が起きたらどうでしょう? 建設前は「絶対に事故は起きない、放射能漏れは起こさない」と言っていたのですが、新潟県中越沖地震では火災と放射能漏れを起こしました]
今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載
・あつい[暑い]です。 [確かに。まるで梅雨明けしたかのようですね。このところかなり暑さには慣れてきたと思うのですが、そうすると今度は教室内が寒く感じられます。風邪をひいてしまったセンセイのようにはならないでください]
・うまれた[生まれた]時からずっと原発が住んでいる所にあると、[改めて]「地域住民として・・・」は考えづらい。(原発があるのが当たり前なので)。 [講義の中でご説明した、実際に原発がある地域に住んでいる方です。お二人の感想はとても興味深いので、後でチャンスがあったらいろいろ教えてください]
・ためになるはなし[話]だった。 「ありがとうございます」
・テストってどのような問題が出るんですか? [講義の中でご説明します。基本的にはセブンステップガイドを使えるかどうかです]
・原発のことを表面のことを[「原発については表面的なことしか」の意]知らなかったが、深いところまで知ることができた。 [ありがとうございます。ただし今日お話ししたのは建設時の話で、建設後何年も経つと人々の「安心」感も変わってきます。前述の二人の意見はとても興味深いものです]
・飛行機の事故だとほぼ確実に死ぬから[たとえ]安全で[あって]も安心はできない。 [お気持ちは、今回の事故でもわかったように、飛行機はリスクをかなり共有して、コントロールできています。対照的に原発、特に日本の原発はそれが全然できていなかったのです。調べてみると面白いですよ]
・倫理は人によって違う。 [気持ちは分からなくはないのですが、それなら「何でもオッケー」ということになりますよ。普遍性と自律を再考してください]
西村が担当する授業の様子は、<http://www.page.sannet.ne.jp/h_nishi/>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。