平成25年7月11日更新
3BB1クラス
第12回:平成25年7月11日 学習内容/授業の運営方法/学習課題(予習、復習)/課題の解答/今日の一言
高度技術社会における技術者の新しい役割
・科学技術とリスク
・リスク評価の難しさ
・リスクと公共性
・社会的合意形成
・トランス・サイエンス
・科学技術社会論
・科学技術コミュニケーション
・科学技術の研究開発と倫理
・Grand Challengesに関する解説
・PCを用いた講義
・関連する視聴覚教材を視聴することもある
・提出:課題6(電子的提出)
・復習:教科書第15章の精読(60分)
・予習:課題7(事例分析)(120分)
・予習:課題8(Grand Challenge for Engineering)(60分)
課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)
Q. 1. 飛行機と自動車、お客さんとして乗車(搭乗)する場合、どちらが「怖い」?
A. 1.(講義内でご説明したので、原則としてコメントは控えます)
1.飛行機 25名(50.0%)
2.自動車 25名(50.0%)
1.飛行機
・あまり乗ったことがない。
・あんまり乗った事がないし、離陸するのが怖い。地上にいたい。
・まだ乗ったことがないので怖さがある。高所恐怖症ぎみである。
・もし事故とかが起きたら空を飛ぶからすぐに逃げられないから。
・やはり乗りなれていないから。事故が多いのは車だが、知識があまりないので飛行機の方が怖い。
・空には強風や雷によって悪影響がある。
・高所恐怖症だから。飛行機は事故が少なくて安全といわれているかもしれないけど、事故が起きたら死ぬ可能性が一番高くなる。
・高所恐怖症だから。離陸の時が本当に怖い。
・事故がおこる[起こる]可能性は、宝くじが当たるより少ないときく[聞く]が、もしおこったとき[起こった時]必ず死んでしまうから。車はもしかしたらたすかる[助かる]かも。
・事故が起きたときに自動車なら生きてる可能性かありそうだから。
・事故が起きる確率は低いが[、]起きた場合の被害が大きい。
・事故にあった場合に助かる確率が低いのは飛行機だと思うが、地面に足がついてないから。
・自動車にのって[乗って]自分で運転することを考えたらこわい[怖い]。プロであっても東京ほどの距離を車でいくのは[もっと]恐い。
・自動車の場合はエンジンが止まってしまうとすみ[隅]に寄せることができるが、飛行機のエンジンが止まると堕落[正しくは「墜落」]しかないため。
・自動車の方が実際事故は多いと思うが[、]空という逃げ場がないことや事故を起こしたとき[時]の死亡率が高い。
・自動車は日常的に見えるもの、来るものであるが、飛行機はあまり乗る機会がないし、落ちるかもしれないから。
・自動車は普段乗っているが、飛行機はほとんど乗ったことがない。
・自動車事故は普段ありすぎて見慣れているから。 [それならば自動車の方が怖いことになるのでは? 「事故に慣れた」ということになりますよ]
・実際に事故が起きた場合、飛行機の場合は助かる可能性が低い。また、自分は車が好きなので、自分で運転した方が安心。
・上空なため、落ちればアウト。
・乗る機会が少ないから。
・飛行機が飛ぶ原理がまだ分かっていないから。最近飛行機のトラブルのニュースが多いから。 [後者は、B787の件など、確かに]
・飛行機の方が事故があると、確実に命がなくなるから。
・飛行機一回の事故でたくさんの命がなくなる可能性があるから。
・普段乗ることが少ない。[いったん起きたら]事故の規模が大きい。2.自動車
・[交通事故に]まきこまれる[巻き込まれる]可能性もある。確率的にいうと車の方が事故率が多そう[正しくは「高そう」]。
・リスクがおきる[「起きる」。ただし「リスク」の使い方は適当ではありません]可能性が高いから。→長時間の移動のため。
・安全運転をしていても、相手が[安全運転]していなければ事故になるリスクが高くなるからである。
・国内での事故発生率は明らかに車の方が高い。飛行機はプロの運航だが、車はそうとは限らない。死んでいる奴も圧倒的に車が多い。
・事故の起きる頻度が車の方が多い[正しくは「高い」]ため。
・事故を起こさなくても、まきこまれる[巻き込まれる]可能性があるから。
・事故発生率が車の方が明らかに高い。
・時間が長い分不安である。空より物が多い。
・自動車と飛行機の事故率を考えると飛行機の方が安全。
・自動車の事故の方が多いし、プロの運転していたバスでも事故はおきて[起きて]いるから。
・自動車の事故の方が多いし、乗っている時間が多いとリスクも高くなるから。
・自動車の場合だと、障害物が多すぎる。また、自分が安全運転してても周りから衝突する可能性がある。
・自動車の方が事故が起こる確率が高そうだから。
・自動車は他の人も運転しているため事故にまきこまれる[巻き込まれる]こともある。
・誰でも免許をとれば運転できるし、その日の調子で注意不足もあり得るから。
・長期運転になるとドライバーの体調管理が難しくなり、事故が起きやすいから。
・[飛行機の方が]比較的安全だと思うから。
・飛行機が事故を起こす確率は車のそれに比べて低いから。
・飛行機のほう[方]が事故の確率は少なさそう。車のほう[方]が事故の確率が高い。
・飛行機の事故はハデ[派手]だが少なく、自動車の事故のほう[方]があっとうてき[圧倒的]に多いから。
・飛行機の方が事故が少ないから。
・飛行機は空を飛ぶから運転を阻害するものがない(もしくは少ない)が自動車は人、自転車、自動車ETC・・・。沢山運転を阻害するものがあるため事故が起きやすいため。
・飛行機は乗り物の中でもっとも安全な乗り物である。事故が起きる確率がとても低い。
Q. 2. 原子力発電に関して、(1)技術者としての立場と、(2)地域に原子力発電所が建設されることになった地域住民の立場で賛否は異なりますか?
A. 2.(立場によって評価がずいぶん違うことを考えてもらうための問題です。原発建設に関する賛否そのものを問うているわけではないことにご注意ください。講義の中でご説明しましたので、原則としてコメントは控えます。なお、2011年3月の東日本大震災と福島原子力発電所の事故以降、「どちらの立場でも反対なので、『変わらない』」と回答する方が増えています)
1.変わった 24名(48.0%)
2.変わらない 26名(52.0%)
1.変わった
・いざ自分の地域にできると考えたらいや[嫌]だ。
・その地域に住んでることを考えると[、]住んでる場所につくられる[造られる]のは嫌だと思ったから。
・どこに原発ができても特に変わりはない。 [こちらは「2」では?]
・安全なものをつくれるなら、原子力発電をつくることに賛成です。でもそのときに電気会社がきたない[汚い]手を使うなら、自分の町にはきて[来て]ほしくないと思った。 [お気持ちはわかりますが、「汚い/汚くない」は本質的な問題ではありません。安全か(今回示されたように)そうでないか、そしてそれで安心できるかどうか、です]
・技術者としては日本全ての暮らしなどを考えるが、住民としては値段お金や暮らしから関係ないので恐いし必要ないと考える。
・技術者として見ると安全を意識するが地域住人として見ると安心を意識するので意見が変わる。
・技術者と地域住民としての立場では、異なってしまう。
・技術者の立場と顧客の立場で考えが変わることを身をもって知った。
・原子力は魅力的だが近くに作るとなるとこわい[怖い]・・・。
・原子力発電は必要だが、地元にできるとすると、やっぱり反対してしまうと思う。
・原子力発電は福島で爆発が起きたときは、反対であったが、技術者の立場になってみると、[原子力発電所が]無くなってしまったら[現実に]多くの影響がでて[出て]いる。 [後半、実際代替エネルギーの輸入で大幅な支出を強いられていますよね]
・自分がいる立場で考え方が変わった。技術者としての考えは、日本は電力不足のため必要であると考えたが、住民として考えた際に安全性をとった。
・自分が危険にさらされる[晒される]のとそうでないのとでは考えが違ってくる。
・自分におきかえて[置き換える]考えてみると意見は変わってしまう。
・実際の危険性は少ないと思うが、[原子力発電所を中心とした経済に]依存してしまうのはよく[良く]ないと思った。 [前半、福島の事故は「実際の危険性は少ない」とどう関係するのですか?]
・住民として別にいいかなと思ってたけど、先生の話を聞いて原発[を]建てる注毒[正しくは「中毒」]になってしまうのは少し怖い。 [幻の福島7、8号機の件は、ご存じない方が多かったと思います]
・地域住民へのメリットはあまり多くない。 [少なくとも短期間に限っていえば、ご説明した通り、経済的なメリットはありますよ]
・必要なことはわかるのだが、それに応じたリスクもともなっていて、技術者としては地域住民の意見も大切にしなければならないと思った。2.変わらない(「原子力発電をどんどん推進すべきだ」とか「原発絶対反対」)などがこの立場になります
・どちらも反対した。日本の電力的に原子力は必要なのか不明である。
・はじめ[初め]から反対だった。
・技術者としても、住民の立場で考えることは必要だと思ったから。
・技術者は住民の立場に立って考えて行動しなければならないとわかった。
・建てられる場所は関係なく、東北の事件があったため原子力の変わり[正しくは「代わり」]になる発電[方法]を探すべき。
・原子力発電に頼るのはやめたい。
・原発のデメリット込みで造ったはず。 [いえ。違います。地域住民には「絶対に事故は起きない」「絶対に敷地外に放射性物質は出さない」と説明されました。しかし新潟県中越沖地震では放射性物質が放出され、今回は大事故に至りました]
・原発の利益に中毒性があるというのはかなり個人的な問題で[、]それで治安が悪くなるから作らないというのはどうかと思う。 [正直なところ、他の記述と含めて貴方の回答には大きな問題があります。当方の主張に賛成するか、あるいは反対して批判するのはまったくかまいませんが、貴方は当方の主張そのものをまるで理解できておらず、大きく取り違えてます。お話ししたのは「個人的な問題」でも、ましては「治安が悪くなる」問題──一言も発言していません──などというで問題はありません。正直なところ、きちんとした大学生として単位を与えたり、卒業を認めたりできるレベルではありません。実際、他の方は賛成/反対どちらにせよ、当方の主張そのものは概ね正確に理解していただいています。貴方が非常に危機的な状況にあるということはお伝えしておきます]
・原発は絶対反対だからかわらない[変わらない]。
・原発は必要なものだからどこかに建てないといけない。
・今までは必要だったかもしれないが、これからはダメな事を知っているのだからもっと良いものを作っていきたいし、作らないようにすれば新しい物が求められる。
・実際に事故が起きてしまった以上、どの立場でも反対すると思う。
・静岡出身で浜岡原発があったが、危険性のリスクが多すぎる[正しくは「高すぎる」]から。万が一が[=おそらく「万が一の時は」の意]大事故につながる。
・昔は原発がないと電気がたりなく[足りなく]なると聞いて必要だと考えていたが、原発はなくても電力がたりる[足りる]ことが福島の事を考えるとさんせい[賛成]は絶対できない。 [前半は原子力発電をほとんど中止しても何とかなっている、という意味だと思います。ただしその代わり、代替エネルギーの輸入のために大きな支出を強いられています]
・地域住民にとってよくはないが、でも原発の力は絶対的に大事だから。
・特に変化しなかった。ただ、今すぐなくしたりなどは無理だと感じているし、原発の危険性をわかっていてその場所に建ててる人がいることもわかる。が私の意見は変化しなかった。
・[原発]反対派です。
・被害にあった[遇った]ことがないのでなんともいえない。 [日本国民だけでなく全世界の人間が被害を受けています。たとえそれが理解できなかったとしても、目の前に福島からの被害者がいたら、同じ発言ができますか? かなりまずい状況ですよ。(ただし原発賛成/反対は別問題です)]
・両方とも推奨にしたが、多少のリスクはあるが、電力の供給は原発がないとまかないきれないと思う。
今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載
・[教室内が]あつかった[暑かった]。 [そうなんです。センセイも教室に入ってびっくりしました。でも窓を開けるわけにもいかず......。申し訳ありませんが着衣等で対応してください]
・いいバイクを選んで購入したい。125か200ccで迷い中。 [いいなぁー(センセイも中型の免許は持っています)。資金の面で何とかなるのなら、大型の方が運転していて楽ですよ]
・おもしろかった。 [ありがとうございます〜]
・お金はこわいと思った。 [お金は大切です。霞を食って生きていくわけにはいきませんからね。でもしばしば逆に、お金に食べられてしまうこともあります]
・すごく勉強になる授業だった。 [こちらも嬉しいです]
・ちょっとうとうとしてしまった。 [教室内が暑くて、二酸化炭素濃度が高かったですからね。何とかしたいのですが、個人では限界があります]
・はやく夏休みになってほしい。 [気持ちは、わかる。ホント、その通り。でもセンセイには「夏休み」ってないんです。トホホ。皆さんは有意義にお使いください]
・もっと客観的にかんがえ[考え]なきゃなと感じた。 [その通り。そして今日ご説明したように、どれだけ相手の立場に立つことができるか、ですよね]
・リスクとお金の両方を考えた場合、とても難しい判断になると思った。 [まったくその通り。だからこそ国論を二分しているのです。簡単に「○○」なんて決められないんですね]
・一日一歩。 [......着実に、ということですね。まったくその通り]
・技術者として生きていくためには、客観的にも物事を考える必要がある。 [別な意味でですが、こちらもその通りですね]
・[お]金以外の新しい価値感[正しくは「価値観」](共通の)が必要だと感じた。 [さらにこちらも]
・原発こわい[怖い]・・・。 [正直なところ、とても難しい問題です。でも東京や大阪など大都市の人は、どこで電力が作られているか、何が犠牲になっているかなんて、何も考えていないのが実態です]
・○○[原文人名?]のライフはゼロ。 [ゲームの話?]
・最近、ジレンマ関係を体験しました。 [う〜ん、どうしたのでしょう]
・車で事故を起こさないようにする。 [お話しした通りで、物損──それも自損──事故でも大変ですよ。ましてや加害者になってしまったら......。十分気をつけましょう]
・首がいたい[痛い]です。 [どうしたのかな?]
・就活を頑張ろうと思う。 [ぜひぜひ。これまでの狭い「自分」を脱皮するチャンスですよ]
・新潟はいなか[田舎]ですね。 [はい、田舎です]
・先生お大事に! [今は完全に安全運転です。同乗者はしばしば「タクシーに乗っているみたい」と評します。お互い気をつけましょうね]
・先日西村先生のHPを拝見したのですが、コラム? というか今日の一言? ものを毎日更新されていて非常に感心しました。私は日記などが続けられないのですが、継続のコツはあるのでしょうか。 [「クセ」にすればいいのです。要するに「更新したら、寝る」というわけです。無理は禁物です。長持ちしませんよ]
・前回と同じ話が多かった。 [前述しましたが、貴方の記述はかなり特異です。確かに一部同じお話をしましたが、それは最初の復習の部分だけです。復習なのだから「同じ」なのは当然です。実際には前回時間が足りず、十分に説明できなかったことを補足していますが。それ以降の約80%位の部分は(部分的には紹介したことはあっても)基本的には新しいお話です。つまり貴方は講義の80%位を聴いていないということになります。相当危機的な状況だということはお伝えしておきます。ちなみにこのクラスの中で、このような状況に陥っているのは貴方だけです]
・特にないです。 [はい]
・難しかった。 [う〜ん、こちらはどのような意味で「難しい」と仰っているのかがポイントですよね。現実の社会の問題をわかるようになって、「難しい......」と言っているのなら、それはものすごい成長です。でも──そうだとは思っていませんが──例えば「何を言っているのか全然理解できない」というような状況であれば、これはかなりマズいと思います]
・梅雨が短かったので、水不足が心配です。 [間違いなければ、北陸地方の梅雨はまだ明けていないはず(西日本も)。ただし水不足の件はまったくその通りですね。それを考えられるってことは、凄いことですよ。自信を持ちましょう]
・眠かった・・・。 [お疲れのご様子]
西村が担当する授業の様子は、<http://www.page.sannet.ne.jp/h_nishi/>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。