平成26年4月17日更新。4月18日再更新

3EA1クラス
第2回:平成26年4月17日 学習内容授業の運営方法学習課題(予習、復習)課題の解答今日の一言

学習内容

(続き)
・直面する可能性のある倫理的問題に関する具体例
・グループ討議と討議結果に対するコメント
・E-learningやグループ討議の事例分析課題(ソーラーブラインド、ギルベイン・ゴールド)に関する解説
・セブン・ステップ・ガイドの概説
・本学の教育目的と大学の質保証問題
・「倫理」とは何か(用語解説)
・倫理と法
・「科学技術」、「技術者」とは何か
・「科学技術者倫理」とは何か、その特殊性

授業の運営方法

・PCを用いた講義
・グループ討議
・討議結果の発表
・グループ討議の結果に関するレスポンスシートの作成
など

学習課題 予習・復習

・提出:課題1(90分)
・復習:「アカデミック・インテグリティ」に関する文献の精読、第1〜2回で学んだことについての考察の深化(90分)
・予習:教科書の第2章、第3章、第4章、第5章、および第6章の精読(180分)


課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)

Q.仮想事例「百万石F1グランプリ」を読んで、貴方/貴女個人としてはレースを開催すべきだと思いますか?
A.わざと「開催しますか?/しませんか?」と尋ねていますが、何とかその枠組みを越えようという意欲が回答に感じられます。講義の中でご説明しましたので、原則としてコメントは控えます

1.開催するべき

23名(43.3%)

2.開催するべきではない

28名(52.8%)

3.その他(両方)

1名( 1.9 %)

4.その他(不明)

1名( 1.9 %)

1.開催するべき

[以下、大半が単純開催ではなく、路面整備など条件付開催であることにご注意ください]

・2週連続の中止になると客の信頼を失う。
・2度も延期をすればファンや客が離れてしまい、関係会社から圧力が加わるだろう。
・ファン[の要望]が第一であると思う。F1ドライバーもプロであるので路面のコンディションを知りつくして[尽くして]いるはずだから[。]路面の状態が良くても事故はおこる[起こる]。
・レインタイヤの保証範囲は今回は関係なく、薄氷は気温上昇で溶けると思うから。 [もし雲が出たりして、氷が融けなかったら?]
・レーススタート実施を変更し13時頃をめやす[目安]に開さい[開催]する。路面の回復がみこまれる[見込まれる]までペースカーを入れてタイヤをあたためさせる[正しくは「あたためる/温める/暖める」]。ペースカーが入っているのでドラーバーは路面を確認できる。そのため安全面は大丈夫である。路面が凍っている場所は黄旗をふれば良い。大会側は路面コンディションなどを各チームに発信すれば新しい情報もドライバーが知ることができる。
・延期の連続は不満を爆発させてしまいそう。
・開催時間を少しずらせば、10度まで上がるのではないか。 [もし上がらなかったら?]
・開催時刻を遅らせ[て]氷対策を行う。石川氏がレース関係者はレースを行うつもりだと言っている。レース関係者はサーキット状況を知った上で判断していると思うのでレース関係者から見ても開催は可能であると思われる。 [何らかの理由により、関係者が路面状況を知らなかったら?]
・観客の期待が大事なので開催する。事故の危険性に関しては時間を遅らせるなどして対処する。
・観客の期待が大切なので、開催する。発生する危険性は、時間を遅らせるなどしてリスクを減らす。 [重要な「リスク」を指摘しています。これからの講義の中で考えます]
・関係者に迷惑をかけたくない。 [それはそれでとても良くわかるのですが、その結果、さらに関係者に迷惑をかけるとしたら?]
・危険であるということをわかった上で開催すると信用を失う。選手の命を預かっていると考えると実施できない。 [こちらは「2」ですね]
・客との信頼関係がくずれ、次回の開催が難しくなると考えられるため。 [非常に重要な点を指摘していますが、もし、それで事故が起きたら信頼はどうなりますか?]
・今回も中止したら資金などもなくなり、今後百万石サーキットで行われなくなってしまう可能性がある。
・最初は開催しないほう[方]だったが、多くの金銭的損失と信頼から開催することにした。 [講義の中でご説明しましたが、このような集団思考はよく見られます。ただし、それに気づいたってことは貴方/貴女の才能を示しています]
・事故が起きて死傷者が出てはこの先レースも存続できない。 [こちらは「2」ですね]
・事故が起こるのもレースを面白くする展開だと考える。
・先週もできなかったので、この条件であれば様子を見て開催する。
・先週中止したのに今週まで中止しては関係者のしんらい[信頼]まで失ってしまう。しかし、路面などを見て開始時間をズラす[ずらす]のが1番現実的だと思う。
・先週中止を決定して、今週も再び中止にすれば多くの人に迷惑がかかるから。
・選手もクルーもやるつもりであるため。
・前回も中止となり今回も中止となった場合ファンからの信用を失い、来年は天候関係なく開催できなくなる可能性があるので実施したほう[方]がよい[良い]と思います。
・大事故の可能性が少なくともあるなら実施すべきではない。 [こちらは「2」ですね]
・天気予報も必ずしも当たるわけではないので、9時に10度くらいになるかもしれないから。
・薄氷を割る作業を行う。開催時刻をおくらせ[遅らせ]ても、薄氷を割って開催する。
・利益を最優先に考える。 [それはそれで良くわかるのですが、長い目で見た場合、事故が起きたら利益はどうなるのでしょう]

2.開催するべきではない

[以下、それでは逆に、「いつになったら開催できるんだ!!」ということになりますよね。この点については次回のビデオでも問題になります]

・F1は危険な競技なので安全に十分考慮するべき。
・スリップなどでドライバーや観客が危険(気温や路面の状態[が]悪いので)。
・タイヤの安全性、薄氷の存在、低温を考えると観客等の参加者の安全の確保が難しいことと、これによって事故が起きた場合、レース自体の存在が危うくなるため、無理を押して開催することより延期する方が損失が少なくなる。 [重要な点を指摘しています。特に「観客等の参加者の安全」は、少なくとも板書内容には出てきませんでした。また長期的視野について触れている点も特筆ものです]
・ただでさえ、危険と隣り合わせなのにより事故が引き起こりやすい状況での実施は大事故の可能性をあげる[上げる]から。 [その通りなのですが、「可能性」は「高低」あるいは「高める/低める」です]
・レースを楽しむのは観客じゃない。命懸けでレースに望むレーサー達であり、命を懸けない観客含めゴミと命を懸けるレーサーを天秤に掛けられるレーサーの命の方が大切であるため
・安全を考慮するべきである。
・安全確保が不十分。
・安全性が重要だから。
・安全性を考えて実施しない。
・安全保証がされていないから。
・一番大切なのは安全なことであるから。
・仮に開催したとして、もし選手の身に何かあればどのようにして責任を取るつもりなのか?人命に優るものはない。 [その通りなのですが、経済的な面についてはどうでしょう]
・観客に万が一の事があると信頼にかかわる。 [非常に重要な点を指摘しています]
・危ないから。
・気温が本当に上がるのか問題だから。 [その通り]
・最高状態でレースをしてほしいから。事故、ケガ人が出る可能性がある。
・人命に関わるので。
・選手の命を重視すると危険すぎるから。
・選手や観客の命を預かる立場上、この条件では事故が起こる可能性が高いため。
・大事故が起きて世間からバッシングを受ける可能性があるから。 [確かに。特に昨今はそうですね]
・薄氷や最高気温の予想から安全が確保できない。
・万が一のことを考えると実行委員長として開催することはできないと思う。
・万が一事故が起こり、死人が出てしまうと取り返しがつかなくなるため。
・路面に薄氷がはって[張って]いてスリップするかもしれないから。
・路面の状況が悪く選手の安全が見込めないため。
・路面や気温の状態でスピンなど事故を起こす可能性があるから。

3.その他

・(1)実施する。(2)安全面が確保されていないから。
・実行するにしてもしないにしても、どちらも不利益が発生する。おり合いのつけ方の問題。レースで発生する金の動きはかなり大きい。 [今回は最終的な利益に着目しているようですが、これからの講義の中で、それ以外の考え方についても言及します]


今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載

[グループ討議に関して]

・2007年F1日本GP行きました(笑)。言い表しがたい程の地獄絵図でした...。F1ファンだから、今回のような大会事情をよく知ってるんですけど、そういう事情通の意見を反映してもいいなら、そう言って欲しいような...。事前にセーフティーカーを走らせるとか、スタート時間を遅らせるとか、ローリングスタートするだとか、ドライバーにきけん[棄権]させるだとか、かつて富士では観客が死ぬ事故があったとか。あと、ファンだって理由を知れば納得はします(クレームは入れますが)。 [ファンなんでしょうねぇ。お考えはとても良くわかりますし、評価しますが、その反面、専門的な知識があるが故にそれにしばられてしまう可能性があることにも注意してください。このネタが実は、スペースシャトルの事件を題材としていると知った時、F1の知識はどれだけ役立ちますか? もちろん役立つ部分も、そしてきっと役立たない部分もあると思います。この講義ではそのような個別案件や事情を越えた、かなり普遍的な考察を目指しています。だって、大学の講義なので]
・F1グランプリで開催するかしないかの2つにされるととても視野がせまく[狭く]なってしまうことを実際に感じた。視野を広くして物事を見たいです。 [まったくその通りなんですよね。二度とセンセイの術にかからないようにしてください]
・いろいろ難しかったです。考えるだけであまり発言できませんでした。 [前半は初めてなのでその通りだと思います。あまり気にせずに。後半は次回、頑張りましょう]
・グループで討議することはとても面白かった。 [おぉ、それは良かった]
・グループで話し合ったら意見が変わってしまった。 [でしょ? 貴方/貴女だけではありませんが、そういう傾向を持っているということには注意しましょう]
・グループ討議で相手の選択にしばられ[縛られ]ないということがわかった。 [へぇー。それはすごい]
・グループ討議をして自分の意見が変わったしまった。 [でしょ?]
・このような事例がこの先何十年間も自分に起こることを考えると非常に頭が痛い。 [確かに、一面ではその通りなのですが、過度に気にする必要はありません。この講義でポイントを押さえることができたら、後はそれほど大変じゃないと思います]
・この委員長の立場になりたくない。 [気持ちはわかりますが、オトナになるとこういうことはいくらでもありますよ]
・これは難しかったと思う。でも楽しかった。 [ありがとうございます。気づいてはいないでしょうが、実はものすごく成長しているんですよ]
・どちらの解答でもありえることであり、難しい問題であった。 [そうなんです。結果も大切ですが、いざという時はむしろ、ここで学び始めたようなプロセスが重要になるんですね]
・どっちにも引けない状況の辛さを感じることができた。 [確かにそうなのですが、そのような状況って、後半で解説したような視野狭窄
(きょうさく)に陥っている可能性があります。そうなるともう、あまり適切な判断はできなくなっちゃうんですね]
・むずかし[難し]かった。 [そうかもしれません。でも今日は練習問題ですから、その結果についてはあまり気にしないでください]
・リスクは考えなければいけないが、後手後手に回っていては経財[正しくは「経済」]はまわらないと思った。 [確かにそうなのですが、もしその過程で大きな判断ミスをしているとしたら、次の世代でその尻ぬぐいをさせられることになりますよ]
・レースの開催条件をチーム内で決めるのに時間がかかってしまった。次はよりスムーズに討議を進めていきたい。 [今回は練習ですから、あまり気にせずに]
・俺は最初からこの話はおかしいと思っていた。 [ツボの一つを見抜かれたようですね。ポイントはまだまだ続くので、ご期待ください]
・開催する、しないの2つの選択にとらわれないことが重要だと思った。 [まったくその通り]
・楽しかった。
・議論が楽しいと感じた。 [以上、「知的に」ですよね。ありがとうございます]
・広い視野で物事を考えることが大切だとわかった。 [まったくその通りで、この問題をどう捉えるか、で決まってしまうんですね]
・思えば確かに山奥のレース場や季節などの設定がおかしいと思った。もっと早く気づけば良かったと思う。 [まったくその通り。ただし日本海側にも「日本海間瀬サーキット」のような例があります。縛られてしまってもダメなんですね]
・実際に起きそうな課題で面白かった。 [貴方/貴女はとても才能があると思います。この事例を読んだ時、大半の方は「曖昧だ」と捉えて、そこで思考を中断してしまいがちです。貴方/貴女の才能を潰さないようにしましょう]
・実施するかしないかを判断するのはとても悩む。 [確かに。きっと生真面目な方なんでしょうね。それはそれでとても評価しますが、「そうじゃないかもしれない」ことがあることも、これからは考えてみましょう]
・上に立つ人の責任というのはかなり大きく、どの選択を行っても問題が発生するという時、上手く判断して被害を軽減する必要がある。 [まったくその通り。とても精神年齢の高い人の発想です、夢考房プロジェクトか何かを率いている方なんでしょうか]
・人それぞれの考え方があっておもしろい。
・人の心理について知ることができた。 [以上、知的に楽しんでいただけたようですね。ありがとうございます]
・先生の言った通り[、グループで議論すると]意見が変わりました。 [そうなんです。それに気づいただけでも、ものすごい成長ですよ]
・損得について考えさせられる授業だった。 [ありがとうございます。「ものすごく長い目で見たら...」という意味ですよね。それはそれでお話しした通りなのですが、これからの講義の中では、それ以外の考え方についてもご紹介します。ご期待ください]
・他のチームの意見を見て予想できないものが多かった。
・他の考えがよくわかった。 [以上、初回ならではかもしれませんね]
・討議すると意見が変わる人が多く意外だった。
・討議をすると意見がかわってくる。
・同じ答えでも様々な意見があるのだと感じた。 [以上、でしょ? 実際にやってみて、初めて気づくことが多いんですね]
・白黒はっきりさせることは難しい。
・風邪をひきました。今日の討議は面白かった。F1久しぶりにみに[見に]いきたい[行きたい]です。 [きっとこの事例で、もっと語りたいことをお持ちなんでしょうね。その気持ちはぜひ、次の議論で生かしてください]
・文章から読み取る問題なので、条件が限られていてやりにくかった。 [確かにそうなんです。ただし、映像をご覧いただくと、逆にそれに縛られてしまう部分があります。難しいところです]
・北陸の気候はF1等のレースに向いていないと思う。 [基本的にはその通りなのですが、「日本海間瀬サーキット」も実際に存在します。F1ではありませんが]
・命は金より重いと言われるが、命を掛けぬものは金は命より重いと考える。その思想は命を失うよりもつらい後悔に繋がることに気づける人は傍観者にいるのであろうか。 [う〜ん、非才なセンセイはっ十分には理解できませんでした。従ってコメントもありません]
・面白い討論だった。 [ありがとうございます]
・目先のことにとらわれず広い視野で物事を見たい。
・目先のことばかり考えてはいけないと思った。 [以上、まったくその通りですね。「じゃぁ、具体的は...」については、これからの講義で考えます]

[今日の一言]

・MT車で下道を長距離走るのつらくないですか? [片道240kmほどです。お気持ちはわかりますが、MT車は運転していると楽しいので、全然苦にはなりません。目的地に着いた時、「もっと運転していたい」と思うほどです。ただし、都市部での渋滞は別です。クラッチの接続を担当する左足が痛くなります]
・スペースシャトル気になります。
・チャレンジャー号のビデオ気になります。 [以上、次回にご期待ください]
・パズドラのデータがきえて2週間たちました。せっかくランクが215まであがっていて魔法石も42コありました。次のゴットフェスでひたすらガチャろうと思っていたのに...僕は何を楽しみに生きればいいですか? [う〜ん、3次元金沢工大の女子学生は対象外でしょうか]
・課題忘れていました。
・記憶違いで課題内容を間違えました。次回から心入れ換え頑張ります。 [以上、早めにメーキャップを]
・今日朝から眠たいです。
・朝は起きるのが辛いです。 [以上、どうしたのかな。2限ですよ]
・動画が気になった。 [次回、ちゃんとご紹介します]
・燃費17.5kmはすごいです。 [そうなんです。前に乗っていた日産車(MT)よりも良い成績です。もし高速道路やバイパスのような場所で80km/hで走行したら、軽く20km/Lを越えます。実話です]


西村が担当する授業の様子は、<http://www.page.sannet.ne.jp/h_nishi/>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。


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