平成26年4月22日更新
3ER1クラス
第3回:平成26年4月22日 学習内容/授業の運営方法/学習課題(予習、復習)/課題の解答/今日の一言
※スペースシャトル・チャレンジャー号爆発事故を題材に、倫理的考察や意思決定に必要な概念や用語などの解説を行う
・チャレンジャー号爆発事故に関する解説
・技術者と価値(特に、安全)
・リスクに関する概説
・対立する価値と倫理問題
・ステークホルダーと価値
・技術者の直面し得る倫理問題とその種類(ジレンマ問題、線引き問題など)
・倫理問題と設計問題のアナロジー
・倫理思想の特徴と代表的倫理学理論
・倫理的意思決定の方法(概論):エシックス・テストおよびセブン・ステップ・ガイド
・なぜ、科学技術者倫理が求められているのか@(メタ、マクロ、メゾ、ミクロの観点から)
・科学技術の歴史とエンジニアリングの特質
・近代科学技術と倫理思想
・技術者はなぜ特別の責任を負うのか
・技術者が共有すべき価値と倫理綱領(概説)
・PCを用いた講義
・チャレンジャー号爆発事故に関するビデオの視聴
・関連する視聴覚教材の視聴
・演習
など
・予習:教科書の第4章、第5章、第6章および第7章の精読(120分)
・復習:課題2(Agora上でチャレンジャー号事故について、倫理的問題構造およびステークホルダーなどの事実関係の分析)(180分)
課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)
Q.スペースシャトルチャレンジャー号事故に関するビデオをご覧いただいて、個人で最初に感じたことは?
A.解説前の感想であることにご留意ください。講義の中でご説明しましたので、原則としてコメントは控えます。
[「今日の一言」のコメントも、ビデオの内容に直接関係するものはこちらにまとめました]
・「利益」か「安全」どちらを優先するべきなのか、難しい問題だと感じた。しかしこのような大事故を見ると、やはり安全が1番なのかと思った。
・NASAとモートン・サイオコール社、その上下関係と状態の理解度が噛み合わず、起こった問題である。
・いろいろなプレッシャー関係があったため[、]とてもモートン・サイオコール社だけに[、]特にランドさんだけに責任[を]ぶつけるのはおかしい。
・エンジニアとしては、安全第一で考えるべきであった。
・エンジニアとして安全でないということをどうやっても伝えるべきだった。
・エンジニアとして安全とはいえないものを使ってはいけないと思った。
・お金のためではなく人々のための仕事が出来ていれば問題は起こらなかったのではないか。
・けっこうショッキングだった。
・このような事故を防ぐためには組織の中にどのような構造が必要なのだろうか。 [非常に重要な指摘です。貴方/貴女はとてもセンスがあると思いますよ。講義の後半で考えます]
・この企業のあり方は今でも変化していないと思う。 [お気持ちはわかるのですが、実際には変化した部分と、仰るように変化していない部分があります。これからの講義の中で考えます]
・この事故を起こした原因はアメリカ社会全体に問題があったためと理解した。 [確かにその通りなのですが、例えば福島原子力発電所の事故などを考えると、日本でも十分当てはまる出来事だとと思います]
・すごい[凄い]映像でした。
・ステイクホルダーを重視すべきことがわかった。 [そうなんです。それが最初のステップなんですね]
・それぞれが自分に責任がかかってない風に振るまっているように感じた。見えているものを見てない振りをした結果がこのような事故につながって[繋がって]いるのだと思う。
・たとえ危険性が分かっていても組織の構造により、判断を間違えてしまうことが分かった。
・チャレンジャー号の事故が防げるものだったということを知って驚いた。組織の集団心理は恐ろしいものだと思った。 [その通り。決して批判しているわけではないのですが、先週の議論だって、個人とグループの結果はずいぶん変化していますよね。我々がもともと持っている悪い傾向なんだと思います]
・チャレンジャー号の事故の話を詳しく聞けてよかった。
・チャレンジャー号以外にも自分が生まれてからシャトルの事故があったが、名前が思い出せない。 [コロンビア号事故です。打ち上げ時に本体の一部を損傷してしまい、それがもとで地球へ帰還するために大気圏に突入した時に空中分解してしまいました]
・チャレンジャー号事故は防げたはずだということにやるせなさを感じる。
・どんな理由があろうとも失敗するリスクが高い中実行するのはどうかと思う。
・ビデオを視聴し、立場というものを考えさせられました。経営者、技術者、下請け、元請け、様々な立場で考えていくことが重要だと思いました。 [こちらも非常に重要な指摘をしていると思います。貴方/貴女はセンスがあると思いますよ]
・プレゼンテーションの大切さを知れた。 [まったくその通りなんですね]
・ボジョレーさんの警告の声が届いていれば起こらなかった事故であるので、上の立場に立つ人は下の意見をしっかり反映させなければならないと思った。
・まず安全を重視するべき、少数の意見も大切にするべき。
・もし自分があの場所にいたならば、打ち上げを賛成していたと思った。結局は自分も雇われている身である以上、上の意見には同意するし、利益も得たいから。 [気持ちはわかります。でも、じゃぁ、あの場面でどのように情報を集め、どう行動すれば良かったのかをこれからの講義で考えていきましょう]
・ロジャー・ボジョレーは反対を続けなければならなかった。周りの意見を変えられるまでする必要があった。
・圧力かけられると苦しいよなー人って。 [その通り]
・安全と計画の両立が難しいと感じた。
・安全は大切。
・安全よりも利益を有先[正しくは「優先」]した結果、まねいて[招いて]しまった悲劇なのだと私は思った。
・安全性と利益どっちを取るかとても難しい。完全な安全[は存在し]ないにしても、もっと考えるべきであった。
・安全第一。
・以前やった課題と似た内容が展開されていた。人生は多くの選択が求められるが、後悔のない選択をしたいと思った。
・一つ一つの判断の甘さが重大な事故を起こすきっかけになることが分かった。
・下受け[正しくは「下請け」]も大変だが、元受け[同「元請け」]も大変そうである。 [まったくその通り]
・会社で働くことは大変だと思った。 [その通り。ただしその分、やり甲斐もあります。後でご説明します]
・回り[この場合は、「周り」]からのプレッシャーがあったとはいえ、実行してしまったのはよくなかったと思う。
・危険とわかっていながら打ち上げてしまったことはNASAもモートン・サイオコール社にも責任があると思う。
・危険性の管理がなってない。 [確かにその通り。個人というよりシステムの問題なんですよね。非常に重要な点を指摘していると思います。また貴方/貴女はセンスがあると思います]
・技術者として中止すべきことではあったが、会社という面では中止は厳しいいろいろな問題が絡み合った事故であり、改善には時間がかかりそう。
・技術者として勉強になった。
・技術者と価値について学べた。
・技術者と経営者の置かれる立場の差を感じた。何故危険と分かった上でMT社は打ち上げを承認したのか。
・技術者の立場なら反対するが、周りからの圧力があると反対しずらく[正しくは「しづらく」]なる。
・経営者が利益で求めるのは分からなくもないけど、利益のために安全性を見捨てるのはちょっと嫌やなぁ。
・結局は上からの圧力に屈してしまう。しかし、これでは何の意味もないだろう。技術者ならば技術者らしく最後まで反論すべきだった。
・見えにくい立場の弱いステークホルダーは大切に。 [まったくその通りですね。勉強し始めたころはなかなか見えないものです]
・元うけ[元請け]会社はなるべく元請け会社[この場合は「下請け会社」?]に圧力をかけないように立ち回れるようにするのが理想だった。 [とても面白い意見だと思います]
・原因が見つかって時間もあり、改善もできた。
・現場の仕事に携わっている人たちの意見を十分に考慮する必要があると思った。
・現場の人の意見は取り入れたほうがいいとお思った。
・個人、団体のどちらかによって、問題点に対する解決法が違うのだと思った。また、団体の方が解決が難しい場合があると思った。 [その通り。集団思考に陥るんですね]
・国としての予定があり上からの重圧が大きい。下の人は安全性を考えていやがって[嫌がって]いた。
・事故が起こることがわかっているのに、仕組みのせいで防ぐことができなかったのが悲しいことだ。 [仕組み、つまりシステムの問題に気づいていることはとても高く評価できます。重要な指摘ですよ]
・事故の可能性が高いなら中止してほしかった。
・時には強く出なければならないことがあることを知った。
・自分がボジョレーと同じ立場なら打ち上げを中止するように申し出る。事故が起こるだろうということがわかっているならやらない。
・自分が同じ立場に立ったとき、中止させることができるか心配です。
・社会との板挟みですごく難しい判断だったと思う。結果的にもそうなったが、やはり打ち上げを反対するべきだった。
・周りに流されず、自分の正しいと思った意見を主張しつづける強さが大切。そのためには、仕事に対して、妥協しない心を普段から実践すること。
・少しでも危険がある場合はそれに対して必ず対策をしなければならず、過信してはならないと思った。
・少数意見も大切。
・少数派意見も大切にして、耳を傾けるべきだった。
・人が関わるというのは色々な面を考えていかなければならないので難しいですね。
・人の安全性よりも自分たちの利益を有先[正しくは「優先」]させてしまったための起こるべき事故であったと感じた。
・人間というのは、過ちを知ってもそれをまた繰り返してしまう。
・人間の意識の左右は怖いと思った。しかし、こういうことがあったから今の技術者は考えて行動できるのだと思う。
・世の中難しいなと思った。
・世間の目よりも人の命の重さに目を向けるべきであった。 [その通り。そして命を失っただけでなく、世間の評価も失ってしまったんですね]
・政治、社会と組織というのは上の言うことを聞かなければならない。たしかにそれは大事だろう。だが、本当に大事なのは安全と命や(危機感)などではないだろうかと思った。
・政治や経営が絡むとどうしても安全だけを考えて物を作れないもどかしさを感じた。
・製品の大きさが大きいほど万一に引き起こされる事故も大きいため、優先すべき事柄は考えなければならないと感じた。
・多くの人に迷惑をかけてでも打ち上げを中止する勇気が必要だ。
・当人からしたら、とてももどかしいと思う。
・反対してた側の人が意見を無理やり変えさせられた上に事件が起きると責められるのがなんか嫌だなと思った。
・板挟みの立場で適切な判断を下すのは難しいと思った。
・板挟みほど辛い立場はそうそうない。
・物を作った技術者達の話もまるめこまずに話し合い決定すべきであった
・防ぐことのできた事故であったが、それぞれの立場での意志決定は難しいと思った。
・防げる事故なのに防げなかったのは悲しい。
・防げる事故を防げないのは愚かだ。
・問題に直面してから倫理的に考えることの重要さがよくわかった。[以上、「ではどうすればよかったのか」については、これからの講義で考えましょう]
今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載
[ビデオの内容に直接関係することは「課題の解答」へ回しました]
・Agora頑張ります。 [ぜひぜひ]
・GWが楽しみです。 [こちらもぜひ有意義なものにしてください。来年は就職活動の真っ最中、とても遊べません。ただし今年は曜日まわりがあまり良くないので、ちょっと残念ですね]
・あったかい...。 [そうなんです。どうしても眠くなるので、廊下側の窓は全開にしました]
・おすすめの本はありますか。 [う〜ん、何を勉強したいのでしょう。それによってお勧めは変わります]
・トイレ行きたい。 [基本的には講義の前に済ませておいてください。ただし下痢など止むを得ない場合は、目で合図して後ろのドアから出てください]
・なし [はい]
・なぜ、チーム活動するのですか。 [社会に出ると一人で生きていくことはありません。仕事でも地域でもそして家庭でも、ある種のグループで行動するからです]
・ねむい。 [食後ですからねぇ]
・はやく気温上がって欲しい。
・まだまだ寒いですね。 [以上、そうですよね。まだ花冷えが続きます。それでも金沢はいい方で、週末に帰った新潟はずいぶん寒かったです]
・技術者についで知ることができた。
・技術者になるのは大変だと思いました。
・技術者は「安全第一」を考えるべきなのだと学んだ。
・技術者はただ物をつくるだけではないことがわかった。 [以上、ありがとうございます。でも思い出してみると、2年生の「技術者と社会」とずいぶん繋がっているんですね]
・今日は火曜日だ。 [う〜ん、その通りですが...]
・最近朝がとてもつらい。 [体はまだ春休みのつもりなのに、先週当たりから講義や実験が本格化しているので、体がまだついていけてないんだと思います]
・女子は遠距離[恋愛?]が嫌いらしい。 [[ ]内の解釈で間違っていなければ、ですが、その通りだと思います。そのようにできているんでしょうね]
・寝てる人おおいですね...。大丈夫でしょうか? [残念ながらこの講義は昼食後ですからね。勉強しようと思っていることはちゃんと伝わってくるのですが、なかなか難しいものがあります]
・昼寝したのでしっかりと授業を受けれた。 [恐らくこれは、「講義中に」ではなく「昼食後、講義の前の昼休みに」という意味でしょうね。5分くらい眠るとずいぶん楽になりますよ]
・朝から運が悪かった。 [どうしたのかな?]
・天気めっさいいですね。 [確かに。昨日の天気が嘘のようですね]
・難しい世の中だ。 [確かにそうなのですが、皆さんはこれからその社会の中で生き延びなければなりません。そのための講義なのです]
・難しい話だった。 [こちらも]
・肉離れになりました。痛いです。 [ホントに痛そうですね]
・疲れた。 [実験の課題なんかが溜まっているのでしょうか]
・部屋の温度が高かった。 [そうなんです。だから廊下側の窓を全開にしました。これから冷房が入るまでの間は、室温の調整が難しいです]
・眠かったです。 [お疲れのご様子]
・無し。 [はい]
西村が担当する授業の様子は、<http://www.page.sannet.ne.jp/h_nishi/>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。