平成26年10月7日更新

3FS1クラス
第2回:平成26年10月7日 学習内容授業の運営方法学習課題(予習、復習)課題の解答今日の一言

学習内容

(続き)
・直面する可能性のある倫理的問題に関する具体例
・グループ討議と討議結果に対するコメント
・E-learningやグループ討議の事例分析課題(ソーラーブラインド、ギルベイン・ゴールド)に関する解説
・セブン・ステップ・ガイドの概説
・本学の教育目的と大学の質保証問題
・「倫理」とは何か(用語解説)
・倫理と法
・「科学技術」、「技術者」とは何か
・「科学技術者倫理」とは何か、その特殊性

授業の運営方法

・PCを用いた講義
・グループ討議
・討議結果の発表
・グループ討議の結果に関するレスポンスシートの作成
など

学習課題 予習・復習

・提出:課題1(90分)
・復習:「アカデミック・インテグリティ」に関する文献の精読、第1〜2回で学んだことについての考察の深化(90分)
・予習:教科書の第2章、第3章、第4章、第5章、および第6章の精読(180分)


課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)

Q.仮想事例「百万石F1グランプリ」を読んで、貴方/貴女個人としてはレースを開催すべきだと思いますか?
A.わざと「開催しますか?/しませんか?」と尋ねていますが、何とかその枠組みを越えようという意欲が回答に感じられます。講義の中でご説明しましたので、原則としてコメントは控えます

1.開催する

55名(80.9%)

2.開催しない

13名(19.1%)

1.(条件付で)開催するべき

[以下、単純開催ではなく、路面整備など条件付開催が多いことにご注意ください。こちらの場合は、「もし事故が発生したら...」を考える必要があります]

・10度以上ならば。
・13時までに天候が回復しない場合は開催しない。 [なぜ13時?]
・9時までには気温の上昇が見込まれているので開く。 [もし上昇しなかったら?]
・F1レーサーの人が一周し、問題がないと判断すれば開く。
・ケガ[怪我]の恐れがあるのは選手なので、選手に説明して選手がやるといえば。
・スピード制限を付ける。
・スリップは自己責任、路面の温度が10度以上[なら開催?]。 [気温と路面の温度は数度違うのが普通です]
・タイヤがスリップしないとされる状況を満たせば遅れても開催する。
・どのようなコンディションであっても、事故が起きるリスクはあるため、開催するべきである。
・ドライバー、スタッフに注意を促す。ガッツリと。
・ドライバーの意見を聞き、多数決で。
・ドライバーやクルー、マスコミに同意する[=同意を確認する]。
・ドライバー等に注意を呼びかけ、それでも参加するというのであれば開催する。
・やはり、利益が必要だと考えるため。
・レーサーに説明しておく。
・レースができるくらいになるまで道をせいび[整備]する。薄氷除去など。
・安全が確保できれば開く。
・安全な状況になれば。
・雨が降り始めたら中断する。
・雨の中や徹夜で並んでいる人もいるので再開する。
・開催時間を遅らせて昼頃に開催する。ドライバーに現状を伝え、意見を開く。
・開始時間を延長し、水たまり[溜まり]のせいび[整備]をする。
・各チームのスタッフを呼んで意見を聞く。
・関係者、開催を待っている人達に事故が起こる可能性があることの説明をする。路面状態を整えるまで開催時間をおくらせ[遅らせ]る。
・危険性が皆無だったら。 [100%安全って、可能ですか?]
・気温が10度以上になったら開く。
・気温が10度以上続くのであれば開催。
・気温が10度近くなったら開く。スタッフや観客が事故が起こってもいいと全員理解しなければ開かない。 [それなら事実上、開けないのでは?]
・気温が10度前後になり次第開催する。
・気温が確実10度を上回っていた場合のみ。
・気温摂氏10度以上になってから。
・午前9時の時点で気温が上がれば開催。 [何度まで上昇していたら?]
・最高温度が10度前後であれば許容範囲内。
・最低限の安全を確保したら開く。
・時間を延期できるのならする。
・周回数を減らす。
・条件、気温が10度を越え[この場合は「超え」]たら、安全なはず。
・条件で開く。F1レーサーに試運転してもらい、安全なら開催。
・水たまり[溜まり]がなくなればやる。
・先週も開いていないので、今週は開かないと損失が大きい。気温が低いことも分かったうえで、4月のこの時期に開催しているのでは?
・前回に引き続き、今回も中止となると大損害になるので、続行する方が得策である。F1ドライバーは様々なレース状況を考慮していると思う。
・徹夜組含め1000人以上、選手、クルーもやる気があり開催されることを期待しているから。
・天候が安定し、路面の氷が溶けたら開始する。
・天候などの条件が、整うことの方が少ない。
・薄氷がなくなる[のを確認してから開催]。
・薄氷が溶けるのを待つ、またはスコップなどで氷を砕く。
・薄氷や水を取りのぞいてから開く。
・氷がとけるもしくは10度以上になったら開く。
・氷をバーナーかなんかで溶かせばよい。レース自体が危険なもので、気候が良くても安全が保障されるわけではない。 [一時的な融解は可能でしょうが、再凍結の可能性がありますよ]
・普通のレースでも危険がある中やってるわけだから大丈夫。
・利益を重視。
・路面10度以上、天候は雨以外ならば。できるなら一台だけでも走らせる。
・路面がレンタルの規格に合うことになれば決行。 [「レンタル」ではなく「レース(開催)」でしょうか]
・路面の温度が10度以上になったら開く。
・路面の氷がなくなれば開く。

2.開催するべきではない

[この場合は、じゃぁ、「いつになったら開催できるんですか」あるいは「損害はどうするんですか」等が問題になります]

・この状況で開き[、万一]事故があった場合、「こんな状況で開催するなんて」と手のひら返す人がいて、マスコミもいいように報道するのでやらない。
・タイヤの使用気温に達しない可能性が高い、危険。[長期的に考えると]事故によってサーキット自体の信頼を失う方が損失となる。
・ドライバーの安全が大切。
・安全が保証[正しくは「保障」]されない限り開かない。
・安全の保障がされていないので開催しない。
・安全の確認確保が充分でないため開かない。
・気温が9度以上にならなければ中止にしレースは開催しない(8時の時点で)。事故が発生した時のリスクが高いため延期。
・気温が上がり安全になるまで開かない。事故が起きたら責任が取れない。
・事故が起き、人が亡くなってしまってはレースの楽しさも、信頼性も失われてしまう。 [「楽しさ」の件は、まったくその通りですね]
・実行委員長として想定外の事態にも迅速に対応すべきなのに、それを怠ったため開催する必要はない。
・大事故になってからでは遅いから。
・氷があるので危ないから。
・路面が10度以上にならなければ。


今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載

・「安全」に対する意見は思ったより重要だと感じた。 [この点についてはこれからの講義でしっかり考えましょう]
・いい予習ができた。 [先週の講義の最後の部分が、という意味でしょうか]
・いろいろな視点から物事を考えることができるため、為になるなと思いました。 [反対側の立場に立つと、見えるものがずいぶん違いますよね]
・きちんと議論することができた。 [それは凄い。確かにこのクラスの長所だと思います]
・グループ討議楽しかった。 [こちらも]
・ジレンマの中での決断は、恒久的なテーマであるように思える。 [確かにその通り。「それではどうやって、できる限り科学的/客観的に考えるか」がこの講義のテーマなのです]
・やりやすいグループ討議だった。 [それは良かった]
・リスクの考え方がよく分かった。 [ありがとうございます。これからもリスクの問題は考え続けます]
・レースの開催しないなら、代案を用意することが重要だと思う。 [その通りで、とても良い意見を出したグループがありましたね]
・安全が一番。 [その通りなのですが、100%安全な製品は存在しません。バランスが重要なのです。これからの講義で一緒に考えましょう]
・何を重視すべきかを考えさせられた。 [重要な点に気づかれたようですね。これからの講義の中で引き続き考えます]
・楽しかったです。 [ありがとうございます。もちろん「知的に」ですよね]
・決定権を出す役職は難しい仕事だと思った。 [その通り。でも、誰かが判断する必要があります。もちろん適切な助言や情報を得ながら、ですが]
・考えさせられる内容だった。 [ありがとうございます。今回はただの練習です。これからずっと考えていきましょう]
・収入や費用だけではなく安全性も大事。 [もちろん。目先はともかく、安全を優先することが長期的な利益に繋がることも多いんですね]
・生命[=安全]か利益かが難しかった。 [その通り。だからこそ、これからの講義の中で考えます]
・絶対な安全なんてないと思う。 [こちらもその通り。だから今回のケースでは「開催しないというのが正解」というわけではないんですね]
・選択することの難しさを知った。 [そうなんです。それを適切に考える力をつけるために、この科目があるんです]
・多分出来ないが、金沢でF1とかMotoGPとかやってほしい。 [なるほど。お好きなんでしょうね。確かに見てみたい気もします]
・冬にレースを開催するのがおかしい。 [その通り。ただし日本海側にも「日本海間瀬サーキット」のような例があります。ご参考まで]
・難題であった。 [でしょ? それをどうやって論理的に考えるか、というのがこの講義なのです]
・縛られない意見を出せるようにしたいです。 [その通りですね]
・別の方向から意見するのが大変だった。 [こちらも。センセイもそうですが、人間は一度何かを決めてしまうと、どうしてもそれに縛られてしまう傾向があるんですね]
・立ち位置によって判断が難しい。 [その通り。それに気づいたってことは、実は大きく成長しつつあることを意味しているんですよ。お気づきかどうかはわかりませんが]


西村が担当する授業の様子は、<http://www.page.sannet.ne.jp/h_nishi/>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。


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