平成26年10月21日更新
3FS1クラス
第4回:平成26年10月21日 学習内容/授業の運営方法/学習課題(予習、復習)/課題の解答/今日の一言
・技術者としていかに行動すべきか
・倫理的問題解決の方法
・エシックステストおよびセブン・ステップ・ガイドに関する詳細解説
・技術者と法律(概論)
・技術者が重視すべき価値(志向倫理)と倫理綱領
・倫理的意思決定の阻害要因と促進要因
・セブン・ステップ・ガイドを用いた演習
・PCを用いた講義
・関連する視聴覚教材の視聴やグループ討議を行うこともある
・演習(結果は、各自まとめて提出)
・提出:課題2(電子的提出)
・復習:セブン・ステップ・ガイドを使った事例分析の練習(60分)
・予習:課題3(Agora上での「ソーラーブラインド」の倫理的問題構造、事実関係、ステークホルダーなどの把握)(100分)
課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)
Q.取り上げたミニ・ケースの主人公だとしたら、課長の指示に従ってドラム缶の中身を流しますか?
A.(議論前の個々人の印象ですのでご注意ください。原則としてコメントは控えます)
1.流す 24名(38.1%)
2.流さない 39名(61.9%)
1.流す
・こういった悪い行いが習慣的に行われている可能性が高いので、私が管理職になるあかつき[暁]まで我慢して、いつの日かこの悪しき体制を変える。 [心がけは素晴らしい]
・この現状を捉えるとこれまでにもこれからも繰りかえされる[返される]ことが推測できる。そのため1人で言っても発言力がないので仲間を増やして2回目以降に流さないようにする。
・せっかく就職ができたのに、課長ににらまれ[睨まれ]たくない。
・せっかく就職してかたち[形]ができてきたのに反論して関係をくずし[崩し]たくないから。
・せっかく就職できたから。
・その場は流してやりすごす[過ごす]。倉庫は分かっているので[後で]どうにでもできる。調査して密告も可。 [最後の部分に関しては講義の中で取り上げます]
・まだ、ドラム缶の中に有害物質があると決まっていないから。
・課長に色々と言われたくないので。
・課長の厳しい口調という部分から逆らえないと判断する。出世していくためには仕方ない。
・環境に悪影響を与える物質と決まったわけではないから。
・今後、成果をだして[出して]それを補う以上のはたらき[働き]をすればいい。
・今後課長ににらまれ[睨まれ]て最悪クビになることもありえるから。
・自分の将来が大切だから。
・上司に従わないと、これからこの会社でやっていけないと感じたから。
・上司の命令に逆らう事は難しい。
・新入社員で課長に逆らうことはできない。ドラム缶の中身が環境に悪影響を与える物質ではない可能性がありうる。
・親に大学院まで行かせてもらい、やっと入れた会社なのに、退社することになったら申し訳ない。
・人間関係を壊したくない。
・入社したばかりで、上司に悪い印象を与えたくないから。
・別の上司やコンプライアンス部門に相談する。 [この件に関しては後日講義でご説明します]
・流さないと言うと自分の立場がどうなるか分からない。
・流さない場合、後の職場に影響があるが、流した場合、影響はない。 [自然環境その他には?]
・流しても自分に直接的なマイナスはないから。2.流さない
・あぶない[危ない]ことには手を出したくない。
・いくら、出世などに関わったとしても環境には悪いため流さない方が良い。
・いくら上司の命令だとはいえ、環境分野を学んできた自分にとっては耐え難い。そのようなことをする会社ならいくら有力会社でも許せない。
・いくら大手の企業でも、上司に目をつけられるの可能性があっても環境に良くないと知りつつ[このような]行為は行いたくない。
・けいさつ[警察]などに見つかると大変だから。
・このようなことをしている企業は今後成長できないし、できたとしてもいつかばれて足元をすくわれるから。
・その行動が発覚された[この場合は「発覚した」]際、全ての責任をきせられ[着せられ]る可能性がある。
・そんな悪いことを続けている会社は、最終的に業績が悪くなり、将来性がないと考えた。内部告発だ!! [将来性の件はまったくその通りですね。内部告発については講義の最後で考えます]
・たとえ上司の命令でドラム缶の中身を捨てろと言われてもその中の物質が有害であることを指摘するべきである。
・もし、今後その事が問題になった時、当然責任の所在が確認されるため、責任を課長になすりつけられる可能性がある。
・[環境]汚染につながる[繋がる]ため、会社の問題にもつながる[繋がる]ため。
・何かわからないものを流すべきではない。
・課長ににらまれ[睨まれ]ても良いので流さない、環境汚染はいや[嫌]なので流さない。
・環境に悪影響を与えると分かっていれば流さない。課長に睨まれたら他の上司に相談する。
・環境に悪影響を与えるので絶対に流す訳にはいかない。
・環境に悪影響を与える物質だと、川にいる生き物だけでなく魚釣りをする人等にも危険がおよぶ。
・環境に悪影響を与える物質である可能性があるため流さない。
・環境に影響を及ぼすということは最悪の場合知らない人や生物に害を与える可能性があるから流さない。
・環境に良くない物質なので流さないほう[方]がよいと思う。
・環境を考えると流せない。
・環境を守るために流してはいけないと思うから。
・環境汚染はしてはいけない。
・環境汚染はよくない[良くない]から流さない。
・環境分野を専門としているのに環境に悪影響を与えるのはおかしい。
・技術者ならば流すべきではない。
・技術者は公衆の安全・福利・健康を重視すべきだから。
・今回、指示があったということは、前回から行われている可能性が高い。企業体質自体に問題があると思われる。また環境問題になる可能性もある。
・最近の浄水場は事前に物質の中身[を]言えば受けもって[持って]くれる[=「処理してくれる」の意?]。
・自分が会社にい[ら]れなくなったとしても[、]そのような会社に魅力は感じない。
・自分が技術者である限り環境に悪影響を与えることはいけないことだと思うから、課長ににらまれ[睨まれ]ようとも流さない。
・実行した人が責任を負わされる恐れがあるため流さない。
・証拠を集め公表し、課長を辞職させる。
・新入社員であろうが良くないという現実を一度ゆるして[許し絵]しまえば今後命令すれば従う社員として見られてしまうため。川に流さないで処理できる提案をする。
・川にドラム缶の中身を流すことは、社会的な問題であり、もしこの行いが社会にバレた場合、会社の今後も危ないと考えられる。
・中身が分からないから。
・長く続きそうもないブラック企業であるため、無理して留まる必要もない。わざわざ違法行為に加担しなくてもいい。
・別の方法を探しましょうと提案する。
・明らかに環境に悪影響を与えるものだったら、流した後の状況を説明すればいい。
・流したところで地元なんだから汚染したら自分を含めた家族に影響が出るから。
・流して何か問題が起こる方が良くない。
今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載
・1つの行動で影響はとても大きいこともあると改めて思った。 [まったくその通りで、自分の行為の影響が及ぼす範囲と程度を理解できれば、誤った行動は取りにくくなるんですよね]
・この講義に価値はないと考えていたが、ロジックに物事を考える方法を学べることに気づいた(価値を発見した)。 [素直に、ありがとうございます]
・ステークホルダーで、例えば一般市民だったら更に細かくしないとだめですか? [状況によります。例えば今回の事例では「流域の住民」→「漁業従事者」と範囲を絞ることで、価値を考察する対象が変化しました]
・ステークホルダーはどんどん広がる。
・ステークホルダーは様々な視点から考えられる。 [以上、まったくその通りで、相手の立場からどう見えるかがポイントですよね]
・楽しかった。 [ありがとうございます]
・考えられる内容の講義だった。 [こちらも。センセイが一方的に講義するより、今日のようにアクティブな活動を取り入れる方が勉強になりますよね]
・今の世の中は功利主義より義務倫理学を重視しているのではないかと考えられる。 [う〜ん、どうでしょう。微妙かなぁ]
・新入社員を試すテストかも? [そうかもしれませんよね]
・人によって様々だと思う。 [確かにその通りで、前述したように「どちらが正しい」というようなものではありません。でも上の方(↑)が触れているように、その結論に至る過程が論理的かどうかは非常に重要です]
・流すことが自分にも影響することがあるかもしれないことが分かった。 [そうなんですね]
・倫理の奥深さを知った。 [影響が及ぶ範囲と深さを考えられるようになったってことです。成長している証拠ですよ]
西村が担当する授業の様子は、<http://www.page.sannet.ne.jp/h_nishi/>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。