平成26年12月20日更新
3FS1クラス
第12回:平成26年12月20日 学習内容/授業の運営方法/学習課題(予習、復習)/課題の解答/今日の一言
高度技術社会における技術者の新しい役割
・科学技術とリスク
・リスク評価の難しさ
・リスクと公共性
・社会的合意形成
・トランス・サイエンス
・科学技術社会論
・科学技術コミュニケーション
・科学技術の研究開発と倫理
・Grand Challengesに関する解説
・PCを用いた講義
・関連する視聴覚教材を視聴することもある
・提出:課題6(電子的提出)
・復習:教科書第15章の精読(60分)
・予習:課題7(事例分析)(120分)
・予習:課題8(Grand Challenge for Engineering)(60分)
課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)
Q. 1. 飛行機と自動車、お客さんとして乗車(搭乗)する場合、どちらが「怖い」?
A. 1.(講義内でご説明したので、原則としてコメントは控えます)
1.飛行機 26名(40.0%)
2.自動車 39名(60.0%)
1.飛行機
・トラブルが起きると、被害が大きい[→「被害が大きくなる/大きな被害を被る」などの方が適切]可能性が高い。
・トラブルが起きると死に直結する場合が多いため。
・ニュースなどでトラブルなどが発生しているのをよく見るので、もしかしたら...。
・もしトラブルが起こっても[機]外に出ることができないから。
・空の上だからどうしようもない。何もできない。
・空中を移動するから助かる確率が低い。
・故障が分かっても、飛んだあと[後]だと修理ができない。事故が起きると、大事故につながる[繋がる]可能性が高い。
・高いところを飛んでいるので事故や事件が起こると逃げ場がないから。
・事故が起きた時の[被害の]大きさが大きく、生存率が低いから。
・事故が起きた場合、助かる確率は自動車よりも低いため。
・事故にあえば[遭えば]ほぼ確実に死ぬ。
・事故の際の死亡率が高そう。
・事故時の致死率が高いから。
・自主自律。 [????]
・自動車は自分が安全に運転すれば事故が起こる可能性が低いから。
・自動車は自分で危険を回避できるから。
・車は自分で運転できるが、飛行機は他人が運転するから。 [以上、お気持ちはわかるのですが、操縦士は厳しい訓練を重ねたプロですよ]
・乗ったことが少なく、天候やトラブルに巻き込まれると怖い。
・地面についていないから。
・逃げ場が無い感覚的恐怖。
・非常事態が起こった場合、逃げられないから。
・飛行機が事故を起こすと助かる見込みがないから。
・飛行機だと上空で機体のトラブルが起きても、自分は何もできずに安全なのか確認できないので、怖い。
・飛行機の方が運転が難しい。また、飛行機自体が安全とは言い切れない。
・飛行機よりも事こ[事故]に合う[正しくは[遭う]]確率が高いから。2.自動車
・安全性が低く、自分の不本意で事故を起こしてしまう可能性がある。
・一番身近にあるもので事故を起こしやすいため。
・運転車[正しくは「運転者/運転手」]の技量、整備状況がまちまちで、日常的に事故に遭遇するため。
・運転が下手な人だった場合、危険であるため。
・久しく運転してないから。
・交通の数が多く、毎日事故が起きているため。
・事故の確率が飛行機より高いから。
・事故の確率は自動車の方が大きいから。 [以上、ご説明したように事故の発生頻度は飛行機の場合と比較になりません]
・自動車で移動するときにいろいろな事故に遭遇する確率が高いから。
・自動車との事故件数を考えたら飛行機よりも自動車の方が多いように感じたから。
・自動車と飛行機の事故の件数を比較したとき、圧倒的に自動車の事故件数が多いので。
・自動車のほう[方]が事故が多いから。
・自動車の事故率の高さと飛行機の事故率を考えたら飛行機の方が圧倒的に低いから。
・自動車の方が事故の確率が高い。
・自動車の方が事故率が高いから。 [以上、上記ご参照]
・自動車はある一定の条件(免許等)を満たせば誰でも運転することができるから→安全性が低い。
・自動車を運転することは事故に合う[正しくは「遭う」]確率が増える。
・自分がペーパードライバーだから。
・自分だけが乗って、運転しているわけではないから(周りにも車に乗って運転している人がいるため、自分の不注意以外の避けられない事故がある)。
・車の方が運転する技術の低い人が運転するから事故の危険性が高い。
・車は大量に走っており、他人の事故に巻き込まれる可能性が大きい。
・車は免許を持っている人なら誰でも運転できるので上手い下手に関わらず、どんな人が事故を起こすのか分からない。 [一応免許(=ライセンス制度)はありますけどね]
・身近だからこそ危ない。飛行機はデータ的に一番安全だと聞いたことがある。
・身近であるから。
・地面の凍結や対行車[正しくは「対向車」][を運転する人の]の飲酒など、事故の要因が多様であるから。
・直感だが、自動車の方が事故が起こる可能性が高そう。
・東京へ行く時間が飛行機よりも長い分、リスクが大きい。また、事故の確率が高い。
・統計的に事故を起こす確率が高いため。
・飛行機が落ちる確率の方が低いから。
・飛行機の安全性は自動車より高いから。また、事故率も低いから。
・飛行機の方が事故に遭う確率が低いから。
・飛行機はかなり事故を起こす可能性が少ない。車は身近なもので誰でも扱うことが出来るので危ない。
・飛行機は事故った場合、助からないから諦めがつく。
・飛行機は常に整備しているが、車は本人が行わない限り整備を行わないため。
・飛行機は他の乗り物よりも比較的安全といわれているため。また、自動車の場合、他の運転手によっても左右されるため。
・飛行機は飛ぶ前に整備している。車はそれほど整備している人は少ない。さらに事故を起こす原因。
・法律を守らないで走行している事が多いため事故の危険性は高い。
・理由は、交通事故のパターンが色々あるから。自分が気をつけても事故がおきるから。
Q. 2. 原子力発電に関して、(1)技術者としての立場と、(2)地域に原子力発電所が建設されることになった地域住民の立場で賛否は異なりますか?
A. 2.(立場によって評価がずいぶん違うことを考えてもらうための問題です。原発建設に関する賛否そのものを問うているわけではないことにご注意ください。講義の中でご説明しましたので、原則としてコメントは控えます。なお、2011年3月の東日本大震災と福島原子力発電所の事故以降、「どちらの立場でも反対なので、『変わらない』」と回答する方が増えています)
1.変わった 22名(32.3%)
2.変わらない 43名(67.7%)
1.変わった
・[原子力発電所は]エネルギー資源としては有用だが、地域住民の生活に大きな影響がでる。メリットデメリットを住民が納得した上で、導入を検討すれば良い。
・できてみないとわからない。
・技術者としての立場と地域住民としての立場それぞれに置かれた立場を考えたら地域住民としては賛成できる。
・技術者としては原発を稼働させたいが、地域住民としては安全を求めて原発稼働に反対だった。
・賛成が反対よりお得だから。 [経済的効果が大きい、という意味でしょうか]
・自分がリスクを背負うか、背負わないかで判断が変化する。
・自分の家の近くとなると、どうしても安全を重視したくなる。
・自分の不利益になることを基本的に嫌がっていると思った。
・自分中心で考えると、自分にメリットがあるように考えるから。
・条件次第で心の変化が起きてしまった。
・人は良くても、自分に害があると思うと、反対してしまう。
・相互のメリット、デメリットがあるため。
・電気料金[が]高いので。
・東日本大震災以降、マイナス面が浮き彫りになっているため。
・[説明を受けると]反対の気持ちが強まった。
・物をいろんな視点から見るとモノゴトの本質が見えてくる。
・利益とリスクが大きい。
・立場によって変化した。2.変わらない(「原子力発電をどんどん推進すべきだ」とか「原発絶対反対」)などがこの立場になります
・1問目から反対していた。
・もともと原発には反対なので変わらなかった。
・リスクが大きすぎる。
・影響が身近になると思うと賛成とは言いにくい。
・何か起きたときの被害はやはり大きいため。
・環境に悪影響を及ぼすから。
・危険であるというイメージが強いので、意見は変わらなかった。
・危険なことに変わりないから。
・技術者としても命or金で比べたとき金を選択した。
・技術者の立場でも様々なことを考慮して答えたので。
・原子力のリスクを考えると、「1」や「2」の意見から考えは変化しなかった。
・原子力発電そのものにおいて[安全の?]維持が難しいから。
・原子力発電そのものに良いイメージが無いから。
・原子力発電は公衆の安全のことを考えると良いものだとは思えないから。
・原子力発電は必要なもので、地域に誘致できれば経済面でよくなる。
・原発があることが悪いと思わないから。
・原発が近くにできるのは怖いが、現在日本は原発に変わる[正しくは「代わる」]電力供給の方法がないため、原発を作ることは賛成である。
・原発は日本のモノづくりにおいて必要。
・原発は必要である。
・原発建設のリスクは大きい。
・現代の発電方法は原子力以外にも存在するし、新エネルギーもどんどん開発されているから。
・公衆の安全を優先させる必要があるから。
・事故が自分の近くで起きたら嫌だから。 [この方は「1」でしょうか]
・自分の身の安全を考えていることがわかった。 [こちらも]
・将来別の技術が発展する可能性があるため。
・誰だって最初は「良いモノ」だと思う。
・地元にあまり未練がない。
・地元に建設するとしたら、話が変化すると思った。 [そして、こちらも]
・東日本大震災の原発事故の影響が大きく、反対の考えは変わらなかった。
・東北の事故から新たに作るのは反対だから。
・利益を得られても懸念していたリスクが発生した場合、利益以上の損失がでると考えられるから。
・両方とものサイドで見るとやはり原発ひとつ建てるのに相当のリスクがかかると思った。 [以上、さらにこれらお二人も]
今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載
・データやお金だけで測れない人の信頼は重要だと考えた。 [その通り。そして、そこにチャンスがあるんだと思います]
・メリークリスマス。 [良いクリスマスをお過ごしください。ちなみにセンセイはアパートでいつも通りに一人でクリスマスを迎えていると思います]
・物事を客観的に見ることで変化の違いが出た。
・立ち位置によって判断がことなる[異なる]のだと思った。
・立場によって意見が変わるのはふしぎ[不思議]な感じがした。 [以上、相手の立場で考えると、ずいぶん印象が違うんですね]
・良いお年を。 [皆さんも今年一年ご苦労様でした。良い年をお迎えください]
西村が担当する授業の様子は、<http://www.page.sannet.ne.jp/h_nishi/>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。