平成27年10月8日更新
3BB1クラス
第2回:平成27年10月8日 学習内容/授業の運営方法/学習課題(予習、復習)/課題の解答/今日の一言
(続き)
・直面する可能性のある倫理的問題に関する具体例
・グループ討議と討議結果に対するコメント
・E-learningやグループ討議の事例分析課題(ソーラーブラインド、ギルベイン・ゴールド)に関する解説
・セブン・ステップ・ガイドの概説
・本学の教育目的と大学の質保証問題
・「倫理」とは何か(用語解説)
・倫理と法
・「科学技術」、「技術者」とは何か
・「科学技術者倫理」とは何か、その特殊性
・PCを用いた講義
・グループ討議
・討議結果の発表
・グループ討議の結果に関するレスポンスシートの作成
など
・提出:課題1(90分)
・復習:「アカデミック・インテグリティ」に関する文献の精読、第1〜2回で学んだことについての考察の深化(90分)
・予習:教科書の第2章、第3章、第4章、第5章、および第6章の精読(180分)
課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)
Q.仮想事例「百万石F1グランプリ」を読んで、貴方/貴女個人としてはレースを開催すべきだと思いますか?
A.わざと「開催しますか?/しませんか?」と二者択一で尋ねています。講義の中でご説明しましたので、原則としてコメントは控えます
1.開催する 24名(41.4%)
2.開催しない 34名(58.6%)
1.(条件付で)開催するべき
[この場合は、「もし事故が発生したら...」を考える必要があります]
・1回目に突然の中止をしたのにも関わらず2回目の中止になるとクレーム[が寄せられる]。また、大きな損害になるから。安全性は放送で説明すればよいのではないかと考える。
・2回に渡って中止するには損出[正しくは「損失」/[損害]]が大きすぎる。「絶対にできない。大変危険」という状況ではないため、開催するべき。
・2週連続で中止することは、このプロジェクトの中止にもつながる[繋がる]。また、様々な面で被害が出る。
・お客が徹夜してまで待っているから[、今回は]やらなければならないと思う。
・お金がかかっているから。まだやめない[止めない]と決めつけるのは早い。気温が上がるかもしれなし。(天気予報だから) [下線は原文のママ]
・お金をかけて開催しているのに[、]今やらなければ客が減ってしまい[、]赤字になってしまうから。
・スタートの時間[この場合は「時刻」]を遅らせて開催する。
・レースの開始の時間[この場合は「時刻」]をずらす。コースの気温が摂氏10℃以上になるまでレースを開始しない。 [そうすると、状況によっては開催できないことになりますよ]
・[路面上の氷を融かすために]塩カリ[塩化カリウム]をまく[撒く]。開始する時刻をずらす。
・開催しなければ、大きな損失が出るから。会大[正しくは「大会」]の評判が下がる可能性がある。
・開催するまでにかかったお金は大きいので、出来る限りの安全を確保して開催する。
・開催までの残り3時間で、けが人が出るのを、抑えられるような方法を考える。(氷をとかす[融かす/溶かす]。[開催]時刻をおくらす[正しくは「遅らせる」])
・観客やその他の関係者が多く集まっているのに中止すると損失が大きい。開催時間[この場合は「時刻」]を昼にずらしたり、氷を削ったりしてリスクを減らせると思う。
・技術担当などの専門家を会場に呼び寄せて、[状況を]確認する。
・現時点でレースが本来よりも一週遅れであり、これ以上の延期は多大な損失になるから。
・顧客を裏切ることは、今後のイベント等にも支障をきたす[来す]ため。
・事故が100%起こることはないので。
・事故が起きる可能性というのは、通常のとき[時]にもあるため。
・前回のレースも中止し、今回のレースも中止すれば、ファンや大会関係の会社からお金のクレームが来るため。
・多少の危険はレースにつきもの。完全にリスクのないレースはありえない。
・大損失につながる[繋がる]から。
・天候が前回の大会予定日よりも良く、開催できると思うため。
・特に危険な箇所だけスタート直後のコース等氷をとかせば[融かせば/溶かせば]問題なさそうだから。
・薄氷を極力減らすように氷を溶かして[/融かして]水分をとる[取る]という作業を行っていけばよい[良い]と考える。2.開催するべきではない
[こちらの場合は、「じゃぁ、いつになったら開催できるんですか」あるいは「損害はどうするんですか」等が問題になります]
・お金の損失は激しいが、開催して事故が起きたら[失う]お金と信頼が[さらに]大きくなるから。
・お金を気にして[開催し、]大事故にでもなったら、さらにお金がかかるし、最悪の場合、人の命が失われるから。 [以上の意見については、次回補足します]
・スリップが起きる可能性が高い以上、開催できないと思うから。
・スリップやスピンなどが起こる確率が上がり、事故になる可能性が高くなっているから。
・スリップ等の事故が起こる確立[正しくは「確率」]が高く[、]ただでさえ危険な競技であるため最低限の安全が確保されていなければ行うべきでない。
・とても大きな事故になってしまったら、楽しみに来たファンの人も嫌な気持ちになるので[、]冷静に考えてやめた[止めた]方がいい。
・もし事故が起これば、開催しなかった場合の損失より多くの損失が出るから。死者が出たら[、]より大変だから。 [こちらも次回補足します]
・もし選手が大事故を起こしたら、取り返しがつかないから。
・レースの安全は保証されておらず、事故が起こる危険性が高いため。
・レースを行うには悪条件であり、危険だから。もし、レーサーや観客から死傷者が出たら、二度と百万石サーキットでレースは開催できなくなる。 [そして、こちらも]
・レースを走る戦中の安全が何よりも重要と感じるため。
・何か起きてからでは遅いので、安全第一。
・確かに損は出るかもしれないが[、]人の命を1番に考えるべきである。
・危険性が高いため。
・気温が10度まで上がらない可能性が高いから。
・死人[この倍は「死者」が適切]が出る可能性がある。
・事故が起きたとき[時]の方が[、]大きな責任をとらなければ[取らなければ]ならないため。
・事故が起こる可能性が非常に高く、路面のコンディションも決して良いとは言えないため。
・事故でケガ人が出たとき[時]の保障[正しくは「補償」]のほうが[方が]お金がかかる。 [こちらも次回補足します]
・事故になる可能性があるので、けが人などがでるとさらなる否判[正しくは「批判」]をあびる[浴びる]から。
・事故のリスクが高い日は避けるべきだ。
・事故の危険性が高いにも関わらず、レーサーの身を危険にさらせない[曝せない]ため。
・事故の起こる確率が高く、もし、死人[この場氏は「死者」が適切]でもでて[出て]しまうと、二度とこの[百万石サーキットで]大会を開らく[正しくは「開く」]ことができないと思う。
・重大な事故が起きてケガ人、ひどい場合は死者がでる[出る]かもしれないので開催しない。また、そういうこと[=重大事故]があれば[この百万石サーキットで]次回の開催はできないと思うため。 [以上、こちらも]
・重大な事故につながれば[繋がれば]、開催中止よりも損失が出る[=損失が大きくなる]可能性がある。開催地の都合でレースチームに損害[が]でるようなレースはするべきではない。 [こちらも]
・人が死ぬようなことがあった方が危ないから。
・損失があるのも考えなければいけないが、1番は人の命だから。
・大会を開催しないことでの損失は模大[正しくは「莫大」あるいは「膨大」]なものとなるが、レーサーの命には変えられない[正しくは「代えられない」]為。
・天候が原因で事故が起こるかもしれないから。
・万が一事故が起きて死者が出たら責任をとれない[取れない]から。
・路面コンディションが悪いと選手は全力を出せない。観客も全力のパフォーマンスを見たいはずである。
・路面や気温などの状況を考えると安全を保障[この場合は「保証」]出来ないため。
今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載
[講義および今回実施したグループ討議について]
・おもしろかったです。 [ありがとうございます。講義全体でしょうか、グループ討議でしょうか]
・お金が関わると判断が難しい。 [その通り。現実の社会ではお金は重要ですからね]
・お金と安全、どっちを選ぶべきか難しい。 [この件については、次回の講義で説明します]
・グループで話し合うことで、自分が考えなかったような意見を聞くことができてよかった。
・グループ活動は楽しい。 [以上、グループ活動は良い方向に働いたようですね]
・グループ討議が思うように進まなかった。 [なるほど]
・グループ討議で考え方の幅は広がるが、視野が狭くならないように気をつけようと思った。 [そうなんです。良し悪し両面があり、場合によっては他の人の意見に振り回される可能性があるんですね]
・グループ討議の難しさを知った。
・グループ討議は難しいなと思った。 [以上、そういうこともあると思います]
・グループ討論、楽しかったです。 [こちらは上手く行ったようですね]
・この問題を考える時に、自分が客の立場なのか、開催者[通常は「主催者」]の立場なのかなどの色々の人の立場から考えた結果、色々なことが考えることができておもしろかった。 [原文のママ。興味深い内容ですが、文章が長すぎるので意味がはっきりしなくなっています。短く切り、前後の関係を見直すと良い文章になります]
・ジレンマ問題から、いかに脱出できるか。客観的に問題を見ることが大切であるということが分かった。 [この件は次回以降の講義でご説明します]
・とても奥の深い話だった。難しい話でもあった。 [ありがとうございます。ただし過分なお褒めではないかと...]
・はじめは、絶対やらない方が良いと考えていたが、話をきいて[聞いて/聴いて]いる内に、開催した方がいいと思えてきたのが不思議だった。 [でしょ? 「集団思考」が働き始めているんですね。だって個人の時の回答と、グループでの報告(=概ね開催する方向)が相当違っていましたからね]
・まんまと[センセイが仕掛けた]わな[罠]にはまり[嵌り]ました。 [逆説的に思われるかも知れませんが、それに気づいたってことは、潜在的な能力があり、かつ少しずつでも進歩していることの証左なんですよ]
・もう少し討論の時間が欲しかった。 [次回以降は相当長く取ります。お約束です]
・リーダーとしての役割をしっかり果たせなかった。もっとリーダーとしての能力を身につけられるようにしたい。 [あまり無理せずに。センセイもリーダーになるタイプではありません。立場上そのような仕事をする時がありますが、参加者みんなが不向きであることを知っているので、センセイを助けるフォロワーになってくださります。人には向き不向きがあるんです]
・レース開催にしろ、スペースシャトルの[墜落]事故にしろ、責任者はつねに[常に]難しい判断をしなければならない。 [その通り。それがオトナです]
・レース開催について[、]思った以上に色々と考えなければならなかった。 [でしょ? レーサーとお金のことだけじゃないんですね]
・一度[大会を]中止しているので、[すでに]損失は大きいと思う。そしてまた中止にすると損失は増えていき、次の開催で損失を取り戻せるかもわからない。事故の危険もあるが、利益を考えたら、開催しなくてはいけないと[考えるようになり]、[適切に]最終決定するのは非常にむずかしいと思う。 [それをどう乗り切るのか、この講義でしっかり考え、技を身につけましょう]
・仮想事例のように時間[この場合は「時刻」]ギリギリに悩むのではなく、冷静なとき[時]に開催基準を決めておけばよい[良い]と思った。 [まったくその通り。非常に重要な点を指摘しています。ただし、センセイを含めて、なかなか実行できない......]
・皆的確な意見を発言していてすごいと思った。[自分は]全く発言出来なかった。 [なるほど。そういうことがあるかもしれません。次回以降頑張りましょう]
・決める人を追いつめる[詰める]ようなことをしてはいけないのかと思った。 [する方もされる方も含めて、追い詰められると適切な判断ができなくなるんですね]
・考えることが多いが[、]ジレンマをどうにかすることが大事。 [ジレンマ問題とその対処方法については後日説明します]
・考えるのが大変だった。 [たぶん、脳味噌の中の、ふだん使わない部分に頑張ってもらったんでしょうね]
・今日の授業を受けて、[いろいろな要因が関係した物事を判断するのは?]難しいなと、思った。 [そうかもしれません。だからこそ、それができるようになるために、この科目があるんです]
・今日の授業を通して「視野が狭くなる」ことを痛感・体験しました。様々な要因を色々な方向から見るべきだと感じた。 [でしょ? 程度はともかく、みんなが集団思考に陥っていた部分がありますよね]
・最初は安全を重視していたが、チケットの金額などを資料として見せられると、利益重視の方に誘導されてしまったと感じた。 [そうなんです。利益も重要ですが、ここでのポイントは視野狭窄(きょうさく)や集団思考に陥る可能性があることに気づいてもらうことだったんです]
・視野は広く持ちたい。
・視野を広くもつ[持つ]ことが大事だと思いました。 [以上、後になって冷めて考えると、広い視野が必要だということを思い知らされます]
・自分が金沢五郎だったらストレスでハゲますね。 [気持ちは、わかる]
・社会に出るうえ[上]で必要な授業だったと感じた。 [ありがとうございます。でも講義はこれからです。焦らずに進みましょう]
・場所は良いとして、そもそも[レースの]開催時期がおかしいですよね。 [まったくその通り。非常に重要な点を指摘しています。ただし講義の最後でもご説明したように、例えば新潟県の海岸部、雪が降る場所にも「日本海間瀬サーキット」というサーキット場があります。もちろんF1用ではりませんが]
・人の言うことに[無批判に]従い過ぎると、視野がせまく[狭く]なる。
・人は流されてはいけないなと思った。 [以上、その通り。集団思考の恐さですね]
・西村先生の授業の運営が上手で感激した。特に考えさせるためのテクニック(喋り方、問いの順番)が上手だと思った。 [ありがたいのですが、ホンネは「そうかなぁー」という感じです。今日だって結構失敗したんですよ]
・責任者は辛い。 [その通りですが、それをするのがオトナです。現代はコドモばかりの日本社会になってしまいましたが]
・先生は話し上手だと思います。この授業とても好きです。 [ありがとうございます〜。期待を裏切らないように、頑張ります]
・多くの人々や組織の立場から考えると、開催するかしないか[、]より困難になった。 [その複雑さをちゃんと考え、悩みながら決断できるのがオトナです。単純に印象で決めつけるのならコドモでしかありません]
・大事なことは妥協してはいけないと分かった。 [気持ちはわかるつもりですし、評価したいところですが、多方面から考えられるようになると、良い意味での妥協が必要になる時もあります]
・哲学を考えるとジレンマの解決策が分からなくなる。 [ジレンマ問題とその対処方法については後日ご説明します]
・討議の時間が足りなかった。 [わかりました。2、3回目の討議では長くします]
・班の話を聞いて、色々な考え方があるのだと感じた。 [その通りで、何とかより良い解決方法を探そうという姿勢が感じられましたよね。このクラスの良さを示していると思います]
・物事を[、]視野を広げて捉えていくことができるようになりたいと思った。 [まったくその通り]
・片方を選ぶだけでなく、両方のことを重視して考えることが大切だと思った。 [そうなんです。それに気づいたってことは、貴方/貴女が少しずつかもしれませんが、着実に成長していることを示しています]
・良いグループ討議ができた。 [2、3回目もぜひその調子で][今日の一言]
・授業を欠席しないようにしたいです。 [ぜひぜひ。卒業がかかっていますからね。特別扱いはしません]
・色々つかれた[疲れた]。 [どうしたのかなぁ]
・朝 やつかほ[八束穂]に行ったけど、[この講義に]待に合って[正しくは「間に合って」]良かったです! [正直なところ、やはり少し遠い......ですよね]
・髪を切りたい。 [サッパリするんじゃないかと思います。ちなみにセンセイは皆さんの年齢の頃、肩まで伸ばしていました。今よりずっとスリムだったので、それでも何とかなりました]
西村が担当する授業の様子は、<http://www.page.sannet.ne.jp/h_nishi/>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。