平成27年11月5日更新

3BB1クラス
第6回:平成27年11月5日 学習内容授業の運営方法学習課題(予習、復習)課題の解答今日の一言

学習内容

・グループ討議(続き)
・討議結果の発表
討議結果を踏まえて(コメントを兼ねて)以下の項目の検討
・組織の中の技術者
・国際的な企業において技術者が経験する倫理的問題
・リスクに関連する諸問題
・企業倫理プログラム(概説)
・技術者が知っておくべき法律(PL法、公益通報者保護法など)

授業の運営方法

・PCを用いた講義
・与えられた事例に関するグループ討議
・討議結果の発表など

学習課題 予習・復習

・予習:教科書第5章および第6章の精読(120分)
・復習:課題3(Agora上での ソーラーブラインド」に関するより深い検討)(140分)


課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)

Q.グループ討議や全体での発表、討議、当方からのコメントの結果、前回の個人的な感想は変化しましたか? あるいは見落としていた点に気づきましたか?
A.(原則としてコメントは控えます)

1.(ある程度)変化した

38名(69.1%)

2.(あまり)変化しない

17名(30.9%)

1.(ある程度)変化した。あるいは見落としている点があった

・3社間の連携が足りていなかったことがわかっていなかった。実際の連携もこのぐらい[位]だと思っていた。
・CSEなどの三社の風通しが予想以上にわるかった[悪かった]。 [以上については次回補足します]
・いろんな人の意見を聞いて、考え方が変わった。
・[自分が]そこまで考えていなかったことを[、]みんなが[しっかりと]考えていた。
・そもそも事例がおかしいとは思わなかった。
・[発熱]トラブルの生じた現地がどのような使用の仕方をしたのか[=東南アジア工場でのトラブルの原因が本当に高温多湿によるものかどうか]は気づかなかった。
・意見や印象が(ある程度)変わった。
・課長以外の同じ会社の人に伝えることは考えていなかった。
・会社がそもそもおかしいという考えがなかった。自分の班のメンバーは意外と具体的な案を考えていた。
・会社の会議に自身が出て、延期すべきという案は自分では出てこなかった。ただ、この会社で会議に出席することはできないのかと疑問には思った。 [後半は難しいところです。どんな決定に関しても社員全員が出席しなければならないのなら、課長も部長も社長も不要です]
・会社を辞めるという考え方はあったが、内部告発という意見は考えられなかった。 [内部告発については講義の後半で考えます]
・[予定通りの]期日に販売することを前提に考えていたが、延期や販売停止等の選択もできることを忘れていた。 [この件についても次回補足します]
・気候[=高温多湿がトラブルの原因か否か]について見落としていた。
・技術者の立場として、欠陥がある状態で絶対に商品化してはいけないという事が分かった。 [その通りなのですが、不具合をまったく無くすことはできません]
・[自分が]考えていなかったことがあった。
・行動方針に自分の考え方以外にも追加することができた。
・[東南アジア工場での]高温多湿が発火[発火はしていません]する原因であると思い込んでいた。
・最初にビデオを見たときには上司に腹が立ったが、今回の授業で主人公の落ち度や3社の取り組み方に問題があることがわかった。 [上司にも問題はあります。次回ご説明します]
・三社連合について考えてなかった。
・自分では技術面の問題を中心に考えていてしまったけど、企業内の問題や具体的な行動を考えていなかった。
・自分と違う考え方が多くあった。
・実際にまとめることで新たな情報が得られた。
・社内会議において[上司の]石川[課長]が[実際に]延期の話を持ち出したかどうかについて、視聴直後では気にかけていなかった。 [お伝えしたように、制作側としては「実際には話していない」という気持ちで、曖昧な状態で残しています]
・商品を発表して、発売だけ延期すると言う[この場合は「いう」]考えはなかった。 [実は、結構あります。ゲーム機などでも良くあるそうですよ]
・上司に言っても、きいて[聞いて]もらえなければだめだと感じていたが[、]マスコミにもらす[漏らす]ことで最悪[の事態を]防ぐことができたりすることが分かった。 [この件については、3回目のケースで考えます]
・石川の上司に相談することは考えていなかった。
・当初公衆の安全しか重要視していなかったが、自分の立場など様々な問題が関わっていて、難しい問題であると感じた。
・発表をしつつ、発売日を延期するという考え方はなかった。組織や組織間にまず問題があった。

2.(あまり)変化しない。あるいは見落としている点はあまりなかった

・おなじ[同じ]ような考えの人がいたから。
・グループディスカッションや他の班の意見を聞いてもあまり自分の考えや意見は変わらなかった。
・チャレンジャー号のときとあまり変わらなかったかも・・・。 [最後にご説明したように、ある意味、ご名答です]
・ほぼ同じだった。
・見落とした事実も難しくてあまり理解できなかった。
・見落としていたことはいくつかあったが、長い目を見ると[正しくは「長い目で見ると」]発売は絶対にすべきでないと思っていた。 [この件は次回補足します]
・見落としていた事はほとんどなく複数考えたが似た事が多く出たと感じた。
・見落としていた点はあったが、それでもこのまま発売すべきではない、という点は変わらない。
・上司がやる気なさすぎ。「報告書に『問題なし』って書いといたぞ」は絶対にない。 [こちらも次回補足します]
・深く考えることは良い経験になったが、あまり自分の考えと違うことはなかった。
・他者にちゃんと伝えるべき。最終的な利益も伝える。 [後半についてはいくつかのチームで指摘がありました。大切なことですし、最終的な利益を指摘することは重要かつ、有効ですよね]


今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載

[今日のグループ・全体討議について]

・あまり印象は変わっていない。 [それは、最初から要点をかなり見抜いていたってことでは?]
・グループ討議で色んな見方はできた。
・グループ討議で非常にレベルの高い意見が出たため、ためになったと思った。
・グループ討議によって、自分が考えられないような意見について考えられたためよかった[良かった]。
・グループ討議によってさらなる意見が出ておもしろかった。  [以上、一人ひとりには限界があっても、チームや教室全体だと、必ず新しい気づきがありますよね]
・この企業には入りたくない。 [当然です。こんな会社は絶対に長続きしません]
・こんなふうに考えたことがなかった。 [う〜ん、どこを指しているのかな?]
・ジレンマ問題としてとらえ、行動の方針を導くとともに、再発防止のために原因、問題の特定をするのが大切だと思った。 [ありがとうございます。その通りなのですが、まだ解説は未完です。次回改めてご説明します]
・ソーラーブラインドについて、[他者への]説明の仕方が難しい感じた。大方、伝えたい事は伝えられたが詳細まで伝わっていない気がした。 [ある意味、非常に重要な点です。それに気づいたってことは、ちゃんと成長しているってことの証左なんですよ。嫌味ではありません]
・どこまでの安全性があったら、商品としてだして[出して[=販売して]]いいのかというのが難しいと思った。 [線引き問題そのものですよね。ご説明した通り、ジレンマ問題の考え方より難しいでしょ?]
・トラブルは回避できないとビデオで言われていたが、確かにそうだと思う。 [それだけを見れば、その通り。完全無欠の製品は作れません。でもトラブルだらけの製品を販売したら、連絡、回収、補償費用などで、あっという間に会社は倒産してしまいますよ]
・ドラマにあった「明るい職場を目指しましょう。(同僚や上司などに相談できるとは言っていない)」だと思う。 [その通りなのですが...]
・なかなか難しい。 [そりゃ、難しいです。現実の社会はそうですし、簡単だったら勉強になりません]
・なぜ、1班だけ先生の評価をくれなかった? [すみません。次回冒頭でお詫びしますが、他意
(たい)はまったくありません。最初の書き込みの関係で、皆さんから見て左側から解説したので、右側へ行くとかなりの部分が解説済になりました。それと時間不足が重なっただけです]
・ビデオの内容で見落としていた部分もあった。
・ビデオの落とし穴に気付けてないことが分かった。 [以上、ご説明したように、わざとそのように制作しています。気にしないように]
・ブラックではない企業に就きたいと思った。
・ブラック[企業は]恐い。 [前述(↑)しましたが、この会社はすぐに倒産します。理由については次回補足します]
・みんなの意見をきく[聞く/聴く]ことでいい勉強になった。 [でしょ?]
・課長は主人公の主張に取り合わず、[社内]会議の件もあやしかった[怪しかった]がその通りだった。 [その通りなのですが、(忘れていなかったら)次回の講義で課長の別な一面もご説明します]
・皆どんどん進んでいくので、訳が分からなくなった。 [あまり焦らずに]
・企業はシビアな状況で製品を開発しているのだと思った。 [その通りなのですが、実はいい加減な商品を出すと、不良品の回収や弁償にコストがかかるし、会社の評判が下がるため、結果的に損になってしまうのです]
・技術者としての責任は大事。 [まったくその通り。皆さんの発表から共通して、その気概が感じられました]
・技術者の問題はどれも難しいと思った。 [その通り。それをやりきるのがオトナです]
・見落としていた点が多くありました。 [そうだろうと思います。そのように制作しているので。だからあまり焦らずに進みましょう]
・公衆の安全が全てではないということが分かった。 [完全な製品を目指すのは当然ですが、100%は無理なんですね。ご説明した通り、皆さんが使用する試薬も、99.9%とかの純度ですよね。この場合、0.1%は不純物なのです。程度はともかく、それを無くすことはできません]
・公衆の安全は何よりも最優先だなと思った。 [もちろん。その上で、利益や忠誠義務など、他の価値とのバランスが問題になります]
・私たちの考え方と技術者の考え方は違うと感じた。 [実際の社会の、という意味でしょうね。だからこそ、「技術者と社会」「技術マネジメント」そしてこの科目があるのです。意外と、役に立つでしょ?]
・自分が思いつかない意見がたくさんあり、おもしろかった! [ありがとうございます、と言いたいところですが、それはクラスメートに向かって言うべきですよね]
・自分たち学生の考え方と企業側とは方針が違うのだと気づかされた。 [でしょ? 社会はそれだけ厳しいんです]
・自分にない意見が聞けてよかった。 [文殊
(もんじゅ)の知恵、ですよね]
・社会はとても難しい問題があると思った。 [そうかもしれません。でもそれを何とかするのがオトナ、そして技術者です]
・色々な考え方があるのだと思った。 [でしょ?]
・説明書などに書いておくのもありだと思った。 [その通り。だからいろいろな注意書きだらけなのです。でも、「時々発火しますから気をつけてね」とは書けない]
・線引きはむずかしい。 [でしょ? 次回ご説明しますが、ジレンマ問題として考えると比較的解きやすいんです]
・他の班には違う意見のところもあり、人により意見が異なった。 [驚かされることがありますよね]
・追求していくうちに会社の裏の顔がますます見えてきた。 [その通りかもしれませんが、逆に、今日の皆さんの発表のように、表の良い顔も見えてきませんか? センセイは皆さんの発表に感心していたんですよ]
・難しい話し[この場合は「話」]でした。 [そりゃそうです。すぐに「唯一の正解」が分かるんだったら、高いお金を払って大学で勉強するようなことではありませんからね(センセイらの給料は、小学校の先生より低いので、念のため)]
・問題に対する着眼点の違いが面白かった。 [でしょ?]
・落とし穴にかかった。 [そりゃそうです。落ちていただくために作ってあるのですから。あまり気にせずに]

[今日の一言]

・アゴラをやり始[め]ようと思う。
・アゴラを早く終わらせたい。 [以上、ぜひぜひ]
・あたたかい日。 [そうでしたね。センセイも外へ出てみました。ちなみにセンセイらはこのような状態を示すのに「暖かい」と習ったのですが、現在は「温かい」が普通です。日本語の使い方はどんどん変わるんですね]
・寝不足で目が痛いです。 [お大事に。ゆっくり休みましょう。ちなみにセンセイも寝不足です。もちろん気合を入れて講義を乗り切りましたが]
・天気が良いので[外へ?]出かけたいです。 [貴方/貴女がどこのご出身か分かりませんが、それでもこの3年間で学習したように、これから半年、今日のような好天を見ることは難しくなります。だからこそ、でしょうね]
・内職すみませんでした・・・次の時間が発表だったもので(汗)。 [・・・・・・]


西村が担当する授業の様子は、<http://www.page.sannet.ne.jp/h_nishi/>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。


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