平成27年11月26日更新
3BB1クラス
第8回:平成27年11月26日 学習内容/授業の運営方法/学習課題(予習、復習)/課題の解答/今日の一言
・技術者としていかに行動すべきか
・技術者が共有すべき価値(志向倫理)と倫理綱領=・プロフェッションと倫理綱領
・倫理綱領の機能、歴史、構造
倫理問題と設計問題のアナロジー(再)
・技術者と法律
・倫理的意思決定の方法と意思力
・二つの倫理―優れた意思決定がもたらすもの
・ホンダCVCCエンジンの開発
・シティーコープタワーの危機
・二人のエンジニア
・PCを用いた講義
・関連する視聴覚教材を視聴することもある
・提出:課題4
・復習:第8〜9回で学んだことについての考察の深化(120分)
・予習:教科書第9章の精読(60分)
課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)
Q.1. お弁当屋さんを例に出して、アダム・スミスの「神の見えざる手」のご説明をしました。このケースで「神の手」がうまく機能しなくなるのはどんな場合?
A.1. (講義内でご説明したので、原則としてコメントは控えます)
・おまけにお菓子などがついた場合、この競争は成立しない。
・お買い物をして幸せになるお店に行く。(店員さんのあいそ[愛想]が良い)
・サービスが充実している場合。信頼の有無。競争する相手が地理的に遠い時。
・ジュースのおまけ付き。個性が反映されるところ・・・養護学校とか。
・その弁当屋にしかないおいしさと特別なメニューがあること。
・その弁当屋にしかない特別なものがある場合。(値下げしても需要がある)
・どちらかの弁当屋が弁当に付加価値をつけて販売ずる。
・どちらも売れない状況。
・ポイントサービスが充実。○○○円以上購入でとくてん[特典]がつく。
・レジに並んでいる人数によっては高い方の店の弁当も売れる。
・愛相[正しくは「愛想」]の良さ。おまけが付く。
・悪徳の店の弁当に入っている具が、工大生のほとんどが大好きであり、弁当の量が多い場合。
・悪徳[商店]の方が味がおいしい。
・違う場所[=悪徳商店]でお得なサービスが実施されたとき。
・飲み物を一つサービス。デザートがついてくる。
・何か付加価値がついてくる。高くても、先生が売っている弁当だったら、このクラスの人なら、知り合いなので買いにくる人がいる。
・購入する人がいない場合。 [実は、その通り]
・材料の質が異なるのに、同じ値段。
・需要に比べて供給量が少ない場合。
・従業員、レジの数が倍違う。
・商店が1000円で売ると会合で決める。 [談合ですね。全くその通りです]
・商品の在庫が足りない状態の時。
・食中毒が出た。材料の仕入れでトラブルが起きた。数料[正しくは「数量」]限定。
・食中毒など。[複数]
・[「神の見えざる手」は常に]成立する。店員が美人だとかいう話があったけど[、]そういう要因もすべて含めて神の見えざる手じゃないんですか? [考え方としては成立可能です。ただしその考え方を敷衍(ふえん)すると、「神の見えざる手なんて存在しないのではないか(=あってもなくても同じだから)」という議論になります。実際、ヨーロッパ近代初頭にこの考え方は、汎神論として問題になりました。なお、この解説は貴方/貴女を批判しているのではありません。ご自分の力でとことん考えようとしていることは高く評価しています]
・接客の仕方に問題がある。
・接客態度が悪い。
・全て売れるか全て熟れない[?]時。
・他のサービスがある場合。
・店主がこわい[恐い]。店員の接客態度が悪い。店員がイケメン。片方が売りきれた場合、片方がマスコミなどで取り上げられて、注目された場合。
・同じ食べ物屋でも、お店がおしゃれな店ときたない店があれば、おしゃれな店に人がくる。(スタバとか)
・内装がキレイ。
・美味しい弁当屋さんと美味しくない弁当屋さん。
・品数に差がある場合。
・付加価値の差 [複数]
・片方のお弁当に異物混入してた。
・片方の店が弁当を3つ買うと1つタダになる特典をつけている場合。
・片方の店の方が店員の対応が丁寧な場合。
・片方の店の方が弁当のボリュームが多いなど。
・片方は不潔で、もう片方は清潔感がある。
・弁当のタダ券が当たるかもしれないというオマケをつける。
・弁当の容器のデザイン性が違う。弁当の作れる量が違う。安い方に列ができていて時間がない人が高い方を買う。
・毎日同じ弁当を食べたくない。 [なるほど。センセイはほっかほっか亭とほっともっとの海苔弁当を食べているのでよくわかります]
・友人が売っている場合、友情を優先して買う。
・嵐の日などの天候がものすごく悪い時。
Q.2. ご覧になったビデオの夫婦だったら、骨髄移植および不要な受精卵廃棄を前提とした着床前診断を受けますか?
A.2 (講義の中でご説明しましたので、原則としてコメントは控えます。判断は難しいと思います)
1.着床前診断を受ける 30名(62.5%)
2.着床前診断を受けない 17名(35.4%)
3.無回答 1名( 2.1 %)
1.着床前診断を受ける
・1人でも多く命を助けられるなら、するべきだと思うから。
・お金があって自身の子どもを病気から助けたいと思うならするかもしれない。受精卵廃棄はしょうがないと思う。
・した方が[兄の]将来の安全性が高くなるため。
・その子ども[=兄]が病気でくるしむ[苦しむ]ことがなくなるから。
・やっぱり自分の子供を助けたいと思う。300万でもその子が助かるなら私たちにとっては安いと思う。
・遺伝子失患[正しくは「疾患」]を持つ息子がいたら、その子を優先で助けてあげたい。
・遺伝的に異常があった場合、育児に費[や]される負担が大きいかもしれない。その子供に十分な環境を提供できないかもしれない。
・援助が必要な子が生まれた後に背負うリスクの方が大きい。
・後々、廃棄した受精卵のことを考えてしまうかもしれないけど、長男が助かるなら何でもするという考えになると思うから。
・今いる子どもを助けたいと感じるため。
・最も大事なものは子供の命である。
・最初はしない気持ちが強かったが、その時の経済状況やその後の負担(金銭や身体、心理的なものなど)を考えたら、するのかもしれない。でも、そういう部分に手を加えることにはやはり違和感がある。それをしてしまうと後悔するかもしれないので、上で挙げたような負担を理解したうえでしないかもしれない。
・産む側の女性が望むならしたらいいと思う。
・子どもには、健康に成長してもらいたいから。
・子どもを育てるのは結局自分だから。育てるのなら健康な子どものほう[方]が良いから。
・自分があの状況におかれたら迷わないと思うから。
・受精卵廃棄をする。
・障害のある人は誰かの支えなしに生きられず、自分がずっと助けられる自信がないから。
・親の立場で考えたらせざるを得ないのではないだろうか。
・[受精卵は]人間としての形をまだしていない状態であり、しかたがないことである。
・生命の選別にもつながり[繋がり]かねない問題であるが、やはり自分の子供であったら特別な感情となり、偏見で判断してしまう。
・相手が子供を欲しいという意見であればその意見に賛成したいから。
・当事者でなかったらしない方がいいと思うけど当事者になったとしたら子供を治療するためにすると思う。
・未来の子供の健康を知るため。
・命が助かるならそちらを選ぶ。
・倫理的な問題はあるが、自分がその立場ならば、長男を助けるためにする。排除された女の子たちは・・・うー分かりません。
・倫理面の問題があるのは分かるが、実際に同じ立場になったら、すると思う。
2.着床前診断を受けない
・あまり実感はないが、遺伝しっ患[疾患]を持った子どもが生まれたとして、それがその子の運命であると思うし、それを変えようとは思わないと思う。
・その子の人生の幅を狭ばめて[正しくは「狭めて]しまいそうだから。
・ビデオの通りなら、病気のある子のために新しい子をうむ[生む]のは、生まれてくる子がかわいそう。また、倫理的問題がある。
・産まれる前から子供の将来を見たくないから。
・子どもを選ぶことになるのでしたくない。
・子供はつくる[作る]ものじゃなくて、授かるものだから何とも言えない。今のところは。
・[将来]事件問題が発生しそう。 [実は人工授精でこの問題が発生しています。次回忘れていなければご紹介します]
・自分が親という立場だったら自分のかわいい子どもであるかもしれないが[、]本人[=兄?/両親?]がのぞむ[望む]のか分からないし正直新しい命を代償にするのは嫌だ。
・多くの費用や体への負担がかかるため。
・着床前診断および人口受精[正しくは「授精」]リスクが多い。
・着床前診断はしたいけど、その受精卵の遺伝子に疾患があるからといって廃棄したくない。
・着床前診断はするが、人工受精[正しくは「授精」]・受精卵廃棄はしない。
・無理に診断すると、子供が産めない体になる可能性がある。
・倫理的に問題があると思うから。
今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載
・BB[応用バイオ学科]に関係のある内容だったので興味深かった。 [教壇から見ていても同じように感じました]
・いつもより授業をしている感じがしなかった。 [う〜ん、前半のグローバル化の部分でしょうか。正直なところ、あそこは個人差が大きいと思います]
・カメムシは[自分自身を]害虫だと自分で思ってないよー。 [そりゃそうです。人間がいかに自己中心的か、ということなんですね]
・グローバリゼーションの話を聞いて、視野が広がったと感じた。
・グローバル化の弊害についてが興味深かった。
・グローバル化は国全体にメリットしかないものだと考えていたが、国の存在価値がなくなることは考えもしなかった。 [以上、個別の部分は聞いたことがある話だったと思いますが、全体を繋げて考えるとかなりびっくりしたんじゃないかと思います]
・こんなことが世の中におきて[起きて]いることを知らなかった。 [こちらはグローバル化に関してでしょうか、最後の着床前診断についてでしょうか]
・デザイナーベイビーの話は難しい。貧富の差で生きる人、生きれない人がでるのもおかしいし、デザイナーベイビーとして生まれてきた子が大人になって知ったらどう思うかも複雑。 [「大人になってから・・・」の件は、人工授精ですでに社会問題化しています。忘れなかったら次回の冒頭でお話しします]
・ねむかった[眠かった]です。 [課題か何かで疲れている人が多かったようですね]
・課題4を忘れてしまいました。すみません。 [早く提出しましょう]
・教員の髪形ってなんだよ。 [それはたぶん「教員にはちゃんと話を聞かない人が多い」の聞き間違えです。]
・教室あったかくて眠かったです。 [そうなんですよ〜。廊下側の窓と、トイレ脇の窓を全開にしてCO2濃度が上がらないようにしましたが、それでもやはり眠くなってしまいます]
・結局その人の考え方だから、何とも言えないが[、]着床[前]診断で問題があってもその中で生きるという事が大切なんじゃないかと思う。 [負の面を直視した上で、ならね]
・現在もストラトキャスターはまともなもので60000[円]〜70000[円]もするが、中古のエレキギターとエファクターでいくらでも音を加工できるので、良い時代になったものだなぁと思った。 [最近の楽器はホントに安くなりましたよね。ボケ防止に、ギターかキーボードを再開しようかと思っているのです。ホントに]
・言われることだけをするのではなく、自分で考えて生きていかなくては取り残されていくということを実感した。 [前半のグローバル化の件ですね。一番お伝えしたかったことをご理解いただけたようでありがとうございます]
・今日の出生前診断の話はとても複雑な問題だと感じた。 [その通り。でもBBの場合、いつかどこかでこの種の問題とぶつかることになると思います]
・今日の話は難しかった。 [たぶん、内容が難しかったというより、ヘビーだったということでしょうね]
・受精卵を人だとは思わないが、他人の幸せのために子供を産むのは、どうかと思う。その技術が一般化したら、遺伝病など、気に入らないものは全て医者のせい、なんて事になりかねないと思う。 [仰る通りで、講義の中でも説明しましたが、少しでも問題のある人は...という優生学的発想に陥る危険性があるんですね]
・授業内容が難しかったので復習して理解を深めたい。 [こちらは純粋に内容面の問題でしょうね。ぜひぜひ]
・出生前診断がいい[良い]かわるい[悪い]かわからない・・・。 [今はまだ良いのですが、やがて伴侶を得るころになると、こういう問題に接するようになります]
・人工授精の選択につて、選ぶのが難しいと感じた。 [こちらも]
・生きるためにお金がいるのは仕方ないと思った。 [それはその通り。でも貴方/貴女自身が何らかの理由――病気や事業の失敗――などで経済的に余裕がなくなったら「お金がないから諦めろ」で片付けることができるでしょうか]
・生命と倫理で学んだ出生前診断と同じでとても考えさせられた。
・生命倫理と話がかぶる所があって理解しやすかった。 [以上、なるほど。さすがBBですね]
・生命倫理の問題は難しい。
・生命倫理は人ごとに価値観が変わってきて難しい。
・生命倫理奥が深く、難しい。
・着床前しん断[診断]などの生命に関することは様々な面から考える必要があり、難しい問題であると感じた。
・着床前診断で子供に異常があるかどうかわかる。わかっていると中絶できるので、子供を捨てるなど起きないですむ。 [一面ではその通りなのですが、中絶される子供の権利はどうなるのでしょう]
・着床前診断の話は難しいですが、賛成派です。
・着床前診断は難しい問題であると思った。 [以上、その通りですね。皆さんはそれだけ重い内容(=責任)を勉強しているわけです。これからの勉強姿勢に変化が出るかも]
・内容が難しかった。
・難しい話が多かった。 [以上、内容の理解が難しかったのか、内容が重かったのかはわかりませんが、焦らずに、しかし今日考えたことを頭の中に置いてこれからの勉強を進めるようにしましょう]
西村が担当する授業の様子は、<http://www.page.sannet.ne.jp/h_nishi/>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。