平成28年4月14日更新
3EP1クラス
第2回:平成28年4月14日 学習内容/授業の運営方法/学習課題(予習、復習)/課題の解答/今日の一言
(続き)
・直面する可能性のある倫理的問題に関する具体例
・グループ討議と討議結果に対するコメント
・E-learningやグループ討議の事例分析課題(ソーラーブラインド、ギルベイン・ゴールド)に関する解説
・セブン・ステップ・ガイドの概説
・本学の教育目的と大学の質保証問題
・「倫理」とは何か(用語解説)
・倫理と法
・「科学技術」、「技術者」とは何か
・「科学技術者倫理」とは何か、その特殊性
・PCを用いた講義
・グループ討議
・討議結果の発表
・グループ討議の結果に関するレスポンスシートの作成
など
・提出:課題1(90分)
・復習:「アカデミック・インテグリティ」に関する文献の精読、第1〜2回で学んだことについての考察の深化(90分)
・予習:教科書の第2章、第3章、第4章、第5章、および第6章の精読(180分)
課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)
Q.仮想事例「百万石F1グランプリ」を読んで、貴方/貴女個人としてはレースを開催すべきだと思いますか?
A.わざと「開催しますか?/しませんか?」と尋ねていますが、何とかその枠組みを越えようという意欲が回答に感じられます。講義の中でご説明しましたので、原則としてコメントは控えます
1.開催する 20名(32.8%)
2.開催しない 41名(67.2%)
1.開催するべき
[以下、単純開催ではなく、路面整備など条件付開催が多いことにご注意ください。こちらの場合は、「もし事故が発生したら...」を考える必要があります]
・F1レースにおいて低気温で路面がぬれて[濡れて]いても決行されると思う。[しかも]損失の補てん[補填]が難しい。
・しない[開催]場合の方が損失が大きい。たくさんの金の損失と人々の期待を裏切る。もし事故が起きても、数名しかケガしない。しかももうけ[儲け]られる。しかし、最後の動画を見たら、安全第一なのかと思った。
・セーフティーカーを動かして、車の通る場所を作れば、徐々にタイヤもあたたまる[暖まる]ので、スリップする可能性が下がると思うから。 [タイヤは暖まるでしょうが、路面はそうじゃないのでは?]
・ただし[開催する。]レース開始を1時間遅延させる。
・ただし時間は11時に延期。それでも薄氷が溶けなかったあるいは雨が降っている気温摂氏10度以下の場合は中止。の放送をする。詳しい説明をしてからレーサーのインタビュー、メンテナンス担当の人の話しなどをしてもらう。
・やらないと必ず大損。やると損するかもしれない。それならリターンがある方をとる。
・レーサーは危険を承知で競うはずであり、開催しない方がデメリットがある。
・レースを実施したいという声を優先した。
・開催しないと、お金がかかったり、次の大会がもう[開催]できなくなるなどて、リスクが大きい。
・開始時間を遅らせてでもやる。路面状況から事故が発生しそうな場所を推定して、そこに観客をおかない[置かない]ようにすれば良い。
・金銭面のことを考えたとき[時]。
・事故が起きてしまっても選手や観客はそれを覚悟して見に来ているはずである。 [もし、悲惨な事故を目の前で目撃したら?]
・事故ったほう[方]が悪い。
・時間をずらして開催するなどの対策をとる[取る]べき。7時開門でありレース開催時刻は変えられる。
・他の人からせっつかれており、状況は常に動いてしまっているから。
・多くの関係者が集まってしまっている。1度中止しているので、もう一度中止すると今後開催できないかもしれない。
・冬の金沢の山奥で開催するなら、事前に会議で話しあって夏に開催するべきであった。(主催者の責任) [最初の部分は問題の本質を突いていますよね]
・熱狂的なファンは、先週も待ってくれている。危険なコンディションではあるが、ファンは違う所の駆け引きを期待しているかもしれないため。
・夜から並んでいる人たちもいるから、2回連続で中止はさらにクレームが出るから。2.開催するべきではない
[この場合は、「では、いつになったら開催できるんですか」あるいは「損害はどうするんですか」等が問題になります]
・「楽しいレースにすること」それが一番大事な事である。事故などが起こるとせっかく見に来た人も楽しくないし取り返しのつかないことになる。
・F1ということもあり人の命が関わってくる命を大切にするべきではないか。
・F1レーサの安全が大事。
・いま[今]のことよりものち[後]の信頼を考えて行動する。 [長期的な視野に立って判断する、ということですね]
・けが[/怪我]人を出したくない。レース開さい[開催]の延期ができればそれが一番。
・して問題が発生すると今後開催することができなくなる。今回[中止]しても今後[開催]するチャンスはあるだろう。
・デメリットを考えたら[開催]しない方がいいから。
・なぜなら、損をしたくないからだ。事故が起きる確率と[それに伴う]損害を想像したとき、開催しないとき[時]の損の方が少ないと思ったのである。
・まずは安全が第1だから。
・もし事故がおき[起き]て死傷者がでて[出て]しまうかもしれないから[以上、原文のママ。仮定文のままで終わっています]。
・もし事故が起きた時に責任取るのは実行委員長である自分だから。事故が起きれば、2回目のF1グランプリも開催できないから。 [金沢さんが問題を抱え込んでしまっていることに注意しましょう]
・安全が一番だから、もし事故が起きたら二度とF1グランプリを行えなくなる可能性がある。 [長期的な視野に立って、ということですね]
・安全が最優先。
・安全が第一。事故が起きた時のリスクが高すぎる。
・安全を第一に考える。
・安全第一。
・仮に事故が起きた際、決定した自分に責任が問われる為。 [でも、誰かが判断しなくてはならないのでは?]
・危険だから。開始時刻を遅らせたとしても最高が10℃程度であれば路面状況の好転は見込めない。レーサーとファンの交流会お弁当は買い取って無料配布、マスコミの損害も全額負担、マイナスのお金は次以降の大会で取り返せばいいので今は大会への信頼が大事。
・技術担当の話していた。使用の前提と、コースの環境が合到[正しくは「合致」]していないため。
・客などの抗義[正しくは「抗議」]が強くなろうが、安全を第一にしないといけないため。開催はしない。
・決定権には責任も伴う。最悪の時態[正しくは「事態」]に責任をとる[取る]ことができないだろうから。
・今週は事故がおこる[起こる]可能性があるため、延期した方がいい。
・最悪のケースを考えると、死人がでたほうが損害が大きいから。やるのなら最善をつくさない[尽くさない]といけないと思う。
・死者がでたら世間から批判される。
・死人が出る可能性があるため。
・事故がおきたとき[時]の責任が大きい。
・事故が起きた場合の対応の方が、開催をしなかったことよりも対応が大変になると思うから。するとしても、条件を満たさない場合は、[し]ない。 [こちらも長期的に考えて、ということですね]
・事故が起きて死人がでたら、悪いうわさ[噂。ただし「評判/評価」がより適切]がひろまって[広まって]しまうから。
・事故が起こったら大会のイメージダウンは中止の比ではないから。 [以上も、短期的な、しかも視野狭窄に陥った判断ではなく、長期的で広い視野に立って......ということですね]
・事故が起こる可能性が少しでもあるなら開催しない。
・事故で死人を出したくない。
・事故を起こした場合[、]更に信頼を失うから。
・失敗した際のリスクが大きい人命に関わる、将来性をみた信頼。
・重大な事故が起こる可能性があるから。時間を遅らせての開催なら可!?
・人の命と今後の信頼のため。
・人の命を最優先すべきだと思うから。
・人命を第一に考え開催しない。
・選手が死亡したらだれ[誰]が責任を取るのか。
・選手の安全面が第一。
・大会実行委員会という立場のため、事故が起こってしまったら、責任を取らなければいけなくなる。
・大事故が起きたとき[時]が怖い。
今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載
・「信頼の定義とは何か」たしか[確か]に普段から言葉の定義があいまい[曖昧]なまま様々な言葉を使っているような気がする。 [そうなんです。大学院生の講義でも、その曖昧さを強く感じます]
・いつもより意見がたくさんだせ[出せ]た。
・いろいろな意見を知ることができて面白かった。
・いろいろな視野をもつ[持つ]ことが必要であると思った。 [以上、一人ひとりの認識や意見には限界がありますが、それを集めるとものすごい広さと深さになるんですね]
・うまくはめられ[/嵌められ]た。 [申し訳ないのですが、一度、落とし穴にすっぽり落ちるという経験をしていただくためです]
・おしゃれなYシャツ着てますね。 [ありがとうございます。というか、家人(=妻、つまり皆さんからするとお母さん)が買ったものを着ているだけです。つまり着せ替え人形のようなものです]
・おもしろい内容だった。 [ありがとうございます〜。知的に楽しんでいただけたようですね]
・お金に関するスライドを見たあたりでグループの雰囲気が開催に明らかに流れた。 [でしょ。集団思考って、とても怖いんですね]
・グループで話し合って決論[正しくは「結論」]を出すのは楽しかった。
・グループとうぎ[討議]でいろいろないけん[意見]がきけ[聞け/聴け]た。
・グループ活動が難しいと思った。
・グループ活動はつかれ[疲れ]た。
・グループ討議緊張した。
・する、しないの2択[正確には二者択一]にとらわれ[囚われ]た。 [でしょ?]
・たのし[楽し]かった。
・つかれ[疲れ]た。 [以上、大変だったと思いますが、新しい自分に気づいた面もあるんじゃないかと思っています]
・トラブルに対して、その時どのように対処するかも大切だが、どうしてそうなったかも考え、それ[=根本的な原因]をなくしていくことが重要。 [まったくその通り。この講義でお伝えしたいツボの一つを見抜かれたようです]
・はっきり正解のない問題は難しい。集団心理って怖いなと思った。
・プレッシャーをうける[受ける]と視野がせまく[狭く]なった。
・みんなに流されるのが良いか悪いかを考えるべき。 [以上、その通り。それならば「万一、そのような状況に陥ったら......」あるいはそれをさらに進めて、「そうならないためには......」を考えるのが、この講義なのです]
・やっぱり北陸の天気は悪い。 [太平洋側出身の方でしょうね。センセイは日本海側の出身ですが、それでも、昨日の夜、そして今日の午後と天気予報が悪い方向に外れたことにがっかりしてる部分があります]
・やはり多くの人間は目先の利益だけを考えている人がたくさんいると感じました[原文のママ。「多く」と「たくさん」を重ねています]。 [その通り]
・よかった[良かった]班が2つあるっていっていましたがどこだったのですが? [すみません。指で示していたつもりなのですが、要するに、長期的に考えるとどうなんだろう]と考えた黒板中央の2チームです。ただし他のチームの中にもその要素を含んでいる場合があります
・安全と金銭ではどちらが重要なのか難しい。 [そりゃ、そうです。それを考えるための講義なのですから]
・科学者って大変ですね。 [その通りなのですが、う〜ん、どういう意味なんだろう]
・課題の表紙をはりつけ[貼り付け]忘れた!!
・課題の表紙を忘れてしまいました。以後気を付けます。
・課題を書いていたら遅刻しました。 [以上、以後気をつけましょう]
・開催については、様々な理由が出たが、どちらの理由も正しいような感じがした。(自分は、開催しないと考えていた) [その通り。立ち位置によって見え方はかなり違います。それを理解した上で、最も適切な判断を下す必要があります。そのための理論と技術を考えるのがこの講義です]
・頑張りました。書記で。 [偉い!!]
・議論に積極的に参加した。 [こちらの方も!!]
・客の不満だけでなく、事故が起きた場合の事態をもっと深く追求すべきと思った。 [その通り。次回改めてご説明します]
・久々に深く考えました。 [おぉ。それは凄い]
・金と安全の天秤は難しい。「その場のノリ」というのは、おそろしい[恐ろしい/怖ろしい]。「宇宙兄弟」というマンガを読みなおし[直し]たくなった。ここには、たくさんの技術者が出てくるのだ。 [前半はその通り。後半については、貴重な情報、ありがとうございます]
・広い視野、観点で物事か考える事が重要だと思った。
・考えさせられた。 [以上、その通りなんですね]
・今日はひさし[久し]ぶりのグループでなつかし[懐かし]かった。 [う〜ん、これって、再履修中ということでしょうか......]
・今日も楽しかった。 [ありがとうございます〜]
・最終的に[開催?]することなくなった[原文のママ]。 [????]
・事故が起きた場合のデメリット(人命以外・・・金銭面)が分かりづらい[辛い]なと思った。 [皆さんにとっては特にそうだろうと思います。でもその不得手な部分を考え、能力を伸ばすのがこの講義の目的です]
・自分の考えの至らなさを思い知らされました。 [その通りかもしれません。でもね、それに独力で気づいたってことは、貴方/貴女が成長しているってことの証左なんですよ]
・集団思考、視野狭さく[狭窄]は不可避であった。 [気持ちは、わかる。実際、そのように誘導したんだし...]
・信頼、それは信じて頼ること、幸せの青い雲〜青雲!! [?]
・心理的要因が話し合いに大きく作用する事が面白いなと思いました。 [そうなんですよぉ。それを見抜く力が必要なんです]
・人と違う意見を言いたかった。 [う〜ん、どういう意味なんだろう]
・世の中判断の難しいことばかりなんだなと思った。 [気持ちは、わかる(つもり)。でも学生でも社会人でも、良く考えるとそれこそが現実ですよ。何とかしてそれを乗り越えていく必要があるんです]
・先生の御趣味はなん[何]ですか? [たくさん趣味があります。一番分かりやすいのは、鉄道ファンだということでしょうか。JR北、東海(最近復旧した名松線を除く)、西、九州は全線乗車しています]
・多くの人に迷惑がかかっているから。 [が、開催するかしないかの判断理由ということでしょうか]
・追いつめ[詰め]ると人間の考えが正しくない方向に行くことが分かった。 [そうなんですよぉ]
・途中から偏った思考になっていたように感じた。 [途中で示したスライドは、わざとです。お許しを]
・答えはYesかNoではない。いろいろな考え方があるということが分かった。 [でしょ?]
・討論が楽しかった。 [皆さん、良く頑張ったと思いますよ]
・難しい問題だった。 [そうかもしれません。ただしあまり負荷と感じないようだと嬉しいです]
・物事に対して広い視野を持ちたい。
・様々な意見があり、有意義な時間を過ごせた。
・様々な意見を聞けてよかった。 [以上、一人ひとりだと認識や意見に限界がありますが、グループだとずっと、全体ではさらに大きな思考集団に成長できるんですね。あまり焦らずに進みましょう]
西村が担当する授業の様子は、<http://www.page.sannet.ne.jp/h_nishi/>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。