平成30年4月24日更新
3ER1クラス
第3回:平成30年4月24日 学習内容/授業の運営方法/学習課題(予習、復習)/課題の解答/今日の一言
※現実に起きた事例をベースに倫理的考察や意思決定に必要な概念や用語などの解説を行う
・PCを用いた講義
・関連する視聴覚教材の視聴
・演習
など
・予習:教科書の精読(120分)
・復習:課題2(Agora上で事例分析)(60分)
課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)
Q.スペースシャトル「チャレンジャー号」事故に関するビデオを視聴した感想を...
A.(カード回答後にご説明しましたので、原則としてコメントは控えます。なお、「誰が悪かったのか」という点については、これからの講義の中で一緒に考えましょう)
・100%の安全の保障ができないのに打ち上げてはだめだと感じた。
・[幹部]4人[だけ]で決議を行うべきではなかったと思う。NASAがMT社の意見についてしっかり考えるべきだった。
・MT社もNASAを上からの圧力であせった[焦った]ことによる事故ということが分かった。
・NASAは利益を重視しすぎてる。
・アメリカ政府や会社の立場などを考え、結果的に誤った決断を下してしまった。まさにみんながゆでがえるになってしまった印象だった。
・いくら大掛かりでも安全面は軽視できないと思った。
・こういった場面では、上下関係をあまり意識しないようにした方がいいと思った。
・チャレンジャー号
・チャレンジャー号は打ち上げるべきではなかった(ロケットの構造に欠っかん[欠陥]があったので)
・どちらに転んでも自分が不利益をこうむる[被る]ものだった。
・どの組織も追い込まれている状況だと思った。 [以上、まったくその通りで、追い詰められた状況では生産的な思考は難しいんですね]
・プロジェクトに関する問題点が挙がっている以上[、それを]軽視するのはおかしい。再設計の延期をするべきだった。
・ランドさんは強い口調で追求[正しくは「追及」]されて大変そうだと思った。oーリングのガスもれ[漏れ]と温度の関係を確認するべきだったのではないかと思う。
・ロケットを発射しないといけない状態だった。
・安全性よりも上からの圧力を優先してしまうことが実際にあったとは思わなかった。
・意見を変えてしまった(ボジョレーさん)
・何を取っても悪い結果がくる[来る]選択は何を基準に決めたらいいのか難しいと感じた。 [これが「ジレンマ状況」です。これからの講義の中で考えます]
・確実なデータがないと実行すべきではない。線引き問題
・危険を伝えても前例がないと説得するのは難しいんだなと思った。
・危険性があるものならば、どれだけの人に責められようとも、意見を変えてはならない。
・技術者として安全性を考えることも、経営者として利益や損失について考えることも大切ですが、そのラインをどうするか。今回のチャレンジャー事故は4人全員経営者としての視点で結論を出してしまったが、逆に技術者の視点を4人が持たなければいけなかったのではないかと思う。
・技術者の意見は重要。
・技術者は最後まで技術者でいるべきだった。
・技術担当の社長は直前まで反対していたのに関わらず、上からの指示により意見を変えざるをえない立場にされたことに驚きました。自分は会社に入ったら自分の意志をつらぬき[貫き]通せる人になりたいと感じた。
・技術担当副社長の人が責められてかわいそうだった。
・技術的な問題以外に、政治的な要因でも引き起こされた典型的な事故だと思った。何よりも安全を第一に考えるべきだと思った。
・技術的には打ち上げてはいけなかった、それよりも大きな問題があったと思った。
・経営や自分の立場のことを考えると、他の保険性に頭が回らなくなってしまう。
・結果を見れば、反対するべきだっただろうが、やらざるをえない状況であったと思う。
・現場の声をもって重視すべきだったと思う。
・個人ではどうすることもできない。しかし、会社もその上の会社もカンタン[簡単]に変更できない。実際にキャリアをすべることができる人はすくない[少ない]だろう。
・後付けで言い訳をしているようであまりボジョレーさんの言うことを聞く気になれない。
・最後まで打ち上げを反対したら問題解決まで延期してもらえるのか。
・最初から賛成していた経営陣は、責任追求[正しくは「追及」]されなかったのか
・事故が起こる可能性が大きくあるにもかかわらず、経営を優先し、予定通りに実行することがどれだけ危険であることかがよく分かった。
・事故を末前[原文ママ。正しくは「未然」]に防ごうとする気が少ないと感じた。
・時代の背景や状況から起こるべくして起こった事故だと感じた。
・自分もそういう状況になるのかもしれないと思い[、]怖くなった。
・集団の圧力はウソを正統化[正しくは「正当化」]してしまう恐ろしいものだと思った。
・集団の中で人は自分の意志を持ってい続けることはとても難しいものなのだと感じた。
・上からの圧力に困ったことがよく分かった。
・上に意見することの難しさを実感した。
・上の地位にいる会社や人間は、下の方の意見をしっかりと受け止めるべきである。
・人の上に立つのは難しいと思いました。
・人命や安全性よりも利益を追及[正しくは「追求」]した結果、起こった事故だということがわかり、とても残念に感じた。
・責任転嫁ほと嫌なものはないと感じた。
・組織でものを作ることのむずかしさ[難しさ]を知れた。
・反対していたメイソンと会社の利益やNASAからの圧力(プレシャー[原文ママ。正しくは「プレッシャー」]]では意見を変えてしまうので、集団における人間の精神は弱いものだと思った。
・板ばさみ[挟み]になって自分の意見が通らず責任を負うのは、すごく不憫だと思った。
・板挟みになると、何を優先すべきか難しくなると感じた。
・本来現場の技術者の声こそが安全性の指標になるのに利益や納期などで押さえ込まれてしまうのが工学科の人間として歯がゆい。
・立場と技術の板ばさみ[挟み]になることは苦しいことだと感じた。
今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載
[チャレンジャー号事故のビデオ視聴と解説について]
・「安全第一に」と一言でいっても、本当に安全第一として考えることは難しい。 [その通り。だからこそ、それをどうやって実現するかをこれからの講義の中で考えましょう]
・NASAがやばい [確かに。NASAはそして、体質を改善できないままもう1機のスペースシャトルを失うことになります]
・いつの時代も一緒 [それはそうかもしれない。でもそこからどう立ち直るかが大切なのでは? それをこれからの講義で考えましょう]
・エンジニアにも正確に伝える力は必要だと感じた。 [まったくその通り]
・ジレンマのプレッシャーは大きいと感じた。
・ジレンマは終わらない。 [以上、今日の講義で若干ご説明しましたが、このような状況に陥らないために/陥った時についてはこれからの講義で考えます]
・ずっと覚えておかなくてはならない内容だと感じた。 [まったくその通り]
・チャレンジャー事故はいろいろ考えさせられる話だった。
・チャレンジャー爆発事故の詳細を知れて多くのことを学んだ。 [以上、学ぶことが多い事例ですよね。言い換えると、そこからどれだけを引き出すことができるか、皆さんの才能が問われています]
・ハメられないように立ち回れないとヤバイ。 [確かにその通り。でも目先だけではなく、広い視点から考えることが必要です]
・ハワイに行った時にチャレンジャーの特集がやっており内容を知っていたが[、]改めて人災の危険性を学んだ。 [ハワイ、いいなぁ。センセイはまだ行ったことがありません]
・プレゼン能力は大切だと感じた。
・プレゼン力が大事。
・プレゼン力をつけたい。 [以上、でしょ?]
・ボジョレーさんは警告の書面を他の人に手伝ってもらって、クオリティーあげ[上げ]れば危険性が伝わっていたのではないかと思った。「大人」っていやなことばかりなので、ずっと「子供」でいたかった。 [前者については、現在ほどプレゼンの能力は重要視されていませんでした。後者については、オトナになろうよ]
・下請けは上から責任転嫁、圧力をかけられるので上に立つ人になりたいです。 [気持ちはわからないではないのですが、それをこなすのがオトナです。コドモのままではいられませんよ]
・技術だけでなく社会の仕組みを理解しないといけないことは、難しいと思った。 [まったくその通り。この科目や2年次の「技術者と社会」の意味をご理解いただけたのではないでしょうか]
・技術者として、これから働く時、利益と安全との線引きを考える時、どうすればいいか慎重に考えたい。
・技術者は安全が大事だと改めて思った。
・技術者は身の安全より公衆の安全。 [以上、まさにそれをこれからの講義で一緒に考えましょう]
・決断を下す立場が変化するとどう考えるのが正しいかが変わるから難しいと感じた。 [その通り。管理職になると大変です。トホホ...(センセイは管理職)]
・今回は問題が分かってたけど、問題が分からない事故のほうが多いと思った。
・今日みたいな状況はたくさんあるんだろうなと感じた。 [以上、まったくその通り。この点については次の事例で考えましょう]
・事故 [????]
・自分がボジョレーさんの立場になったらと考えると、とても苦しい状況にいることが分かった。
・自分の意見をもとう[持とう]と思った。
・責任をなすりつけ[擦り付け]られないように自分の身を守る術を身につけていきたい。 [以上、そもそもそのような事態に陥らないようにするには、が最も大切なのです。それをこれからの講義で考えましょう]
・大人って汚い
・大人の事情には触れたくないと感じた。
・大人の事情を怖いと思いました。
・大人の社会が怖いです。
・大人はきたない[汚い] [以上、確かにそれが社会の半面です。でもそうでない、尊い面があることを忘れてはいけません。それもこれからの講義で考えましょう]
・中間管理職は辛いと思った。 [その通り。でも一番大切な立場でもあります]
・物事には表裏があり、自分自身の力でその問題を見ぬく必要があると感じた。 [まったくその通り。個人的にはその状況を生き抜き、そして社会を良くするために必要なことです]
・物事の重要性をどう判断するかは難しい [その通り。だからこそ科学技術と社会について広い視点から考える力を持つことが必要なのです。この科目、大切でしょ?]
・役職によって重視することが違うと知った。 [素晴らしい。驚きは成長への最初の第一歩です]
・裏がいろいろとあったおどろいた[驚いた]。
・裏の話まで聞くと、ある程度の全体像が見え見方が変わってくる。 [残念ながらそれが事実です。でもそれを知らないと現実を変えることはできません]
・倫理的なことが分かった。
・倫理的な問題を構造的にとらえ[捉え]たいと思った。 [以上、最も大切な点をご理解いただけたようですね(他の方はまだあまり気づいていないようですよ)][今日の一言]
・Agoraにログインする。 [ぜひぜひ]
・Agoraの意味は何ですか? [ギリシア語で“Agora”(「広場」)という意味です]
・アンダーラインが少しイライラした。 [気持ちはわからないではないのですが、こちらから指示しないと何もしない、というのが実情です。もちろん一部の優秀な方は別ですが]
・腰痛いし、朝ごはん食べてないし、明日は給料日だから楽しみ。 [前半と後半は逆接ですね。給料日、おめでとうございます]
・星の王子さま読みました。あの内容を先生がどのように講義したのか、ぜひお話聞きたいです。 [“Le petit Prince”はいろいろな読み方が可能です。センセイが皆さんの先輩に15分ほどで説明したのは......。興味があったら個人的にお問い合わせください]
西村が担当する授業の様子は、<http://www.page.sannet.ne.jp/h_nishi/>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。