平成30年10月4日更新

3VS1クラス
第3回:平成30年10月4日 学習内容授業の運営方法学習課題(予習、復習)課題の解答今日の一言

学習内容

※現実に起きた事例をベースに倫理的考察や意思決定に必要な概念や用語などの解説を行う

授業の運営方法

・PCを用いた講義
・関連する視聴覚教材の視聴
・演習
など

学習課題 予習・復習

・予習:教科書の精読(120分)
・復習:課題2(Agora上で事例分析)(60分)


課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)

Q.スペースシャトル「チャレンジャー号」事故に関するビデオを視聴した感想を...
A.(カード回答後にご説明しましたので、原則としてコメントは控えます)

・NASAもMA社もすべての判断を間違えたと思っている。経営を優先したことは大きいと思う。
・NASAやMT社の幹部は現場の声をもっと重視し、追いつめ[詰め]るのではなく、聞き入れるべきだった。 [そのためにはどのような方策があるでしょう]
・アメリカ[政府]が悪い。NASAもアメリカからの重圧があったと思う。
・いくらアメリカの威厳のためといっても技術者の言うことを聞くべきだと思ったが、ボジョレーももっと強く言うべきだと思った。 [お気持ちは分かるのですが、後半は微妙なところです]
・エンジニア側は最後まで危険性を配慮し、最終的な判断をくだそう[下そう]としたが、上の立場の者が経営面のみを考え、打ち上げを押し通そうとしたことは、おかしい。 [こちらも、お気持ちはわかるのですが、ご説明したように社長は会社全体のことを考える必要があります]
・オーリングの二重は安全性は増したと考えられるが、2℃の状況では耐えられないことを実験などをして確認すればよいと考えられる。 [その通りですが、当日の現場の状況ではそれは困難だということもご理解ください]
・この計画に関わる人全員が自分の責任をまっとう[全う]しようと全力で向き合った結果だと感じました。 [その通りですね。結果は良くない方に出ましたが]
・サイオコール社は最後まで打ち上げに同意すべきではなかった。NASAの圧力に負けてしまった。
・スペースシャトルに関する知識を持たない責任者によって決定がなされるのはどうなのかと思った。[機体に]命をあずける[預ける]クルーの意見は求めなかったのか、説明は行われたのか。 [説明は行われていません]
・スペースシャトルの打ち上げに関して、その責任者には誰もが信頼できる人ではないと任せられないと感じた。
・どのような対場で、何を見て判断するかはとても重要で[、]地位が高いほど慎重に考えなければいけないと感じた。 [まったくその通り]
・どの立場の人も苦しい状況で選択を迫られたと思った。 [こちらも]
・[ボジョレーさん[ら]は]どれだけ危険かを、示すことができなかった。 [結果的にはその通りです。ただしご説明したように、一種の後出しじゃんけんですが]
・ビデオで[技術担当副社長]ランドさんの表情が・・・。経営者の立場と技術者の立場で考えるとどっちもわかる気がした。 [その通り]
・モートン・サイオコール社のように雁字搦め
[がんじがらめ]で追いつめ[詰め]られる立場は1番つらく、冷静な判断をとるのは難しいと感じた。 [「雁字搦め」なんて、良く漢字をご存じでしたね。センセイは書けません]
・よく考えることも大切、自分の意思をしっかりと持たなければいけないな。あの立場だからこそ。 [まったくその通り]
・ランドが感じたプレッシャーはものすごい[凄い]ものだと思った。 [仰る通りですね。ちなみにランドさんは昨年逝去されました]
・安全を第一に考える技術者に対し、上層部の人間が会社の経営者としての立場を求めたことで、事故を防ぐことができなかったのではないかと考えた。
・意見を押し通すことも大切だと思った。
・引き金をひいたら[引いたら]必ず銃弾が発射されるロシアンルーレットだというのが印象的だった。
・下請会社がもっと強く反対をしていれば事故の可能性が少なかったのではないかと思った。
・各自の立場だけを考えずに、客観的な視野から物事をとらえる[捉える]べきだと考える。 [その通り。ある意味、だからこそこの科目があると思ってください]
・危険なことを危険だと、はっきり言える人は少ないのだと分かった。 [前回のグループ討議でも似たような場面はありませんでしたか?]
・技術者という仕事が、改めて責任が重いなと感じました。判断ミスというのは怖いなと感じました。 [そうですね]
・技術者と経営者の思考の優先順位が異なることがわかった。お互い聞き入れて理解することができたらいい[良い]と思った。
・経営と責任での判断は難しいものだと感じた。自分が判断する立場でも難しい判断になったと思う。
・経営者は技術者の意見や警告をしっかり受け入れる必要があると感じた。 [以上、まったくその通り]
・元請から下請、政府から元請という構造で、一方的な圧力が事故の原因になったことを初めて知った。個人のみでなく企業、社会としての立場の考慮が必要だと思った。 [こちらもまったくその通り]
・元請け会社と下請け会社の関係に違和感を覚えた。技術者としての責任が非常に軽薄に捉えられているように感じた。 [だからこそ、どう対応しますか、ということが問題になるんですね]
・賛成と言わざるをえない状況に置かれるところが怖いと思った。 [集団思考の怖さですよね]
・仕事において最も重要なものとは何か。このような状況が人の命をうばって[奪って]しまう。重要なものは、安全と信頼である。よって、技術者はもっと反対するべきであった。
・事故の前後のそれぞれの立場からの意見を聞き、組織レベルの問題と分かり、個人の主張が困難であると考えた。
・自分が関係者の立場だったら、打ち上げに反対するといい[言い]たいところだが、圧力等を考えると反対できない気がする。
・失敗をなく見る。その積み重ねが大きな事故へ発展する思った。
・社会って[、]しがらみ[/柵]だらけだなと思いました。 [その通りですが、「じゃぁ、どうすれば...」がこの科目のテーマです]
・周囲の状況で簡単なはずの決断も難しくなるということが分かった。
・集団は怖いと感じた。組織も怖いと感じた。第1課題の、企業の不正をどうするか、という問いもそうだが、集団である組織ではの主張は通り辛く、権力を持った人間の大人の都合によって意見が流れるのだと感じた。
・集団心理によってマイノリティが排除されてしまったせいで本来守るべきものを見失ってしまっている。これはエンジニアと経営者の視点または目標がずれてしまっているため、物事を行うとき、一貫した目標又は芯が必要なのだ。
・上からの圧によって人命に関わる問題でさえも無視され、最終的に打ち上げの書類に著名[正しくは「署名」]させられるのは、理不尽だと感じた。追いつめられ脅迫じみた圧[力]によりまともな判断ができなくなってしまう時、それでも否定できるのかどうかが重要なのだと思った。
・上からの圧[力]は恐ろしいと思った。ボジョレーさんのように正義感溢れる技術者になりたいと思った。大きな力の前では小さい者は無力なのかと改めて感じた。
・上からの圧[力]は人の判断力を失わせることが分かった。
・上からの圧力によって、人の判断ができなくなることを認識した。
・上の組織からの圧力によってまねかれた事故であったが、自分の意志を貫けなかった方も悪いと思う。自分が幹部の立場になったら、同じことをしそうなので社会に出てから心配だ。人の命がかかっているのでもっと慎重になるべきだった。
・上司から、また元請会社からの圧力によって、自分の意見を変えざるを得ない環境をつくって[作って]しまっているのが良くないと思った。乗員の命について1番に考えていないと思った。 [前半は非常に重要な点を指摘していると思います。素晴らしい]
・上層部からの間接的、直接的な重圧をかけ[掛け]られるとまともな判断ができないと感じた。
・人によって認識の仕方はちがい[違い]、考えや情報を正確に伝えなければならないと感じた。 [その通りですね]
・組織の判断や同意した人の考えは、一般市民や観客者からしたら感動というものしか求められていない。意思決定は、結果を出すよりもプロセスを重視するべきだと考えた。 [その通り。だからこそ次回以降、プロセスを重視する「セブン・ステップ・ガイド」という方法を学びます]
・組織全体によるミスは個人全体によるミスより防ぎやすいと思ったが、組織形態によっては大きな判断ミスに至る可能性もある。 [そうですね]
・打ち上げてはダメだとわかっていても他の圧力がかかると、意見を変えてしまうとわかった。
・打ち上げ反対の意思を最後まで貫く勇気が必要だと感じた。大元請の政府にも問題がある。
・大きなプロジェクトを動かすには様々な人の想いが交差[する]ということがわかった。最善の、安全である道を選ぶべきであると考えた。
・不安要素を残すことは、非常に良くないことだと思った。
・命のかかわるリスクのある事を無理に決行するのは良くない。しかし色々な事情があるためその時にならないとわからない。起きた事故に対して後でぐちぐち言うのは後出しジャンケン[。]何を言っても起きたことはかわらない。 [基本的にはその通り。ただし起きたことから学ぶことはできます。「それしかできない」とも言えます。また言い方を変えると「そこから学ぶことができないのなら才能がない」とも言えます]
・利益しか考えられない目先の事故に気が付けない。負えるリスク負えないリスクをしっかりと考えて動きたい。 [その通り]
・[会社の]利並[正しくは「利益」]よりも技術者としての判断を優先すべきだった。
・冷静な判断ができなくなるほど周りからの圧がすごかった[凄かった]と思う。何が大切なのか、判断ミスがある。


今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載

・NASA行きたいです。 [確かに。ワシントンその他の博物館でNASAが設計製作した飛行機やロケット類を見たことはありますが、NASAそのものを訪れたことはありません]
・いろんな思惑が絡み会うと怖いなぁと思った。 [そうですね。前述(上)しましたが、「じゃぁ、どうやったら...」をこれからの講義で考えます]
・おつかれ[疲れ]さまなのは、多分工大祭の準備だと思います。 [なるほど。守衛室の外などでいろいろ活動していらっしゃいますからね。なお、言いませんでしたが、「全員が疲れている」という状況ではありませんでしたので、念のため]
・そんなに疲れてません。 [その通り。今日は今までと違って、疲れている人と、そうでない人が混在していました。一つの理由は↑のようですが]
・タフさはどうすれば身に付けられるのだろうか。
・タフさをつける。 [以上、「こうすれば...」ではなく、とにかく一歩を踏み出す、でしょうか]
・チャレンジャー号の事件は今の社会に本当に良い教訓になっていると思う。 [それが犠牲者を弔う唯一の方法なんでしょうね]
・ビデオを見て、このようなじこ[事故]があったのだと知った。 [考えさせられたようですね。ただし残念ながら、このような事例はいくらでもあります]
・圧力は怖い。 [はい。だからこそ「じゃぁ、どうすれば...」を考える必要があります]
・意味が深い授業。聞いていて楽しい。 [ありがとうございます]
・一人で都市部に出るか、彼のそばに行って新しい生活をするか、ジレンマですね。どちらもかなえたい・・・。 [年頃だなぁ。まさにジレンマ問題ですね。で、その解法は...次回の講義で]
・下請、元請の関係性のリアリティのある話を知ることができた。 [ありがとうございます。まだ十分には伝わっていないと思いますが、最後にひとまずご説明したように、下請け、孫請けには意外と「力」があるんです。ぜひこれからの講義では、その点に注目していただければと思います]
・課題が出たので早めに終わらせたいです。 [ぜひぜひ]
・技術者の責任について改めて考え直した。 [そうですね。そして同時に、「やり甲斐」でもあります]
・具体的な事例として、映像を見ることができ、ためになりました。 [ありがとうございます]
・建築の分野でも起こると思う講義だった。 [最後にも少し説明しましたが、建築系では起こりやすい問題だと思います。機会があればご説明します]
・考えさせられる授業内容だった。 [もちろん、「知的に」ですよね。ありがとうございます]
・事故を起こさないための対策を考えるのが一番難しい。 [まったくその通り。だからこそこの科目(+「技術者と社会」)があるようなものです]
・事例がある講義なので理解し易い。 [ありがとうございます。ただし今回と次回は、理論を扱いますのでそのつもりでいてください]
・自分が強く信じるものがあっても、それを十分に相手に伝える能力がなくてはならない。 [まったく、その通り]
・自分が将来入った会社でもおき[起き]そうなので心配だ。 [その通り。「起きる」と覚悟してください。その日のための、この科目です]
・自分の利益や責任だけ考えるのではなくもっと周囲のことを見られるようになりたいと思った。 [素晴らしい]
・授業のストーリー性が見えて面白い。 [ありがとうございます。見抜かれてしまったかぁ...]
・就職が怖くなりました。 [そうかもしれません。でもご自身のやりたいことを貫くためには、やはり何らかの形で社会にデビューするしかありません。女性が結婚して家庭に入っても、本質的には同じです]
・少し眠かったです。 [そうなんですよね。一部スライドの関係で室内を暗くしたという理由もあるのですがやはり、午前中であるにもかかわらず、疲れている方が散見されました。]
・上に立つだけではんだん[判断]の責任がおもく[重く]なる。 [その通り。そしてやり甲斐も大きくなる]
・色々と学べた。 [ありがとうございます]
・信念を貫く! [ぜひ。でもそのためには、「じゃぁ、具体的にはどうすれば...」が重要になります。これからの講義で考えましょう]
・人は追い込まれると正しい判断ができないと思った。 [そうなんですよね。だからこそ「そうなったら...」、そして何より「そうならないためには...」が大切なんです。それをこれからの講義の中で考えましょう]
・生まれる前にこのような大きな事故があったのに驚いた。 [全世界が悲しみに沈みました]
・責任とは何なのかと思った。 [非常に重要な点ですね。「やり甲斐」とともに、これからの講義の中で考えましょう]
・線引きを大切にしたいと思った。 [良い点に気づかれましたね]
・台風がニガテ[苦手]。 [颱風25号ですね。実は今週末、入学試験が実施されます。関係者は颱風の対応に四苦八苦しています]
・大人も子供も変わらないと思った。 [鋭いですね。人間、特にあるタイプの人間は、精神的にはオトナになっても思考パターンはほとんど変わりません]
・働くとき元請けの圧に負けないようにしたい。 [前述(↑)しましたが、実は下請けや孫請けって、意外とタフなんですよ。それをこれからの講義の中で考えましょう]
・部屋があたたか[暖か]かった。 [微妙な室温でしたね。人によっては眠気を感じてしまう...]
・風邪はやく[早く]治るといいですね。おだいじにしてください。 [ありがとうございます(ペコリ)。一部見苦しい場面があったり、聞きにくかったりしてゴメンなさい]
・風邪ひきました。 [風邪引きさん、多いですよ。夏の酷暑に慣れた後、けっこう寒い日が続いています。偉そうなことは言えませんが、お互い、体調管理には気をつけましょう]
・来週もがんばろう[頑張ろう]と思う。 [ぜひぜひ]
・倫理の分野も面白い。 [ありがとうございます]


西村が担当する授業の様子は、<http://www.page.sannet.ne.jp/h_nishi/>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。


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