2020年5月20日更新

3EL2クラス
第4回:2020年5月20日 学習内容授業の運営方法学習課題(予習、復習)課題の解答今日の一言

学習内容

技術者としていかに行動すべきか
・倫理的問題解決の方法
・エシックステストおよびセブン・ステップ・ガイドに関する詳細解説
・セブン・ステップ・ガイドを用いた演習

授業の運営方法

・PCを用いた講義
・関連する視聴覚教材の視聴やグループ討議を行うこともある
・演習(結果は、各自まとめて提出))

学習課題 予習・復習

・提出:課題2(電子的提出)
・復習:セブン・ステップ・ガイドを使った事例分析の練習(60分)
・予習:課題3(Agora上でのケースメソッド事例の倫理的問題構造、事実関係、ステイクホルダーなどの把握)(100分)


課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)

Q.上司から、内容が懸念されるドラム缶の中身を「川に流せ」と指示されたら、貴方/貴女は...
A.(次回の講義の前半でも引き続き考えますので、原則としてコメントは控えます)

1.流す

24名(41.4%)

2.流さない

26名(44.8%)

3.その他

8名(13.8%)

1.流す

[単純な二者択一ではなく、実質的に「3.その他」の方が含まれることにご注意ください]

・あこがれの企業に就職したので、今後のことを考えると従うほう[方]が優位的だから
・この状況では上司の指示に従わないと今後の立ち位置や出世にかかわってくるためそれは避けたいから。
・せっかく希望の就職先に務めた[この場合、正しくは「務め(ることができ)た」]のにそれを棒に振りたくないから
・そのほう[方]がその後の被害が少ないと考えたから
・まだ新人であり、上司の言うことは絶対であるから。また、ドラム缶の中身が環境に悪影響を与えるものであると確信がもて[持て]ないから。
・もちろん中身が分からないものを流すのは危険であるため、普通に考えると流してはいけないが、自分の立場を考えると上司に従わないとよく思われないため
・悪いものと分かっていて、環境を汚すことはできない。もし、そのドラム缶の中身が悪いものであった場合その程度の会社であったということでクビになったらなったで受け止める。他の上司に報告をしてみる。
・会社そのもの[≒「会社の経営に」の意]への影響が発生する.
・確実に危ないものか分からないので、指示に従ってしまう。
・強い口調で言われた場合、冷静な判断ができなくなってしまい指示に従ってしまう可能性があるため
・好都合に運ぶ [希望的観測ということでしょうか]
・仕事を失いたくないから。ただ、流したものを後で調べることができるように、証拠になるようなものを取っておく。
・自分の将来のことのことを考えて反発したくないから
・実際に流していけないかの確証はないし、今後、その企業で働いていくのであればするべきだと考えた。
・首になってしまうかもしれないから。上司を信じる。
・出世したいから、気に入られたいから。
・上司から睨まれずに企業に残るため。
・上司に気に入られて、出世したいから。
・上司に従えば間違いないから [もし、問題のある上司だったら?]
・上司に怒られるのが怖いから。私は新入社員なので上司の言っていることには意味があると思うから。
・上司の命令だとその場ではごまかしようがない。後日、課長より上の方に相談する
・上司の命令なので、気づかなかったふりをして流す。
・人間関係に問題が出ることが一番解決に時間がかかると考えたため。
・同じ会社で働き続けるということを考えると、逆らってしまえばいられる立場では無くなってしまうから。
・入社したてで、課長に意見するのにはすごく勇気が必要なので、自分の意見を発言できる自身がない。
・部署を移動[正しくは「部署の異動」]で済んだとしても、別の部署でも悪い印象を与えてしまうかもしれない。新人の間は上司の言うことに従った方がいいと思う。
・別の処理を考えるべきと提案する。

2.流さない

・いくら上司に目をつけられようと、そういった会社はその程度の会社だったのだとあきらめ[諦め]がつくから。
・それを流すことによって環境に影響が出る可能性がある。そうすることで、周りに住む人たちの健康状態に悪くなる可能性がある。それはすべき行動でないと考える。 その場で従うと上司には好かれるかもしれないが、後々、後悔しても取り返しようがない。危ないという可能性がよぎったのなら、それ相応の行動をするべき。他には、その場から去るなどする。そして、他の人に相談するのが良いのではないかと考える。
・ドラム缶の中身によって、環境に悪影響が出た際に、捜査が入ってそのことがバレると会社は大きな損失を受けるから。
・ドラム缶の中身を川に流すことがいけないことであると気が付いているのに流すわけにはいかない。ダメなことだとわかっている上司が、自分にやらせることが気に食わないのでやりたくない。
・ドラム缶の中身を流して問題が発生した時に責任を負うことができないし、負いたくないから。
・まず一つの理由として、技術者は安全を第一に、という考え方から流さないという選択をした。ほか[他]の理由としては、流したという事実がずっとばれないということはないので、もし露見したときに、責任を負うことができないからだ。
・もし課長に嫌われてもこのことを課長より上の立場の人に報告すればいいから
・液体を流したことが発覚すると会社として責任をとる[取る]ことになるから
・会社での問題になってしまったときは、上司の命令によりやってしまったことを説明すれば良いから。
・会社よりも大きな枠組みである社会からの立場で考えれば決して許されない行為であるため。その会社でのキャリアのために罪を背負って一生引きずるよりもその会社を辞めて新しい会社を探した方が将来的には良いと思うから。自分であれば内部告発をして会社を辞める。会社を辞めた理由についても話せば家族は納得してくれると信じている。
・環境に良くないかもしれないものが入っている可能性があり、それを流すことによって、他者に害を及ぼす可能性があるから。
・後々不利な立場になりそうだから。流したことが発覚したら確実に責任を負わされるので、実行した時点で負け。
・後日会社が流していたドラム缶の中の液体の影響で水質汚染や漁業関係の問題が発覚するかもしれないので、自分が拒否して危険性を訴えることで会社を守れると思うから。
・罪悪感がぬぐえなくなると思うため、また、他部署等に課長の判断は賢明であるか相談するといった選択肢もあるから。
・時間帯や状況からみてドラム缶の中身を川に流すためには、自治体などからの許可が必要だと思うので、それらの手続きが出来ているのかの判断が出来るまでは処理を実行すべきではないと考えるため。
・上司に睨まれこの会社でキャリアを積むことは難しくなるが、不祥事を起こしている企業は今後生涯働くと考えるとはたしてその環境汚染の末端を背負ってよいのかと考えたから
・身近[「身内」の意? あるいは「身近な人」の意?]らも犯罪者になる
・世間に知れ渡ったら自分が加害者になり親などを巻き込んでしまうから。
・川に流すことで公害が発生して近隣住民に迷惑がかかるかもしれないから。また、上司ににらまれた[睨まれた]としても、上司が悪いということで自分には責任が来ないと考える。
・全ての事象に対して、人命や安全性より上位に来るモノはないから。
・中身が分からなくて、環境に悪影響を及ぼす可能性があるなら、技術者の立場として、やはりやめ[止め]なければならない。自分がその会社に居座ることよりも、自分が正しいと思うことを選択する方が良いと思うから。
・得体の知れないものを流せないから。犯罪の手助けになるかもしれないから。
・法に触れる行為のため見つかれば困るから。一応、上司に交渉してみる。(金を払って破棄するべきだと)
・流してしまえば、犯罪に加担する可能性があるため。
・流す中身を教えてもらえない限り、環境に悪い可能性が高いため流さない。
・流せば課長の信頼を崩すことはないが、罪悪感に苛まれ、仕事を続けようという気がなくなる。上の者の指示通りに動く操り人形になるために就職するわけではないので、自分のなか[中]で明らかに間違っているという場合は絶対に引き受けない。

3.その他

・その会社にいられないことを覚悟して、内部告発をする。
・ドラム缶の中身を確認して正確な処理をする。
・ドラム缶の中身を上司に聞き、廃棄を少し先延ばしにできないか相談する。その後適切な廃棄方法を上司に提案する。
・自分が後日ドラム缶の中身を捨てる役割をになって、上司を説得し、後日に適切な処分をする。
・上司に言って止めましょうって言うが、聞かなければコッソリ通報する。
・上司の命令には従っておく。そのうえで上司の命令でやったことを記録するために録音しておく。
・上司を見習いドラム缶の液体を流してしまう。 [この方は「1.流す」ですね]
・他により良い案があったはずと思うため
・断って、さらに上の上司に相談する。
・中身の量が多いのならば流し、ある程度の量であれば保管用のタンクを用意し入れる。またその現場を見られているのであれば量に限らず流し、いずれの場合を選んだとしても課長に話が行き届かない人に相談する。
・本当に流してもいいのかを課長に問うことで、思いとどまらせ[留まらせ]る。
・流す物体が法を犯すものの場合もあり、知らなかったとしても流してしまったら同罪になってしまうから、中身について勇気を出してもう一度聞き、答えられるようなものなら流し、答えられないというなら流さない。


今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載

【お詫び】設定ミスでご迷惑をおかけしました。お詫びします

・zoomに入りにくかった [すみません。こればかりはこちらでコントロールできません]
・あくまでも、安全が第一というのが分かったが、世の中そうとはいいきれないなにかきれいごとだけでは生きていけない悲しい世だと思った。 [その通り。だからこそ、この科目で「どうすれば良いのか」を考えるのです]
・アンケート結果がこれだけ割れているのは、それだけいろんな考えを他人は持っているということだ。したがって、独断で判断することは危険であることが良く分かった。 [確かに今回は、ほぼ3等分でしたね]
・いろんな方向性の考え方を理解することができた。 [着眼点が違うと、ずいぶん見え方も変わってくるでしょ?]
・この講義を受けて責任が上の人ではなく下の人に責任をなすりすけられるのであれば、知らなかったなどではすまされないのでしっかり下の人も上の人に発言する大切さを知った。 [その通り。役に立つ科目でしょ?]
・これから難しいことをしていくのかなと思った。 [いえ。そんなことはありません(キッパリ)。ご説明しましたが、「習うより慣れろ」です]
・すごく楽しかったです。 [ありがとうございます〜]
・セブン・ステップ・ガイドを意識して行動していくようにするため、さまざまな場面でのジレンマをこの大学で経験しておくことが大切だと感じた。
・セブン・ステップ・ガイドを理解し使えるようになりたい。
・セブンステップガイドを理解し冷静な判断ができるようにしておきたい [以上、次回にご期待ください]
・ドラム缶を流すか流さないかについて、考えさせられる面白い質問だった。 [ネタばらしは、次回]
・ふぅ [個人的には、今日もヘロヘロでした]
・一言に倫理と言えど様々な考え方があるとわかった。 [立場の違いで、印象がずいぶん変わると思います]
・音声の問題なく授業を受けられました。ありがとうございます。
・葛藤する場面があり難しい内容でした。回線は良好でした。 [以上、それは良かった。]
・救出を倫理的に考えるのと設計的に考えるのではジレンマが起こり、解決が難しいと感じた。 [たぶん、日常の感覚と、倫理学的に考えた時の違い、ということでしょうね]
・現在の日本では権力がある人に従わなければ出世などができないため、環境の面や法律の面への影響も考えたが渋々ドラム缶の液体を流すという選択をした。 [気持ちはわからないではない。オチは次回お話しします]
・行動を行った場合どのような想定がされるのかを考える必要があると感じた。 [まったくその通り。影響がとても大きいということに気づかれたと思います]
・今回のような判断を素早くすることは難しいことであると思った。冷静に今後の自分のことも考えて判断しなければいけない。 [そりゃ、そうです。だからこそこの科目があるんですね]
・今回は、セブン・ステップ・ガイドを学んだ。これを今後の討議に活かしたい [ぜひぜひ。次回前半は演習です]
・今日の一言の入力時間が短いと感じた [すみません。ひどく疲れているようで、設定ミスをしてしまいました]
・今日の講義を受けて、見かた[方]によって正しいとも正しくないともどちらとも取れる行動があり、そういったときには慎重に行動を考えるべきだと感じた。 [でしょ?]
・私は、倫理的な考え方の種類と使い分けに驚いた。次回からのセブンステップガイドも楽しみだ。 [次回にご期待ください]
・自分がするかしないかは倫理的にはどちらが正しいということはないことがわかった [解がない、というわけでもありませんので、念のため]
・自分が思いつく選択について客観的に見ることが重要だと分かった。 [その通り。多くの場合、そのステップを飛ばしがちになってしまうんですね]
・自分だけ被害を被るのなら自分の信じた道を行けばいいが、実際には複雑に絡み合った利害関係があるんだと感じました [素晴らしい。その通りです]
・実際に社会に出ると多分上司のいうことを聞いてしまうかもしれない。しかし、まだ客観的に冷静に判断できる立場であるうちは正しい判断をしていきたい。 [ぜひ。今回の仮想ケースについては、次回ネタをばらします]
・実際もし自分が幹部であるときに、今回の選択を迫られたときに果たして人命や安全性を優先して中止できただろうか。それぞれ人として安全性は大事だと皆思うが、その考え方を常に前提にして行動する必要があると知った。 [まったくその通り。それこそが経営者など上に立つ人が為さねばならないことです]
・授業でのビデオを見て、目の前の人や危険だけでなく、お客さんや関係者にもしっかりと目を向け、判断することを心掛けていきたいと思った。 [その通りで、影響はとても広く、そして深く及ぶんですねぇ]
・状況に応じて判断していくことも、悪くはないと思った。
・状況をよく分析すると様々な解決案が出てくることが分かった [以上、まったくその通りで。最初は状況を正確に把握することが大切です。次回練習します]
・選択肢が難しいとき[時]がある [そりゃそうです。簡単だったら勉強になりませんから]
・大事故は歴史を変えると思いました。 [確かに]
・難しいワードがいくつか出たが、それぞれの意味を理解しておきたい。 [全体的には、難しい言葉をあまり気にする必要はありません。暗記していただきたいことも「公衆の安全、健康、福利」程度です]
・変な乱入者や回線不安定性が無く良かった。 [そうですね。前回の「乱入」は何だったんでしょう?]
・良いともいえるし悪いともいえる行動があるということを知ることが出来た。物事に対しての考え方が少しずつだが変わった気がする。 [ありがとうございます]
・倫理とは何か[、]設計門ぢとh[正しくは「設計問題とは」]何かということが分かった。倫理的な問題は、考え出すと難しいことに触れられた。 [ただし「習うより慣れろ」です。焦らずに進みましょう]
・倫理的な問題について具体的な例を使って考えることができた。 [例を使うと、ずいぶん印象が違うんじゃないかと思います]
・倫理問題の構造など少し分かったと思ったのでよかった[良かった] [確かに言われてみると...という感じだったのでは?]


西村が担当する授業の様子は、<nishimura-sensei.net>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。


「授業に関するご連絡」に戻る

トップページに戻る