2020年10月8日更新
3EV2クラス
第3回:2020年10月8日 学習内容/授業の運営方法/学習課題(予習、復習)/課題の解答/今日の一言
※現実に起きた事例をベースに倫理的考察や意思決定に必要な概念や用語などの解説を行う
・PCを用いた講義
・関連する視聴覚教材の視聴
・演習
など
・予習:教科書の精読(120分)
・復習:課題2(Agora上で事例分析)(60分)
課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)
Q.スペースシャトル「チャレンジャー号」事故に関するビデオを視聴した感想を...
A.(回答後にご説明しましたので、原則としてコメントは控えます)
・NASA[正しくは、モートン・サイオコール(MT)社]の経営者の立場として打ち上げを決行しなければならないというのは理解できるが、危険を勧告されたにも関わらず重く受け止めなかったことに対して、会社としての危機感がないと感じた。
・このような現象は、大きな会社や学校といった近くのコミュニティでも起こりうることだなと思います。 [まったくその通り]
・スペースシャトルについてよく分かった。
・スペースシャトルの迫力が凄かった
・それぞれの立場やその時の情勢などが深く関わった悲しい事故であったと感じた
・チャレンジャー号の事故は環境が起こさせた事故だと感じた。
・もし、自分がランドの立場であったら、本人と同じで自分の気持ちを抑えつつ、[上司の命令に]従うと思う。
・会社としての立場が安全を上回ってしまった結果起きた事故であり、こういったことが起こらないようにするべきである。だが現代ではこういったことが見えないところで起きているように感じる [仰る通りで、ブラックボックス化が進んでいるため、問題が見えにくくなっているんです]
・会社の利益や圧力よりも人命などを優先すべきであった
・危険があるが実際に事故が起きるのかわからなかったときは、目の前にあるもの(お金や責任)に着目しやるかどうかの決断をしてしまうことが良く分かった。
・技術者がいくら延期を推奨しても、発言力が小さければ意味がないと感じた。
・技術者が理解していることは、経営者側にも同じように理解されるとは限らない。技術的な立場の人がトップに加わる方が良いと思った。
・技術者としてどんなに難しい判断でも下さなければ悲惨な結末になることが分かった。それと同時に元請けと下請けの関係の難しさを知ることができた。
・技術者として安全を第一に考えたくとも、上のメンツや経済的な問題に雁字搦めにされることが多々あり、今後、相対する可能性がある話だと感じた。
・技術者の立場が弱いという課題を解決すべきだと思った
・技術的欠陥に目を伏せた技術者たちと元請け会社からの発射実行の圧力などの様々な要因が重なり起きた事故だと理解しました。
・苦渋の選択だったとはいえ、下請け会社が反対するのは難しいのだろうなと理解してしまう動画だった。
・経営者の立場を考えた場合でも、スペースシャトルは発射すべきではないと感じた。
・今回の授業で取り扱ったチャレンジャー事件は今自分たちの関わっている土木の分野においても関係あることで大切なことだと感じた。会社の経営を考えるといろいろと難しい問題であると考えられる。
・今回の場合はほとんどの人が事故を予測していたので上の立場の人に責任がある。
・今回はスペースシャトル計画の事故について学んだ。事故というのは設計ミスだけでなく予算的な問題、責任を被るのが嫌だなどの個人的な理由も存在することが理解できた。
・私が、MT社の副社長の立場でも同意してしまったかもしれないとビデオを見て感じた。周りからの圧[力]もとても強く、中止しないと危ないということがわかていたのに同意してしまう。現在でも様々な場所でこのような状況は起きているだろう。
・事故は予見でき、防ぐことは可能だったと感じた。あってはならないヒューマンエラーだと感じた。
・自分もボジョレーさんと同じ選択をしていたのかもしれない
・失敗が目に見えているようなものであるのに、事故を誘発したのは心理的影響が大きいのだということを強く感じた
・社長などの責任者は経営だけでなく、しっかりと現場の意見ニモ[にも]耳を傾けるべきだと思った。
・集団で行動していると、周りの圧力に負けてしまうことがあり自身と置き換えることができた。工大では技術者としての内容を学んでいるため最後まで技術者としての基準をもって考えたい。
・証拠を現物で残しておくことが大切だと分かった。
・上の立場の人による圧力によって意見が流されることはあってはならないことである。
・上司の意見には、逆らえないということを知った。「前は成功してるから大丈夫」といったことが次の事故につながる。
・乗組員は無知[=この場合は「情報を知らされていない」の意]なだけに、技術者はその当事者意識を強く持たなければいけないと思った。
・責任のある立場というのは、いろいろなものにがんじがらめにされ、正確な判断場合もあるということがわかった。
・責任を押し付けられるような板挟みな立場には着き[正しくは「就き」]たくないと思った。
・組織での過ちが重大な事故につながりかねないということが分かった。開発担当者による説明が不十分で、NASA側に納得してもらえなかったことから、もっと根拠のある説明が必要だと感じた。
・組織において、中止だと大きな声で言える人間は必要だ
・組織の体制に関して決定が反映されにくいことは現在の日本でもある問題である。このような問題の解決を行うために組織の圧力に負けないような強い意志と責任感をもって仕事に取り組む意識が立場が上がって行くごとに重要になってくると感じた。
・多数派の意見がすべてではなく、少数派の意見も尊重することの重要性が分かった。また、どんな状況でも焦らず冷静に判断する必要がある。
・二会社の思惑が、不安材料があるにもかかわらず発射を強行を行われたことに恐怖を感じた。
・日程計画にもっと余裕があれば事故が起きなかったと感じた。ランドさんがかわいそうに思った。
・悲惨な事故であり、責任問題を問われることを考えると少しでも危険と感じた場合は延期等を実行した方が良いと強く感じた。
・未曽有の事態に対応できるしなやかな見解をもつことが重要であると考えた。
・命より大切なものはない。このことを元請け会社が思っていたらこのような事故は起きなかった。
・予想低温下でのはっきりとしたデータがない中で、打ち上げを強行したのは間違いであると思う。今後はこのような事態が起こらないようにしっかり最悪の事態を想定する必要がある。
・立場が上になればなるほど責任は大きくなっていくことを自覚しなければならないと思った。
今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載
・go to キャンペーンで金沢市内のホテルに泊まってみたい。 [地元でもOKなんですか?]
・zoom授業に比べて対面授業のほうが個人的に楽しく爽快な気分になれます。 [まったくその通り。居眠りしそうになる人を含めて、こちらは皆さんの様子がとてもよくわかります]
・アメリカ政府が対策委員会の立ち上げを即座に行ったのは、政府への責任追及を逃れるためだったと聞いた。善いと思われる行動も、利益や裏がある。 [なお、各委員は錚々たるメンバーですし、客観的に判断していますので、念のため]
・いきなり寒くなってきた [そうなんですよぉ。研究室付近でも、咳をしている人が増えています]
・スペースシャトルのことが良く分かった [奥が深かったでしょ?]
・スペースシャトル事故が現代社会の会社間のやり取りの闇を捉えているようで飽きなかった [確かに、そうなんです]
・ぜんだん[全弾]入ったロシアンルーレットってゆう[正しくは「いう」]表現が自分の好みであった。 [ビデオ中、ボジョレー氏は状況が非常に厳しいと発言しています。字幕は少し甘く翻訳しています]
・その案件を行うべきか行わないべきか迷う案件が多く存在すると分かりました。 [難しい件ですよね]
・ちょっとでも危ないと思ったら見直すことが大切であると感じた。 [その通り]
・データの示すときは、受け取る側の視点を考える [こちらも別な意味で、その通り。ただし今回は、講義内でもご説明したように「後出しジャンケン」ですが...]
・もし自分が少数派に立ったときにしっかりと証明できるものを探し出し、多数派に負けないようにしていこうと思えた。
・安全第一で物事を考えることが重要であると改めて感じた。 [以上、まったくその通りですね]
・映像が興味深いもので、事故の裏側にこんなに大人が絡んでいると知り、大変が[正しくは、おそらく「だ」]と感じた。
・下請けだと元請けの会社にあまり意見を言えないことが良く分かった。
・下請け元請けの関係は難しい関係だと感じた [以上、ひとまずその通りなのですが、発想を変えると必ずしもそうでないことを今回の事例は示しています]
・我々土木技術者にとっても関係ない話ではなく、人の命を預かっている立場にあたるので安全性に重点を置きたい。NASAの経営が厳しい状況ではあったかもしれないがエンジニアの考えをしっかり持つ必要があるだろう。 [その通りですね]
・寒い [そうなんです。特に朝晩は凄く寒くなりましたよね。センセイは毛布に替えて掛け布団を使い始めました]
・気温の変化も技術者にとって重要な要素の一つである。 [条件の一つですね]
・技術者としての観点と経営者としての観点の両方の視点から考えることが大事だと感じた [まったくその通り。それがわからないと、相手を説得できないんですね]
・議題の事件が実際の事件で恐ろしく感じた [現実の重さを理解していただけたようですね]
・久しぶりに雨が降った [颱風の影響で、数日雨が続くようです]
・撃ったら必ず球[この場合は「弾」]が出るロシアンルーレットとは秀逸なたとえだと思った。 [逃げ場はないですよね...]
・元請けと下請けの関係について勉強できた [前述(↑)しましたが、発想を転換すると下請けにも可能性があることをこの事例は示しています]
・今回のような話は土木にも起こりうることなので、気を付けなければならない [仰る通りで、共通点がかなりあると思います]
・今回は、開発責任者による説明が不十分だったことから、さらに詳しい説明をすべきだと学んだ。 [この件に関しては、「後出しジャンケン」ですけどね]
・事故が起こらないように判断することは[、]立場によっても意見は変わってくると分かった。 [相手の立場を理解できないと、相手も動けないんですね]
・事故は悲しい [現実に起こった事件です]
・自分がその立場であったならば、同様に行動したと思う。見方が違うことでより良い選択肢を作れることが分かった。 [まったくその通り]
・自分が会社に勤めた場合流されないような意思と対抗できる根拠を持てるように努力すべきである [そうですね]
・自分の立場によって簡単に意見は変わってしまうものだと感じた。 [その通り。立場によって見え方がずいぶん違ったんじゃないかと思います]
・実際の動画をみて現実を知った
・将来、技術者として直面するかもしれない事例を知ることができて非常にためになった。
・将来、技術者になった時に必要となる上下関係の構図などが自分の身を守るためには重要であると改めて実感した。 [以上、この科目を学ぶことの意味をわかっていただけたんじゃないかと思います]
・少し眠たかった。 [朝早かったですからね]
・上からの圧力という社会にでたらこのようなことがあるのかと思うと嫌だなと思った。
・上からの圧力にとらわれず、自身の意思を強く持ちたいと思った。 [以上、この状況に適切に対応するためにはやはり、社会の仕組みや相手の立場を理解することが重要なんですね]
・上にたつもの[立つ者]程、下に対してベストな方法を考えて挙げることが重要だなと思います。 [まったくその通り。でもそれができる人はごく僅かです]
・責任を下へ下へ流していくのは社会の仕組みになっているのだと思った。 [そうなりがちなので、自分の身を守るためにも、さらには社会を良くするためにも、どう行動するかをちゃんと考える必要があるんですね]
・多方面から物事を判断することが重要になってくることがわかった [まったくその通り。補足は不要ですね]
・追い詰められた状況下で適切な判断はほぼ不可能である。 [こちらも別な意味で、その通り。大切なのは「どうしたらそうならないか」なんですね]
・悲惨な動画だった [その通りで、あの映像を見て気分が良くなる人はほとんどいないと思います]
・命に関わるプロジェクトは最悪の事態を想定する必要があると感じた。
・命を預かる立場なら、決定は軽々しくしてはならないのだと分かった。
・利益を優先するのではなく、人命を優先すべきであると考えた。 [以上、まったくその通りですね]
・利害の一致というものは、難しいと感じた。 [立場が違うと、見え方がまったく変わりますからね]
・知らなかったことを多く知れてとても面白い。 [ありがとうございます]
西村が担当する授業の様子は、<nishimura-sensei.net>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。