2020年10月13日更新
3FM2クラス
第3回:2020年10月13日 学習内容/授業の運営方法/学習課題(予習、復習)/課題の解答/今日の一言
※現実に起きた事例をベースに倫理的考察や意思決定に必要な概念や用語などの解説を行う
・PCを用いた講義
・関連する視聴覚教材の視聴
・演習
など
・予習:教科書の精読(120分)
・復習:課題2(Agora上で事例分析)(60分)
課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)
Q.スペースシャトル「チャレンジャー号」事故に関するビデオを視聴した感想を...
A.(回答後にご説明しましたので、原則としてコメントは控えます)
・2重のOリングのうちの1つが機能しなかった時点で、技術者としては大きな問題ととらえる場合が多く、自分もその立場であるが、経営者の立場にある場合はその限りではないということに驚いた。
・NASAは下請け会社を追い詰めるようなことはしない方がよかった[良かった]と思う。
・ありえない寒波のイレギュラーな事態やo-リングの性能を信頼しすぎたことにより2重構造にしていても設計ミスがあった。ロケットを打ち上げるための点検や準備が不十分だったのではないかと感じた。
・いろいろなことが重なったからこのような事故が起きたのかなと感じた。
・いろいろな立場の人がいるからそれを考えると打ち上げを決めるのはとても難しいことなんだなと思った。今は事故が起きたと知っているからなぜ止めなかったのかと思うけれど、もしその場にいたら止めた方が良いと考えられたかなと思った。
・この件に限ったことではないかもしれないが、人の命を預かる仕事の責任は計り知れないと改めて感じられた。だからこそどんな状況であれ、慎重に考えるべきなのだと思った。
・コンディションが悪く、危険だと感じたときは中止すべきだと強く感じた。
・しっかりと何が起こりうるかを予想し、それらの出来事についてリスクなどを考えるべきであると思う
・ステークホルダーを考慮したときに、どこまで技術的な問題にこだわるのか線引が難しいと感じた。
・スペースシャトルの事故はとても怖いと思った。
・なに[何]かの判断を下すときは、自分の立場に囚われてしまうと正しい判断ができなくなってしまうということがこのビデオから読み取れた。 [非常に重要な点ですね]
・やはり人間は追い込まれると[、]まともな判断ができなくなってしまうのだなと感じた。 [こちらも]
・依頼した組織からの圧力で引っ込みがつかなくなった場合、もし自分が打ち上げを判断する立場になっていたら同じように打ち上げの判断をしたかもしれない。
・下の人の意見に耳を傾けていれば起こらなかったはずの事故であったし、しっかりと根拠も述べていたのにもかかわらず、根拠がないからという理由で無視したのはどうかと思う。リスクを負ってでも打ち上げたいのであれば自分たちが乗って打ち上げればいいのではとも思った。
・下の立場である技術者が打ち上げに反対しても、上の最終的な決定を覆すことができないのが辛いと感じた。
・何回見てもとても悲しい事故だなと思いました。今日のビデオを見て、宇宙飛行士たちがあんなに笑顔に話しているのを見ると胸が苦しくなりました。エンジニア(技術者)の立場は確かにクライアントより下なのかもしれないが、エンジニアの意見もとても重要なんだなと実感しました。
・会社の存続のためにもロケットを打ち上げなければならないという思いから思考を停止して打ち上げてしまい、人が死んでしまった。極限状態に陥ると盲目的になることがわかった。 [そうなんですね]
・確かに上からの圧力が強くなり、その結果会社が立ち行かなくなってしまう場合でも、人の命以上に大切なものはなく責任をとる[取る]ことなんてできない。そんため、どんなことがあってもそこに高い確率で人命が失うのが分かっていたなら打ち上げるべきではなかった。
・企業の代表として社員を守らないといけないという気持ちはわかるが、専門家の意見を蔑ろにして危険がある実験をするのはやりすぎだと思う。下請け会社の[副?]社長の最後[に]折れてしまったことも社員を守るためだという気持ちがあったためだと思う。しかし人を守るために人を危険に晒すのは違うと思う。
・危険だとわかっていても立場が上の人間に反対されると意見を変えてしまうことが恐ろしいと思った。
・起こっている問題そのものに対しての判断は正確に出来ていたのにそこに利権などが付随した瞬間こうも鈍くなるものなのかと思った。
・起こりうる全ての危険な可能性を考えなければならないがそれを上回る上司からの圧や様々な要素から打ち上げるしかないという状況に至っていたため人間の命を考えていればこんなことにはならないと私は感じた
・技術系の人が最終的に決定した4人の中にもっといれば解決できたのかもしれないと感じた。 [なるほど]
・技術者として事故を起こさないように設計することを心がけないといけないと感じた。
・技術者と経営陣では打ち上げを実行するかどうかの基準が違うということが分かった [そうなんですね。次回の議論でも同じことが起きます]
・技術的な側面から見ると決してやるべきことではないはずなのに社会的側面や集団心理、その判断する人たちの立場などを考えると最終的にはやるべきではないこともやってしまうという恐ろしさがあるなと思った
・恐ろしい事故だなと感じた。副社長は危険なことを十分にわかっていたはずなのに、NASAやアメリカ国家からの圧力により発射の許可を出してしまうほど追い込まれていたのだなと思った。
・経営者は技術者の意見や警告を無視してはいけないと思われる。
・国の威信がかかっている状況だったのでスケジュール調整も難しく、無理に打ち上げようとした気持ちも理解できた。ただ、安全管理と責任問題が一緒になると途端に難しい状況になると感じた。
・今までグループワークなどはいろいろな意見が出るため、いいことだらけだと思っていたが、集団心理などが働くこともあり、危険も備わっているんだと思った。 [なるほど。そういうことも実際にあるんですね]
・今までの歴史で事故が起こらなかっただけでぎりぎりの挑戦をしているパターンはあると思った。
・今回のビデオを視聴して、まずは技術者の話を聞聞かなたかった[正しくは「聞かなかった」]経営者が悪いと感じた。最終的には、技術者に向かって「技術者の帽子を脱いで経営者になれ」という脅しまで発言し、技術者が何も言えない状況に追い込んでいることがわかる。このビデオから、どんな状況であっても天秤にかけるようにどちらが重要かを明確に考えなければならない。もし、打ち上げに関わっていた人がみなこの考え方をしていれば、中止できたことである。
・今回はスペースシャトル打ち上げ後に爆発事故が起きたという内容であった。NASAの判断の甘さや、それに従うしか選択肢がないサイオコール社に同情を感じた。
・今部活内で起こっている問題と全く同じであったため共感した。 [おぉ...]
・仕事における上下関係や組織運営の難しさを感じました。冷静に考えれば分かることが正常な判断が出来なくなることでミスをするのは本当に怖いですね…
・思考停止して追いつめられることの恐ろしさを感じた。
・事前に事故が起きる可能性があるとわかっていながらも強行して打ち上げた人間の心理には驚かされました。
・事前のアンケートや危険性などを色々考えた結果の実施であったため、結局のところどちらを選択していても全員が満足しない結果になっていただろう。
・自分が副社長の立場であったときに、同じ選択はしないと言い切ることは出来ないと感じた。
・自分たちの利益を求めちょっとでも不利益になることをまるでなかったかのようにするために圧力をかけているのはずるいと思った。結果事故が起きてからは技術スタッフの方が一方的に責められている。どうすれば良かったのか当時の最高責任者の人はどう考えていたのか知りたいと思った。
・自分の意見があったのに、権威のある人に言いくるめられて意見を変えてしまう集団心理の恐ろしさを再確認した。
・社会的地位が上がると同時に、社会的責任の他にも正しい思考ができる力が必要になってくるということを痛感した [まったくその通り]
・周りの圧力によって意見がどうにもつぶされることが起きてこのようなことも起きてしまったと思った。
・集団意識は怖いと思った。
・集団心理の一つにコンコルド効果は知っていたが、人命までしなうような事故になるのは本当に恐ろしいと感じた。
・重要なことは何を見て判断するかで、地位が高い人ほど慎重に考える必要がある。
・少しでも不安な要素があったのであれば中止すべきだったと思う
・少しの事で大事故になることがとても怖いと思った。
・上から圧力をかけられると現場の技術者の意見が通しづらくなることがあるのだと再認識できた。
・上の人に圧を掛けられても可能性があったならば意見を変えない志が大切だと感じた。
・上の立場の人の責任の大きさがよくわかった
・常識であることを疑う意識が大事であるとわかった
・責任は安全よりも強い判断材料になってしまうのだなと感じた。
・前年の事故で分かっていたことがたくさんあるにもかかわらず、無理やりともいえる行動をとったのが失敗の原因である。自分たちの技術を過信しすぎるのもよくない。失敗したのは個人のミスなどではなく、打ち上げた組織全体のミスである
・善人悪人は存在する [基準をどこに置くかでしょうね]
・組織で動くゆえの欠点が浮き彫りになったように感じた
・打ち上げが失敗する不安要素があるにも関わらず、NASAは経営的な面だけを追求してしまったために起こった事故だと考える。仕事の際には、利益だけを追求してはいけないと分かった。
・打ち上げ実験の際よりも悪条件で危険な状態であることは簡単にわかる状態であるのに契約や上からの命令といった打ち上げ自体の成功を決める要素ではないのことを理由に打ち上げたことが、何が本質的に危険なのか現場以外はわかっていないと思った。
・大きな組織で行うイベントでは多くの人の考えが入り乱れ正常な判断が出来なくなるということがになるがよくわかった。
・誰からのであろうと、警告には耳を傾けなければならないことが分かった。
・知識がないことが恐ろしいことであると思った。 [非常に重要な指摘です]
・直接関係のない立場から見ると、打ち上げに賛成したことや打ち上げを中止にしなかったことはおかしいと思った。
・墜落した原因は技術面として不足している面もあるが、やはり、責任者たちの圧力の掛け合いにより、視野が狭まってしまったことが大きな原因であるのだとわかった。
・同調圧や昇格など自分でも無理だと思っていることが容易に覆ることがある集団心理は怖いと思う。わかっていても避けることが難しいのが余計に危ない。
・板挟み状態でかなり大変だと感じた。
・百万石レースと本当に似ていて一週間延期していて複雑な状況だと感じた。たった一つに部品課作用しない[「たった一つの部品が作動」の意]だけで多くの命やお金が無くなることを実感した。
・立場が上である人の方が責任を持って行動しなければならない。
・功を焦ったアメリカ政府と財政難を打開したいNASA,NASAとの契約を維持したいモートンサイオコール社のそれぞれの思惑が悪いように積み重なっていき、今回の事件を起こした。人は焦るとこんなにも視界が狭くなっていくのかとわかり、気を付けたいと思った。 [まったくその通り]
今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載
・いっぱいの人が関係すると大変だなと思った [確かにその通りかもしれませんが、全体の構造は見失わないようにしましょう]
・スペースシャトル・チャレンジャー爆発事故についての解説を受けた
・スペースシャトル自体が完全に安全とはいいきれないものなので、そこの安全なのかどうかの判断は難しいだろうと感じた。
・チャレンジャー号の課題から人の判断の誤りによっておこることの恐ろしさを知った
・チャレンジャー号の事故についての知識が深まった。
・チャレンジャー号の墜落事件は本当に避けれるべき事故だったんだなと思いました。
・チャレンジャー号の話はこの間テレビでやっていたのを見たのでなんとなく知っていた。なんで見てたんだろうなあ
・チャレンジャー号事件は焦った人たちの誤った判断によって起こったことなので自分も追い込まれた時に変な行動を取らないように気を付けたいです。
・とてもためになりました。 [以上、背景を考えるとより理解しやすくなったのではないでしょうか]
・どんなことがあっても人命が第一に優先されるべきだと考えさせられた。 [もちろんその通り。ただしそれだけだと...をこれから考えましょう]
・圧力がかけられている状況で冷静な判断をすることが大切だということは分かっているが、その難しさについても実例を通して理解した。
・圧力に負けて判断を間違えないようにしたい。 [以上、まずそのような状況に陥らないためには、そして万一...をこれから一緒に考えます]
・安全第一 [もちろんその通り]
・可能な限り起こりうるリスクを把握しておくことで責任問題が起きた際に自分たちが一方的に責められることはなくなるともった。 [その通り。リスクの件は、後日取り上げます]
・技術者として少し仕事をするようになってから改めて受けているので、もう一度事例について真剣に考えていきたい。 [かなりリアルに感じていただけたようですね]
・技術者は責任が重く、少しの判断の間違いで取り返しのつかないことになることを学んだ。 [その通り。そして繰り返しになりますが、やり甲斐のある仕事です]
・元請け会社が下請け会社のことを追い詰めてはいけないと思った。 [その通り。ただしそうなりやすいこともまた、事実です]
・考えさせられ[、]お話ありがとうございました。 [いえいえ、どういたしまして]
・行動だけを見て善人か悪人かは判断できないという意見に納得した [要するに普通の人間がどうするか、ということなんですね]
・今回、百万石F1のモデルとなった実際の話を聞いて、最終的な判断を決めることがどれほど責任重大かがわかるビデオだった。もし、自分が判断する立場である時、明確な判断ができるか分からない。 [その点はまったくその通りです。こちらも偉そうなことは言いません]
・今日の授業は話を聞いているだけで悲しくなった。今後このようなことは絶対に起こらないようにしなければならないと感じた。 [現実の映像は「重い」ですよね]
・今日はビデオ講義でいろんな考え方を学ぶことができた。責任者の立場で考えることが大切であると感じた。 [まったくその通り]
・今日は晴れ [その通りなのですが、朝、自転車で出勤しようと思ったら急に雨に。また午後も一時的に雨となりました。残念]
・事件が起きてからNASAの評判がどうなったのか気になる [ぜひ調べてみていただければと思います]
・事象に対してその人に対して障害なるか否かで善人悪人が決まると考えられる。 [「障害なる」とは?]
・次回の授業に向けて配布されたpdfを見返したりしておく [ぜひ]
・自分の学生生活やアルバイトなどは逸脱の標準化をしていないかを確認するいい機会となった。 [偉いですねぇ。この件に関して、センセイ自身は決して偉そうなことを言えません]
・社会って大変だなと感じた。 [大変です(キッパリ)。でもいつまでも子供でいるわけにはいかないのです]
・社長は、会社のことを考えなければならないし、極限の状態で異常な判断をしてしまうことになってしまい難しい問題だと感じた。 [そうなんですよね]
・集団によるミスの怖さや同調圧の怖さを思い知った
・集団心理が働くと、自分はすぐに乗っかると思った。
・集団心理に飲まれず自分の意見を持つことが大事 [以上、集団心理の怖さですよね。しかし同時に、身の回りにいくらでも存在します]
・衝撃のビデオでした。
・衝撃の映像だった。 [以上、現実の映像には、有無を言わせない力があったと思います]
・上の立場の人の責任の重さを感じました。
・上の立場の人は大変だと思った [以上、大変です。でも誰かがその役目を果たす必要があります]
・色々な立場からの圧力が混ざるとビデオのようになるのだと感じた [ホントにがんじがらめ、という感じでしたよね]
・人の善悪を追求する前に自分を高めることを意識したいと感じた [冒頭は、「他人の...」という意味でしょうね。非常に重要な指摘です]
・人は悪いことをしようと思ってする人はあまりいないはずなのに行動した結果[、]悪いほう[方]へと結末が変わった時その人を悪者に仕立て上げてしまうところが怖いと感じた。 [そうなんです]
・人は追い込まれると正常な判断ができなくなるのだということを再認識した。そのような状況を作り出さないことがとても重要である。 [まったくその通り]
・人間が人間らしくて面白かった。 [まさに「等身大」ですよね]
・人間関係や環境(寒波など)によって人間は左右されることがあり、人間の善悪がはっきりと見えてくる。 [そうかもしれませんが、個人的には「能力の有無」だと思います]
・人命がかかっているときは特に物事を真剣に判断しなければいけないと思った [その通り。そして仕事は程度の差こそあれ、そして直接、間接の差こそあれ、人の命と繋がっているんですね]
・世の中には、色々な善人や悪人がいることが分かった。 [なるほど]
・責任者はとても大変だと感じた。判断力のない人は責任者になるべきではない。 [まったく仰る通りなのですが、実は能力のない人ほどトップになりたがるものです。ホントに]
・責任者は大変 [大変ですが、誰かがやらなくてはなりません]
・善と悪を見極めることは良いなことではなく、結局はその人の行動によって判断されるものであり、それをどう考えていけばいいかを考える機会に今日はなったと思います。
・善悪はその人の行動によって判断されているだけだと思い、確実な善悪はないと考えた。 [以上、ありがとうございます]
・全員の判断を合わせるのは難しいと考えるが、もう少し合致したうえで行うべきだと考えた。 [その通りで、お気づきかと思いますが、関係者のコミュニケーションが取れていないんですよね。この点は次の事例でも考えます]
・組織という集合体の弱点がわかった [言い換えると、脆(もろ)さですよね]
・足の引っ張り合いから始まり責任転嫁合戦で終わるのは実際の現場以外のことを行動の理由にしているからだと思った。 [「自己の保身のみを考えている」ということでしょうか]
・大人になっても嫌な人はいるのだと知れてよかった。 [そんなものですよ。世の中は]
・第3回の講義を視聴し、内容を理解できた。 [はい]
・誰もが納得のいく完璧な判断を下すのって難しいことだなと感じた。 [もちろん完璧な答はありません。でもたいてい、より良い答は存在します。それをこれからの講義で考えましょう]
・単純な善悪で現実の問題は語れないものだと知れた。 [現実はもっと複雑だし、ヘビーなんですよね]
・特になし。 [はい]
・部活動等の上層部でも事故まではいかなくとも判断ミスを起こす可能性もありますね…明日は我が身だと感じました。 [身近に思い当たる件があるようですね]
・物事の規模が大きいからと言って、安定性が十分に確保されているとは限らないということを常に意識する必要があると感じた。 [その通り。むしろトラブルが発生すると深刻になることが多いです]
・面白かった。 [ありがとうございます]
・様々な立場になって考えることが大事なんだなと思った。
・様々な立場によって考えることは変わってくることがわかった [以上、視点や立場を変えると、意外な解決策が見えてくることがあります。後日説明します]
西村が担当する授業の様子は、<nishimura-sensei.net>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。