2020年12月16日更新
3FY1クラス
第12回:2020年12月16日 学習内容/授業の運営方法/学習課題(予習、復習)/課題の解答/今日の一言
※高度技術社会における技術者の新しい役割
・PCを用いた講義・演習
・関連する視聴覚教材の聴講など
・提出:課題6(電子的提出)
・復習:教科書の精読(60分)
・次回に向けた予習:課題7(科学技術の専門家として求められる価値観)
課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)
Q.技術者と地域住民とでは、問題に対する見方が変わりましたか?
A.(講義内でご説明したので、原則としてコメントは控えます)
1.変わった 13名(29.5%)
2.変わらない 31名(70.5%)
1.変わった
・1の質問では日本の立場で考えたら、賛成だったが、2の質問での自分の立場になると、危険性を考えてしまい、反対になった。
・ある程度意見が傾くような操作がされているようなスライドだったので乗ってしまった。
・安全性が保障されないと意見は異なることが分かった
・技術者としては原発が電力に必要だと思うが、住民からすれば自分の地域で消費されないものを危険を被ってまで近くに置いておきたくないと思った。
・技術者は会社のため、利益のために建てようとするが、消費者の立場になった時に自らの安全を重視する。視点を変化させることで、意見がかわった[変わった]。
・技術者は技術の発展に力を注ぐため、自分たちの利益しか見ていない。
・原子力は、冷却棒を下ろす[正しくは「降ろす」]ことによって、原理的に止める事が可能で、福島の事故の時は、設計段階で致命的問題があったから、その点に気を付ければ問題ないと考えていたが、地域住民として考えたとき[時]に不安になった。 [残念ながら、この点は誤解です。制御棒を降ろすと連鎖反応は収まりますが、燃料棒の発熱を止めることはできません。放射性物質の崩壊熱が出続けるので、その後もずっと冷却を続ける必要があります。福島第一原子力発電所はこの過程で外部電源の供給が止まり、自家発電機も使えなくなったため発熱が続き、爆発に至りました]
・視点の違いで価値基準が変わる
・自分の近くになると怖くなる。
・住民の目線で考えると意見が変化した。
・地域住民として考えたら来てほしくないと思った
・地域住民になると身近にとらえられ反対になった
・当事者かそうでないかで態度が変わるという研究は少なくない。 [その通りです。さすがは心理科学科ですね]2.変わらない
・いろいろな話を聴いたが元から反対であったため、あまり自分の中では変化がなかった
・とにかく反対派だったので変わらなかった。
・どの立場に立つかが重要であると考える。あらゆる立場に立ち、利点などを確認する。
・もしものことは考えないようにするほう[方]が良く利益が生じるため、このような考えになった。
・もし自分に子供ができたら地域住民としての意見はより強くなり、変化する可能性があるなと思った。
・やはり、原発の設置はあまり賛成できない
・やはりメリットの方が大きいから。
・リスクヘッジ
・安全が保証されてないから
・安全を重視しているから
・何かを建設するということは当然メリット・デメリットが存在することから、リスクはある程度承知する必要があるため。
・技術は移り変わるものだから
・技術者としても地域住民としても反対だった
・技術者として安全を考えていたため変わらなかった
・原子力発電に賛成しないという意見は変わらなかった。
・原子力発電は怖い。
・原爆に対する悪いイメージが強いから。働き場所は他で作れそう。
・原発の地域住民になるにはリスクを感じる
・現状維持が一番良いと思う。
・再生可能エネルギーの活用を試みる。
・事故後のリスクが高すぎると最初から判断していたため、意見が変化しなかった。
・自分の実家の近くに原子力発電所があるため、意見はあまり変わんらなかった。
・自分の住んでいる地域に作る理由が分からないから。
・失血死しないなら賛成する必要がないと思って特に変化しなかった
・社会はきたない[汚い]ことを改めて感じた。
・消極的な考えかもしれないがやはりリスクは避けたいと考える。
・長期的にみてよくない事ならはじめから決断しないほうが良いと思ったから。
・東北で放射線の問題が出たので反対。
・被爆[この場合、正しくは「被曝」]の可能性があることが頭から離れなかった。
・利益は大きくても危険があることは間違いないので使ってほしくない
今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載
・「実験が失敗した」という知見も重要な資料になりうるので、不正はやめてほしいところである。 [まったくその通り。義務論的に考えても、功利主義的に考えても良いことではないんですね]
・1つのことで今まで[の?](芋ずる式)の不正が分かるのだなと思った。 [確かに]
・STAP細胞が本当にあれば革新的なのになと思った [もちろん。ただし世の中、そんなに甘くはない]
・スタップ細胞の話を聴いて懐かしくなった。 [6年前ですからねぇ...]
・ねつ[捏]造、改ざん[竄]は絶対にしてはいけないと分かった。 [前述(↑)しましたが、なぜいけないのか、不正行為をしたらどうなるのか、そしてどうしてそうなってしまうのかを考える必要があるんですね]
・[心理学に携わるものは]科学者に近い [という解釈でいいんですよね。それで間違いないのなら、仰る通りです]
・改ざん[竄]は良くない。 [前述(↑)したように、具体的な事情や背景を考える必要があります]
・寒くて大学まで来るのが大変だった。
・寒すぎて手と耳が痛かったです。 [気持ちはわかる。金沢の今日の最低気温は1.3℃(ちなみに一昨日は0.7℃)。急に寒くなったので、体感的にはもっと冷えていると感じます]
・虚偽の情報を事実としてかく[書く]ことは大きな論文でも多くあったのだと知った [残念ながら、これが現実です]
・教室が暖かいと眠くなる。 [気持ちは、わかる。1限がある日の前の晩は、できるだけ早く休みましょう]
・研究についての意識が改めて強まった [それは良かった]
・原子力発電所は増やすべきだと考える。
・原発の質問はあの僅かな時間の中で意見が変ってしまったので、やはりマスコミや報道番組の情報操作は怖いと思った。
・原発の問題が一番難しかった。また、この授業の必要性を知ることができた。 [以上、ありがとうございます。繰り返しになりますが、あの問いは原発賛成/反対そのものは問うていません]
・今は科学技術に依存しすぎていると実感した。 [便利なので、この流れはしばらく変わりません。この状況下で、自分はどう行動するのか、がポイントです]
・今日も面白い内容だった。日本大丈夫かなぁと思うばかり。 [ありがとうございます。ただし残念ながら...]
・最近背中と首が痛いです。 [どうしたのかな?]
・最後の対面であった。残り少なくなったが、引き続き課題をきちんと出せるよう頑張りたい。
・最後の対面でホッとした [以上、お互い、ちょっと名残惜しい感じがありますよね]
・実験をする際、どうしても仮説の通りになって欲しいと思うことが多々ある。今回の授業で実験で不正を行うのは許されない行為であり、不正という誘惑に囚われないため、全ての実験に対して誠実に行っていこうと思った。 [ありがとうございます。ぜひそうしてください]
・授業の内容を大まかだが知ることが出来た。 [話の大きな流れをご理解いただけたようですね]
・出席しました。 [はい]
・小保方さんの話…結果の原因が実は違っていたっていうのは研究においてよくあると思います。自分もあるものをバグ処理をしたときに間違った認識をしたことがあります。違った原因をなおしたら偶然バグが直ったのです。よくあることでそれがたまたまTVで話題になってしまった小保方さんの話は可哀想というか、何かを作ったことのない人が多いからいろいろ言われたのかなと思っています。 [気持ちはわかるのですが、小保方さんの場合は単なるミスの連鎖ではなく、残念ながら意図的に不正行為を行っています。またそれを許す、あるいは見逃してしまう研究所の体制にも問題がありました。この点については教科書pp.717〜173をお読みください]
・色々と社会は複雑だと感じた。 [その通り。その中でしっかり生きていくのがオトナです]
・心理科学科として何をするべきか改めて考えようと思った。 [ぜひぜひ]
・人間の愚かさや、倫理の重要性を理解出来た。昔、聞いた”科学という宗教”という、科学的に正しいと言ったら、調べもせずに信じてしまうという話を思い出した [大切なことですね]
・水は怖い [その通りで、本当に怖いです]
・世の中絶対に大丈夫な事象は存在しないことから、ある程度リスクを承知したうえで、行動や思考を起こす必要があると感じた。 [そしてそれをどう伝え、お客さんにどうわかってもらうかも、ね]
・政府や自治体には受容可能な危険性かの判断を間違えないようにしてほしい。 [その通りですね]
・雪が降ると大学に来るのが大変で遅刻しそうになります
・雪が増えてきた
・雪積もらないかな。積もってほしいなー。 [以上、対面授業は今週が最後のはずです。雪が降るとお互い大変ですが、残り期間をしっかり取り組みましょう]
・捉え方によって回答が変わるとわかった。 [でしょ?]
・東大が不正してたのが驚いた。金沢大学でも厄介なことがあったが、ちょっと学生の身分としては、不安である。 [残念ながらこれが現実です]
・日本は、論文の不正が増えていることが分かった。 [全世界的にも、です。それで日本の現実が許されるわけではありませんが]
・日本政府は科学立国という癖に、研究費は渋るんですよね。研究者がお金と結果を気にしないような環境をつくるべきですね。 [その通りですが、現実はその逆です。ノーベル賞は30年くらい前の、比較的研究環境に恵まれていた時代の成果です。残念ながら今後は、激減するだろうと予測されています]
・不正は、ばれるというのは感じることが多いので行いたくない。
・不正をしないように気をつけようと思った [以上、ぜひ]
・立場によって、危機感が変わったり、表現によって、考え方が変わるのがわかった。
・立場によって倫理感情が変化することが分かった。様々な立場であるなかで倫理的思考を一定させるのは難しいと思った。 [以上、まったくその通り。そしてそれを取り扱う分野の一つが心理学です]
・論文の不正な改ざんについては、卒論をこれから考えていく身としては、心が痛かった [その痛みをずっと覚えていましょう。それが今後、万一の際の防波堤になります]
・論文の捏造は当時もニュースを見ていたので印象深かった [計算したら、皆さんが中学を卒業する時の話なんですねぇ]
西村が担当する授業の様子は、<nishimura-sensei.net>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。