2021年4月27日更新
3ER1クラス
第3回:2021年4月27日 学習内容/授業の運営方法/学習課題(予習、復習)/課題の解答/今日の一言
※現実に起きた事例をベースに倫理的考察や意思決定に必要な概念や用語などの解説を行う
・PCを用いた講義
・関連する視聴覚教材の視聴
・演習
など
・予習:教科書の精読(120分)
・復習:課題2(Agora上で事例分析)(60分)
課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)
Q.スペースシャトル「チャレンジャー号」事故に関するビデオを視聴した感想を...
A.(回答後にご説明しましたので、原則としてコメントは控えます)
・いろいろな人が考えていたけれども最後は圧力に負けてしまったのだと思いました。今後こう言う場面があってもしっかり流されないようにしたいです。
・お互いの立場や置かれている状況によって見ているものが違うなと感じました。
・さまざまな要因が複雑に絡み合っていて、この事故は避けようがなかったのではと思う
・チャレンジャー号について知れば知るほど悲しくて、嫌な気持ちになった。流されてしまうことの怖さを知った。
・とても気持ちのいい事件ではないと感じた。企業が人の安全を一番に考えなければならないということを感じさせられる。
・ボジョレー氏は失敗することが分かっていたのに止められないというのは非常に残念。
・やはりエンジニアという職業は経営者になってはならない、利益より安全を追求するべきだと思った。
・ロケットの危険性を感じた
・圧力がどの組織にも働いているために、芯を貫くことができる者が少なかったことが見て取れました。
・圧力をかけられた結果、自分の考えを曲げざるを得ない時が存在することが分かった。どんな時でもならぬことをならぬといえる人は偉大である。
・会社の利益のために打ち上げられて、亡くなった人がかわいそうだと思った
・会社の利益をとるか、安全をとるか難しい問題である [この点については次回の講義で説明します]
・企業の利益を優先してしまった結果であることがわかった。しっかり安全性は確保しなくてはならない。
・危険だとわかっていても圧力がかかって承認せざる負えないというのはよくない風潮だと感じた。
・危険を知らせる書類が出た時点で一度立ち止まって考えるべきだった。
・危険性が高い打ち上げを行うのはやはり少々気が引けるものだと感じた。
・規模は違えど前回授業で話し合った内容とほぼ一致していた。焦りに押されてレースを開催したら動画のような大事故になっていたと思うとぞっとする。 [前回の議論が有意義だったということですね]
・技術に政治を持ち込むとロクなことにならないんだなと思いました。板挟みになって苦しんでいた副社長も糾弾されて可哀想です
・技術者として想像できるリスクについて説明したにもかかわらず、このような事態が起きてしまったことを残念に思います。立場が上になればなるほどに、危険性について無視して経営を考えてしまう。たとえ立場が上になったとしても技術者としての意識を忘れずにすべきことをするようにしていきたいと思います。
・技術者の意見もちゃんと聞き入れて判断するべきだったと思うが、会社のことなどを考えたら正しい判断ができなくなりそうだと思った。
・技術的に失敗する恐れがある状況であったが、経営方針を優先してしまったことが事故が起きたから技術的立場で考える必要があると感じた
・急いては事を仕損じる
・現場では反対の声をあげていても、それをよく知らない人たちが賛成してしまうことによって、大きな事故に繋がってしまうことがよくわかった。
・個人の意見が組織の意見に流されてい待った結果、起きてしまった事件であり、組織が持つ危険性を十分に理解することができた。 [重要な指摘です]
・最後まで反対できなかったのは組織の圧力に耐えられなかったためだと思う。
・細心すぎるくらいに注意を払って取り組まなくてはならないのだと感じた
・自分のことしか考えていない人が多いような気がした。
・自分の立場、多くの人からの期待、何を優先すべきか難しいと思った。
・失敗しないとわからないのが怖いと感じた。
・周りが打ち上げるような雰囲気になっていて選択する側は辛そうに感じた
・少しのミスが大事故につながることが分かった。
・上の人から圧力がかけられても疑問を持ったまま考えを変えることは大きな事故つながる。
・上の命令によって圧[力]をかけられ賛成するようにしむいていたのは今あの[「今の」?]日本にも当てはまるなと感じた。
・上下関係は難しいなと感じた。
・信頼を失うことは事故と同等の被害があるようで驚いた。
・政治関連の圧力があったことは知らなかった。延期はもっと簡単に決断できるものだと思っていたが現場は思っていたよりかなり大きなストレスに間バサミ[「板挟み」?]されていたことを知った。
・正直に責任者にはなりたいと思えなかった
・責任者の人が大変だと感じた。
・組織の体質や意思決定によって反対することができなくなり追い詰めていって事故の確率が高くなると感じた。
・組織の中で自分の意見を通すのが面倒なことに感じた。
・妥当ではあったが、インタビュアーの語気が強く、問題の重大さがよく表れていると感じた。
・打ち上げ中止を進められているのにもかかわらず、打ち上げを決行させ、被害が出たことに悲しさを感じた
・耐久試験などを繰り返しすることで、事前に製品を安全に使用できるような詳細情報を提示しておき、それに応じて対応することが何よりも重要であると考えた。
・大きいプロジェクトになるほど責任や影響が大きくなっていくことが改めて確認できた。
・誰もが責任を負いたくないく、危険であることもわかってはいたが、利益や、資金の問題などで雁字搦めになってしまいこのような事故が起きたのだと感じました。
・追い詰められている状態が最も危険だと感じた.
・非常に難しい問題であり、自分だったらどのような判断を下すかを考えていた。
・万が一の事態に備えた、Oリングの二重構造もであったゆえに、NASAの過信を引き起こしてしまったのだと考える。いくら成功例があっても、常に危険性について考慮しなければならないと感じた。
今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載
・コメントで参加型授業が面白いと感じた。 [でしょ?]
・それぞれの立場によって考えることが違うので何事にもその人の立場になって考えようと思いました。 [できるだけ相手の立場で考えるということ、言い換えると相手の話をちゃんと聴くって、実はとても難しいんですよ]
・チャレンジャー号に乗っていた乗組員がかわいそうだと感じた [その通り]
・トップは現場をもっと知るということが大事だと感じた。 [そのためには組織内のコミュニケーションも重要なんですね。今後取り上げる事例ではぜひ、その点に注意してください]
・わかりやすくて面白かった [歴史を考えると、意外とわかりやすかったでしょ?]
・逸脱の標準化というのを聞いて、現場猫を思い出しました。前の人が大丈夫って言ってたからヨシ!東海村JCOとかも似たような感じですよね [「現場猫」、初めて知りました。なるほど、確かに]
・何かを行うには必ず責任が生じるから、その責任は果たさなければならないと思った。 [その通り。ただし他とのバランスが大切です。これからの講義の中で考えます]
・課題1にはどのような意味があったのでしょうか. [出題時に説明したはずですが、課題1と課題9は対になっています。この科目の履修を通じて、皆さんがどれだけ倫理的能力を伸ばしたか/伸ばさなかったかを調べるためのものです。手抜きなどを除き、普通に解答してあれば問題ない点数を上げます。後日、我々の方で能力の伸長度をチェックします]
・技術家としての安全に対する意識を忘れないようにしようと思った
・金銭も大切だが、安全が第一だと感じた。
・自分にもこういったことが起こる可能性がないとは言い切れないので、教訓にしたいと思う [以上、まったくその通り]
・所詮人の命もお金で買えてしまうんだろうなと思った。 [残念ながら、そういう面があります。F1の場合だと「事故を起こして人身被害が発生しても、保険を掛けてあるので...」となりかねません]
・少しのミスが大事故につながることが分かったので、これから大事故につながる作業は気を付けていきたい。 [まったくその通りですね]
・上が適当なこと言っていても押しのけられるプレゼンテーション力を身につけていきたい。 [プレゼンの話、身につまされたのではないでしょうか]
・上の人から圧力がかかれば周りの状況が把握できなくなってしまい大きな事故につながる。そのため常に視野を広くすることが大切だ。 [まったくその通り。ツボをご理解いただけたようですね]
・人はお金が絡むとそれに引っ張られる。 [確かにそういう面があります]
・世界の歴史を改めて学習できたので良かった
・昔を振り返ることも多く、理解が乏しいところも補完していただき助かりました [以上、意外とわかりやすかったでしょ?]
・責任者の重要性が理解できた [責任者はやり甲斐があると同時に、正直なところ大変です(実話)]
・責任逃れとかしないで、腹を割って話していたらこのような事態は避けられていたのかもしれない、と思った。 [前述(↑)しましたが、社内およびNASAとの間でコミュニケーションが取れていないんですよね]
・全員のことを考えると、この人が悪いと言えなくなってしまうようなただただ気分が重くなる事件だと思った。自分が当事者だとした場合、どうするのだろうか。とても難しい。 [まったくその通り。だからこそ、どうすればより良かったのかをこれからの講義で考えましょう]
・多くの話を聞けてじぶんのためになってよかったと思う [なるほど。嬉しいです]
・多人数と話し合いや会議をするとき「自分の意見が間違っているかも」、「ほかの人がああ言っているからそうなのかも」と意見を言えないことがあったりほかの人の意見に押されてしまうことがあるので今回見たチャレンジャーの事件はすごく悲しい気分になった。 [そうなんですよね。お互い、偉そうなことは言えませんよね]
・対面がなくならないことを願います [もちろん!!]
・誰がどのようなことを考えているかということがとても重要であると感じた。 [その通り]
・追いつめられるときちんとした判断ができなくなってしまうので、追いつめられる前に物事を決めることができるようにしたい。 [非常に重要な点です。追いつめられるともう、正常な判断は難しいんですね。被害低減がせいぜいです]
・動画をみてインタビューの圧力を強く感じた [確かに]
・反対している人がいても周りの圧力に耐えきれずに賛成してしまうことはよくあると思うので、それによって大事故に繋がっていることが怖いと感じた。 [その通り。だからどうすれば...をこれからの講義で考えましょう]
・板挟みって大変ですよね [非常に重要な点です。つまりこのような状況に陥った時点で、実はもう勝負はほぼついているんですね。じゃぁ、どうすれば...をこれから考えます]
・本人だけでなく本人家族なども考えなければいけないというのが分かった [広くは公衆の安全、健康、福利ですね]
・利益と倫理を天秤にかけたときに正常な判断をすることの重要さが分かった。 [そうなんです。だからこそこの科目があるんです]
・利益は時に大きな問題を巻き起こす恐れがあるのが恐ろしかった。 [判断を大きく誤らせることがあるんですね]
・歴史の授業を受けているみたいで楽しかった
・歴史的な知識の低下に焦りました。 [以上、歴史的に考えると、意外とわかりやすかったでしょ? ちなみにセンセイの本職は歴史学と教育学です。前者については、西洋中世の天文学史が専門ですが]
西村が担当する授業の様子は、<nishimura-sensei.net>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。