2021年5月6日更新
3EP3クラス
第3回:2021年5月6日 学習内容/授業の運営方法/学習課題(予習、復習)/課題の解答/今日の一言
※現実に起きた事例をベースに倫理的考察や意思決定に必要な概念や用語などの解説を行う
・PCを用いた講義
・関連する視聴覚教材の視聴
・演習
など
・予習:教科書の精読(120分)
・復習:課題2(Agora上で事例分析)(60分)
課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)
Q.スペースシャトル「チャレンジャー号」事故に関するビデオを視聴した感想を...
A.(回答後にご説明しましたので、原則としてコメントは控えます)
・どちらの会社も追い込まれながら、今回のプロジェクトに取り組んでいたことが映像を通して改めて分かった。
・どのような場合でも人は冷静さと慎重さを持ち合わせなければならないと感じた。
・ハリネズミのジレンマのようなものを感じた。 [別な表現で「ハリネズミのジレンマ」“Hedgehog's Dilenmma”ですね。良くご存じでしたね。次回解説します]
・ビデオのように圧力をかけられてしまったらどうにも断ることはできないかもしれないと思った。NASA側は圧力をかけておけば自分たちの責任は少なくなるので圧力かけ得だったのかなと思う。
・ビデオを視聴してみて改めて恐ろしい事件だと感じた。打ち上げないといけないという圧力に逆らうのは難しいのだと感じた。
・ロケットを打ち上げるかどうかの会議で安全性ではなく、経営面で意思決定されてしまったのがとても悲しいと感じた。
・圧力がかかった状況ではどんな人でも間違った判断をしてしまうと感じた。 [正直なところ、追いつめられるともう正常、適切な判断はできないんですね]
・何らかの「見えない圧力」があると感じた。
・過去に接し12℃で壊れかけた事実があることをもっと強く伝えるべきだと思った
・会社の現状や人の立場によって考えに影響を及ぼすことが分かった。
・関係者各々の立場や責任を考えると、自分が実際にその立場になった場合に正しい判断ができるのだろうかと感じた。関係者を一方的に避難[正しくは「非難」]することはできないのではないだろうか。
・企業の体制によって安全性の差は大きく変化すると感じた。 [その通りです。組織によって体質は大きく異なります]
・企業間の契約などの利益関係で人の命が失われるような事故が起きてしまったことはとても悲しいことだし二度と起きてはならないと思った。
・危険なことはわかっていても、周りの環境などで止められない事例があることが分かったが、絶対に同じ過ちを繰り返してはならないと思った
・危険性が高いと認識していたが、それを未然に防ぐことができなかった関係者全体の責任があると感じた。追い詰められた状況では、正しい判断ができなくなるため下請けの人の立場は大変と感じた。
・危険性が大きいにも関わらず打ち上げなければならない事情があったのかと思った。
・技術者としてだけではなく責任のある立場である経営者として考えなければならない葛藤を感じた.
・技術者としては賛成はできない事態ではあったが、会社経営の面では元請からの圧力で強く逆らえないというのも分かるので誰が悪いとも言えないなと思った。
・技術者と経営者のどちらの立場で判断を下すのかが難しいことがよくわかる事例だったと思った
・技術者になるには、相当のプレッシャーと責任がかかる。また、過半数が賛成していても自分の直観と技術を信じて疑いにかかったほうが良い。
・経営が絡んでくると判断が難しくなると感じた
・工業製品を作る場合には安全性を自らで担保できなければ、サービスは提供してはいけないことが分かった [まったくその通り。とても重要な点です]
・今回の科学技術倫理のビデオを視聴した感想として、ボジョレー氏が所属していた会社がNASAの子会社であったため、親会社であるNASAの圧力に耐えられなかったことは分かる。しかしながら、その結果大事故を発生させたのであるならば、圧力に耐える以上のことが発生してしまうことが容易に予想できた。よって、私は、ボジョレー氏は、延期をしっかりと進言するべきであったと思った。
・事故の概要について少し理解できた
・自分がモートン・サイオコール社の上の役職だったらどのような判断をしていたか考えた
・自分の意見を通すには、影響力のある人間になる必要があると感じた。
・失敗することが分かっていたのに、お金が絡むとおかしな決断をしてしまうとは残念だ
・集団の考えを変えることの難しさを感じた.
・重要な判断を行う時に自分の意見を持ち続けられない事が致命的であると感じた
・少しの気温の変化や小さなミスによって歴史に残る大きな事故が起きてしまう怖さを確認できた
・上下の力関係がよく分かった
・人それぞれに事情があるが、やはり私は高いリスクがある中でロケットは打ち上げるべきではないと思った。
・人は追いつめられると視野が狭くなり、自身の保身に行ってしまうことが分かった。
・人は追い詰められた状況になると適切な判断が出来なくなるといったことがよく分かった。
・生き詰まった状態は良くないと感じた。いったん物事を整理したほうが良いと思った。
・設計した側の人たちは、事故が発生する可能性だけで決定することが出来なかったというところが重要なんだと思った。
・先生の解説もあり見やすかった [ありがとうございます。遠隔だと画面は綺麗ですよね]
・前回の講義でも説明された煮ガエルの話を思い出した。団体としての欠陥を問題視する必要がある。 [その通り。これは組織あるいは組織間の問題なんですね]
・組織での仕事は思い通りにならないことが多くて大変だ。
・組織として行動するといろいろな問題が降りかかってくることを肌で感じることができた。
・組織と組織のように力が強いと正常な判断ができなくなるようなことがあるのが分かった。
・組織同士の連携はなかなか上手くいかないのだと感じた。 [以上、組織の問題については次の教材でも考えます]
・多数決で決断を行うことの危うさと周囲の圧力による決定の難しさを感じた。
・打ち上げない方がよかったと思うが判断が難しいと思った
・大きな事故になってしまった原因がに気づいてすぐに中止すべきだと感じた
・誰もが責任を取りたくないがために他人に責任を押し付けていた
・誰々が悪いと決めつけるのは難しいと感じた。その時の世界情勢、会社の依存関係などなどあらゆることが重なって起きたことである。しかし防げなかったことに変わりはないので、責めるのではなく改善に力を入れる必要があると感じた。 [その通り]
・反対していた技術担当副社長が最終的に意見を変えてしまったシーンは、多数決の悪い点だと感じた。
・本来なら防ぐことができる事故が組織の体質などによって防ぐことができないのは非常に怖いことであると感じた。
・様々な要因により正常な判断ができなくなることが分かった
今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載
・あのような状況になったら正しい判断をするのはとても難しいと思った
・その時の状況や立場でちゃんとした判断をするのは難しいなと感じた。 [以上、まったくその通り。だからこそ「そうならないためには...」あるいは「おかしいかもと感じたら...」が大切なんですね]
・チャレンジャー号爆発事件において、人それぞれに立場があり、それぞれの思いがあったが、この人が悪いといった悪人はいなかったように感じた。 [以上、その通り。言い換えれば貴方/貴女自身の問題でもあるわけです]
・チャレンジャー事故の話を聞いて、技術者でもプレゼンテーションなどで相手を納得させるような話術は必要だと思った。 [残念ながら、ね。ボジョレーさんは努力されたのですが...]
・どのような状況でも皆が冷静でなければならないと感じた。 [その通りなのですが、それが難しい]
・悪人はいないがこのような事態になった時、責任というのは誰がとるべきなのか考えさせられた。 [いろいろな考えがあるでしょうが、一つの考え方はそこから何を学び、同じようなミスを繰り返さないためにはどうするか、ではないでしょうか]
・楽しい講義でした
・楽しかったです [以上、ありがとうございます。今回はいろいろ遊ばせていただきました。はい]
・技術者がなんでも決めれれば経営者はいらないというのは確かにと思った。 [逆に、経営者は現場のことがわからないといけないんですね。そのためにはコミュニケーションが大切です]
・技術者として、契約などのお金の問題はもちろん大事だが、それを理由に事故につながるような欠陥を見過ごすようなことは絶対にせず事実だけを確実に見て判断するようにしたいと思った。またその欠陥を上司に示すプレゼンテーション力も身につけていかなければならないと思った。 [その通り]
・技術者と経営者間や他社や他の組織との齟齬のない意思疎通の難しさを感じた. [まったくその通り。前述(↑)しましたが、コミュニケーション(とその能力)が大切なんですね]
・技術者にとって理性が最も重要ではないのだろうか [もちろんその通り。でも現実の社会に目を向けると、そうでないことがまま見られます]
・技術者は声を上げる責任が強くあると感じた。 [その通り。ボジョレーさんはプレゼン以外はとても適切に対応されています]
・経営的な観点、技術的な観点、両方の視点から物事を見極めなければいけない立場はとても難しいと思った。 [技術者には(、そして経営者にも)両方の視点が必要なんですね]
・軽いクイズなどがあるので最後まで興味を持って聞けた。 [今日は皆さんの反応が良かったので、こちらも楽しませていただきました]
・決断をほぼ強制されたうえで決定を求められることの難しさを感じ、組織の危うさを感じた。 [そうですね]
・元請け会社と下請け敗者[正しくは「会社」]で、お互いに依存していると下請けのほうが発言権が強かったりする場合があることを初めて知った [逆転の発想なんですね]
・現場で起きることだけではなく上層部の動きや目的についても知っておかなければ緊急の事態に対応することが出来ないと思った。 [まったくその通り]
・今と昔の世界情勢が知ることが出来て面白かった [意外と現代に繋がっていたでしょ?]
・今回の科学技術者倫理の講義を受けて、思ったことがある。まず、技術者というものは、技術を使う人が安心して使えるように最善を尽くす必要がある人たちであると改めて実感した。なぜなら、技術を誤って使用してしまったことにより命の危険にさらさるようなことがあっては、倫理的によくないことになるからである。また、命の危険があるような技術を誰も技術を使用する人がいなくなってしまうからである。しかしながら、社会で生きていくためには利益を出すことも考えなければならない。そのため、きちんとした判断を行うことで命の危険をさらさないようにしながら経営をしっかりとしていくべきであると思った。 [まったくその通りです]
・今回の講義内で下請け企業にも力があるという場合は,互いに依存関係がある時だけなのではと思った.一概に依存関係が悪いとは言えないかもしれないが,依存関係を構築してしまった場合は,その経営チームが優秀でなかっただけなのかもしれないとも思った. [仰る通りで、関係が1対多数の場合、この理屈は通用しません。搾取の関係となります。依存関係にある場合は、そうだからこそより慎重になる必要があるんですね]
・今回の授業ではチャレンジャー号事件で誰かが中止を言い出せば大きな事故にならなかったかもしれない [その通り。でもそれが、難しい]
・根回しが重要であると感じた。 [報連相、つまりコミュニケーションですよね]
・私たちは事故が起きたという結果を知っているので、本当の意味で関係者の立ち場にたって考えることは非常に難しいと感じた。 [その通り。特に後半の当方の解説なんて、まったくの後出しジャンケンですよね。大切なことは、そこから何を学び、今後に生かすか、ということです]
・事故というのは、おおよそ作る側が想定していなかったことから起きるので、過去に成功しているという経験を重く見て、想定する範囲を甘く見て事故が起きるというのは想像に難くないと思った。こうならないためにも、今回の場合、NASAとMT社以外の第三者が入って、そういったリスクは無いか第三者委員会みたいな形をとると良いと思った。 [なるほど]
・社会という複雑に絡み合っている関係の中に私達はこれから飛び込んでいかなければならないのだと理解した。 [そうなんです。そのためにはやはり、社会の仕組みを広く考えることが求められるんですね]
・社会に出ると自分の立場を考えて行動しなければいけなくなるから、正しい行動だけをすることが難しいのだと感じた。 [まったくその通り。局所的に見ると適切に感じられても、広い視点でよく考えると必ずしもそうではないということはいくらでもあります。講義の最後の行う3回目の議論がまさにその典型です]
・集団の圧力に逆らうのは難しい
・集団行動の際に、見過ごしてはいけない事故要因を、黙認し慢性化することは大きな事故につながると思う。集団での改善が必要だ。 [以上、その通り。だからこそ「どうすればよいのか」をこれからの講義で考えます]
・初めは誰が悪いと言う訳ではないが仕事の関係で下請けが力が弱いという思い込みなどでNASAの強硬が原因ではという疑問があった。しかし、講義が進むにつれて確かに明確に誰が悪いというものはないが政府が大元なのだから根本的な原因は政府なのではないかと思うようになった。 [実はその通り。だからこそ責任を他者(下請けや孫請け)に押し付けているんですね]
・上層部の大切さを知った。
・上層部は責任を負う立場ではあるが、実際には責任が重すぎるため責任のなすりつけ合いになると感じた。 [以上、管理職は本当に大変なんです(キッパリ)]
・状況によって正しい判断ができなくなることが分かった [追いつめられたらもう、正常な判断は困難なんですね]
・人間は自己中心的だと感じた。 [まったくその通り。だからこそ、他者の話をちゃんと聴いて、自分自身を広い視野から振り返ることが大切なんですね]
・政治や経済などの問題が打ち上げに関わってくるのは怖いと感じた。 [そうかもしれませんが、それが現実の社会です]
・責任の押し付け合いがあるから自分がどのように立ち回るべきなのか考える必要があると感じた。 [それをこれからの講義で考えましょう]
・責任転嫁をするのではなく、今後このような起きないように努めるのが大切だと思う。社会的に立場が弱い人は上に逆らえないのは、世の中の仕組みであるためどうすることもできないと思う。 [特に前半についてはまったくその通り。後半についてはどう行動すれば良いのかをこれからの講義で考えます]
・前回の講義と同じように自分の中で打ち上げについて考えてみたが難しかった。 [仰る通り、一筋縄ではいかないですよね]
・善人や悪人は環境でいくらでも変えられるので、確かに生まれつき悪人はいないなと思った。 [そして、お互いに、ね。そのような普通の人が良い行動、望ましい行動をするためにはどうすれば良いのかをこれからの講義で考えます]
・大きな事故が起こらないと技術は進歩しないのではないかと感じる [残念ながら、そういう面があります]
・誰もが視野の狭まった中、どちらを取るかの選択を行った結果、事故が発生したのだと感じた。 [追いつめられると、正常な思考や判断が難しくなるんですね]
・同じ会社で、同じ仕事をしている者同士であるにも関わらず、ここまで意見が食い違う様を見ていると、何のために集団行動しているのかわからなくなります。 [実際には同床異夢の状態です。ちゃんと機能しているようで、実はコミュニケーションが欠落しているんですね]
・特になし [はい]
・物事の対局[正しくは「大局」]を見つめ直すことが重要であると考えた。 [その通り]
・名前しか知らなかった事故について知ることができて面白かった。 [意外といろいろなことが繋がったのでは?]
・様々な資料付きで事件が語られたので、理解しやすかった。 [でしょ?]
西村が担当する授業の様子は、<nishimura-sensei.net>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。