2021年5月27日更新
3EP3クラス
第6回:2021年5月27日 学習内容/授業の運営方法/学習課題(予習、復習)/課題の解答/今日の一言
・グループ討議(続き)
・討議結果の発表
・PCを用いた講義
・与えられた事例に関するグループ討議
・討議結果の発表
など
・復習:課題3(Agora上での ケースメソッド事例に関するより深い検討)(120分)
・次回に向けた予習:教科書の精読(140分)
課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)
Q.グループ討議や全体での発表、討議、当方からのコメントの結果、前回の個人的な感想は変化しましたか? あるいは見落としていた点に気づきましたか?
A.(原則としてコメントは控えます)
1.(ある程度)変化した 30名(88.2%)
2.(あまり)変化しない 4名(11.8%)
1.(ある程度)変化した。あるいは見落としている点があった
・アップルの、発火事故の事を聞いてむしろ、アップルへの好感度が上がった。よって、技術者は基本的に問題が起こった場合利用者に明確化したほうが良いと感じた。
・どのくらいの確率で不具合が起きたらいけないかの基準が変わった。
・はじめは利益が優先だったが、最終的には安全性が大切だという意見に変わった
・よくよく考えてみたら発熱するということは火災も発生するのではないかと感じた。
・リコールの許容確率が想像以上に低い[=基準が厳しい]ことをしり驚いた。
・リコールの損害については考えていなかった。
・リコールの負担などは全く考えていなかった [以上、びっくりしたでしょ]
・リコールを行う数値的指標が想定よりも低く、安全意識の低さを自覚した。その割には自分がもし当事者なら危険性が0.00001%でもあるもの不審に思うので、考えを改めたい。 [講義の中でもお話ししましたが、学生の基準と社会が求めている基準が大きく異なるということです。「皆さんが間違っている」という意味ではありませんので、誤解なきよう]
・企業の信頼が自分の思っている以上に重要であると感じた。
・企業の対応がいかに大事かわかった。
・顧客に対する考え方をより丁寧なものにするべきであるというところが変化した
・高温多湿という条件が不確かな事実であったということ
・最初、私は製品を発売するという意見だったが、もしリコール等損害が発生した場合、補償金は発売を延期した時よりもとても大きな金額になるということに気が付いた。
・使用条件を付ければ、売れる可能性があること
・事故が起きた際の顧客の安全性についてしか考えていなかったが,その後の企業のことを見落としていた.
・事故発生件数について見落としていた
・自分は販売しないという意見だったが、議論していく上で販売する側の意見にも納得する部分があったので私たちの班では条件付きで販売することにした。
・条件付きで販売するという点を見落としていた
・条件付で発売という意見だったが、タカタのリコール問題を見て、問題がある製品を販売するリスクはとても大きいものだとわかった。
・製品に不具合が生じた場合には、リコールという手段があるというのは知っていたが、リコールには莫大な金額がかかりそれによって会社が経営破綻するケースもあることを知り、簡単にはリコールという手段は取れないということが分かった。
・製品の安全性は自分が想像しているより安全でなければならないと分かった。
・製品販売10台のうち1台がエラーであった場合、儲けがでないことを知った。
・相手側の見方、価値観
・日本の製品開発の理想の高さのために、中国の安価な製品に消費者が流れてしまっているのは難しい問題だと思った。 [非常に難しい問題です。グローバルレベルで考えた時、必ずしも日本製品のような完成度は求められていないんですね]
・発熱エラーが発生した環境や場所、気温、湿度などを現地で調査するべきだったと気づいた
・販売したほうがいいと思っていたが、まだ販売できるレベルじゃないことに気づいた
・不具合が発生した時に保障に加入していればある程度は許容すると考えていたが、信用問題に対する会社の対応については考えていなかった。
・不祥事を起こした企業の問題について一概に正解を決めることが不可能であると感じた点。 [その通り。本質的には線引き問題なので、なかなか「これで一件落着」とならないのが現実です]
・不備のある製品を販売して経営をしていくにはどうすればいい点
・問題の発覚後の対応の早さが会社にとって重要だという点。2.(あまり)変化しない。あるいは見落としている点はあまりなかった
・もしも、万が一の場合どうなってしまうのかを理解できていた
・リコールの費用は考えられた [以上、すばらしい]
・延期という選択肢はなかなかできないという点
・完全な商品はないのでユーザー対応で補うしかない [その通りなのですが、場合によってはタカタのようになってしまう可能性もあるわけです]
今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載
・アップルがそこまでしていたことに驚いた。いかに安全に気を付けることが大切かを勉強できた。 [全数交換ですからねぇ。普通の企業には無理だと思います]
・グループのリーダーをやったがなかなか難しいなと感じた。 [そうだろうと思います。特に今回はZoom上ですし]
・グループワークがスムーズにできたので良かった。 [こちらは素晴らしい]
・これまでの抗議[正しくは「講義」]でも痛感するが、選択を迫られる際に様々な要因を判断基準として取り入れる必要があると思った。専門的な開発に関する技術以外にも、過去の判例や法的知識を学生のうちに身につけたい。 [広い視野、つまり教養ということですね。まったくその通りこの講義の最大のツボをご理解いただけたようですね。]
・これまでの講義でもやもやしていたものが少しずつ取れていくような講義だった. [ありがとうございます。「もやもや」はまだ残っているはずですが、それは来週に]
・ソフトウェアではアップデートを繰り返して作り込む場合が多いが、ハードウェアでは厳密に完成されたものが必要になるため費用が高くなる。 [確かに]
・ちょうどいい結果を出すことの難しさを知った [でしょ? だからこそこの科目があるんです]
・どの分野でも情報収集は大切だと改めて思った。 [ポイントをご理解いただけたようですね。来週続きをお話しします]
・やはりグループ討議は面白い [そうでしょうね。できれば対面だったらずっと面白かったのに...]
・リコールで1兆円はとんでもないことだなと思った [日本の国家予算の1/000。つまり一つの県の総予算くらいの規模ですからね]
・安全性が損失の回避につながることが知れた [その通り。ただしどこまで求めるかは難しいです]
・隠蔽体質の企業には行きたくないと思った。 [この件に関しては、次回]
・学生と企業の考え方に大きなギャップが存在することを再確認した。企業の対応次第では経営破綻にもつながってくるので人を雇う側も慎重に選ばないといけないと思った。 [その通り。逆に考えると、企業はそのように考えることができる人材を採用したいということです。でしょ?]
・学生目線の安易な考えは社会では通用しないと思った [繰り返し(↑)になりますが、皆さんが間違っているということではなく、学生の基準と、社会が求めている基準が大きく異なるということです]
・起きている問題に対して、上司や社長が積極的になるべきだと思った。 [この件に関しては、次回]
・[社会は]厳しい安全基準がある[=社会はそれを求めている]ことが分かった。 [学生の時に見える世界と大きく異なるんですね]
・今回の科学技術者倫理の講義を受けて、思ったことがある。それは、リコールすることはとても厳しいことであるため、リコールすればよいという考えだけで販売を強行してはならないのではないかとも思った。 [会社への信頼、経費面等を考えると、大きな損失になりかねないんですね]
・今回の講義は、説明・討論・発表・ビデオ視聴と速足だったがその分集中できたので、有意義な時間でした。 [ありがとうございます。ちょっと予想外の展開だったのでは?]
・[リコールを求められる]事故発生率が思っていたよりも小さかった。 [でしょ?]
・自分(他社員も含む)の意見が出しにくい職場は、問題を起こしやすい。 [この件に関しては、次回]
・少し時間をおいて冷静な判断ができるようにするという考えはなるほどと思った。 [その通り。以前もお話ししましたが、時間的あるいは関係性で追いつめられると正常な判断が難しくなるんですね]
・消費者から見たら答えが一択の問題でも、会社からしたら様々な問題を抱えることになることを感じた [すばらしい。その通りです]
・親も兄もフィットに乗っているので驚いた。 [経営に大きく影響を与える出来事でした]
・正解が無いジレンマ問題に対して回答することの難しさを再認識させられた。
・製品で問題が起こった時に重要なのは企業の信用問題に対する対応の仕方なんだなと思った。 [そうなんです。ビデオを見た後で今回の会社を考えると...(続きは次回)]
・製品に不具合が起きた場合でもそれを早期に認め、急速に対応することで、対応が遅れた場合と比べると最終的な損失にとても大きな差が出ることが分かったので、少しの不具合でも見過ごさず正確な報告をしなければいけないと思った。 [その通り]
・製品の安全性が重要であることがわかった。 [その通りで、しかも皆さんの基準よりずっと厳しいんですね]
・製品開発には、常に危機管理が必要であると考えた [まったくその通り]
・製品開発の際、誰か一人でも考えの甘い人がいると安全でなくなるのではないかと思う。 [確かに。この件については次回]
・先生はこの問題に対してどう行動するべきと考えるのか気になりました。 [こちらも、次回]
・代表が迅速に対応することが会社の存続に深く関わると感じた。 [その通りですが。こちらも次回お話しします]
・大企業でも製品の問題を解決しなければ破綻してしまうのが恐ろしいと感じた [世界のシェア第2位の会社が...ですからねぇ]
・討論はやはり対面がいいと感じた [そうなんですよぉ(涙)]
・売るにしても延期するにしても損害など考えることが多く判断が難しい [その通り。だからと言って、商売をしないというわけにもいかない]
・薄々感じていることなのだが、なぜ発売直前になって不具合が起こったことにあたふたしているのかと思った。もっと前から開発の計画を立てたり社内や会社間でコミュニケーションをとったりするなど、開発にあたっての準備はしていたのかという点が気になった。 [素晴らしい。この点については、次回]
・不具合が起きた最初の方で誰かが気づいていたとしても、それを上司や会社が利益や責任のためにもみ消しているのだったら、私達には根本の解決には至ることができないのではと感じた。 [こちらも]
・立ち回りが難しい状況ではあるが現状を抜け出せるような意見が出たため話し合いがスムーズに進んだ。 [素晴らしい。具体的にはどのような結論だったのでしょう]
西村が担当する授業の様子は、<nishimura-sensei.net>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。