2021年6月24日更新

3EP3クラス
第10回:2021年6月24日 学習内容授業の運営方法学習課題(予習、復習)課題の解答今日の一言

学習内容

・グループ討議(続き)
・討議結果の発表

授業の運営方法

・PCを用いた講義
・与えられた事例に関するグループ討議
・討議結果の発表
など

学習課題 予習・復習

・復習:課題6(Agora上でのケースメソッド事例に関するより深い検討)(120分)
・次回に向けた予習:教科書の精読(140分)


課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)

Q.ギルベイン・ゴールドに関して、グループでの議論を通じて、あるいは他グループの発表を聞いて、個人で考えた時と何かが変わりましたか?
A.(講義内でご説明したので、原則としてコメントは控えます)

1.変わった

37名(88.1%)

2.変わらない

5名(11.9%)

1.(ある程度)変わった(見落としていた点に気づいた、など)

・0か100かではなく50、50にするにはどうすればいいかが抜けていたと思う
・[主人公が]しっかりしてデータがない [「しっかりしたデータを報告していない」の意ですね]
・すぐに健康被害が出ないという確信を見落としていた。 [なお、「すぐには発生しない」という意味ですので、念のため]
・そもそもこの物語自体がディビットの主観のみで語られており、信用できない語り手のような構造になっていたと知ったこと。
・そもそも基準値が10倍も厳しくなっていることがおかしかったという点。
・そもそも水質に関する法律が理にかなっているかを見落としていた。
・ディビットが懸念する[具体的な]データを持っていなかったことと法律を知らなかったこと。 
・はじめは、自分の事しか考えてなかったので、もっと広く見て物事を考えるべきだと感じた。
・ひとりが考えられる視点には限界があることを感じた
・マスコミよりも市との条例の問題の方が重要なことに気づかなかった
・影響大きさや、疑うところは多かった
・会社で問題的するときに資料等がなければ受け入れられないため、調べていると先入観にとらわれてしまった。
・基準がどれほど正しいものなのかはっきりしていなかった点
・健康被害が起きることの具体的なデータをデイビッドが工場長に提起しない状態で、改善を求めていたこと
・告発しないという意見に変わった。関係ないと思っていた人[=ロイド・ブレーメン]がキーパーソンだった。
・今まで、内部告発するしかないと考えていたが、内部告発するだけでは問題は解決せず、問題は市の側にあり、そこを正さなければいけない点。
・最初は内部告発をするという意見であったが、社会的な規模を考えたら意見が逆になった。 [大きな被害が懸念される場合は告発しなければならない可能性があります]
・市に訴えるという点は見落としてた。
・市の基準が適切なものであるかを見落としていた。
・市の基準について議論しなかった
・市の基準値が厳しいということに少し引っかかる点があったが、結局内部告発をするのが一番倫理的に良いと思っていたので、内部告発をした結果、思った以上にステークホルダーが多く被害が大きくなることに気が付いていなかった。
・市の基準値に問題がるのではないかということや市民への影響がすぐで[出]ないこと
・市の調査基準に問題があることに目が行ってたが、市に申告するまで行かなかった.
・主人公がデータを提示をしていない点を見落としていた
・主人公がはっきりとしたデータを提示せずに意見をしていたこと
・主人公よりも副社長の方が論理的な主張をしていると気付いた。
・主人公側でばかり考えており、工場長側の視点を考えていなかった。データの有無に関することや、主人公が感情的になっていることを見落としていた。
・初めは内部告発することを考えていたが、そもそもスラッジが有毒化しているなら市が何か言ってくるはずだから、条例や処理水の問題は市が対応すべきことだと考えを改めた。
・責任問題等以前に会社の経営基準などに影響を与える市の排水規定に目を向けることも考える必要があると感じた。
・登場人物の関係性とそれぞれが負う責任に関して客観的になる必要があった。
・内部告発したときのメリットしか考えられていなかったが、デメリットについて気付くことができ本質的な問題について考えることが出来た。
・内部告発する際にその責任は市にあると主張し、それが認められれば最小限の責任を負うだけで良いというのは確かにと思った。
・内部告発せずに、市の基準を見直すという意見を見落としていた。
・法律を作った登場人物の存在を完全に忘れていた。
・問題を起こした側ではなく、問題を見つけた側という風に自分の立場を変えることで状況を改善できる可能性があることが分かった。
・[市への]問題提起ののち[後]に費用を負担することは見落としていた
・倫理綱領に基づけば、自然と行動する方向性は決まってくると分かった。

2.(あまり)変わらない(「落とし穴」の多くを見抜いた、など)

・市の基準が間違っていて、すぐに人に被害が出ることはない。
・市の基準に問題があり,会社はそれに基づいているため非はない.
・社長が会社の長として正しい点
・前回よりも落とし穴が分かりやすかった
・内部告発すれば解決するわけではない、会社の誰が悪いと決めつけられるわけではない点


今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載

・2班の問題提起側に立って行動するという案に感心した。 [仰る通り、積極的に問題を解決するという意味で評価できますよね]
・いろんな人の考えを聞けたので納得のいく答えを導き出すことが出来た。
・グループ内でも全体でも色々な意見が出て、そんな考え方もあったかと気が付くところがあり、おもしろかった。 [以上、よく頑張りました]
・この様な文章を読むときは主人公的立場以外からの視点で物事を読む必要があるのだと知った。 [その通りなんですね]
・しっかりと討論できたが、落とし穴を見抜くことが出来なかった。 [気がつかないように制作されています]
・ディビッドは頑張って行動していると思ったがデータを提示していなくて驚いた [この問題は、吹き替え版の日本語訳の問題もあります。次回補足します]
・データに基づいて考えることが重要だと感じた。 [その通りですね]
・ビデオでは主人公に勢いがあってデータを出していないことに気が付かなかったが、討議の中でそもそもの問題は、基準を一方的に厳しくしたり、有毒化しそうなスラッジを肥料として販売したりしている市に問題があるのではないかなと感じた。 [まったくその通りなんですね]
・まんまと落とし穴にはまった。 [センセイも見事に落ちました。偉そうなことは言いません]
・もっと様々な情報を精査して、最終的な結論を出せばよかったと思った。 [その通りなのですが、実際には難しいのです。だから今回のような教材があります]
・より良い行動はあったかもしれないが、事例を理解した上で、自分の中で、班の中で納得するような行動を選択できた気がする。 [素晴らしい]
・一つの問題であっても、一つ考え始めると何個も選択肢があってとても頭を使う [その通り。でも実際の人生はその繰り返しですよ]
・確かに工場長は的を得た冷静な発言をしていると思った [すぐには気づかれないような描き方です]
・感情的になり、論理的に相手を説得できないことは危険であることが分かった [主人公は暴走してしまっているんですね]
・議論をして、考え結論をだしても、他の班では違った意見になるので面白かった。 [でしょ?]
・教材はよくできていると思った。 [そうなんです。明らかに不合理な点はあるのですが、それでもやはり良い教材です]
・見落としている部分があったことに驚いた。 [見落としに気づかないように制作されているんですね]
・個人よりチームのほうがいい考えが出るなと感じた [でしょ? 「文殊(もんじゅ)の知恵」ですね]
・工場に問題があると最初は思っていたが、事実確認をしっかり行ったことで、本当におかしいのは何かを分かった。 [それは良かった]
・今の世の中の会社は、このようなことは起こっていないと思う。当時に比べてとても世間体を気にするようになっているためである。会社経営は面倒ごとを極力避けるようにしなければならないと感じた。 [このビデオは30年くらい前に制作されています。日米の事情の違いはありますが、それ以上にやはり社会がおっしゃるように変わっています。以前お話しした東芝の株主総会の件などは、現在の国際社会ではまったく通用しません。化石のように取り残されているんですね]
・今回の科学技術者倫理の講義を受けて、主人公が考え無しで行動していることを考慮することをしなかったため次からは気をつけたい [ぜひぜひ。穴を見抜けただけでも偉いですよ]
・今回の討議に関しては、ビデオの内容の穴について発見できたが、見つけられていない点もあったため、そういった部分についても考えられるようにしたいと感じた。
・市の基準値の点など気になる点はあったものの、ステークホルダーや事実確認をしないといけないことが多いことなど、今はっきりと分かっている情報が少ないため、判断が難しいと感じた。だからこそ詳細な情報を洗い出すことが大事だと思った。 [まったくその通りです。時系列順の解説でも「一部西村の推測を含む」と明記しています。すべてがわかっているわけではないんですね]
・市民の安全が第一だが、しっかりしたデータを取らなければそれまでではない。 [それ以前の問題なんですね]
・視野を広げると市の規制に会社が振り回されているように感じた. [その通り。正確に言うと市(行政)ではなく市議会(立法)ですが]
・字幕と吹き替えで印象が全然違って驚いた。洋画は字幕に限ると感じた。 [この間の事情については次回補足します]
・社会的なルールとして定められたものがそもそも適切なものであるかを考えることが大切だと考えた。 [市の厳しい基準が適切かどうかですよね。ただし実際にはこのようにいい加減な条例は塚しないと思います]
・出演する人物の女性副社長という演出は女性蔑視を煽る風潮があると思った。 [なるほど]
・色々情報が少ないと判断が難しいと感じた。 [その通り。それをきちんとチェックする必要があるんですね]
・水質処理の費用を市に求める案はいい案だと思った. [その通りで、市の仕事なのでまずは市で考えるべきです。ただし特定の企業の影響が特に大きいということであれば、負担を協議することはあると思います]
・対面で討論することで深く問題に取り組めた [やっぱり議論は対面ですよね]
・登場人物のほう[方]も問題があると思った [主人公と課長のことでしょうね]
・討議は人の意見を聞いて分析し理解したり、自分の意見を理解してもらえるように分かりやすく伝えようと考えるので、楽しい。 [まったくその通り]
・問題には様々な解決法があって深く考えれば最適解を導ける。 [こちらもその通りですよね]
・様々な意見を見て、同じ意見の班が多くいて、着目していた点は間違っていなかったと感じた。 [それは良かった]
・裏を読むのは難しいと感じた [難しいです。でもやはり必要なことです]
・話し合うことで新たな視点が生まれ自分の考えが深まると思った [でしょ?]


西村が担当する授業の様子は、<nishimura-sensei.net>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。


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