2021年11月2日更新
3FY1クラス
第6回:2021年11月2日 学習内容/授業の運営方法/学習課題(予習、復習)/課題の解答/今日の一言
・グループ討議(続き)
・討議結果の発表
・PCを用いた講義
・与えられた事例に関するグループ討議
・討議結果の発表
など
・復習:課題3(Agora上での ケースメソッド事例に関するより深い検討)(120分)
・次回に向けた予習:教科書の精読(140分)
課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)
Q.グループ討議や全体での発表、討議、当方からのコメントの結果、前回の個人的な感想は変化しましたか? あるいは見落としていた点に気づきましたか?
A.(原則としてコメントは控えます)
1.(ある程度)変化した 37名(84.1%)
2.(あまり)変化しない 7名(15.9%)
1.(ある程度)変化した。あるいは見落としている点があった
・あの会社は普通ではない、碌なコミュニケーションがちっとも取れていない点を見落としていた。ただし、最初に感じた変なメンツだかプライドだかを持っているのかというのは間違っていない? [最後の部分はその通りで正しいと思います。柔軟に考えれば、このままでは遅かれ早かれ破滅的な事態に陥ることは明らかなので]
・そもそもブラック企業ということや、上司や関係取引先との関係が良くない等違和感みたいな正体がわかった [その「違和感」が大切なんですね]
・ビデオのシナリオに無理があると改めて思った。 [何回かお伝えしましたが、架空の事例はどこかに無理があります]
・もし商品に[製造上の]過失があり[、]最悪のケースになった場合会社が負う責任の重大さを見失っていた [でしょ?]
・安全のために延期・中止することが全てだと思っていたが、会社の動きなどを見ると、そのままの計画で進めることも1つの案なのだと知ることが出来た。 [その通り。ただしその場合は万一の時を考える必要があります]
・安全性を蔑ろにすると、事故が生じた際に莫大な被害が生じてしまう。そのため、安全性の重要性を改めて確認できた。 [やはり学生さんの感覚と、社会が求めているレベルはかなり違うんですね]
・延期する際の方法で、サンプルとしてや会話等が方法としてあるということ。更に、注意書きの件でも、売る売らないに関わらず必要だと感じた。 [だから説明書の前半に延々と注意書が続くんですね]
・延期にするにしても考えなくてはいけないことが多いこと [そうなんです]
・会社[=元請け会社?]とのつながりや技術の[タイプミス]を保持している会社はどこかなどを考えていなかった。 [確かに]
・会社と取引先、上司と部下などのコミュニケーションに問題がある点 [やはりちょっと無理な設定ですよね]
・会社の責任についても考えるようになった [企業の社会的責任については、後で考えます]
・企業がクソ [確かに]
・基本的に普通の企業は問題のあると分かっている商品をそのまま売らない点。 [長い目で見た場合、大損する可能性がたかいですね]
・共同開発会社との関係や利益、損失等を見落としていた。
・協力会社に協力をあおぐという発想と協力会社とコミュニケーションが取れていない異常性に気付いた。 [元請け会社が丸投げなんて、あり得ないです]
・結局回収するので赤字になるところまでは想定できていなかった。 [iPod nanoの件は、Appleだったからこそ可能だったんですね]
・見落としていた事実として、「協力会社に協力を仰ぐこと」や「会社間、会社内のコミュニケーション不足」があった。 [ですよね]
・現実世界での安全性に対する重要性。 [学生の皆さんと、社会が求めているレベルは相当違うんですよね]
・現状を報告する主軸は変わらないが、どの場所で報告するかが変わった。(三社会議→社内会議) [その通り。いつ、どこで、誰に対して、何を、どのように...ですよね]
・公衆の安全のために直談判やさらに上の立場の人に相談するなど積極的に動くべきだと思った。 [この件に関しては次回前半で考えます]
・公衆の安全を守る意見であったが、会社や自身を守る方向の意見も考えることができた。 [その通りで、異なった立場から考えると、問題をより広い観点から見ることができるようになります]
・自分がどうするかという案で、上司のさらに上の上司に伝えるという考え方を見落としていた。 [これを“internal whistle-blowing”と言います。後で考えます]
・自分が直面している問題だけでなく、会社や取引先との関係が最初からよく[良く]なかったという点を見落としていた。
・自分の会社の上司や取引の会とコミュニケーションの点 [以上、実際は三社連合になっていないんですね]
・自分の責任のことしか考えていなかったが、消費者の安全をまず考えないといけないと感じた。 [自分の責任を考えると、ユーザーの安全が大切であることに気づくんですね]
・実際の事例を見るとデメリットが大きすぎて一部販売するという意見から完全に延期する意見になった。 [現実はヘビーだったでしょ?]
・主人公が置かれている環境を見落としていた。 [あの会社にいたら、おかしくなります。次回ご説明します]
・上司の命令にはあまり反発しない方が自分のためではあるが、そもそもこの会社が全くコミュニケーションがとれていないことが会社として致命傷だということに先週は気づけなかった。 [すぐにバレたら教材になりません。焦る必要はありませんよ]
・上司や周りの人間も悪いという考えが抜けていた [重要な点です。完全な悪人(や完全な善人)はいないんですね]
・上司よりも上の立場の人に相談すること。 [この点については後日ご説明します]
・真田は何のために、誰のために行動していたのかが話し合いによりよくわかった。 [それは良かった]
・人間関係で問題対処できることを見逃していた [その通り。そして人間関係...って、まさに皆さんの専門じゃないですか。講義開始時に「金城さんのような、助言する立場で...」とお話ししたのはそのためです]
・製品の販売に関する考え方が変わった。 [買う側ではなく、製造販売する側になると、基準が相当異なるんですね]
・製品を創る[この場合は「造る」がより適切。全く存在しなかったものなら「創る」も不可能はありませんが]ことは多くのしがらみの中で、消費者の安全を確保しなければならないことを見落としていた。
・動画をみて[「見て」あるいは「観て」]、会社ってそういうものなのかと思い不安になったが、そもそも、そんな会社が成り立つわけがないっていう根本的なところを見逃していた。 [お話しした通り、会社はもっとまともです]
・発火してしまう恐れがあるため、中止or延期にすべきという考えだったが、最良の選択は発火する恐れがあるという注意事項を記載して販売するという考えに至らなかった。 [う〜ん、お話ししたように、後者を実際に販売できるでしょうか]
・[正確かつきちんと]報告することは[、実は]会社のためにもなる点。 [まさにその通り。元請け会社にとってもね]2.(あまり)変化しない。あるいは見落としている点はあまりなかった
・あまり解決策の選択肢がないこと [そうなんです。ここまで追い詰められたらもうどうにもなりません]
・この動画の会社同士の関係や人間関係の悪さ、情報共有の悪さが明確であった。つい最近、情報共有の重要さを身を持って体験したことでこの内容が痛いほどわかる。 [全体としては素晴らしい。でも途中の「つい最近...」の件は、どうしたのかな?]
・コミュニケーションが圧倒的にとれ[取れ]ていなかった。 [社内、そして会社間でね]
・そもそも夢考房でも作れそうなものに、あれだけかかっている時点で無能。消費者が出てこない時点で、売れない商品の設計方法をしている。 [その通り。前回お伝えしましたが、この程度の製品なら試作は3カ月くらいだろうと思います]
・リコールによる損失のことまで考えることができていた [素晴らしい]
・基本的に今回のような事態では、中止や延期が決定されること。 [そうなんですね]
・顧客の安全性、発売後の補償 [その通り。回収や正常な商品の提供で、とんでもない赤字に陥ることは必定です]
今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載
・「タカタ」の動画を見て、公衆の安全・健康・福利を第一に考えることがとても重要だと思った。 [大企業が、ああなっちゃうんですね。負債1兆円ですよ]
・bmwいいですね [良いです。5年前に後継車を購入しました。国内で販売する最後のMT車です。ドイツ本国ではまだMT車の方が多いのですが..]
・あの映像で社会に絶望していたのでブラック寄りで安心した [絶望すべきは社会──いろいろ変なことが多いけど──ではなく、あの会社および会社グループなんですね]
・あんな会社はないと言われて少しホッとした。 [全くないとは言いませんが、絶対に長続きしません]
・かなり風通しの悪い会社だなと感じた。会社やつながりのある会社同士のコミュニケーションや伝達の大切さも知ることが出来た。 [その通り。そしてそれを考え、実現するのは...おぉ、まさに心理学]
・グループで話し合いをすると自分が考えていたことよりも、深い意見交換ができると改めて感じた。
・グループ討議で気づくことが多くあるので、やはり問題を解決したい時や考えたい時は1人ではなく数人で考えた方が良いなと思った。 [以上、でしょ?]
・グレーゾーン多い [これはたぶん、安全性などの線引き問題だと思います。ジレンマと違ってやはり、ストンと腑に落ちる感覚が得にくいんですね]
・さすがに社会まだまともだよなと思った [その通り。おかしなことも多いですけどね]
・どの組織にもよい関係性を築いていこうと思った。 [まったくその通りです。そしてその時に役立つのが心理学です]
・なぜか班が課長推しになりました。 [興味深い意見です。なぜでしょうか。でもよく考えてみると、そのような課長を重用しているのは会社の上層部です。だから(社内で)もっとも考えなければいけないのは、社長ら幹部なんですね。次回ご説明します]
・ブラック企業とは関わりたくないと思った。 [もちろんその通り。この場合は、自分が傷つく前に辞めた方が賢明です。次回補足します]
・安全性の重要性を改めて確認することができた。 [iPod nanoの件は意外だったでしょ?]
・課長( ;∀;) [もしかして課長押し? 実は課長にも立場があります。次回補足します]
・会社の失態の素早いリカバリーの重要性を感じた。
・会社の信用、製品の安全さは何においても重要視するべきだとよくわかった。
・会社の信頼は大事だと思った。 [以上、タカタの例からそれが良くわかりますよね]
・会社間での関係はモット密接なんだと思った [今回は三社連合になっていません]
・会社同士や、会社内の人間関係は、会社を経営する上で大切なんだと学んだ。 [その通り。このような場面で心理学が大いに役立つんですね]
・確かに、ビデオ通りの会社は長持ちしないだろうなと思いました。 [今回はたまたま事故にならないかもしれませんけどね]
・企業における信用問題の深刻さが自身の創造[「想像」のタイプミス]を超えて大きかったことに驚いた [これが現実の社会なんですね]
・企業の安定を考える時に、情報共有やコミュニケーションが如何に重要かを理解した。 [でしょ?]
・技術者になってこういう問題に直面した時、会社よりも自分の保身に走ってしまいそう [気持ちは、わかる。でもそれが長い目で見て本当に保身に繋がるかどうかは別です]
・議論を深められた。 [それは良かった。ホントに楽しそうに議論していましたよね]
・個人の意見が反映されない会社には入りたくないと思った。 [もちろん。ここまで酷い会社は普通ではありません]
・公衆の安全を考えることはもちろん、社員間や会社間のコミュニケーションや協力体制の大切さを改めて感じた。 [それは良かった]
・思っていたほど班の話合いで意見が出てこなかったです。 [う〜ん、どうしたのかな? 組替えをしたばかりで、まだ上手く議論できなかったのでしょうか]
・実際の会社がまともであると信じたくなりました。 [おかしな会社あるいは社内のおかしな部署(や人)はありますが、全体はもっとまともです]
・実際の事例を見て意見は変わった。賠償金の額を見るとビビった。 [タカタの負債1兆円って、国家規模の約1/100ですよ]
・社内の人間関係の重要性を理解することができた。 [それは良かった。そしてそのような場面で役立つのが心理学なんです]
・授業の半分以上が議論で、あっという間に授業が終わった。議論をしなければ分からないこともたくさん分かった。 [今日は55分も議論していたんですよ。でもあっという間だったでしょ? それだけ集中していましたからねぇ]
・就職に関する恐怖が少し薄れたので良かったと思います。 [お話ししたように、会社はもっとまともです]
・少しでも危険があるだけで、会社がつぶれる[潰れる]だけでなく、とんでもない損害が残ったり、死者が出たり、取り返しのつかないことになってしまうことが分かった。それでもappleはいまだにトップ企業として君臨していてすごいと思った。 [その通り]
・情報共有とコミュニケーションの方法がか整っていないと、問題が解決しないと感じた。
・状況を鑑みると人間関係の問題に落ち着くことが多いと感じました。 [以上、まったくその通り。機械などだけでは絶対に解決しないんです。こういう時こそ心理学の出番ですよ]
・人への商品への提供って難しいなと捉えられた。 [いろいろ多面的に考える必要があるんですね]
・世の中の会社は[、]この動画のようなひどい[酷い]会社はあまりないと知って安心した。 [稀に存在しますが、絶対に長続きしません]
・設定がおかしいのには気づいていなかった。やっぱりメンツを気にする者には未来はないんだなぁ [その通り。もっと柔軟に考える必要があるんですね]
・線引き問題を考えるのが難しかった。 [その通り。発想を変えて、ジレンマで考えると割とわかりやすいです。今回の場合なら、「そもそもこのジレンマ状況が本質的な問題なんだろうか」ということです]
・追い込まれすぎていて、どうしたら良いか考えるのが難しかった。 [そうなんです。もうこうなると、視野狭窄に陥っていますから、正常に考えることが難しいんですね]
・同じような状況になってしまった場合、主人公と同じように1人で悩んでしまいそうだと思った。他の人にも頼った方が良いと思う。 [その通り。真田さんは一人で問題を抱え込み、誰にも相談していないんですよね]
・無能がどうして職を失い家を失うかを学んだ。 [なるほど]
・様々なことを考えると、発売するという選択肢もあるのではないかと思ったが、やはり発売しないが3社で良かったと思った。 [開発中止と延期でした]
・話し合いを通して自身が見落として点を見直すことが出来た。 [それは良かった]
西村が担当する授業の様子は、<nishimura-sensei.net>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。