2021年12月1日更新

3FY1クラス
第9回:2021年12月1日 学習内容授業の運営方法学習課題(予習、復習)課題の解答今日の一言

学習内容

Reflections 1
(専門分野特有の問題に関する志向倫理的検討)

授業の運営方法

・PCを用いた講義
・関連する視聴覚教材の聴講

学習課題 予習・復習

・予習・復習:課題5(90分)
・予習:課題6(Agora上でのケースメッド事例の倫理的問題構造、事実関係、ステイクホルダーなどの把握)(100分)


課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)

Q.1. 「ギルベイン・ゴールド」をご覧になって、最初に何を感じましたか?
A.1. (グループで議論をする前の反応です。次回議論しますのでコメントは控えます)

・「いやー難しい選択を迫られるな」と感じました。
・Zコープの上層部がもう引けなくなっている感じがした。
・こうした企業が市や外部のせいに出来ないように、法律整備は技術の進化に合わせて行うべきであると感じた。
・コリンズ[=工場長兼本社副社長]は立場のわり[割]に事の重大さを理解できていないな
・ジャクソンがかわいそうだった。
・ジャクソンが上層部に何回も訴えていたことは、普通ならできないと感じた。そこまで、訴えていても動かない上層部もあり得ないと感じた。
・ジャクソンと会社の言い分が食い違ってるなぁと感じた。
・ジャクソンの行き詰った状況が大変だと思ったし、周りの上司などの社員の、安全に対して、根本の解決に全く協力しない態度がひどいと感じた。また、内部告発者なんて雇う人はいないだろうという発言が気になった、本当にそうなのか。
・ジャクソンの正義感はとてもいいと感じた。
・ジャクソンはよくやったと思うが、他にもやり方はあ[っ]たんじゃないかと思う
・ジャクソン悪いことはしてないのに、これから大変そうだなと気の毒に思った。
・デイビット・ジャクソンは最後までよく戦ったなと感じた。日本に比べてさっぱりと、はっきりとものを言っていて、ストレートに受け取ることができるなと感じた。
・[工場長は、ギルベイン市が]何も言ってこなければ何をしてもいいと思ってるのはなんなんだ…?例外規定がある限り、人は不正をするってことか
・会社の闇と戦う正義が見えて会社に就職するのが怖くなった。
・会社の利益を考えている人間(ジャクソン以外?)は、ジャクソンの立場になって考えてないし融通が利かなさそうなので頭が悪そうだなあと思いました。
・会社は利益のことばかり考えていると思った
・皆が責任逃れをしようとしていたり、公衆の安全よりも自分たちの立場を優先していたりしていて不愉快な気持ちであった。でも、ジャクソンだけが公衆の安全を優先していてすごいと思った。
・皆一生懸命で常に焦っていたり怒っていたりしているなと感じた。
・関係が色々と複雑だった。
・企業の利益だけを追求しすぎると、取り返しのつかない事態になると感じた。
・現代では考えられないような問題だと感じました。会社としては真っ先に対処すべき問題ではないかと思った。
・混乱した内容もあったが、海外でもこのような倫理的な問題が起こるのだなと感じた。
・最後の3人で話し合うシーンで、市の条例やら内部告白した後の自分のことやら考えなければいけないことがたくさんあって難しかった。
・最後まで自身の意見を突き通したジャクソンは技術者として、とるべき行動をしたと思う。
・市民の健康を守れて良かったけど、少しもやもやとした気持ちになった。
・指摘されたら直すという主張は、小学生並みだと思った。
・自分が重要としているものと相手の重要としているものが違う
・自分の立場を捨ててまで、自分の良心に従ったのは良かった
・自分はこの状況になりたくないと思った。
・主人公はいろんな人を頼って解決しようと考えていたのが前までと違うと感じた。途中から誰が誰か分からなくなった(特に男性)。 [でしょ?]
・少し難しかった。
・上の人がかたくな[頑な]で協力してくれない
・上司や会社が対応しない場合は、自分が犠牲になるしかないのがどうしようもないと思った。
・色々な人がいて、立場も色々あってよくわからなかった [ある程度予習していても、そうなります。貴方/貴女の問題ではありませんよ。その理由については次回お話しします]
・人として正しいことをしたのに何でクビにならなきゃならないのか。
・誠実に対応しようとしすると、何か失うのは悲しいなと思った。
・責任のなすりつけ合いがすごいなと感じた。
・対立構造は大変だなと感じた
・誰が誰だか、登場人物が多く混乱した。
・誰が誰なのか等状況を理解できなかった。
・登場人物が多くて少し混乱した。 [以上、前述(↑)しましたが、日本人が観るとどうしてもそうなりがちです。その理由については次回解説します]
・難しい問題だと思った。
・板挟みになっていて辛そう。
・法律と条令を守っても環境は汚染されるんだと思った
・法律やルールだけ守っていればいい、という脳死の人たちほど上の立場にいたりするの、なんでそんなにそんなことになるんだろうと思った。嫌すぎる


Q.2. 「ギルベイン・ゴールド」をご覧になって、個人的にはジャクソンのように内部告発すべきだと考えましたか? あるいはそうではないと考えましたか?
A.2.(グループで議論をする前の状況です。次回議論しますのでコメントは控えます)

1.内部告発する

28名(60.9%)

2.内部告発はしない

10名(21.7%)

3.その他

8名(17.4%)

1.内部告発する

・うそをついたら自分が後悔しそうだから。
・ここまで突っかかっていたらどうせこの会社でもこの会社での立場が悪くなるし、内部告発してスッキリしたほうがいいから。
・やはり、自分の立場よりも市民の安全が大切だから
・違反についてを市の環境の人と話し合いをしに行く。そして、基準を守っているが量が多いということから環境が破壊している可能性について言う。 [この方は実質的に「3.」ですね]
・会社の見方をしても責任を取らされてくびにされると思うから
・企業が毒を放出していることに耐えられないから。
・公衆衛生のために。
・告発して、どこかへ逃げる
・告発しなければ、誰かの命を奪うことになり、罪悪感に押しつぶされそうだから。
・告発することで、後々大変な目に合うが、事実の伝え方を工夫することで肯定的印象を与えることも可能ではないかと感じたから。
・市民の生活に関わるため、市民の安全が最優先
・自分が責任を取る立場になるならできるだけ正しいことをしたいから。
・社会的バッシングを受けるほうが精神的につらいから。
・重大な責任を負いたくないというのが一番の理由です。次に倫理的におかしいことはするべきでないという気持ちが来ると思います。
・上層部が何も行わないのであれば、内部告発をすることで市民の安全を守った方がいい。
・職や資格を失うのは怖いけど、それ以上に自分が行動しなかったせいで他人の人生や生活が脅かされたとなれば、罪悪感で自分がおかしくなると思うので [このチェックは「徳テスト」ですね]
・世間にも事情を知ってもらうことで、問題解決する方法が何か得られる可能性があるから。
・責任を問われるならする。そうではないなら今の立ち位置を守る
・他者の健康だけでなく、自身の地位・健康にも害が及びそうだったから害が少ないうちに内部告発したいと感じた。
・多くの人に被害が出ることがわかっているから
・毒物という実際に人体に影響を及ぼす可能性があるリスクに対しては、法整備が間に合っていないという事実もあるため、同じようなことをしている企業のためにも内部告発を行うべきであると感じた
・内部告発してもしなくても結果として職を失いそうなので、どうせなら道理が通る方を選びたい
・内部告発して自分が責任を取るしか解決方法がないように思えた。
・内部告発すれば、世間からの評価が高まり、転職がしやすくなるかもしれないから。
・内部告発はするが、自分の足がつかないようにする。 [匿名での告発ということですね。この点は次回ないしは次々回にご説明します]
・内部告発をしないと自分が後悔するから。
・被害が出ているため

2.内部告発はしない

・クビになるリスクを負いたく無い。告発しても守ってくれる法律などがあれば良い
・もんだい[問題ない]ないから
・リスクが大きい。黙認。
・基準値を超えているかまだ分からないから。
・苦労して取得した資格がはく奪されたら嫌だと感じるからです。
・自身の社内での立場が危うくなるから。
・自分のキャリアに関わるため、会社を辞めて関わりを絶つ。
・自分を守ってしまいそう。
・内部告発すると自分の立場が危うくなるため、他の人に責任を擦り付けたいから
・内部告発をしたいが、反対意見がとても多い状況であると、戦い抜くことが出来ず、結局内部告発できずに終わってしまう気がする。その後後悔に苛まれる気がする。

3.その他

・リスクを取らず、辞めて転職する
・技術者の協会に話をしてみたり、市に話をしてみる
・自殺する。某公務員はそうしたから。 [内容は理解できますが、もし、後半を遺族がご覧になったらどう感じると思いますか?]
・自分より影響力のある人を頼る。今の自分では、解決することが難しいから
・内部告発をしたらすぐクビになる可能性が高いため、次に就職できるような当てを見つけてから、告発する。
・内部告発をしてもしなくても、職を失うことに変わりはないので、公衆の安全を最も優先しながら自分の安全も考えた行動を取る。内部告発以外の行動の例として、敏腕弁護士を雇うなどが挙げられる。
・砒素と鉛を下水に流さず処理する方法を考える。無理なら内部告発します。


今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載

[視聴したギルベイン・ゴールドについて:こちらも議論に影響しますので、原則としてコメントは控えます]

・ギルベイン・ゴールドの動画を見終わった時、ソーラーブラインドの時よりも不愉快な気持ちになった。理由は、ジャクソン以外[の工場関係者]が責任逃れの行動をしていて、公衆の安全を考えていないからである。
・ビジネスで重要視されるのはやはり金であるという人の醜さを改めて感じた。
・ビデオをみて[観て/見て]負っている責任や立場が違っているため、お互いの重要としているものを尊重できないのではないかと感じた。
・会社の考えの甘さ(国の検査には引っかからないだろうなど)に驚いた。
・経営って大変だなと思った。
・公的な機関と企業が繋がって起こる問題に碌なものが無い気がします。
・今回のようなビデオを見ると、ドラマや映画の世界の話ではなく、本当にある問題なのだと実感する。
・根拠がないから対応できないというのは、今までのどの事例にもあったなと感じました。
・最後まで市民や今後の環境問題について考えていたジャクソンは、技術者の鏡であると思った。
・最終的にどうなったのか気になった
・女社長だか副社長が、いかにもな感じでちょっと面白かった [工場長兼副社長です]
・上司に見方になってもらえないのは辛いと思った。
・責任者の大変さを改めて実感した。
・動画の中で、英語にかぶせて日本語音声を流していたので、若干聞き取りづらかった。
・表では問題を起こしていない、誰も何も言ってこなければ何も問題はないと思うのはおかしいんよなぁ。法律を守っていればルールや倫理は無視してもいいというように。
・聞き逃したことがいくつかあるので動画は、いつでも見ることができると良いと思います。 [希望があれば、次回必要な場面をご覧いただくことは可能です]
・法整備の重要性を感じた。
・本当に事件があれば内部告発できるのかわからない
・倫理的な正しさだけでは物事の判断はできないなと感じた。

[今日の一言]

・アメリカも赤字と言うことに驚いた。世界全体が赤字なのだと知った。 [国家財政は、ね。旧来の枠組みである「国民国家」以外のものに富が流出、集積されているんですね]
・グローバル化ってなんか嫌だなという気持ちになった。
・グローバル化について良いイメージから少し変わったような気がする。
・グローバル化に当たる問題点が浮き彫りになって、何から直したほうが良いやらわからなくなってきた。 [以上、ありがとうございます。我々が考えている以上の地殻変動だということをご理解いただけたようですね。次のステップは、それぞれがグローバル化とどう向き合うか、ということです]
・デイアフターテュモローを見て温暖化に対する印象が変わった [この方は映画をご覧になったようですね。お話ししましたが、本当に怖いのは寒冷化です。食糧が確保できず、戦争の原因となりがちなんです]
・一般常識や、一般的なルールを理解したり守ったりするのは意外と難しいのだと感じた。 [現実の場面ではね。そこをどう乗り切るかが才覚です]
・温暖化が実は大したことないわけではないが、自分が知っているものとは違ったことに驚いた。
・温暖化の話などを聞いて、知識が無いとわからないことだらけだなと思った。 [以上、これまでのイメージがかなり変わったのでは?]
・高校の先生とかにもいたけど、なんでそのルールがあるのかとか、とりあえずルールをまもれとか、ガバガバなルールを個人の裁量でうんぬんかんぬんしてたりとかの人が多くて社会嫌になるなと思った。 [自分勝手な解釈で、という意味でしょうか]
・社会の復習をしているような気分で楽しいです。 [意外と、いろいろなものが繋がっていたでしょ?]
・盛りだくさんな内容だった [そうなんです。今日は相当濃密な内容でした。正直なところ、「ついてこれないかなぁ...」と心配していましたが、さすがはこのクラス、それは杞憂
(きゆう)だったようです]
・全体的に社会の複雑さを説明されている感じだった。上辺だけだと真相はわからないのだと感じた。 [そうなんです]
・代わりの人はいくらでもいるという言葉を使って来る人には、気をつけたいと思った [その通りで、そのような人間は「貴方/貴女のことなんて見ていないよ」と言っているようなものなんですね。大切なのは個々人なのに]
・地球温暖化の件は良く考えたら授業で扱った通りだが、今まで気づかなかった
・地球温暖化の原因は二酸化炭素だけでないことが分かった。
・地球温暖化は、自分も前に、地球温暖化の何がダメなのか気になって調べた時は、温度変化が急速すぎることが、生態系(?)がついていけない、みたいなのをみたなーって思ってました。 [以上、これまでのイメージがちょっと変わったのでは?]
・中学とかで習った公民とかの授業の知識って大学でも使うんだなと思った。 [その通りです。勉強って、実は使い方によってはとても役に立つんですね]
・特になし。 [はい]
・内容が少し難しかった
・難しい問題が多いなと思いました。
・日本の政治などに関して、あまり興味を持たず、目を向けずに過ごしていたが、自分の生活や今の日本の状況、これからを考える上で知識を得たり考えることは必要であると感じた。 [以上、今日の内容は濃密でした。でもこれらの内容がご自身の将来と関係してる、ってことはお分かりいただけたのでは?]
・平均年収が意外に低いなと思った。 [後から調べたところ、少し修正の必要があるようです。平均年収は552万円、中央値は437万円でした。両者の差はごく少数の高額所得者と、年収の低い大多数の存在という二極化が進んでいることを意味しています]
・眠い・・・ [まぁ、1限ですからねぇ]
・来週の話し合い難しそうだと思った [そうかもしれませんが、ここが頑張りどころです]


西村が担当する授業の様子は、<nishimura-sensei.net>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。


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