2021年12月21日更新

3FM1クラス
第12回:2021年12月21日 学習内容授業の運営方法学習課題(予習、復習)課題の解答今日の一言

学習内容

※高度技術社会における技術者の新しい役割

授業の運営方法

・PCを用いた講義・演習
・関連する視聴覚教材の聴講など

学習課題 予習・復習

・提出:課題6(電子的提出)
・復習:教科書の精読(60分)
・次回に向けた予習:課題7(科学技術の専門家として求められる価値観)


課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)

Q.1. 技術者と地域住民とでは、問題に対する見方が変わりましたか?
A.1. (講義内でご説明したので、原則としてコメントは控えます)

1.変わった

29名(47.5%)

2.変わらない

32名(52.5%)

1.変わった

・危険性があまり分かっていなかった
・技術者としては原発を設置すべきだが、いざ自分の家の近くに建てられると不安になった。
・技術者の意見だけでなく、民間人のことも配慮しないといけないと思った。
・技術者の立場と地域住民の立場で見る考え方が違うことがわかった。技術者の立場では大量の電力を制作[この場合は「供給」など]したいので原子力発電所を設けたいが、地域住民の立場では原子力発電という危険性の高いものを近くに設置される恐怖心を抱くという考えになる。
・客観的に考えると考えが変わった。
・客観的に考える際の立場が変わると意見も変わった
・自分が関わるものと考えると意見が変わった。
・自分の家の近くで事故になったら怖いから
・自分の住んでいる地域がリスクを背負うのは、あまりよく[良く]ない気分だから
・自分の身になって考える必要がある
・自分の身内が危険にさらされると考えたときに、反対に変化した。
・自分の立場から考えるか、技術者としての立場で考えるかで意見が変化していた。
・自分や自分の家族に悪影響を及ぼす可能性が出てくると、考えが変わってくる。
・身近な考えで行くと、電気料金の高騰や利便性の面で建設[、]推進するべき名法[?]の考えがあるが、実際問題[、東京電力福島第一原子力発電所という]前例があるためこれが怖い。
・身近にあると身の危険をかんじて[感じて]しまうと思った。
・人が住む場所にとなると危険があった場合怖いから。
・[技術だけを考えると?]他人が苦しんでもなんとも思わないから。
・地域や国の電力供給の向上と、自分の安全は別で考えてしまう。
・地域住民であれば反対であったが技術者としては賛成だと感じたから
・地域住民としての意見では危険なことがあるかどうかで判断して、技術者としての意見は危険がどのくらいあるかで判断した
・地域住民になると反対になり、自分の身に危険が及ぶと感じたので変化した。
・地域住民の場合危険が身近にあると感じたため反対に意見した
・地域住民の立場に立つと、自分や家族などの地域住民の安全が脅かされるから。
・地域住民目線でみたらやめてほしいが、技術者としてそれが最善なら仕方がない
・日本の発展と自身の安全を天秤にかけなければいけない
・被害者が多かったため。
・立場が違うため、それぞれの立場に立つと意見が変わってしまった。
・立場が変わると意見が変わる。お互いの立場を考えることが大事かもしれないが、なかなかできないと思った。
・立場によって考え方は多様。

2.変わらない

・そもそも原発は危険でいらないと思うから
・どちらとも、生活していく中で、自分に利益の高いものを選択した。
・どちらにしても原発であることには変わりないため反対
・リスクの判断をする際に感情的になって判断する人は嫌いです
・安全に暮らしたい・暮らしてほしい
・一人暮らしなら建設に関して問題視しないが、家族がいる場合は迷うと思う。
・技術者としても、地域の住民としても考えは変わらなかった。
・技術者としても、地域住民だとしても危険なものにかわりないから
・技術者視点でも、住民のことも考えに踏まえるため
・経済的に豊かになることは確実だから。
・見えないリスクはリスクじゃない。
・原子力で起こる事故の確率を考えると、経済的に潤った方が良いと思うから。
・原子力発電の安全対策についてよく知っていれば、答えは変わったかもしれない。
・原子力発電の危険性を考えて
・原子力発電は危険だと元々思っていたため、意見が変わらなかった。
・原発があって問題が起きる確率なんて低確率で、大量の電力がリターンとしてあるから
・原発が自分の近くにあるのは恐ろしいため。
・死ぬときは死ぬから
・自身に危害が及ぶ可能性があるから
・自分の状況によって変わると思う。
・自分の身近なところに設置されるとなると嫌だと感じていたので、あまり変化しなかった。
・進展に原発は必要だと考えている。なので地域住民だからといってその意見は変わらない。
・推進に反対であって既存の物を使うのは賛成だった。しかし、自分の地域には原発はあってほしくない。
・生活圏にハイリスクとリターンをもつ爆弾を持ちたくないから
・対象が他の地域の人か自分や家族という違いがあるだけで、危険性が変わったわけではないため。
・地震が起きる可能性よりも街の活性化の方がいいと思うから。
・特に響かなかった
・特に変わるべきと思わなかった
・日本での主な災害として地震があるが、一回地震での事故を経験しているため、日本の耐震技術の進歩を信頼して、建設に賛成だった。その他の災害での事故は、仕方ないと思う。
・必要不可欠
・立場が違っても変わらなかったから
・立場の変化によって意見が異なることはなかった。


Q.2. 研究不正に関するビデオを視聴した感想を
A.2. (原則としてコメントは控えます)

・「僕の研究室で優秀な学生が優秀な研究結果を出しました」という結果を残したかったために研究結果を改ざんしたのかなと考えた。 [気持ちはわかるのですが、主に教授自身の名誉と研究費獲得のためと推測されます]
・30もの論文で不正が見つかったことに驚いた。
・ただ、不正行為を行って名声を得たいという考えだけでなく、色々な圧力によって正しい判断ができなくなっていると感じた。
・データを使い真実を見つけるのではなく、データを使い真実を作る[=捏造する]のは研究者としてどうかと思う。
・どの大学でも起こる可能性のあるものなのでもし自分がその立場になったら気を付けなければいけないなと思った。
・どんな理由があったとしても不正をしてまで論文を作り上げるのは間違いだと思う。
・なぜ不正したのかが気になった [上記ご参照]
・一度捏造をしたら癖になって辞められないと思った。 [その傾向はあります]
・何故良い結果だけを残さなければならないのか分からないと思った。 [その通り]
・改ざんが行われていると、その大学の論文すべてに信憑性があるかを疑ってしまう。 [実際、そうなってしまいます]
・結果重視になるのはなんとなくわかる。評価がすべてのところもあるので。 [でもそのために捏造、改竄しますか?]
・結局ばれることを何でするのかわからない
・研究で不正を行うことになんのメリットがあるのかよくわからなかった。
・研究の意味がないと思った
・研究の進行に問題があると思った。
・研究の成果が出ないと補助金が出ないという、日本の研究環境に問題があると思った。 [世界的にもこの傾向です]
・研究の成果を他者に見せたいがために意地を張って虚偽の論文を発表するというとても悪質な行為だと思う。
・研究機関である大学などで不正が行われているとは考えてもいなかったが、実際に見て驚いた。
・研究室を途中で変えることが難しい以上、学生は卒業を盾に逆らうことはできないと思う。
・研究者に対して圧力は良くない
・研究者も何か成果をだ[出]さなければと焦るんだろうなと思った。
・研究不正が相次いでおり、その要因について調査していた。倫理綱領のように、不正行為をしないというルールがあったとしても研究不正はなかなか消えないことが分かり、逆にどのようにすれば不正はなくなるのか疑問に感じた。 [続きは大学院の科目で]
・後々ばれることをなぜするのだろうと思った。
・功績に目がくらんだうえ[↑]での不正行為が起きているのは信用問題にかかわる重大な要因であると思った。
・作成された論文の調査[=査読(審査)のこと]が甘いのか、捏造が上手いのか、研究論文の不正が発生することに疑問を感じた。
・指導を受ける側の人間からしたら、指示に従わなければならないと思考が狭まってくように思う。 [何度もお話しした「視野狭窄」ですね]
・私が予想していたより毎年多くの大学が不正をしている事実に悲しくなった。
・自分たちの課題も論文を根拠にしていることが多いので不正が多くてがっかりした
・自分は参考文献のURLを間違えて捏造的な扱いになったことがある。もし場面が違えばこんなにも大きな問題になっていたんだと思うとゾッとした。
・実験は成果を出すものでなく結果を出して考察するものであると考える。そのため、資金繰りがひっ迫[逼迫]すると真実にたどり着けなくなる [研究資金については、その通り]
・実験結果ではなく、こういう結果が出て欲しいというものを結果に書き換えるというのは研究でもなんでもなく、倫理的に間違っていると感じた。 [こちらもその通り]
・実際にあった事柄を列挙し、取り上げた仮説が違うこともまた研究結果であり、正解であるのではないかと考える。問題は自分の考えが間違っていると認められないある種傲慢な考えが招いた問題ビデオであったと感じる。しかし報道とは不思議なもので、悪と断定したものの悪い点のみをうまくつついて出来ている点がどうも不思議だと改めて感じた。 [最初の部分はまったくその通り]
・実際の研究室の雰囲気や、教授の態度が本当に功績重視だったのかについては、疑問が残った。
・実績や利権に溺れるような人間はそもそも学問や研究には向いていないと感じる。
・就職で追い込まれているんだと思う。
・人は見かけによらないと思った。結局不正したのかどうかが分からずモヤモヤした。 [研究不正をしています]
・人々の生活を豊かにするための研究なのに、このような不正が行われるのは残念
・成果を得られなければ研究費が減らされる制度が問題である。成果が得られるとわかっている研究の方が世の中に少なく、日本の制度を見直すべきである。
・生徒[正しくは「学生」]自身が捏造を行ったわけではなく、教授の指示に従ったことによる研究不正であった。良い研究成果を得ることが重要である末に起きたことであると感じた。
・折角日本の科学技術が発展してきているのに、このような行為をして世界からの信頼を失うのはとても残念だと感じた。
・知識がある人間だからこそ、上手く不正することができるのだと感じた。このビデオを見て、ダン・アリエリーの本で書いていた内容がなんとなく理解することができた。 [不合理について論じた本ですね]
・追い詰められるとなん[〜]でもやるんだなと感じた。圧力が怖いと思った。
・東大は日本においては重大な信頼を背負う研究機関である側面もあると感じていたので、信頼を著しく損なう行為だと思った。
・頭がいい人でも不正を行っちゃうんだなと感じた
・不快に感じた。
・不正した研究に何の意味があるのか。研究費を受け取っているのならそれ相応の研究はした方がいい
・不正しなければいけなくなるまで追い込まれていた原因が明確に見えてこなかった。
・不正にはそれ相応のペナルティがあるのだと思った
・不正はいつか必ず見つかってしまうものだと思った。
・不正はしないほうが良いと思った
・不正は良くないし、不正でなくても紛らわしいことをすべきではないと思った。
・不正を行うとばれるのだと思った。私もPDVの時には、不正を一切なしの研究内容をかけるようにしたいと感じた。 [ぜひぜひ]
・不正を行ってまで発表した理由が気になった。圧でもかけられていたのか。
・不正論文の始まりは、ありもしない結果を求められたことから始まったことを知った。数人の倫理観のない人から、不正論文の風潮が始まってしまったと考えると憤りを感じる。
・有名な大学の教授でも成果を求めるあまり、不正をしてしまう事もあるので、研究で成果を上げるということはとても難しいことだと思った。
・理想としている研究結果にしたい気持ちは分かったが、仕組まれた研究結果に価値はないと思った。
・論文の重さが分かった。
・論文の情報は信用されるものであるべきなのに、このような不正があると信頼が揺らいでしまうと思った。
・論文の不正をしてでもして結果を出さねば予算を獲得できない現状が問題であると考えている。国立大学などの研究に潤沢な予算を出さない政府が悪い。政府に文句を言えない学会にも問題がある。 [学会は資金を提供するよう繰り返し主張しています]
・私も来年から研究をするので注意しないといけないと感じた。 [ぜひぜひ]


今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載

・「科学者の行動規範」の大切さについて改めて認識することができた。 [研究でも...ということをご理解いただけたようですね]
・データの改ざんは、例外なく行う意味がない事が分かった。 [その通り]
・データ改竄はとても気軽に行われていたのだろうと感じた。 [これはいろいろです]
・なし [はい]
・むずかしかった [これは後半でしょうか]
・嘘をつかないのが一番重要だと感じた。 [まさに倫理の第一歩ですよね]
・科学に関する技術者が、不正を行った挙句責任を軽くするためにケアレスミスという言い訳をしているのがみじめだと感じた。 [確かに]
・科学技術の言葉の意味を知るとYouTubeなどで実験動画を出している人などは本来あるべき真実を追求する科学者の姿であると感じた [なるほど。そのような映像もあるんですね]
・科学技術者として、不正は行ってはいけないと感じた。 [もちろん]
・科学者の本分を間違えた問題の定義があったように感じた。ずるい、ともとれるだろうが、相違があって事実が輝くのだろう。 [?]
・客観視することは重要だ [こちらも、もちろん]
・研究テーマは早めに決めておくべきだと分かった
・研究のためになる授業でした
・研究の不正などは少し身近に感じる話なので、真剣に向き合わないといけないと思った。 [以上、来年の後学期は皆さん自身の問題です。それを意識しましょう]
・研究の捏造が衝撃的だった [実は、意外と多いんですね]
・研究結果を不正する人がいることは非常に怖いと感じた。 [そうなんです。社会の基盤が崩れますからね]
・今までは技術者の立場と経営者の立場で問題を考えてきたが、今回は住民などといった世間の立場を考えると、求める考え(回答)が変化することがわかり、そういう心理が存在していることに驚いた。 [その通りで、多面的に考えることが重要なんですね]
・今研究に追い込まれているが、焦っているからといって嘘をついたりしないようにしたい [ぜひぜひ]
・思った以上に不正論文や捏造が多くて驚いた。工大は大丈夫であると信じたい。 [センセイもそう願っています]
・自らがなすべきことをはっきりさせることが大切だと思った
・自身の行う行動が公衆に与える影響を考慮する大切さを改めて理解できた。
・自分が行う研究を客観的に考えていくことは忘れてはいけないと思った。 [以上、その心掛けで来年のPDIIIを頑張ってください]
・自分の立場によって意見が変わることがわかり、客観的に判断できていないことがよくわかった。 [実は誰でもそうなんですね。程度の差こそあれ。それに気づくことが重要です]
・実験結果などを改ざん[改竄]したくなる時もあるけど絶対やめとこうと思った  [でしょ?]
・人間の欲が招く不利益は[、]のち[後]に大きく響いてくると分かった。 [実はそうなんです。義務論的に考えても、功利主義的に考えてもなんですね]
・世の中には倫理問題が山ほどあるということが分かった。 [残念ながら、それが現実です]
・世の中を知らない人が文句を言い、知っている人が有利になる。だから知識が必要になる。 [その通り]
・早めに研究に取りかかろうと思った。 [ぜひぜひ]
・当時、良し悪しでしか判断できなかったSTAP細胞について考え直すことができた。嬉しい。 [来年度はご自身の問題ですよ]
・特になし
・特になし。
・特に無し。 [以上、はい]
・日本の学者は働きづらいと言われていたが、理由を知れた。 [優秀な人材が海外へ流出する理由です]
・不正が経済にもたらす影響をもっと知りたいと思った。
・不正などが気付かれないまま技術が普及したらどれほど危険なのか考えることができた。
・不正はやってはいけないが、高度な技術社会になっている中で不正を暴くのは難しいと分かった。 [そう思われるでしょうが実は、現在はコンピュータを用いて仕事をするので、途中のデータがあればバレやすいのです]
・不正は良くないと感じた
・不正を強要されても断る勇気を持てるようになろうと思った。
・不正論文の風習が、後に科学分野での日本の信用を無くすことになったのは、大変残念なことである。 [以上、残念ながらこれが現実です]
・物事を客観的に正しく判断する力をつけようと思った。 [そうですよね]
・本日も大変面白い授業でした。良いお年を。 [ありがとうございます〜。良いクリスマスと新年をお迎えください]
・問題が多く、考える時間があったので最後まで集中できた。 [ありがとうございます。やはり回答時間は長く取る必要がありますね]
・様々な価値観があり、それらのバランスを見極めるために今までの講義で得た倫理的な知識が必要になるとわかった。 [重要な点をご理解いただけたようで嬉しいです]
・論文の捏造・改ざん[改竄]が怖い
・論文を行うのにもいくつか申請する必要があることをはじめて[初めて]知った
・論文を書く上で留意しなければならないことを学んだ。
・剽窃や捏造の罪の重さを改めて知った。
・捏造を多くの機関がやっていて驚いた。
・捏造剽窃はやってはいけない。 [以上、研究不正について具体的に知ったのは初めてのようですね。来年の後学期はまさにご自身の問題となります。今のうちからそれを意識しておきましょう]


西村が担当する授業の様子は、<nishimura-sensei.net>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。


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