2021年12月22日更新
3FY1クラス
第12回:2021年12月21日 学習内容/授業の運営方法/学習課題(予習、復習)/課題の解答/今日の一言
※高度技術社会における技術者の新しい役割
・PCを用いた講義・演習
・関連する視聴覚教材の聴講など
・提出:課題6(電子的提出)
・復習:教科書の精読(60分)
・次回に向けた予習:課題7(科学技術の専門家として求められる価値観)
課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)
Q.1. 技術者と地域住民とでは、問題に対する見方が変わりましたか?
A.1. (講義内でご説明したので、原則としてコメントは控えます)
1.変わった 21名(45.7%)
2.変わらない 25名(54.3%)
1.変わった
・いざ自分の近くに危険なものができるかもしれないという事実がある場合は、否定的になってしまう
・そりゃあ自分は被害を受けたくないよねということ
・やはり公衆の安全を第一に考えるべきであるから、原子力発電所は住宅の近くに建てないべきであると思う。
・安全性を考えれば、家の付近に原発が出来るのは怖い。
・危険性が分かっておらず、技術者が怠慢を行おうものなら[、]こちら側に被害が被る可能性もあるので反対に変わった。
・技術者としてはうれしいが、自身の安全と合理的な考えは異なるから
・技術者としては国を豊かにするために必要であると理解しているため、国のために発電所の設置に賛成できる。しかし、住民側となると発電所の危険性を今までの事件で理解しているせいで賛成できない。
・技術者と地域住民では、重視するものが違うから。
・技術者は原子力発電所のメリットをよく知っているが、普通の住民で専門的なことを知っている人は少ないと思うから。
・技術者視点で利益などを考えると@は賛成だったが、地域住民として考えると反対だと思った。
・原発が必要だと感じるが、自分の危険のリスクがあると感情によって選択意思が変わってしまうことを学んだ。
・自分が関わるのは嫌だから。
・自分たちの生活に必要なものであるため、それに代わるエネルギーや低エネルギーで使える機器が普及しない限り、作らざるを得ないと思う。しかし、無くなっていってほしい。
・自分に大きく関与しそうか否かでリスクについての思考変わるわと思った
・自分のリスクが高まるのは嫌だから
・自分の安全が関わると、意見が変化してしまった。
・自分の住んでいる地域に建てるとなるとリスクが高くなってしまう
・自分の身に関わるかどうかで変化してしまった。
・自分や自分の周りの人に害を与えるのは嫌だけど、電力を供給してもらうには必要なのかなと思う。
・地球温暖化などを考えると作ったほうが良いと思ったが、地元にできると色々なことが起こるということを考えると難しい部分もあると思った。
・立場を含めて客観視するのは難しいと思いました。2.変わらない
・スライドおよび講義の内容の情報はある程度知っていたため、変化はしなかった。
・その土地の住民のことを両方とも考えていたから。
・そもそもあることによって、生活にどれだけ支障が出るのかがわからないため
・どちらともいえない感が否めなかった。
・どちらもリスクとメリットを比べると同様の考えになった。
・危険なものはいくら住人が少ないからって、人の住んでいるところにつくるべきではない。
・技術者として、住民のこと、自分のことを考えなくてはならない為、変わらなかった。
・技術者としての意見を考えたときにも、自分だったらという風に考えていたため、変化しなかった。
・技術者として求めている部分と住民が求めている部分がそもそもちがうと感じたから変化しなかった。
・技術者の立場として見ると変わらないため。
・具体的に思いつかなかったので変化しないとしました。
・原子力発電に関する知識が少なすぎるので、何とも言えない
・原子力発電は、環境に多大な被害を与える、毒性が強く安全とは言えない、などの問題点から、どちらの立場に立っても意見に変化はなかった。
・原発に対していいイメージがないのと、太陽光発電や地熱発電があるこの世の中で原子力発電を選択する意味はあんまりないのかなと思った。発電した電力貯めておけるみたいなので。
・原発は危険なものではあるが、電気の供給量にとっては大事なものなので、賛成から変わることはなかった。
・互いの意見を理解できた。
・賛成→賛成 原発事故はそうそう起こるものではないし、原発は電力供給に役立っているため必要だと考える。家の近くだと電気代安くなるならむしろラッキーに感じた。
・自分の身近にあるのは怖いという思いが変わらないかった。
・正直仕方ないことだと思っているから
・地元が上越で割と刈羽と近かいので、意見が変わることは無かったです。
・地震のことを知っているから初めから反対
・電気代が安いほう[方]に惹かれた
・東日本大震災で原発の怖さを知ったから
・必要なのは分かるけど、どちらの立場でも反対の気持ちが強かった。
・利益や効率を求めればあるほう[方]がいいが、誰かが犠牲になるのシステムならどちらでも良い。そもそも埋め立て地にすればいいと思ってた。
Q.2. 研究不正に関するビデオを視聴した感想を
A.2. (原則としてコメントは控えます)
・10年も[研究不正を]ごまかせてしまうんだなぁと感じました。
・お金という資本が関わるから、研究不正を行うのだろうか。
・どうやって不正が発覚したのかの詳細が知りたいなと思いました。また、なぜ不正したのかの詳細も知りたいと感じました。
・ビデオを視聴したことで、不正を防止するための組織の重要性を認識した
・まわりの環境が良くないと思った。
・因果関係が分かりやすい実験研究だと不正が起こりにくいと考えたいたが、逆に不正をしやすいのだと感じた。
・汚いなと思った。
・仮説を支持しない結果も有益であると思うのですが、なぜいい結果ばかりを求めるのでしょう
・仮説を立てて、仮説通りの結果が出なかったら結果をすり替えることはいけないことであり、自分も4年[のPDIII]で絶対にやってはいけないと強く感じた。
・仮説通りの結果が出なかったら、何がいけなかったのかなどの原因究明をして次の実験に繋げるなど、不正をしなくても良い実験というのはできるし、失敗からも学べることも多いのに不正をするのは勿体ないと思った。
・科学にはお金がかかるが、現状満足に支給されている研究室や部署はごくわずかであり、その結果過度な成果を求める構造ができていると考える。潤沢に資金を幅広く投下することで、失敗を認めて建設的に研究を行う土壌を作成していけると考える。
・過度な成果主義は、実害を生む。
・改ざん[改竄]した理由や周りの証言と本人の証言が違いすぎて、結局分からなかった。事実として、不正をしていることには変わりないということだけ分かった。
・求めるデータを出すために、データを意図的に省いたり、仮置をあたかも本当の実験結果のようにして扱うのはおかしいことだし、してはいけないと思った。それに、そもそも実験した痕跡がみられないということは論外だと思った。
・教授にも論文を提出するノルマがあるので、追い詰められて不正につながるのもわかる。けど良くない
・近年では研究倫理が重要視されてきていたが、そんな状況でも不正が起きるのは研究以外の要因が絡んでいるということが難しいと思った。
・研究に参加している側からしたら、[教授の]いう[言う]ことを聞くしかなくなる状況にされやすいと思うので、怖いと思った。
・研究は、予想していたデータと違うものになっても有力なものと教えられていたので、ここまで大きな不正は驚いた。自分が同じようなことを無意識にしないように気を付けたい。
・研究をするにあたって、仮説を支持する結果を求めることは共感できるが、事実を明らかにし、科学技術の発展を促進する姿勢を忘れてはいけないを感じた。
・研究結果が出ないと補助金が出ないという状況では起こっても仕方がないことだと思った。普通の精神状態ではいられないようになりそうだと思った。
・研究者が行うこととしては考えられない行為だと感じた。
・研究者は一番知識を持っていて、一番頼りにされるはずなのに不正をするのは、何を信じてよいか分からなくなるなと思いました。
・研究者を目指している為に、データの取り扱いについては細心の注意を払いたい。
・研究費をとる[取る]のにも大変なんだと感じた。
・研究費用が足りないがために、研究本来の意義である真実に迫ることを忘れてしまうことは悲しいと思ってしまった。それと同時に気持ちはわかると思ってしまった。
・研究費用などが絡むと有名大学でも仮説通りに論文を書こうとするんだと分かり意外だった
・研究不正が実際に行われていることはあっても、論文にしているということにとても驚いた。捏造された論文を信じて製品などが作られた場合、自分達も被害を受けるので、論文の捏造だけはやめてほしいと思った。また、加藤氏は捏造に関してお詫びのコメントをしているが、あまり反省が見られないような感じであったため、信頼を取り戻すことは難しいと思った。
・今まで頑張って学んできたのにそれを活かすどころか不正をして実績を得ようとする研究者にあるまじき行為だなと思った。
・事実を明らかにするための科学が反対のことをしているというナレーションがあって、激しく同意しました。
・自身の学科はそのような研究不正に関する話題がしばしば出され、研究不正に対しては極めて敏感な反応があるので、絶対に気を付けなければならないと常に考えている。
・実際に実験を行わずに掲載した場合、過去の論文からの剽窃がすぐに見つかると思いきやそうではなくて、同じことを常習していそうだと思った。
・上の人、先生に言われたら逆らえないと思った。
・上司の圧に逆らえず、その方針に従うように行動しようとすると、少しくらいダメでも大丈夫かと思ってしまい、それが不正に繋がってしまう。この授業で話していた、視野狭窄だと感じた。
・情けないと思った。しかし不正をすると社会では職を失うほどラ[タイプミス]信頼がなくなるから、学生のうちに口酸っぱくいうんだな、と感じた。
・信頼って本当に大事だと思ってて、例えばあの会社のチョコ食べたらまずかったからもう買わないでおこう、みたいになると、本当にもう買わなくなる。逆に、あの会社のチョコはよかったって一回なるとそのあとも買おう、みたいになる。その会社の製品に対して信頼があるからだと思うこれは。論文とかも同じで、不正がちょこちょこ見つかるだけで、もうその論文に関わってる組織とか個人の色々なことに対して信頼が落ちて信じられなくなる。オオカミ少年みたいな。だk[「か」のタイプミス]ら、信頼は本当に守らないといけないものだなと思った。
・人は見かけによらないと感じた。心理学では、再現できなかったことも重要な結果となるが、名誉や金銭面を重視してしまうとこのような不正を誘発してしまうと思った。
・人は誰しも目先の欲に目がくらみ、理性的な行動から逸脱してしまうことがあるので、最悪の事態を想定しながら物事を進めていく必要があると思った。このビデオでいう最悪の事態とは不正が明るみになることだが、明るみにならなければ良いというわけではない。正当性について考える必要があると思った。
・大学生の立場で不正をしろと言われたら、断ることは難しいだろうなと思った
・大学内のポストのために、不正が行われ、その大学だけでなく、日本の評価が下がるのは、非常に悲しい。
・難しい問題だと感じた。何かに追われている中で結果を出さないといけないというストレスから不正を行ったとしても、何かに追われなくては実験は発展していかないし、怠ける可能性がある。いい塩梅を見つけることが重要なのか?
・日本の論文では他にも多くの不正論文があるのではないかと思った。先行研究の再検討を行う必要性を強く感じた。
・不正が多いのが非常に残念
・不正することにメリットがあったのかなと思った
・不正の危険性や重大性を再確認できた。
・本当に研究員に改ざんを強いるような発言をしていのなら、どれだけのデータを改ざんし、結果を捏造してきたのかと思うと少しゾッとした。
今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載
・4年[のPDIII]でやった研究は仮説通りの結果にならなくても不正はしないようにしたい。 [まったくその通りですね]
・PD3の時に、参考にできる内容だった。 [ご自身の問題となるかもしれません。気をつけましょう]
・stap細胞を例に不正の恐ろしさを学べたので、良かった。 [残念な件ですね]
・コロナの飲み薬開発中止に伴って、国が資金返却求めたりしている限りこの問題は変わらないと感じる。日本は金を自分で刷れるので、研究費系はバンバン刷って出さないとどんどん先細っていくと感じる。 [この件は知りませんでした。ありがとうございます]
・その場の感情で行動することがないように、考えて行動できるようになりたい [ぜひぜひ]
・なぜ東京大学ともあろうものが不正を働くことになったのかについて疑問でした。
・なぜ不正したのかどうやって不正が発覚したのかの詳細が知りたいなと思いました。 [以上、来年度の大学院の講義で考えましょう]
・まさか東京大学で倫理という一番当たり前と考えられるところで不正が行われていたことに驚いた。他人事でなく、自分がそうならないようにしなければと改めて思った。 [その通りですね]
・仮置きという言葉を初めて知った。 [センセイも初めて知りました。我々は使いません]
・科学と技術が外国では別のものとして扱われているのは初めて知った [歴史的には別物なんですね]
・外れ値でないものを外れ値として、処理してしまった場合、改ざんになってしまうのではないかと思って、研究がこわくなった。 [状況によります。難しいところです]
・各立場によって考え方が違い、その違いをどのようになくすか(小さくするか)が重要であることがわかった。 [まったくその通り]
・頑張れた [今日は多少の活動を取り入れていたものの、基本的には講義だけでした。その分、ちょっと疲れたと思いますが、まぁ、最終段階なので]
・技術者としての役割を果たすと同時に、社会的に生きていくことが対立し、その葛藤が不正を生むのは悲しいと感じた。 [その通りですが、そこを何とか工夫して、ご自身の人生を切り開いてください]
・技術者と科学者の違いを学べた。日本が必要に迫られて導入した科学技術には発展の過程で問題もあることがわかった。 [歴史的には別々のものだったんです]
・結果を求めて不正をしてしまうこ[と]が、人の命や健康に大きな影響を及ぼしてしまうことを学んだ。 [その通り。公衆の安全、健康、福利を損ねてしまうんですね]
・研究の不正は仕事での不正と似たような原因なのかもしれないと思った。 [確かにそのような面があります]
・研究を行う上で注意すべきことを再確認できたと思います。 [来年度のPDIIIに生かしてください]
・研究不正の数に驚いた [実はまだたくさんあります。残念ながら、我々は教材に困りません]
・原子力発電について、自分は技術者に親近感を抱いてないため、地域住民としての意見に近寄ったことを考えた。しかし、工学部など技術者に近いことを学んでいる人達は自分と違った意見を持っていそうで意見を聞いてみたいと思った。 [ぜひ]
・講義を受け、倫理や理念を理解する必要性を感じた。 [ありがとうございます]
・今日は特に心理学の内容があって面白かった。 [S. フロイトやC. G. Jungが登場するなんて、夢にも思わなかったのでは?]
・昨日シン・ゴジラ見た後だったので、専門家の扱いや立場が理解しやすかったです。 [なるほど]
・視野狭窄になる状況を聞くと、心臓がきゅってなる感じがします。 [そのような危険な場面をいかに早く察知し、回避するかがポイントなんですね]
・実際に不正を行う人たちはどんな心境でそれをしていたのかと疑問に思う。 [来年の大学院科目で考えましょう]
・情報捏造について理解した。 [はい]
・心理は不正をしにくいということを知った。先生から言われたら、データ改ざんしてしまいそう、、、。 [現在は、です]
・心理学は案外活かせられるのかもしれないと思った。 [もちろんその通り]
・震災の方が死亡率が高いのは驚きました。 [2万人近くが亡くなりましたからねぇ]
・人間は誘惑に弱いなと改めて思った。 [そうなんです。それを意識することが大切なんです]
・先行研究の再検討の重要性に気づけた。 [それは良かった]
・[来年の]卒論[PDIII]のことを考えるとつらく[辛く]なった [ちゃんと勉強していれば、心配する必要はありません]
・大学で学んでいる学問によって、かなり考え方に差が出ることが分かった。両方の思考を身に付けられれば、より論理的に考えられるようになるのではないか。 [そうなんです。分野によってずいぶん違います。心理学を研究する皆さんは、できるだけ多様な考え方に対応できるようにする必要があるんですね]
・地震でなくなる人よりも自殺でなくなる人の方が多いことに驚いた。 [残念ながら、これが事実です]
・東大の研究者も不正をするというビデオを見て、偏差値は大きく違うがやはり同じ人間なのだなと感じた。 [確かに]
・不正、ダメ絶対
・不正してもいずれはバレるのでいいことないなと思った。社会に出るとバレた時に取り戻せなくなるので大変だなと思った。
・不正はやめよう!
・不正は決してやってはならない
・不正論文が多いことを知った。有名な人が出した論文の5分の1が不正認定というのはとても驚いたが、こんなに日本って不正しているのだとわかった。 [以上、研究倫理については来年度大学院科目で学ぶことができます]
・普段学科の先生から言われているようなことを考えながら講義を受けてました。 [皆さんの分野では、ちゃんと教育しているんですよね]
・民衆の意見と客観的な事実は合致しないことがあるということを再確認できた。 [少なくとも一般大衆はそう考えるということです]
・来年自分が直面する問題なので、しっかり考えたいと思いました。 [ぜひぜひ]
・倫理の重要性を感じた [でしょ?]
・例え自分の望む結果ではなくても、データの改ざんや結果の捏造は決して行わないようにしようと改めて思った。
・論文の不正がばれることで、その専攻分野の研究の後退を促進させてしまいそう、誠実なデータが必要となると思った。 [以上、こちらも来年度学ぶチャンスがあります]
西村が担当する授業の様子は、<nishimura-sensei.net>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。