2022年5月12日更新

3EP3クラス
第4回:2022年5月12日 学習内容授業の運営方法学習課題(予習、復習)課題の解答今日の一言

学習内容

※技術者としていかに行動すべきか
・倫理的問題解決の方法
・エシックステストおよびセブン・ステップ・ガイドに関する詳細解説
・セブン・ステップ・ガイドを用いた演習

授業の運営方法

・PCを用いた講義
・関連する視聴覚教材の視聴やグループ討議を行うこともある
・演習(結果は、各自まとめて提出))

学習課題 予習・復習

・提出:課題2(電子的提出)
・復習:セブン・ステップ・ガイドを使った事例分析の練習(60分)
・次回に向けた予習:課題 3(Agora上でのケースメソッド事例の倫理的問題構造、事実関係、ステイクホルダーなどの把握)(100分)


課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)

Q.上司から、内容が懸念されるドラム缶の中身を「川に流せ」と指示されたら、貴方/貴女は...
A.(解説および全体討議前の反応ですので、原則としてコメントは控えます。良くお読みいただくとわかりますが、「1」あるいは「2」を選択している方の中にも、実質的には「3.その他」を選択している方が多いことにご注意ください)

1.流す

13名(26.0%)

2.流さない

25名(50.0%)

3.その他・無回答

12名(24.0%)

1.流す

・技術者としてのプライドを優先[すること]よりも上司から睨まれることの方が嫌だと思うから。
・その判断を行う時点では、課長が言っていることが確信を持って謝って[「誤って」の誤変換]いると判断できないため。
・たとえ環境に悪くてもようやく就職できた場所を手放すのは惜しいためしぶしぶでも従うしかないと考えたため。
・会社に残り、居場所を失くしたくないので、上司の命令に従う。
・会社の中では、穏便にいたいから。
・仕事がしたい
・仕事は続けたいし、詮索しなければ自分には関係ないから。
・指示に従うだけ
・自分のキャリアが大事だから(上司に逆らうのは怖いから)
・上司の圧が怖いから。だが、あまりにもあまりにも量が多い場合は、少しだけ流して、あとは気づかなかったということにして、残しておく。
・部下の手柄は上司のもの、部下の責任は上司のものとなる可能性があるから。 [確かに]
・立場上、流さざるを得ないので、命令された内容を録音するなどの対応を行ってから流す
・流すことは流すが、流せといわれた会話を録音し、後日部長などに報告する。 [以上、実質的に「2.」ですね]

2.流さない

・この行動で被害を受けるのは国民であり、自分の上司より[後から事実が判明して]国民の反感を買うほう[方]が[本人および会社の]被害は大きいと考えるので流さない
・ドラム缶で密閉されているとしてもいずれはドラム缶がサビて中身が漏れ出す可能性があるから。
・ドラム缶の中に有害なものが入ってるかもしれないから
・ドラム缶の中身が分からないから。
・ドラム缶の中身にもし危険な物質などが入っていたら危険だから
・ながさない理由は、そのなかに入っているのは、人間の死骸かもしれないし、事件が起こった証拠品かもしれない。そのため、流し込んだら、その事件の加害者となってしまうからである。他にも人間にとって悪影響な物質や、生き物にとって悪影響なものも流してしまったら水俣病のような事例が発生するかもしれない為。
・もしもそのことが世間に明らかになってしまったら、自分はもちろんその会社自体の評価が下がってしまい、どのみちその会社に所属する意味がなくなってしまうため。
・やったとしたら、後々ずっと後悔していくことになるから
・やばい液体を流したことが外部にばれたときに、責任を押し付けられそうだから。
・一回その行為を行ったとして、また依頼されることが目に見えているから。また、いくら憧れていて、頑張って入社できたとしてもそのような行為に及んでいる会社の下では働きたくないと思ったから。
・過去に川に汚水を流し、それを誤って飲んだ人が後遺症の残る重傷を負ってしまうという事例を聞いたことがあったから。
・環境によくないことは避けて生活していくべきだから。
・技術者として間違いなくアウトな行為である。更にこの行為が明るみに出た場合十中八九責任を押し付けられるため。
・更に、上の立場の人や自治体に相談する、証拠は集める
・今後も同じことを頼まれ、もしメディアにばれた時に責任を押し付けられる可能性があるから
・自分のことが最優先だから
・上司との会話を録音し、中身を明らかにしない以上流すことはできないと言う。そのうえで中身を流すよう強制してきた場合、録音した音声を証拠として各所に告発することを考える。
・上司の命令とはいえ、今後このことについて責められるのは自分かもしれないため、やらない。
・新潟水俣病なども今回と同じ状況で起こったものであるとする。その時に今回の問いで文字流したら、水俣病やイタイイタイ病などの二の舞になる。結局会社が国民に恨まれて信頼を失ってしまうから。
・断る。後日もっと偉い人にこのことについて聞いてみる。
・中身が分からないなら環境にとって有害の可能性もあるため流さない。
・発覚したときのリスクが大きいため。
・明らかに悪いと思っていることを自らしたくない。また、大学院を修了しているならば、仮にクビになったとしてもよほど選択肢を間違えなければ再就職は可能であると考えたから。
・流さずに上司に恨まれたとしても、環境問題にかかわるような物質を川に流して、もしニュースになってしまったら、流すよりも会社にとって被害が大きくなるし、証拠隠ぺいしようとするような上司の下で働きたくないからいっそ異動や転職をしたほうが自分が働きやすい環境で働くことが出来ると思うから。
・流したら犯罪になるかもしれないから、今後のことを考えるとまだ上司に目を付けられるか[目をつけられるよりこの]会社をやめ[辞め]たほう[方]が良いと思ったから

3.その他

・その場から逃げて、証拠の写真などを撮影して公的機関などに通報する。
・その場では、自分が流さないようにしてやり過ごす。(逃げるなど)次があれば録音などで証拠を作って労基などに告発する。
・その日は何らかの理由をつけてその場を立ち去る。後日、ドラム缶の中身を調べそれが環境にどのような影響があるかを調べ場合によっては告発する(もしくは信頼できる相手に相談)。
・トイレに行くと言って逃げる。すると言って中身を流した場合は後日追及される可能性がある。また、しない選択をした場合は、なんだかんだ理由を付けられてやらされそうなので逃げる。
・怪我をしていて、重たいものを持てない演技をする。
・環境に良くない物質を川に流そうとした証拠を握って逃げて、メディアにリークする
・拒否したとしても、上司は他の人に頼んだり、なんとかして結局流すだろう。自分が流しても流さなくても流されるという結果が変わらないと想定できるので、流さずに評価を下げられるよりは流した方がいい。しかし、後から罪を擦り付けられるようなことが想定できればやらない。
・上司との会話を録音し会社に報告する。
・責任はすべて課長がとり[取り]、自分は命令されたことを強制的にやらされたという証拠を残して流す
・中身が分からないものを川に流すわけにはいかない、万が一中身が有害物質だとしたら今後環境問題になる可能性がある。しかし、課長の命令に逆らうと自分の立場が悪くなってしまう。流したとしても流さなかったとしても自分に良くない。そのため、私はこの現場からどうにかして抜け出せないかを考える。トイレに行くふりをしたり、体調が悪くなったといい抜け出すことを実行する。
・逃げる・・・自分に中身について言えないことから環境や社会に良くないものだと想像できる。もしそれが公になった場合、自分に責任がある可能性が高いと考える。一旦、その場から離れ、考えをまとめる。日本だと翌日に即解雇などは可能性が低いと感じているため、その場から逃げるのが最適と考えた。写真など記録を残しておくと後々、自分のためになりそう。
・命令された証拠をもって、逃げるか、もっと上の立場の人に言う。


今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載

・1つの問題に対して、その行動によっては環境や社員などの生活、会社自体にも影響を及ぼす可能性があることを知り、多くの答えがあるということを知れた [仰る通り、多方面から考える必要があるんですね]
・これから社会に出ていく身として、だめだと思う事を素直に行わないということを出来るのかなと感じた。 [確かに。それに備えるためにここでしっかり勉強しておきましょう]
・ジムニーが欲しい [なるほど。名車ですね]
・ジレンマ問題のジは2の意味だと初めて知った。3つだとトリレンマ問題というのも初めて知った。 [物理だと三体問題でしょうね]
・ジレンマ問題を誰もが納得できるような方法で解決するのは非常に難しいことだと思った。また、ドラム缶の話を聞いて、ドラム缶の中身について知っているのは課長だけなのかと疑問に感じたし、もし課長以外の人(上司)も知っているのだとしたら危ない会社だなと思った。 [ジレンマ問題の解き方にはコツがあります。後日ご説明します。後半はまったくその通り。]
・するかしないかの判断は意外と難しいということが分かった。 [でしょ?]
・セブン・ステップ・ガイドについて聞いてみてとても難しそうな話だなと感じた。前回の課題で、似たような内容があったが、とても難しかったと感じた。
・セブン・ステップ・ガイドに示されていることを意識することの重要さを知ることができてよかった。 [以上、すぐに頭に入る内容ではありませんが、確かに役に立ちそうですよね]
・どの問題も、どちらを選んでよいかわからず非常に興味深かった。 [そりゃそうです。簡単だったら勉強する必要はありません]
・もしドラム缶の中身を流すのを手伝った後に健康被害などが発生した場合にどうすれば責任逃れをできるのか気になる。 [責任逃れはできないでしょう。「自分が手伝った」という事実は頭から離れないので]
・会社に勤めたときにいい上司に巡り合いたいと感じた。 [そりゃそうです。有能な上司と無能な上司の下で働きましたが、後者だと本当に消耗しますよ]
・会社のジレンマ問題がたくさんあることが分かった [世の中には本当にたくさんあります]
・技術者になった時にどう考えないといけないのかの基礎的な所を知れた気がしたので、忘れないようにしたいと思った。 [ありがとうございます。忘れずに、ぜひぜひ]
・議論をすることで話を聞くだけよりも理解ができた [他クラスにはこのようなやり方に批判的な方もいらっしゃるのですが、ちょっとした考えを口にしてみる、そして他人と比較してみるだけでも割と冷静に慣れるものなんですね]
・公衆の安全・健康・福利を最重要項目とすること。そしてその後に、商品やコストなどについて考え、最後に自分のことを考えるというボジョレーさんの言葉にとても共感することができた。 [それは良かった。でも実際問題としてはそれを実現するのは大変です]
・今ならじっくり考え判断できるが、実際に直面して瞬時に判断しないといけね[「な」のタイプミス。「いけなかった」となる]かった時に冷静な判断が出来るようになりたい [その通り。だからこの科目が存在するのです]
・今回の講義で感じたことは、ドラム缶やおぼれて死ぬような内容に自分も直面したら私は、ペットボトルを投げて、一回呼吸のできる形をとって、周りに警察を呼ぶ。ドラム缶では、私も流さないという判断をする [ペットボトルは極めて良い選択だと思います]
・今回の授業では自分に物事の選択権が来た時について取り上げていたが、私は社会に出ても出来るだけ自分の考えを押し通せるようにしたいと感じた。 [ぜひ、そのように。ただしそのためには、相手の考え方も理解する必要があるんですね]
・今回の授業で学んだことは、自分の立場になって物事を考えると人のために、会社のためにさまざま考えることができるようになった。 [素晴らしい。まったくその通りです]
・今回の授業で公衆の安全・健康・福利については必ず覚えておかなければならないことであると理解できた。 [ホントに、これだけは暗記してください]
・今回の授業を通して技術者の倫理を学んだが様々な考え方があり、とても難しいことだと感じた。いくつかの事例について考えたが、実際に自分がその立場に立った場合と今この場で考える考えはその時の気持ちや焦りなどを考えると同じような答えを出すことは難しいと感じた。ステークホルダーと価値を考えるところでまずは公衆の安全・健康・福利を大切にするべきだと学んだが実際に自分がその価値を優先して、結果的に自分の人生が破滅してしまうとしたらそれを優先することも難しいだろうと感じた。とても多くの考えがあり複雑で難しいものが倫理だと感じた。 [たくさん書いていただきありがとうございます。まったくその通りですね。これからのためにもこの講義でちゃんと勉強しましょう]
・自身がやっていることを周りが知ったらどうなるのか、第3者からの視点で見ることが大切だとわかった [これはステップ5の「公開テスト」そのものです]
・自分が行為と結果のどちらを重視しているかを理解できた。自分がどんな考えで判断しているかを振り返るいい機会だと感じた。 [まったくその通りですね]
・自分だけでなく、ほか[他]の人の安全、健康、福利を含めて考えなければいけないことを強く意識しなければいけないと思った。 [その通り。それができないと、相手も動けないんですね]
・自分は功利主義者なのだなと今回の授業で気づけた [なるほど]
・実際にあるかもしれない事例をもとに倫理的に考えることがどういうことなのかを学ぶことができた。 [ありがとうございます。でも今日の問題は練習なので、実際はここまで酷くありません(このような企業は長く存在できないので)]
・実際に問題に直面したときにしっかりと倫理的に判断できないかもしれないと思い怖くなった [だからこそ、この科目で事前に勉強しておこうというのです。ワクチンの予防接種のようなものです]
・車は、ダイハツ・ミライースが欲しいです。 [なるほど。イメージしやすいんでしょうね]
・授業に出たような会社には、入りたくないと思った。
・上司のドラム缶の話を聞いて、企業を選ぶときは気を付けようと思った [以上、もちろん。そのためには企業を見極める力も必要ですよ]
・前回の課題でわからないと思いながらやっていた部分の詳細がはっきりと分かったので良かった。 [でしょ? 大変だったと思いますが、だからこそ比較的すんなり頭に入ったんですね]
・特になし [はい]
・突発的な事象が起きた場合、正気が保てず合理的な判断が下せないので、このように冷静に倫理的な考え方をすることができる機会が新鮮である。 [前半は誰だってそうです。だからこそこの科目で勉強するんです]
・難しかった。 [お話ししたように、特に最初は禅問答みたいで難しく感じると思います。そのうちにだんだん慣れてきます。「習うより慣れろ」ですよ]
・予習なしではかなり難しい内容だと思った。 [予習の課題は大変だったと思います。でもその苦労があればこそ割とすんなり入ったんですね。ご苦労様でした]
・様々な立場から、様々な価値の実現を達成するために、できる限り波風の立たない方法を考えなければならないと思った。 [非常に賢明なご意見です。普通はこの時期にそこまで理解は進みません。素晴らしい]
・流すか流さないかの問題で、考えなければいけないことが多すぎて難しかった。 [気持ちはわかる。でも、それが現実の社会です]
・倫理について、技術者倫理があるならば、経営者側にも経営倫理があるはずだと思った。そして、その二つの倫理の違いや対立する状況があるのか疑問に思った。 [素晴らしい。もちろん経営倫理は存在します。講義の後半で取り上げます。教科書では第4章です。興味があれば先に読んでみてください]
・倫理は視点を変えることで意見が変わることが分かった。また、いろんな視点で倫理を考えられるようになりたいと思った。 [見方の件は、でしょ?]
・倫理的な問題というものがどういうものなのかが説明を聞いていたがよく分からなかった。 [最初は難しく感じます。繰り返していくうちに徐々に慣れます。焦る必要はありません]
・倫理的に考えると様々な行為のどの過程で考えるかが重要になることが分かった [素晴らしい。まったくその通りですね]
・倫理難しい [今日の部分は特に難しかったと思います。前述(↑)しましたが、徐々に慣れますから焦る必要はありません]


西村が担当する授業の様子は、<nishimura-sensei.net>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。


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