2022年5月26日更新
3EP1クラス
第6回:2022年5月26日 学習内容/授業の運営方法/学習課題(予習、復習)/課題の解答/今日の一言
・グループ討議(続き)
・討議結果の発表
・PCを用いた講義
・与えられた事例に関するグループ討議
・討議結果の発表
など
・復習:課題3(Agora上での ケースメソッド事例に関するより深い検討)(120分)
・次回に向けた予習:教科書の精読(140分)
課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)
Q.グループ討議や全体での発表、討議、当方からのコメントの結果、前回の個人的な感想は変化しましたか? あるいは見落としていた点に気づきましたか?
A.(原則としてコメントは控えます)
1.(ある程度)変化した 38名(67.9%)
2.(あまり)変化しない 17名(30.4%)
3.無回答 1名( 1.8 %)
1.(ある程度)変化した。あるいは見落としている点があった
・とりあえず責任を逃れようと考える人が多かったことに驚いた [これも一種の集団思考の結果だと思います。次回補足します]
・はじめは目先の利益と上司からの圧力に負けて問題ないと報告していたと思っていたが、今では技術者の観点から考えて虚偽のない報告は大事だという考えになった。
・ビデオの違和感が社内、請負元とのコミュニケーション不足にあるということが気づかなかった [他にもあります。次回ご説明します]
・もし自分がその立場になった時こうなってしまったらこうしようとか対策をするのが必要だと分かった。
・リコールになると会社の損害は大きくなることはわかっていたが、想像以上だった。 [アップルだから全数交換ができたんですね。またそれは、長い目で見た時の信用、信頼関係を重視しての判断だと思われます]
・安全性を重視するための行動が自分が考えていた以上にあったこと。(保険や延期分の損失は会社でカバー)
・一社員が会社の上層部に直談判するのが難しいという発想が抜けていた [社内での直談判はある程度可能です。この件は講義全体の最後の方でご説明します]
・一度試すという発想がなかった。二択しかなかった自分の視点が狭いことに気づけた。
・会社の利益を考えずに自分の意見を出すのが会社にとって不利益になると思った。
・会社間のコミュニケーションを見落としていた
・会社全体の空気がそもそもおかしい点。コミュニケーションがとれていない。
・会社同士のコミニュケーションという視点は思いつかなかった。
・会社内外のホウレンソウや、危機管理能力、が、普通社会にいたら存続できないようなずさんな内容だったこと
・見落としていた点として、初めてリーダーを任される主人公の能力が足りていたかどうかがあった。また、重視すべき法令等に関しても、PL法や元請との契約の関係がある事にも気づくことが出来た。 [素晴らしい。仰る通り、真田さんにも問題があります。この点は次回補足します]
・事故が発生したとき[時]責任は誰がとるか、また、被害者への賠償はどのように行うか。 [個人の責任ではなく、会社の責任です。また開発の詳細によって、元請と下請の賠償金負担具合も変わります]
・自身のことばかり見ていて他のことがあまり見れていなかった
・自分では考えつかなかった条件つきの意見あった。
・自分のことばかり考えていたので劇中に登場した上司の娘など社員までは最初考えが至らなかった。 [上司の娘ですが、翌朝出勤した時には昨晩のケーキを喜ぶ新しい写真になっていました。実際には無理です]
・自分の会社だけではなく、元受けとの信用問題にはきずけていなかった。
・自分の立場からでもいくつか対応策をとることができるとわかった。
・若手の育成としてリーダーを任せるのは良いことだが、今回の事象では経験の浅いリーダーに任せきり(過度な押し付けのよう)に感じた。勿論どの条件で問題が生じるのか明確に分かってはいないが、幾ら育成の為とはいえやり過ぎな気もしていた。グループ討議では、発熱する条件を言及して延期を提案し。もし受け入れられなければ注意表記を付け、解決次第リコールするという、全く考えつかなかったことに気づかされた。 [この点については次回補足します]
・主人公の部署だけでなく、会社全体が腐敗している可能性があった
・少しだけなら良いという事はなく、可能性を無くさないといけないことを理解した。
・上司の指示通り行動するという意見だったけれど、話を聞いたら、その中でも、問題が起きた際、金銭面は保険で解決したり、延期するという意見の中にもリコールを行ったりと方法がいくつもあることに気づけました。
・上司の命令どうりに行動した・指示に背いた行動をした両場合において、行動したことによる会社やユーザーへの損害をどのように賠償していくのかを見落としていた。また、そもそもの会社の悪い点だけでなく、元受け会社の悪い点についても見落としていた。
・上司の命令に従うことから、商品発表を延期することに変わった。動画を見た直後では、問題の原因が明確されていなかったため、まずは、延期せずにそのままに商品発表を行なってその後に問題解決すると考えた。グループ議論で、利益又は自分のためではなくユーザの安全にも考える必要がある。 [ユーザー対応そのものは良くあることですが、程度が問題です。今回の商品は完成度が低すぎます]
・真田がまともなデータを一つも上げていないので、それはそれで延期にしたりするのも難しいなと感じた。しかし、いつか失速するであろう会社という評価は当たっていた。
・責任の問題は上司との会話を録音していれば済むことを見落としていた
・前回の問題で学んだ、問題が起きた時にイベントなどでは保険によって賠償金などを解決していることや上司との会話を録音して保身に走るといった方法を見落としていた。
・前回は自分に責任が及ばないようにしてそのまま発売するという考えだったが、公衆の安全健康福利を考えて発売の延期を訴えるという考えに変化した。
・地域ごとに安全に対する価値観が異なることをあまり意識していなかった
・注意書きによって販売と再開発を同時に行うという考えを見落としていた。
・追い詰められた人間はまともな思考ができない [その通り。ここまで追い詰められると、良い案は出せませんねぇ]
・難しい問題だと感じた、日や気分によってコロコロ意見が変わってしまいそうになる。 [気持ちはわかる。でもそれだと長い目で考えて行動することができません。自分なりの基準を持ちましょう]
・保険での対策を見落としていた。
・目先の利益と遠い目で見たときの利益では、その後の対応が違うのだと知ることができた。
・問題の原因調査に対する人数や時間は足りないとは思ってはいたが、モニターなどを利用して問題を調査し、発表延期に対する説得材料にするという考えは思いつかなかった。
・初めは,意見が通らないと思い発売する流れで考えていたが,議論の後には上司への説得材料を探すなどの意見で延期を検討する考えに変わった.2.(あまり)変化しない。あるいは見落としている点はあまりなかった
・あまり良い解決策がないこと。段階がここまで進んでしまったらなかなか引き返すことも難しい。あとで困らないためにも、自分の関わるもの(プロジェクトや個人の活動)では色々なことを想定して、多くの検証をしていきたい。 [まったくその通り。ここまで追い詰められると適切な対応はほぼ無理です。もっと早い段階でリスクに気づき、適切に対応すべきだったんですね。この点については次回補足します]
・どっちをとっても責任が自分のところに来る [たとえば、上司にきちんと報告すれば、それ以降は基本的に上司の責任です。自分が責められることはありません]
・みんなで意見があったのでそこまで変わることがなかった。 [素晴らしい]
・やはり会社間の対応や製品作成のチーム間での情報交換の無さが浮き彫りになっている。
・ユーザーの安全が一番大切だという事
・会社内での意見の風通しが悪いことがビデオを通してわかっており、この企業には入りたくはないと感じた。 [そうですよねぇ]
・見落としていた点はほとんどなく、リスクを犯してまでプロジェクトを実行しようとしている事実は変わらなかったため2を選んだ。 [素晴らしい]
・最初からおかしな会社であると思っていた。 [こちらも]
・事故が起きた際の経営的損出やブランド的損出のほうが、納期を延期したときの損出より大きくなりうるという点は見抜けていた。
・自分が見抜いていた部分と班の人たちが見抜いていた部分が一緒であったため意見の変化はなかった
・上司が元請との関係ばかり気にして,開発側の事を考えられていなかった点
・上司が報告書を作れと言った時点で言質はとれていた [確かに]
・前回考えたときにほぼすべての意見を考えることができていた。 [素晴らしい]
・発売してしまった後の信頼性低下や損害の大きさ
・発売を延期して問題の原因を解決することによって、当初の予定通り発売して不具合が起こった時よりも損害が少なく済むと考えていた。
・百万石の件、公衆の安全・健康・福利という言葉からユーザの安全第一という主張は変わらなかった。
・部署や上下での関係が良好ではなくコミュニケーションが円滑にできないような職場であることは見抜けていたと思う。3.無回答
・技術者は会社の存続に大きく関係があることを再認識した。
今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載
・あまり考えが変わらなかった。もう少し議論を深めて、問題解決に向けて協議していきたいと思う。 [最後にもう1回大きな議論をします]
・アメリカやヨーロッパの人々が、プロダクトに対してどのような安全意識を持っているのか疑問に思った [日本人のようにジメジメと考えるのではなく、割と割り切っていると思います]
・グループ議論で、他のメンバーと話すことにより色んな価値観を学べた。
・グループ討議で自分では気づかなかった点がでてきてなるほどなと感じた。 [以上、それは良かった]
・この授業をするたびに社会人になりたくないと考えるようになりました [最後に愚女の事例をご紹介しましたが、社会、そして企業はもっとまともですよ。だって、そうでなければ存続し続けることができません]
・こんな会社には就職したくない。 [もちろん。頭がおかしくなると思いますよ]
・しっかりとしたグループ討論を行うことが出来た。全員が意見を出し合ってた。 [素晴らしい]
・タカタのことについて社長の立場の重要性を知れた。
・タカタのリコール問題は知っていたが、倒産したことまでは知らなかった。企業の信頼関係がいかに大切かを理解できた。
・タカタの映像を見て恐ろしさを感じた [お話ししましたが、事件発覚当時はフランス人の社長でした。決してフランス人だからというわけではないのですが、少なくとも社内のコミュニケーションはうまく取れていなかったようです]
・どんなことでも言い合える職場に就職したいと思った
・ブラック企業は気を付けたい [以上、もちろん。そのためにはしっかりと企業を研究してみてください]
・一定の水準は、必ず満たすべきだと感じた。 [その通り。今回は無理です]
・会社の経営上の信頼性を重視した際、ユーザー側からの信頼性を考慮するのか、企業間での提携を行う上での信頼性を考慮するのかで、意見が異なっていたのが面白いと感じた。 [長い目で見れば、両立するはずです]
・会社はユーザーにとって危険なものを販売してはいけないと思った。 [もちろん。ただし問題はその程度、つまり線引き問題です]
・会社採用でコミュニケーション能力が重要な理由を深く理解することができた。 [なるほど]
・企業に所属するということは、自分一人で背負う責任も学生の時より大きくなるということが分かった。 [その通りなのですが、味方を変えると組織での責任ということになります。今回の事例のように特定の個人にすべての責任を負わせることはありません]
・技術的問題があったら絶対に止める意思が必要であることが分かった。 [基本的にはその通り。ただし完璧な製品もないので、前述(↑)したように線引きが問題になります]
・議論が白熱して楽しかった。意見が違う人と言葉を交わすことで得られることも多いと感じた。 [でしょ]
・具体性や自分のこと以外のことも考えないといけないと思った。 [その通り。それをできるのがオトナです]
・公衆の安全、福利などを考えるとやはり会社がどんな状態だとしても調査期間を延期するべきだと思った。 [基本的にはその通りでしょうねぇ]
・講義の回数を重ねる毎に考え方が技術者になってきたと感じる。 [素晴らしい]
・今回の議論では,会社同士の関係や状況を客観視することが大事であることが分かった. [その通り]
・今回の講義を通して、問題を隠し通すことは完璧にできる可能性が低い割に、ばれた際のリスクがけた違いに大きいと感じた。 [そうなんですね。隠蔽するということは自らそのリスクを抱え込むということです]
・今回の討論で自分なりの意見を発表することで来ていたので良かった。 [それは良かった]
・今日の授業は本当に人生で起こってしまいそうなことであるから現実性があった。 [ありがとうございます。でもここまで追い詰められるとあまり適切な対応は無理です。もっと早くリスクに気づくことの方が大切です]
・思いつかなかった事実や意見を知った時、とてもおもしろいと感じた。 [素晴らしい]
・事実関係を整理していくと、新たな視点や盲点が見えてくるということを改めて感じた。 [実はそれがセブンステップガイドなんです]
・自分の意見とは異なる意見が多く、多様な解決策を見ることができておもしろかった。 [確かに]
・実際にそういう状況になったと考えてしまうと恐ろしいと感じた。 [気持ちはわかりますが、最後に愚女の件をお話ししたように、実際の企業はもっと健全です]
・社会人って大変だと思った。
・社会人になりたくないと思った [以上、社会人は大変ですが、やり甲斐もあります。きっともう少しするとわかるようになると思います]
・主人公の能力が足りていないと思った。後輩に話をすれば少なくとも人手は2倍になりまだやりようがあったと思う。 [まったくその通り。この点については次回補足します]
・商品が売れないと思うから発売をやめるという考えはなかった [話をなかったことにする、という意味でしょうか?]
・少しのミスも許されない世界だという事が分かった。 [ただしハードソフトともに、完璧な製品はあり得ません]
・精神状態がまともでないと思考がおかしくなることを意識して生活しようと思う。 [その通りですね]
・製品で不具合などが発生したときはできるだけ迅速に対応する必要があると感じた。 [こちらも、別な意味でその通り]
・前回の件も今回の件も安全を捨てたらとんでもないことになるなと感じた。 [これは功利主義的な発想ですが、結果として大損してしまうんですね]
・早め早めの対応が非常に重要であることを感じた。 [それは良かった]
・他の人の意見がすごく参考になった [でしょ?]
・多角的な視点が必要だと感じた。 [そうなんです]
・討議の進行が難しかった。
・討議をしていると時間が過ぎるのがとても早く感じた [以上、大変だったでしょうが、その分濃密に考えることができたんじゃないでしょうか]
・討議を通じて、自らの考えを明確にできたと思う。 [素晴らしい]
・働きたくなくなった [最後に愚女の件をご紹介しましたが、実際の企業はもっとまともです。次回ご説明します]
・複数人での話し合いでも難しかった。自分だけでは気付かないことも複数人なら気付けるが、それを受けても改善ができないことは多くあることがよく分かった。 [残念ながら構造的な問題になると、特にそうです。もっと早い段階でリスクを認識して対応する必要があるんですね]
・物を作るにはお金が必要で、改良を繰り返せば自然とコストも増えていく。コストを抑制すれば利益に繋がる一方安全性が心配になるし、安全性をゆうせん[優先]するならば改良や素材変更が必要となる為に、コストや時間が増える。ソーラーブラインドで石川さんの「問題の起こらない機械なんてない」という発言には同意しますし、どんな機械でも使用環境(気温・室温、湿度、部屋の大きさなどの要因)や経年劣化によって支障をきたすこともある。コストをとれば経営にさほど影響は無いし、一方で安全性をとれば環境ごとの一般的な対策(特殊な状況で無い限り)や劣化(錆び・塗装が?げる)しにくい改良を施せる。まさしく両者どちらもというのが難しいジレンマ問題だと改めて気づかされた。 また今回の講義を聞いて、海外の企業は大胆でチャンスがあれば何でもするようで、一方日本の企業はチャンスがあっても慎重に物事を考えて選択を行なっていると思った。確かに性能が良くても値段が高ければ売れるか心配で、反対に手頃な値段でも性能が悪ければ問題が起きてもおかしくない。日本のように物事を慎重に進めるのも重要だが、海外のように色んなもことにチャレンジする精神は企業(経営)成長にも繋がる。その点で日本は(勿論全てではなく国内にはチャレンジ精神で活躍する企業もあるが)、良い意味で慎重派、悪い意味で他の国に後れを取っていると言えるだろう。長文失礼しました。 [仰る通りで、変革期になると特に日本の弱みが強く出ます]
・問題が起きた際の解決方法がいろいろあったり、さまざまな意見を聞いたことで気づきになりました。
・問題を未然に防ぐには,コミュニケーションをこまめにとる事が重要であることが分かった.
・様々な班の意見を見ることができて、自分にはないものがいくつかあったためとても勉強になった。
・利益とリスクをどうとるのか。製品の安全性や問題点、企業の把握していること等が、自社内、企業間との関係で重要になってくると分かった。 [以上、有益なディス火ションだったようで、何よりです]
西村が担当する授業の様子は、<nishimura-sensei.net>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。