2021年6月9日更新

3EP1クラス
第8回:2022年6月09日 学習内容授業の運営方法学習課題(予習、復習)課題の解答今日の一言

学習内容

・なぜ、科学技術者倫理が求められているのか

授業の運営方法

・PCを用いた講義
・関連する視聴覚教材の聴講

学習課題 予習・復習

・提出:課題4(120分)
・復習:第7〜8回で学んだことについての考察の深化(60分)
・次回に向けた予習:教科書の 精読


課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)

Q.お弁当屋さんを例に出して、アダム・スミスの「神の見えざる手」のご説明をしました。このケースで「神の手」がうまく機能しなくなるのはどんな場合?
A.(講義内でご説明したので、原則としてコメントは控えます)

・(二つの弁当が競争している状態で)一つの弁当のほうが無人販売を行い人件費を削減したら、人件費分安くなるのでその弁当の原価が変わり、均衡を保つことができなくなる。 [無人販売は良いアイディアですよね。自動販売機にすれば、初期投資はかかりますが、人件費はほぼ不要になります]
・1つの企業が市場を独占し、競争相手がいない場合。
・1回買うと次の購入時に少し安くなるような割引券などを配布するといった客にとってお得になるようなものを発行する。
・500円の弁当がすでに売り切れている場合
・500円の弁当を買い占めて全部1000円で売る。誰も並んでいないとき
・KIT弁当が売り切れてしまい、ほかの離れたところにも買いに行く時間がないとき。
・KIT弁当で食中毒が起こったり、臨時休業したりしたら西村弁当が売れる
・KIT弁当より多く仕入れることでその分の利益を得ている
・おかずを選択制にして、値段を固定化する。 [なるほど。アラカルト方式ですね。ただし今回の問題設定からは逸脱していますが]
・お弁当の材料が入手しにくいとき
・お弁当屋さんがそこにしかない
・お弁当屋さんの競争は、店員の品性や立地、売っている者や量などによって競争が起きるため、正常に成立するといえる。競争が成立しない場面では、災害が起きた際にはどのお弁当屋さんにも需要があり、同じくらいの価値があるため競争しない。
・かなり混んでいて時間がない時に高くても買う場面がある。
・その商品の市場が寡占状態にあるとき。 [その通り、独占あるいは寡占状態ではこのような現象が起きます]
・そもそも両店に人が全く来なかったとき。
・どちらかにかなり悪い印象がある
・悪いうわさが流されたら競争が成立しない
・安いほうが売り切れの時
・一度に大量に仕入れることで原価を抑え、KIT弁当側の原価より低い値段で販売する。 [問題設定からは外れますが、利益率は大切ですよね]
・一方がその商品を占領した時
・一方が世間に信頼されていない場合
・学校からお弁当の無料配布。
・競争は成立しないとおおわれ[「思われ」のタイプミス]る。なぜなら、販売側のサービスの有無によりその商品に対しての価値が変わってくるからである。
・競争相手が少ないなどの理由で寡占状態になっている状況
・協力して片方の店だけで交互に高値で売る。 [これは一種の「談合」ですよね]
・市場を独占しているときは、競争がそもそも起こらない。
・自社の弁当と何かしらのアニメなどとコラボしたとき
・質も量も同じ弁当を半分の値段で買えるのであればほとんどの人はそれを選ぶと思います。
・上の企業に値下げを止められる
・場所や店による付加価値や需要に対して供給が足りていない場合
・成立しないと思います。新規顧客を増やすため、他社の商品と比べてありえない値段(商品原価や原材料費のみなど)で販売するとき。
・赤字覚悟で他の店では出せない値段にいきなり変更する。 [以上、一時的には可能ですし、実際に行われる場合もあります。ただし長続きはしません]
・相手が休業しているとき
・相手の弁当屋がやっていない時に売る
・相手の弁当屋に工作し評判が落とされたとき
・損益分岐点がそれぞれの会社で違うため、下げられる費用に限界が来た場合
・待ち時間の長さの違いがすごくある時
・他の店では再現できないオリジナリティやブランドがあると,いくら値段を下げようが競争が発生することはないと考える.
・値段が高い方が安い方を買い占めて、自分の所の値段で売る。
・値段の設定に規定がある場合成立しない
・値段を好きに設定でき、商品を独占できる状態。
・買占め,相応の付加価値があったとき,周囲からの評価
・売っている商品の中身が全く同じでないときや客が全然いないとき
・売っている弁当の中身が違うとき
・美味しい弁当が出来てバカ売れするとき。
・評判が異なるとき
・複数の弁当屋があった場合、具材や大きさ(または寿司などの専門的なもの)が異なり種類も豊富で各店舗に特色があるため、均衡が保たれている。それが少数になった場合に一種の寡占状態になり、利益を上げるため価格競争が起こる。またそれが単独になった場合に独占状態となり、悪どい方法では破格の値段となり歯止めが効かなくなる(この場合は家で弁当を作る人が増えて、利益がとれなくなると思う。反対にガソリンスタンドなど他で代替不可の場合は、反乱が起きうる)。このような場合に上手く機能していないとされる。または前者では消費者が安価な物を求める中で販売者が高価格に設定していたが、もし消費者が高価なものを求める場合は、高度経済成長期やバブル時代のようなことが起きるのかもしれない(あくまで推測なので間違っていたらすみません)。 [いえ。バブル期は実際にこのようなことが起きていました]
・片方にブランド力がある場合、信頼性が高い場合
・片方の店の立地が悪かったり、店員の態度が悪すぎたりなど、店を取り巻く環境が悪すぎるとき。
・片方の弁当屋が発注ミスをし、原価など無視して価格設定をする場合は競争にならない。
・弁当の需要が少ないとき
・例えば弁当屋さん同士で契約をして両方とも1000円で売ればもうかる。また、ご飯を食べるところがその弁当屋しかない場合はいくら高くしても売れるため値段がどんどん高くなっていく可能性がある。 [これは「談合」ですね]


今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載

・お金のことも考えて生活するようにしたい。 [学生時代にお金に関係するのはアルバイトくらいですが、社会人になると自分で見通しを立てて行動する必要があります。その点は今から意識しましょう]
・お弁当屋さんが競争をしないためには、同じ価値や需要を持ち合わせるような事態が起きないといけないのだと感じた。 [いろいろな表現が可能ですが、一種の棲み分けですよね]
・グローバル化が進む現代では、海外の価値観や文化を理解することが重要である
・グローバル化などこれまでと異なる社会の仕組みに追いつかなければならない。
・グローバル化において文化の違いを理解することが大切だと思った
・グローバル化における弊害があるとは思ってもいなかった。
・グローバル化について改めて考えさせられた
・グローバル化に対応していこうと思いました。
・グローバル化に伴いこれからの自身の行動がすごく影響していることが分かった。
・グローバル化の定義とグローバル化に対応できるように技術者としてはどんなの能力を身につけるべきかを学べました。
・グローバル化の前に,自国の状況や考え方を知ることが大事であると思った.
・グローバル化は英語を話せるだけでなく文化の理解も重要であることを思った。
・グローバル化もよいことばかりではないことを感じた
・グローバル社会において重要なことは何か考える良い機会だった。 [以上、今日の内容はふだん考える機会がない話題だったと思います。ただしお話ししたように、皆さんの将来と直結しています。これを機会に考えてみるようにしてください]
・これから先の日本が心配になる話で、気が滅入った。 [気持ちは、わかる。残念ながらセンセイも同じ心境です。ただしこの国の将来と、皆さん自身の将来は、もちろん関係はしているものの直結しているわけではありません。ぜひご自身の感性と能力で将来を切り開いてください]
・どこの国も赤字になっている [そうなんですねぇ]
・一般論者は時にはだめだということが分かった。 [見方を変えると、ご自身のことを考えていない(可能性がある)ということなんですね]
・企業が利用できる、税制上の特例を設けることが国内経済に及ぼす影響は大きいと感じた [確かに]
・企業の内部留保が膨らんでいることや、GAFAをはじめとした国際的な企業がお金を吸い取っているのだと分かった。国際化のより進む将来では、壁の花ではなく積極的に動きコミュニケーションをとることが出来るように、今からでも語学力やコミュニケーション能力の養成が必要なのだと感じた [挙げられた要素のすべてが大切です。頑張ってください]
・企業の内部留保などの話がためになりました。 [びっくりしたでしょ?]
・基準を作る側が最強だと改めて知れた [まさにその通り。ヨーロッパ、そして戦後のアメリカは、自分達に都合の良い仕組みを作ることで覇権を握ってきたんですね。残念ながら我が国は...。トホホ]
・規範や法律は守るべきものであり、破れば相応の罰が下される。でもこの世に全ての法律を守っている人はいるのか。自動車で何処かに行く時に高速道路や一般道で、制限速度を超えずに走っているのか。住宅街を自転車走行中で急いでる時に一時停止の標識がある場合はまだしも、各交差点でいちいち停まって確認するのか(流石に言い過ぎました、すみません)。規範や法律は厳守であり、その範囲や対象・効力は市町村によっても変わってくるものである。規範重視も良いが、それに集中しては精神的に疲弊してしまうだろう。かと言って、規範無く何でもして良い訳でもない。規範と感情の中で調整することが大切だと思った(曖昧な考え方です)。 [先日、鳥取県の智頭町を訪れた際、駅前の信号機のないT字路で、すべての車が横断歩道の手前で完全に一時停止していました(道路交通法にそのような指示はない)。びっくりしました]
・経済を回すためは様々な企業が絡み一筋縄ではいかないと感じた。 [確かに]
・経済関係の不祥事を聞いたとき他人事のように感じなかった [それはご自身の問題として考え始めたからです。言い換えると、貴方/貴女が成長しているということですよ。過信はいけませんが、自信は持ちましょう]
・現在の日本の経済状況について知ることができた。 [残念ながら非常に厳しい状況で、OECD諸国の中で一番後ろ付近を歩いています]
・国のお金が消えているように感じるのは一部の富裕層や国境という概念を超えた企業によるものという話は知らなかったので面白かった。
・国の予算について赤字である理由やそのお金の行き先を初めて知った
・国家で考えるのにも限界があると感じた。 [以上、約400年続いた「国民国家」の枠組みが崩れつつあるんですね。同時に、各国とも新しい国家観を示すことにも成功していません。しばらくこのような状況が続くと考えられます]
・今回の講義を通して、産業はいろいろな形をとっていると分かった。 [それは良かった]
・今回の授業を通じて、グローバル化が進んでいる社会の仕組みをしれて面白い反面不安に感じる部分があった。 [気持ちは良くわかります。でもできるだけその全貌を客観的に捉えて、次にご自身はどうするのかを考える必要があります。この機会にぜひ考えてみるようにしてください]
・今回はグローバルな話題で少し難しかった。 [そうだろうと思いますよ。焦らずに進みましょう]
・今度のチーム分けで嫌いな奴と一緒にならないことを望みます [わかりました。乱数表にお祈りしてください(実際にはPC上の乱数を使用)]
・今日の講義では、世界と日本の経済状況を考えると、自分の将来やりたいことをどこの会社で行うのかを見極めることが大事になってくると分かった。 [それは良かった。ご自身の問題ですよ]
・今日の授業の話にあったように、赤字の国は多いがどこへお金が消えているのかという話で、企業がお金を借りずに利益を貯金しているというのが最近話題になっている「貯金じゃなくて投資」という話に似ているなと思いました。 [その通り。ただし(設備)投資をする場合は、今後の見通しが大切です。個人はともかく、国内の企業や日本国がそれを示すことができない状態なんですね。この状態での投資は、ほぼ博打と同じです]
・今日は国の経済状況そして歴史について勉強になりました。 [ありがとうございます。ご自身の将来の問題ですので、これを機会に考えてみるようにしてください]
・思ったより[自分は]世の中のことが分かっていないと実感した。 [皆さんは学生なんですから、それが普通です。センセイだってこのように考えるようになったのは比較的最近です]
・将来について真面目に考え直す必要があると感じた。
・将来の働き方を考えさせられる授業だった。 [以上、ご自身の将来の問題です。これを機会に、これからずっと考えるようにしてください]
・神の[見えざる]手がおもしろかった。身近なこの現象にこんな名前がついていることを初めて知ったが、これを神の手と表現する偉人がすごいと思った。 [肖像をお見せしたアダム・スミス(1723-1790)の『国富論』に登場する言葉です]
・世界のお金の動きを知ることができた。
・世界の経済などについて深く学び、社会の授業感があった。グローバル化が進んだ環境でどう生きていくかを考えるきっかけになった。 [以上、講義前のイメージとずいぶん違ったんじゃないかと思います。予想外にご自身の将来と直結していますので、これから考えるようにしてください]
・世知辛いなと感じた。 [ある意味、確かに]
・特に無し [はい]
・内容的にはとても簡単であったが本当に弁当の話が起きたときどう対応していいかが分からなかった。 [その時点では適切な対応はできないだろうと思います。いろいろな物事の枠組みをすでに設定されているので。他の方(↑)も指摘していらっしゃいましたが、仕組みを作ったものが勝ちなんですね]
・難しすぎる [多分そうだろうと思います。焦る必要はありませんが、ご自身の将来の問題だということは頭の中に入れておいてください]
・日本がアメリカの犬になったと再確認させられた。 [その形容が適切かどうかは別にして、少なくとも第二次世界大戦後はその状態が続いているんですね]
・日本と他の国の違いが興味深かった [予想とかなり違ったんじゃないでしょうか]
・日本以外の国も赤字であることに驚いた。 [ほとんどの国が赤字のはずです。国家がお金を支出して、安全保障に加えて社会保障や財政、雇用を調整するという「福祉国家」(経済面では計画経済と市場経済を混合する「混合経済」)の考え方です]
・日本社会や世界の仕組みを少し知れて面白かった.公用語はずっと英語だと思っていたが,フランス語やラテン語だった時代があったと知り驚いた. [ドイツ語が公用語になったことはありません]


西村が担当する授業の様子は、<nishimura-sensei.net>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。


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