2022年6月16日更新
3EP1クラス
第9回:2022年6月16日 学習内容/授業の運営方法/学習課題(予習、復習)/課題の解答/今日の一言
Reflections 1
(専門分野特有の問題に関する志向倫理的検討)
・PCを用いた講義
・関連する視聴覚教材の聴講
・予習・復習:課題5(90分)
・予習:課題6(Agora上でのケースメッド事例の倫理的問題構造、事実関係、ステイクホルダーなどの把握)(100分)
課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)
Q.1. ビデオ「ギルベイン・ゴールド」を視聴して、最初に何を感じましたか?
A.1. (グループで議論をする前の状況です。次回議論しますのでコメントは控えます)
・[工場長兼副社長が]Zコープは雇用者も多く市に貢献していると言っていたが、健康被害を重視しなければ本当に市に貢献しているとは言えないのではと感じた。
・いいことをしたはずなのに報われない
・ジャクソンの行動が良いと思った
・ジャクソンの上司であるフィルポートの責任するべきだと感じた、エンジニアとしての役割を考えずにビジネスのことを考えすぎた。
・ジャクソンの判断は正しいと感じた。
・ジャクソンは良心に従うことができ、立派だと思うが、職を失い、生活はどうなったのか気になる。
・ずっと意見をぶつけているのにモラル的におかしいことを分かっていない人たちが多いと感じた。
・そもそも、国の基準から10倍ほど厳しい基準でやっているので国基準であれば何ら問題のない数値にはなっている。市が誘致するにあたって、重金属が流出することも事前に知っていた筈だ。なぜ一般家庭の下水と一緒くたにして処理したスラッジを肥料として販売しようとしたのか、よくわからない。市の水質管理部門が水云々のことを言っていないということは、処理された水は安全であるということ、ならば重金属の混ざったスラッジを販売している市の問題のはずであるのに、会社の責任になるのは意味が分からない。ましてや市の指定した処置で基準を守っているなら、問題はないといったのは市であり、そこを変えるのであれば会社だけではなく市も費用を捻出するべきだと考える。どちらにせよ、デイビッドに対して法的処置をとるなどの勧告は不当であるし、今回の騒動は市の怠慢が招いたものであるのは明らかだと考える。
・だいたいの内容はわかった
・ディビットがかなりかわいそうな役回りをしていると感じた。
・ディビッドがかわいそうだと思った
・ディビットの行動は正しいが、自分の職を犠牲にすることになるため、勇気ある行動だと思った。
・マスコミは時には敵になり,時には味方になるんだなと思った. [この件に関しては次回、実体験を補足すると思います]
・何が正解か分からないが、ジャクソンはよくやったと思う
・会社、市ともに、問題があり、どちらの問題も何かを犠牲にしないといけないため頭が痛くなるような感じがした。
・会社が規定を違反しているのを隠そうとしている中で、責任感を感じて意見を言っている主人公がすごい[凄い]なと思いました。
・会社と論理とで板挟みになるととても大変だと感じた。
・会社に入ると上の圧力に押しつぶされて自分の意見も通らないことがあるのかと思った。内部告発をすることで市民の健康をも守ることができたのでかっこいいと思った。
・会社の上層部が盲目すぎると感じた。
・環境を考えず行動していることはどうなんだろうかと思う。
・関わる人が多くなると、様々な立場が生まれ、一筋縄ではいかなくなってしまうのだろうと感じた。
・企業では、生産計画通りに目指すしており、仮説の問題が起きえる可能性があるとしても明確な原因を見つけなければ、問題を一旦後にして計画通りに生産できるように最優先することが感じた。
・企業として生産も重要であるが、一企業であるからには、周囲の人々のことも考えなければならない。主人公のとる行動として最適だったかは分からないが、少なくとも市民の為にはなる行動であったとは思う
・技術者としての倫理観を現代の企業は採用するべきだと感じた。
・告発しても悪者、告発しなくても悪者という状況をが最悪だった。公益通報者保護法があったとて告発したという事実は変わらない。厳しいものがある。
・市が悪いのにジャクソンがクビになって理不尽
・市が定めた基準と検査方法では制限値を超えなかったとしても、それより正確な方法で基準値を超えているならば、条例を見直すべきだと思った。
・市民を守るために首になるしかない主人公が可哀想。
・時系列がバラバラでわかりにくかったと感じた。 [その通りです。だから時系列順の情報を提示しました。次回、議論の際にも提示します]
・自分の意見を曲げずに会社に主張し続けるのか、会社の指示通りのことを行い、自分の意見を主張しないままにするのかという判断は難しいと感じた。
・自分の良心だけに則って行動できない主人公の悩みを想像して、自分は陥りたくない状況だと感じた。
・自分を犠牲にして被害を少なくするという判断は難しいものだと感じた。
・主人公たちの葛藤がとても伝わった。
・主人公の押しが強く、じぶんの[自分]意見をはっきり言っていて、職責に則った行動をしていると感じた [アメリカの社会は基本的にこのような考え方です]
・主人公は汚染問題に対して危険性を感じているが会社側はごまかそうとしている。
・主人公は理不尽な状況でも最善の行動を探すのによく頑張ったと思う。
・上司が全く取り合ってくれなくてかわいそうだった
・上司や工場長などが主人公の立場も考えてあげるべきだと思った。
・人物が混乱したが、内容的には大体把握することができた。前回のビデオでも感じたが、企業間の問題にはジレンマ問題がつきものなのかと感じた。
・生産量が増えるのに排水処理について対策をしていないのも問題だが、市が動いていないことが一番の原因だと思う。
・声の年齢の違いが気になりすぎてなかなか集中できなかった
・責任のある立場でも考えが異なり、実際に判断を下す立場の人は反対するが、明るみに出ても一旦は責任を問われない、責任を押し付けることが可能な立場の人は取り合わないと感じた。
・責任転換のオンパレードであり、正しい人が損をする世の中を良く再現できると思った。
・線引き問題難しさ感じた
・毒を流しているという事実を重く受け止めるべきだと感じた。
・被害がどれだけ出たか、問題はうまく解決したのかが、分からなかった。ディビィドは内部告発を行ったことにより、仕事がなくなったので、家で過ごしていると考えられる。
・必死さが伝わってきた。
・部署や立場の違いで意見の相違が明確であったと感じた
・問題が公になれば会社への負担がより大きくなるので多少の負担をしてもシステムを改修するべきだと思った。
・問題になっている点はなんとなく理解したが,時系列がよく分からなかった [時系列については上記(↑)ご参照]
・有害物質を垂れ流しているのに危機感がない人が多すぎると感じた
・立場の違いで考え方が全く違うと感じた。
Q.2. 「ギルベイン・ゴールド」をご覧になって、個人的にはジャクソンのように内部告発すべきだと考えましたか? あるいはそうではないと考えましたか?
A.2.(グループで議論をする前の状況です。次回議論しますのでコメントは控えます)
1.内部告発する 32名(62.7%)
2.内部告発はしない 17名(33.3%)
3.その他 2名( 3.9 %)
1.内部告発する
・クビになり、今後の就職先がなくなる可能性があっても、毒を流し続けて世間から批判され、エンジニアの資格を剥奪されるほうが今後の生活に悪影響を及ぼしそうだから。
・さすがに署名をするのが自分だった場合責任がかなり重いと思うので告発する。
・ジャクソンが優秀なエンジニアであるなら、将来的に考えた時に内部告発をしたほうが良いと思ったから
・その他の方法が思いつかないから
・どちらにせよ[話が既に]詰んでいるので、環境を守る選択をする。
・やはり自分の仕事も大切であるがその問題が明るみに出たときに責任を取ることが出来ない。そう考えると内部告発して間違っているということを言ったほうがいいと思った。
・悪いことは悪いと言いたい
・会社から首を言い渡されるのは嫌だが、それ以上にもし問題が発生し、それで市民の健康に被害があったとして、その責任を背負う方がつらいと感じるため
・会社をクビになったとしても利用する人達のことを考え、今すぐに改善する必要があるから。
・間接的に人[=公衆、市民]に害を与えている状況に耐えきれないから
・企業の利益を最大化にして市民の生命を無視することがいけないのです。主人公が言った道理に、現在の排水は自然に流せれており、多くの市民に影響する可能性が高くてまるで毒を流すような行動をしている。技術者としては、安全を第一にするべきだ。
・技術者として、社会の安全性を取ることと、バレた時に報道になると、会社ではなく社会で生きづらくなるため。
・技術者として市民の安全と健康を守るため内部告発する
・後々問題になるという不安を抱えておきたくないから。
・公衆の安全のために告発し、働けなくなったら海外で働くなり、家で農業をするなりしたらいいと思う。
・最終的には自分の責任になるので、内部告発すると思います。
・自身の力で解決できないのであればそうするしかないし、強制的に調査に乗り出してもらえればどういった対応をとるべきか判断をとれると考える。
・自分がダメだと思ったことを実行することは必ず今後の役に立つ。また、後悔することになる。
・自分が技術者失格になるよりはましだと思ったから
・自分が告発したとバレないように、匿名で告発を行う。
・自分の立場上、企業側にも自治体側にも付くことができないから
・自分の良心に従うと、内部告発をし正しいことをすると思う。社内からの評価より、全世界の人達からの評価の方が私にとっては大切だからだ。
・他の人のためなら何でもしようと思ったから
・他人が同行[おそらく「どうこう」]は知ったことではないが、自分に責任を及びそうな事柄は対策するべきだと考えるから。
・内部告発しなければ、エンジニアの資格を失い、結果的に職を失うので、告発する方がいろんな点から良いと考えるから
・内部告発することで、会社がクビになり、また、会社の社会的な信頼と利益を莫大に下げることになるが、それにより大多数の市民の安全が保障される方が結果としては良い方であると感じるし、内部告発しなかった場合、どちらにしろ世間から責任を負わされることにもなるが、市民の安全を最優先すべきであるため、内部告発しないのは良くないと感じたため。
・内部告発せずにそのままであった時の自分の社会的立場がどんどん下がるので告発する。副社長や市の見解を録音しておく。
・内部告発をしない場合でも、技術者としての責任を取らなければいけなくなるので、後悔の無いような行動を取る。
・内部告発をしなかったときに基準超えが露見してしまった場合のほうが取るべき責任が多いと感じたから。
・黙秘していても制限値を超えていることが何処からか情報が漏れ、いずれ制裁を受けるだろう。それよりも自分から告発する方がより早く悪行を止められると思った。ただ現代では公益通報者保護法、内部告発した人に対する不当解雇や不利益な扱いを禁止する等の法律があるが、当時は無いと思われるため、不当な扱いを受けることになるだろう。 [すでに市当局は基準値を超えていることを把握しています。これは推測ですが、マスコミは市当局から情報をリークされたのではないかと思われます]
・問題が明らかになるのは時間の問題だし、なによりも自分が罪の意識に押しつぶされてしまうと感じたから。
・倫理観のない企業にいてストレスになるよりは事実を公表してやめることの方が正しいと思ったから。2.内部告発はしない
・[内部告発]する方が大変だと感じてしまう。
・一応、市のルールは守っているから。
・合法ではあるから
・市が問題視していないことも問題であるため,時間をかけて現在の汚染物質の問題解決に取り組む.
・私にはその勇気がないので、講義の文面は残すが基本的に何もしない。
・自信が離職してしまうから
・自信の保身のために会社内でことを収めようとする
・自分の職を今すぐ失ってしまうような判断はできないと思うから。
・自分の職を失ってしまえば元も子もない。汚染の危険性をもっと伝えるべき
・失うモノがありすぎるため
・職を失う可能性が高く、市の基準値は満たしているため。
・先ずは社内に対して問題の事実をしっかりと確認させ、改善できるのであればさせる。出来ないのであれば公益通報し、市民の健康を守るように行動するべきであると考える
・多少量が多いくらいでは問題にはならないと感じるから
・内部告発はできないと思います。自分の会社での立場を考えてしまうので意見は言うが、内部告発まではできないなと思います。
・内部告発をした者を雇う企業はほとんどないと考えたから。
・問題があるのは市の法律であるため、黙っている。
・問題が起きたとしても,市が許容していた為,こちらの責任にならないのでは思うから.3.その他
・そのまま[会社を]やめて[辞めて]フェードアウトしたい。
・録音して、会社が解決に応じないことを示す。
今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載
[次回の議論に影響を与えないために、原則としてコメントは控えます]
・きらいな奴とは違うチームに慣れてうれしかったです [お祈り(?)の甲斐があったかも。でも実社会に出ると避けようがない場面がいくらでもありますよ]
・こうはなりたくない。
・なかなか難しい内容のビデオを見て、これからこの内容に関して考察していくのが楽しみだと感じた。
・ビデオの内容が少し難しかった
・ビデオの内容が難しくなってきたのでしっかりと考えていきたい。
・フィクションであってよかったと感じた。
・やはり、会社の利益と論理を同時に満たすことは難しいことだと感じた。
・温暖化について何が正しい情報かが分からなくなった
・温暖化の話がためになりました。
・何を信じていいのか分からなくなってくる [この方も温暖化でしょうね]
・会社として、問題になるのも嫌だけど、会社のせいで、人の健康に影響を及ぼすのも嫌だし、難しいなと思いました。
・会社の利益と個人の要求を同時に満たすことはできない場合がある。
・会社はビジネスだけではなく環境に対しても考えなければならない。
・会社側に主人公の頼れる人がいないのが問題だと思った。
・環境に対する双方の価値観を擦り合わしておく必要があり、どういった対応が正解なのかを周りと相談しながら判断すべきであると思った。
・企業内で技術者が持っている厳しいプレッシャーを感じた。
・基準より少し超えているならフィルターをもう1枚追加すればいいのではと思った。
・技術も大切だが倫理観もそれ以上に大切だと思った。
・言っていたほど難しい内容の動画ではなかった。 [素晴らしい。当方が最初に観た時は葺き替え版はもちろん、字幕スーパー版もなかったので、ホントに何が何だかわからなくなりました。この間の事情については次回タネ明かしします]
・後ろの席になって、見にくいと思うことが増えたなと感じた。 [すみません。なおビデオはこれが最後です]
・考えるのが難しいビデオだった。
・今までで一番ビデオの内容が難しかったが、なんとなくは理解することが出来たので次回の議論で理解が及ばなかった箇所を理解したい。
・今まで習ってきた環境問題の常識とはずいぶん違いがあるのだなと思った
・今回のビデオでは、その周辺の人々の生活がどうなるかといった今までよりも一番大きな問題なので、よく考えていきたいと感じた
・今回のビデオを視聴して、内部告発をすると自分は会社をクビになるが、しなかったら技術者として責任を取らなければいけない中で、自分だったらどちらを選ぶかを考えた結果、内部告発をして、後悔の内容に行動すると考えた。
・今回の話を聞いて[技術者は]責任が重いと感じた。 [今回は化学ですが、情報系でも本質は同じですよ]
・市民の為の行動も重要である。内部告発者が守られることも、社会のシステムとして必要なのだなと感じた
・視聴するビデオはいつもいいところで終わるので結末まで見てみたい [すみません。続きはありません。倫理、道徳の教材では定番の手法です]
・自分で正しい判断をするために、データを正しく読む力を身につけることが重要であると感じた。
・新しいグループはたくさん喋ってくれる人で助かった
・新しい班で話せてよかった [以上、それは良かった]
・新しい話題に関しては、行政が定める法律や条例が必ずしも適切ではないことが比較的多いと感じた
・人の命に係わる仕事は大変
・正しい者は損をする
・前回のビデオも今回のビデオも両方とも長身[おそらく「上司」のタイプ、変換ミス]に従うことの大切さを感じるビデオだった。上司からの圧はやはり相当重いものだということを改めて感じた。
・大学とビジネスとでは考え方に乖離があるという意見に一理あるなと感じた.
・地球環境問題の情報は,情報操作されているんだなと思った.
・長いビデオは首がつかれます。前の方の席はつらいです。 [ご苦労様でした。長いビデオはこれが最後です]
・動画の状況が難しすぎて頭が痛くなるように感じた。
・特に無し [はい]
・内部告発者がもっと保護される社会であってほしい。
・難しい選択だとおもった
・日本では仕事を辞める際に、仕事を次の人に渡す引継ぎが行われますが、アメリカでは独自の経営哲学的理論が存在すると言われ、それは「市場競争に後れを取る、経営破綻したくなければ、引継ぎはするな」というような文言です。古い方法で続けて同業社(者)に後れを取るより、前には無かった新しい業務(企画や作業方法など)を行うことが大切だとされています。またカリフォルニア(違う州でしたらすみません)では、法の範囲(宗教や性別、人種、年齢、中毒や障害等)で個々の雇用契約が明示されていない場合、雇用主は労働者の解雇、労働者は辞職を、何時でもどんな理由でもして良いという物があります。勿論法の範囲外となる解雇理由となる場合は、不当解雇で損害賠償が発生します。ただ誰でも解雇できるという訳でも当然無く日本と同じように、当人に非がある場合は勤務欠勤の証拠等、当人以外の非の場合は例えば人員削減のため等といった理由を出す必要があったと思います。(以前の知識なので現在変わっているかもしれません) [良くご存じですね。アメリカは解雇しやすいと同時に、転職しやすいなど、流動性の高い国です(ちなみに再挑戦の機会も多い)。それが成長の源であると共有されています]
・問題が起きた時の対処が技術者にとってどれだけ大切かわかった
西村が担当する授業の様子は、<nishimura-sensei.net>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。